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在宅療養中の方が便秘により自力での排便が困難な場合に、訪問看護師による摘便は適切な排便管理の重要な手段であり、実施の間隔と基準を理解することで苦痛を最小限にした排便ケアを受けられます。
この記事では訪問看護での摘便の間隔と実施基準の考え方を解説します。
摘便とはどのような処置か
処置の内容を、把握しておきましょう。
摘便とは、直腸内に貯留した便を看護師が指を使って取り出す医療的な処置です。
自力での排便が困難な方、便秘が重度で下剤では対応しきれない方、脊髄損傷などにより排便反射が障害されている方などに対して行われます。
摘便は医療行為であり、訪問看護師が主治医の指示に基づいて実施します。
家族やヘルパーが行うことはできません。
摘便の間隔の目安
間隔の目安を、見ていきましょう。
摘便の間隔は利用者の状態により個人差が大きく、一律の基準はありませんが、一般的な目安があります。
第一の目安として、3日から4日に1回の間隔で実施するケースが多くあります。
排便が3日以上ない場合に摘便を検討するという基準を設けている場合が一般的です。
第二の目安として、脊髄損傷の方は2日から3日に1回の定期的な排便管理が行われることがあります。
排便反射が障害されているため、決まった間隔で計画的に摘便を行い排便リズムを作ります。
第三の目安として、週2回から3回の訪問看護時に排便状況を確認し、必要に応じて摘便を実施するパターンがあります。
訪問日に合わせて排便管理を行う方法です。
第四の目安として、主治医の指示により個別に間隔が設定されます。
利用者の疾患、腸の状態、食事量、活動量、下剤の使用状況などを総合的に判断して、その方に合った間隔が決められます。
摘便を実施する判断基準
判断基準を、見ていきましょう。
第一の基準は、排便が一定期間ない場合です。
通常の排便間隔を超えて排便がなく、下剤や浣腸でも排便が得られない場合に摘便が検討されます。
第二の基準は、直腸に便が貯留していることが確認された場合です。
訪問看護師が腹部の触診や直腸診で便の貯留を確認し、自力での排出が困難と判断した場合に実施します。
第三の基準は、腹部膨満感や不快感が強い場合です。
お腹の張り、痛み、食欲の低下、嘔気などの症状が便秘により生じている場合は、苦痛の軽減のために摘便を実施します。
第四の基準は、便が硬く自力では排出できない場合です。
直腸内に硬い便(兎糞状便や硬便)が貯留し、いきんでも出ない状態の場合に実施します。
第五の基準として、以下の場合は摘便を避ける、または慎重に行う必要があります。
直腸や肛門に傷や炎症がある場合、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を服用している場合、痔が悪化している場合、腸管の術後で癒合が不十分な場合などは、主治医の判断を仰いだ上で実施するか中止するかを決定します。
摘便の頻度を減らすための排便管理の工夫
工夫を、見ていきましょう。
摘便は利用者にとって身体的にも精神的にも負担のある処置であるため、できる限り自然な排便を促すケアが重要です。
第一の工夫は、下剤の適切な使用です。
主治医と相談して、便を柔らかくする薬(酸化マグネシウムなど)や腸の動きを促す薬を適切に使用することで、自然な排便を促します。
訪問看護師が排便状況を記録し、主治医に報告して下剤の量や種類を調整してもらいます。
第二の工夫は、水分摂取の促進です。
十分な水分を摂取することで便が柔らかくなり、排便しやすくなります。
1日1000ミリリットルから1500ミリリットル程度の水分摂取が目安ですが、心臓や腎臓の疾患がある方は主治医に適切な量を確認します。
第三の工夫は、食事内容の見直しです。
食物繊維を含む野菜、果物、海藻、きのこ類を意識的に摂取することが推奨されます。
ヨーグルトや発酵食品で腸内環境を整えることも有効です。
第四の工夫は、腹部マッサージです。
訪問看護師がおへその周りを時計回りにゆっくりマッサージする方法を指導します。
家族にもマッサージの手技を指導し、訪問日以外にも実施できるようにします。
第五の工夫は、排便姿勢の工夫です。
トイレに座る際に足台を使って前傾姿勢を取ることで、直腸肛門角が広がり排便しやすくなります。
第六の工夫は、定期的な排便習慣の確立です。
毎朝食後にトイレに座る習慣をつけることで、排便反射を促します。
活用できる支援と相談先
支援を、見ていきましょう。
訪問看護事業所に「排便管理に困っている」と伝えれば、排便ケアのプログラムを組んでもらえます。
皮膚排泄ケア認定看護師がいる事業所であれば、より専門的な排便管理のアドバイスを受けられます。
ケアマネジャーに相談すれば、訪問看護の回数やタイミングの調整を検討してもらえます。
自立支援医療制度を活用すれば、通院医療費の自己負担を軽減できます。
障害年金の申請は、社会保険労務士のサポートを受けることが推奨されます。
保険の見直しは、ほけんの窓口や保険見直し本舗で無料相談ができます。
つらい気持ちが強まった時は、よりそいホットライン、いのちの電話、こころの健康相談統一ダイヤルに連絡できます。
まとめ
訪問看護での摘便の間隔は3日から4日に1回が一般的な目安で脊髄損傷の方は2日から3日に1回の定期的な管理が行われることもあり、主治医の指示に基づいて個別に設定され、下剤の適切な使用、水分摂取の促進、食物繊維の摂取、腹部マッサージ、排便姿勢の工夫、定期的な排便習慣で摘便の頻度を減らせる可能性があり、訪問看護事業所、ケアマネジャー、主治医、社会保険労務士、ほけんの窓口、よりそいホットラインなどの支援を活用しながら快適な排便管理を実現していきましょう。

