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「どこにいても居心地が悪い」「自分に合う場所が見つからない」「どこにも属せない気がする」――自分に合う場所がわからず、居場所を見失っている方は少なくありません。本記事では、自分に合う場所がわからない理由、その背景にある心理、居場所がないことの影響、自分に合う場所を見つけるための考え方、具体的な探し方、そして居場所を作る方法について詳しく解説します。
自分に合う場所は、すぐに見つかるものではありません。しかし、自分自身を理解し、試行錯誤を重ねることで、少しずつ「ここにいていい」と思える場所が見つかっていきます。焦らず、自分のペースで探していきましょう。
「自分に合う場所がわからない」とはどういう状態か
まず、自分に合う場所がわからない状態について理解しましょう。
よくある感覚
居場所がない感覚
- どこにいても居心地が悪い
- 「ここは自分の場所じゃない」と感じる
- 周りに溶け込めない
- 常に「よそ者」のような気分
- 「自分だけ浮いている」と感じる
- 本当の自分を出せない
- どこにも属していない孤独感
- 「帰る場所」がない感覚
よくある思考
- 「自分に合う場所なんてない」
- 「どこに行っても同じ」
- 「自分は変わっている」
- 「自分は社会に適応できない」
- 「みんなは居場所があるのに、自分だけない」
よく見られる行動
居場所を探し続ける
- 転職を繰り返す
- 引っ越しを繰り返す
- コミュニティを転々とする
- すぐに辞めてしまう
- または、諦めて動かなくなる
表面的な適応
- 本当の自分を隠す
- 周りに合わせすぎる
- 「演技」をしている感覚
心身への影響
精神的な症状
- 孤独感
- 疎外感
- 不安
- うつ
- 自己否定
- 無力感
- 「生きづらさ」
身体的な症状
- 不眠
- 食欲不振
- 疲労感
- 頭痛、胃痛
なぜ自分に合う場所がわからないのか
自分に合う場所がわからない背景を理解しましょう。
1. 自分自身がわからない
自己理解の不足
- 自分が何を好きか、わからない
- 自分が何を大切にしているか、わからない
- 自分の強み・弱みがわからない
- 「自分らしさ」がわからない
原因:
- 常に周りに合わせてきた
- 自分の気持ちを抑えてきた
- 他人の期待に応えることばかり考えてきた
2. 過去の経験
傷つき体験
- 学校でいじめられた
- 仲間外れにされた
- 職場で孤立した
- 家族の中で居場所がなかった
- 「受け入れられない」経験
結果:
- 「どこに行っても受け入れられない」という思い込み
- 人間関係への恐怖
- 「また傷つくのでは」という不安
3. 理想が高すぎる
完璧な場所を求めすぎる
- 「完璧に自分に合う場所」を求める
- 小さな違和感で「ここじゃない」と判断
- 妥協できない
現実:
- 100%完璧に合う場所はない
- どこにでも、多少の不満はある
4. 自己肯定感の低さ
「自分には価値がない」
- 「自分なんかが受け入れられるはずがない」
- 「自分には居場所を持つ資格がない」
- 「自分は特別ダメだ」
5. 変化への恐怖
新しい場所への不安
- 「新しい場所に行っても、また同じ」
- 「変わることが怖い」
- 「知らない場所は怖い」
6. 「普通」へのプレッシャー
「みんなと同じでなければ」
- 「普通に合わせなければ」
- 「自分の個性は受け入れられない」
- 「変わっていることは悪い」
7. 発達特性・気質
HSP(Highly Sensitive Person)
- 刺激に敏感
- 多くの情報に圧倒される
- 深く考える
- 多くの人が「普通」と感じる場所でも、疲れてしまう
発達障害(ASD、ADHDなど)
- 集団行動が苦手
- 暗黙のルールが理解しにくい
- 感覚過敏
- 「みんなと同じ」が難しい
8. 人生の過渡期
変化の時期
- 就職、転職
- 引っ越し
- 卒業
- 結婚、離婚
- 子育て
- 退職
変化の時期は、一時的に居場所を見失いやすい
9. 社会的孤立
繋がりの不足
- 友人が少ない
- 家族との関係が薄い
- コミュニティに属していない
10. 価値観の違い
周りと価値観が合わない
- 「みんなが大切にしていることが、自分には大切じゃない」
- 「自分の大切にしていることを、誰も理解してくれない」
居場所がないことの影響
居場所がないと感じることは、様々な影響をもたらします。
1. 精神的健康への影響
孤独感からの問題
- うつ病
- 不安障害
- 社交不安障害
- 孤独感による精神的苦痛
2. 身体的健康への影響
ストレスによる身体症状
- 不眠
- 免疫力の低下
- 慢性疲労
- 生活習慣病のリスク増加
3. 人間関係への影響
関係構築の困難
- 深い関係が築けない
- 表面的な付き合いだけ
- 孤立
4. 自己実現の妨げ
能力を発揮できない
- 「ここは自分の場所じゃない」と思うと、能力を発揮できない
- 挑戦できない
- 成長できない
5. 人生の質の低下
生きづらさ
- 幸福感が低い
- 「生きている意味」がわからない
- 毎日が辛い
自分に合う場所を見つけるための考え方
自分に合う場所を見つけるための基本的な考え方を紹介します。
1. 「完璧に合う場所はない」
60点で良い
- 100%完璧に合う場所はない
- 60%合っていれば良い
- 「ここも良くない」と完璧を求めすぎない
2. 「自分を知ることから始める」
自己理解が第一歩
- 自分が何を好きか
- 自分が何を大切にしているか
- 自分の強み・弱み
- 自分の心地よいペース
3. 「居場所は一つじゃない」
複数の居場所
- 仕事だけが居場所じゃない
- 趣味のコミュニティ
- オンラインコミュニティ
- 家族、友人
- 複数の「小さな居場所」を持つ
4. 「居場所は見つけるものではなく、作るもの」
受け身ではなく、主体的に
- 「ここに自分の居場所がある」と待つのではなく
- 「ここを自分の居場所にする」と決める
- 自分から働きかける
5. 「試行錯誤が必要」
すぐには見つからない
- いろいろ試してみる
- 合わなかったら、次
- 失敗ではなく、学び
6. 「自分らしくいられることが大切」
本当の自分を出せる場所
- 演技をしなくていい場所
- ありのままの自分でいられる場所
- 「自分らしさ」を大切にしてくれる場所
7. 「小さな居場所から」
大きな居場所じゃなくていい
- 数人の仲間
- 一人の親友
- 小さなコミュニティ
- 小さくても「ここにいていい」と思える場所
8. 「時間がかかる」
焦らない
- 居場所はすぐには見つからない
- 時間をかけて、ゆっくり
9. 「違和感を大切にする」
「何か違う」という感覚
- 「ここは違う」と感じたら、それも大切な情報
- 何が違うのか、考える
- 自己理解が深まる
10. 「自分の居場所を持つ権利がある」
誰にでも居場所が必要
- あなたにも居場所を持つ権利がある
- 「自分には無理」と諦めない
具体的な探し方
自分に合う場所を見つけるための具体的な方法を紹介します。
1. 自己理解を深める
自分を知る
質問リスト:
- 何をしている時が楽しい?
- どんな環境が心地よい?(静か、賑やか、少人数、大人数など)
- どんな人といると楽?
- 何を大切にしている?(価値観)
- どんなことに興味がある?
- 何が得意?何が苦手?
- どんなペースが心地よい?
ノートに書き出す
- 思いつくまま書く
- 定期的に見直す
2. 小さく試す
いきなり大きく変えない
- まず、見学する
- 体験参加する
- 短期間から
- 「合わなかったら辞めればいい」という気持ちで
3. 趣味・興味のあることから
共通の興味でつながる
- 趣味のサークル、教室
- ボランティア
- スポーツチーム
- 勉強会
- オンラインコミュニティ
探し方:
- 地域の公民館、コミュニティセンター
- ジモティー、meetup
- SNS(Twitter、Instagram、Facebookグループ)
4. オンラインコミュニティ
顔を合わせなくても
- SNS
- オンラインサロン
- ゲームコミュニティ
- 趣味のフォーラム
メリット:
- 地理的制約がない
- 匿名性
- 自分のペースで
5. 働く場所を変える
職場が合わない場合
選択肢:
- 転職
- 異動
- リモートワーク
- フリーランス
- 就労支援施設(就労継続支援B型、就労移行支援など)
ポイント:
- 「何が合わないのか」を明確にする
- 次の場所を選ぶ基準にする
6. 住む場所を変える
環境を変える
- 引っ越し
- 田舎暮らし
- 都会暮らし
- シェアハウス
7. 少人数の関係から
大きなコミュニティが苦手なら
- まず、一人の友人
- 数人の仲間
- 小さなコミュニティ
8. 自分で作る
「ない」なら作る
- 自分で趣味の会を立ち上げる
- SNSでコミュニティを作る
- 「同じような人」を集める
9. 専門家に相談
カウンセラー、キャリアカウンセラー
- 自己理解を深める
- 選択肢を考える
- 決断のサポート
10. 就労支援を利用
働く場所を探す場合
- 若者サポートステーション(サポステ):15〜49歳対象
- 障害者就業・生活支援センター
- ハローワーク
- 就労移行支援:一般就労を目指す
- 就労継続支援B型:自分のペースで働く
11. ボランティア
社会貢献しながら
- ボランティア活動
- 地域活動
- NPO
12. 学びの場
学ぶことでつながる
- 大学、専門学校
- 社会人大学院
- オンライン講座
- 資格の勉強会
13. 一人の時間も大切にする
一人でいることも居場所
- 必ずしも「人の中」じゃなくていい
- 一人の時間、一人の場所も大切
- 図書館、カフェ、公園、自分の部屋
14. セルフヘルプグループ
同じ悩みを持つ人と
- うつ病の自助グループ
- 発達障害の当事者会
- HSPの集まり
- ひきこもりの家族会・当事者会
15. SNSで「同じような人」を探す
「#」(ハッシュタグ)で探す
- #HSP
- #発達障害
- #居場所がない
- 同じような悩みを持つ人とつながる
居場所を作る方法
見つけるだけでなく、居場所を「作る」方法もあります。
1. 自分から話しかける
受け身ではなく
- 自分から挨拶する
- 自分から話しかける
- 「ここにいたい」という意思表示
2. 継続する
すぐに辞めない
- 最初は違和感があっても、続けてみる
- 慣れると居心地が良くなることもある
3. 自分を出す
本当の自分を少しずつ
- 最初から全てを出さなくていい
- 少しずつ、本当の自分を出してみる
- 受け入れられる経験
4. 貢献する
役に立つ
- 何か手伝う
- 自分の得意なことで貢献する
- 「必要とされている」感覚
5. 感謝を伝える
「ありがとう」
- 感謝を言葉にする
- ポジティブな関係を作る
6. 境界線を引く
無理に合わせない
- 全てに合わせる必要はない
- 「これは違う」と思ったら、言う
- ありのままの自分でいられる関係
7. 時間をかける
焦らない
- 居場所作りには時間がかかる
- ゆっくりと
専門家のサポート
自分に合う場所がわからず、日常生活に支障がある場合、専門家のサポートが有効です。
1. カウンセリング
臨床心理士・公認心理師
- 自己理解を深める
- 過去の傷つきを癒す
- 考え方を見直す
2. キャリアカウンセリング
キャリアカウンセラー
- 働く場所を探す
- 自分の強みを知る
- キャリアプランを考える
3. 医療機関
心療内科・精神科
うつ病や不安障害などの精神疾患がある場合、医療機関の受診が必要です。
4. 就労支援機関
働く場所を探す
- 若者サポートステーション
- 障害者就業・生活支援センター
- ハローワーク
- 就労移行支援事業所
5. 自治体の相談窓口
保健センター・精神保健福祉センター
- 無料または低額で相談できる
よくある質問
Q1: 自分に合う場所なんて本当にあるのでしょうか?
あります。ただし、100%完璧に合う場所ではなく、「60%合っていて、ここにいていいと思える場所」です。完璧を求めすぎないことが大切です。
Q2: 何度も転職や引っ越しを繰り返してしまいます
「何が合わないのか」を明確にすることが大切です。毎回同じ理由で辞めているなら、自分の中に課題があるかもしれません。カウンセリングが助けになります。
Q3: 「自分らしさ」がわかりません
自己理解には時間がかかります。日記を書く、カウンセリングを受けるなど、自分と向き合う時間を持ちましょう。
Q4: HSPや発達障害の場合、居場所は見つかりますか?
見つかります。同じ特性を持つ人のコミュニティ、理解のある職場など、探せば必ずあります。
Q5: 一人でいる方が楽なのですが、それでも居場所は必要ですか?
一人の時間も大切な「居場所」です。無理に人の中に入る必要はありません。ただし、完全に孤立すると辛いので、「必要な時に頼れる人」は持っておくと良いでしょう。
Q6: 年齢的に今さら新しい場所を探すのは遅いですか?
遅くありません。何歳になっても、新しい居場所は見つけられます。
まとめ
自分に合う場所がわからないことは、自己理解の不足、過去の傷つき、理想の高さ、自己肯定感の低さなど、様々な要因から生まれます。しかし、自分自身を理解し、試行錯誤を重ねることで、少しずつ「ここにいていい」と思える場所が見つかっていきます。
重要なポイント:
- 完璧に合う場所はない(60点で良い)
- 自分を知ることから(自己理解が第一歩)
- 居場所は一つじゃない(複数の小さな居場所)
- 居場所は作るもの(受け身ではなく、主体的に)
- 試行錯誤が必要(すぐには見つからない)
- 自分らしくいられる場所(本当の自分を出せる)
- 小さく試す(見学、体験参加から)
- オンラインも活用(地理的制約がない)
- 専門家に相談(カウンセリング、就労支援)
- 時間をかける(焦らない)
自分に合う場所は、必ず見つかります。焦らず、試行錯誤しながら、自分のペースで探していきましょう。そして、居場所は「見つける」だけでなく「作る」こともできます。
あなたには、居場所を持つ権利があります。諦めず、少しずつ、自分の居場所を探して、作っていきましょう。
必ず、道は開けます。一人で抱え込まず、専門家や信頼できる人の力も借りながら、「ここにいていい」と思える場所を見つけていってください。
