お子さんの将来を考え、B型施設を探している保護者の方へ
障害のあるお子さんに合った選択をするために、まず知っておきたい基本ガイド
初めての方は、基礎知識と不安解消をセットで押さえると安心です。
まず読むべき基礎知識5記事
施設選びでつまずきやすいポイント5記事
精神科と心療内科はどちらも心の問題を扱う診療科ですが、実は専門とする領域や治療のアプローチに違いがあります。
多くの人がどちらを受診すべきか迷い、また両者の違いを明確に理解していないことが多いです。精神科は主に精神疾患を専門とし、心の病気そのものを治療します。
一方、心療内科は心身症を専門とし、ストレスや心理的な要因が身体症状として現れる病気を治療します。
ただし実際には両方の機能を持つクリニックも多く、看板に精神科と心療内科の両方を掲げている医療機関も少なくありません。
また患者さんにとっては精神科という言葉に抵抗感があり、心療内科の方が受診しやすいという心理的な面もあります。
本記事では精神科と心療内科の違い、それぞれが扱う疾患、どちらを受診すべきか、そして初診時のポイントについて詳しく見ていきます。
精神科とは
精神科は精神疾患を専門とする診療科です。心の病気そのものを診断し、治療します。
うつ病、双極性障害、統合失調症、不安障害、パニック障害、強迫性障害、摂食障害、依存症、認知症など、幅広い精神疾患が対象です。
精神科医は医師免許を取得した後、精神科の専門研修を受けた医師です。精神科専門医の資格を持つ医師も多くいます。
精神疾患の診断と薬物療法を中心に治療を行います。
治療方法としては、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、気分安定薬などの向精神薬による薬物療法が中心です。また精神療法カウンセリングや認知行動療法なども行われます。
精神科は主に心の症状を扱います。気分の落ち込み、不安、幻覚、妄想、意欲の低下、不眠、自殺念慮など、精神的な症状が中心です。
入院設備を持つ精神科病院もあり、重症の患者さんや自傷他害のおそれがある場合などに入院治療が行われます。
精神科という名称に抵抗感を持つ人もいるため、メンタルクリニック、メンタルヘルスクリニックなどの名称を使う医療機関も増えています。
心療内科とは
心療内科は心身症を専門とする診療科です。
心身症とは、ストレスや心理的な要因が大きく関与して起こる身体疾患のことです。心と身体の両方を診る、内科の一分野という位置づけです。
心療内科が扱う代表的な疾患は、過敏性腸症候群、機能性ディスペプシア胃の不調、緊張性頭痛、気管支喘息、高血圧、狭心症、アトピー性皮膚炎、慢性疲労症候群などです。
これらは身体症状が主訴ですが、ストレスが大きく関与しています。
心療内科医も医師免許を取得した後、内科や心療内科の専門研修を受けた医師です。心療内科専門医の資格を持つ医師もいます。
治療方法としては、身体疾患に対する内科的治療薬物療法、食事指導などと、ストレス管理やリラクゼーション技法などの心理的アプローチを組み合わせます。
心療内科は主に身体症状を扱います。胃痛、下痢、動悸、頭痛、めまい、疲労感など、身体的な不調が主な訴えです。ただしその背景に心理的な要因があることを重視します。
心療内科という名称は精神科に比べて抵抗感が少なく、受診しやすいという利点があります。そのため実際には精神疾患の患者さんも多く訪れます。
両者の違いのまとめ
精神科と心療内科の主な違いをまとめると、専門領域の違いがあります。精神科は精神疾患そのものを扱い、心療内科は心身症ストレスが関与する身体疾患を扱います。
主な症状の違いとして、精神科は気分の落ち込み、不安、幻覚、妄想など心の症状が中心で、心療内科は胃痛、頭痛、動悸など身体症状が中心ですが背景に心理的要因があります。
ルーツの違いもあり、精神科は精神医学から発展した診療科で、心療内科は内科から発展した診療科です。
アプローチの違いとして、精神科は心の病気を精神医学的に治療し、心療内科は身体と心の両面から総合的に治療します。
ただしこれらの違いは理論上のもので、実際の医療現場では明確に区別されていないことも多いです。多くのクリニックが精神科と心療内科の両方を標榜しており、どちらの疾患も診療しています。
また心療内科を標榜していても、実際には精神科的な診療が中心というクリニックも少なくありません。逆に精神科でも、心身症の患者さんを診ることもあります。
重要なのは看板の名称ではなく、医師の専門性と経験です。
それぞれが扱う主な疾患
精神科が扱う主な疾患は、うつ病持続的な気分の落ち込み、意欲低下、双極性障害躁状態とうつ状態を繰り返す、統合失調症幻覚や妄想などの精神病症状です。
また不安障害全般性不安障害、社交不安障害など、パニック障害突然の強い不安発作、強迫性障害強迫観念と強迫行為、PTSD心的外傷後ストレス障害も扱います。
さらに摂食障害拒食症、過食症、依存症アルコール、薬物、ギャンブルなど、認知症アルツハイマー型、血管性など、発達障害ADHD、自閉スペクトラム症なども対象です。
心療内科が扱う主な疾患は、過敏性腸症候群ストレスによる腹痛、下痢、便秘、機能性ディスペプシアストレスによる胃の不調、緊張性頭痛ストレスによる頭痛です。
また自律神経失調症めまい、動悸、発汗など、気管支喘息ストレスで悪化、高血圧ストレスが関与、狭心症ストレスが誘因なども扱います。
さらにアトピー性皮膚炎ストレスで悪化、慢性疲労症候群、不眠症ストレスによるなども対象です。
ただし繰り返しになりますが、実際の診療では厳密に区別されておらず、両方の疾患を診る医療機関が多いです。
どちらを受診すべきか
どちらを受診すべきか迷う場合、症状で判断する方法があります。主に心の症状気分の落ち込み、不安、意欲低下などがあれば精神科が適しています。主に身体症状胃痛、頭痛、動悸などがあり、内科で検査しても異常が見つからない場合は心療内科が適しています。
ただし実際には、両方の症状が混在していることも多いです。身体症状があって内科を受診したが異常がなく、実はうつ病だったというケースもあります。
明らかな精神疾患うつ病、統合失調症、双極性障害などが疑われる場合は精神科を受診するのが適切です。精神科の専門的な診断と治療が必要です。
心身症が疑われる場合は心療内科が適していますが、精神科でも対応可能なことが多いです。
迷ったときは、どちらでも構いません。多くの医療機関が両方を標榜しており、適切な診療科に紹介してもらえます。また最初にかかりつけの内科医に相談し、紹介してもらう方法もあります。
重要なのは、早めに専門家に相談することです。どちらを受診するか迷って受診が遅れることの方が問題です。
初診時のポイント
精神科や心療内科を初めて受診する際のポイントがあります。まず症状をメモしておくことが有用です。いつから、どのような症状があるか、どのくらいの頻度か、日常生活への影響などを整理しておきましょう。
過去の病歴や現在服用している薬があれば、お薬手帳を持参します。他の診療科で処方されている薬も含めて、すべて伝えることが重要です。
家族歴も重要な情報です。家族に精神疾患や心身症の人がいるか、思い出せる範囲で伝えましょう。
生活状況、ストレス要因についても聞かれることが多いです。仕事、家族関係、経済状況など、プライベートな質問もありますが、診断と治療に必要な情報です。
初診は問診が中心で、30分から1時間程度かかることがあります。時間に余裕を持って受診しましょう。
また初診時に必ずしも確定診断がつくわけではありません。経過を見ながら診断を確定していくこともあります。
リラックスして、正直に症状を伝えることが大切です。恥ずかしがったり、隠したりする必要はありません。
治療の内容
精神科や心療内科での治療は、主に薬物療法と精神療法心理療法の組み合わせです。薬物療法では、症状に応じて抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、抗精神病薬、気分安定薬などが処方されます。
薬は症状を軽減し、日常生活を送りやすくするためのものです。効果が現れるまで時間がかかることもあり、数週間から数ヶ月の継続が必要です。
副作用が気になる場合は、医師に相談して調整してもらいましょう。自己判断で中止すると、症状が悪化したり、離脱症状が出たりすることがあります。
精神療法としては、支持的精神療法話を聞き、共感し、支える、認知行動療法考え方や行動のパターンを変える、対人関係療法対人関係の問題を解決するなどがあります。
カウンセリングは、臨床心理士や公認心理師が行うこともあります。医療機関内で受けられる場合と、別の機関を紹介される場合があります。
また生活指導として、睡眠、食事、運動、ストレス管理などについてアドバイスを受けることもあります。
治療期間は症状や疾患により異なり、数ヶ月から数年、あるいは長期にわたることもあります。
精神科や心療内科への偏見
精神科や心療内科を受診することに抵抗感や偏見を持つ人は、残念ながらまだ多く存在します。精神科にかかるのは恥ずかしい、弱い人間だと思われるという誤った考えがあります。
しかし精神疾患や心身症は、誰にでも起こりうる病気です。風邪をひいたら内科を受診するように、心の不調があれば精神科や心療内科を受診するのは当然のことです。
また精神科にかかると記録が残り、就職や結婚に不利になるという心配もありますが、医療情報は守秘義務により保護されており、本人の同意なく他者に開示されることはありません。
精神科や心療内科を受診することは、自分の健康を守るための賢明な選択です。早期に適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、早く回復できます。
放置すると、症状が悪化し、日常生活や社会生活に深刻な影響を及ぼします。また二次的な問題うつ病から依存症になるなどを引き起こすこともあります。
周囲の理解も広がっており、メンタルヘルスの重要性が認識されるようになっています。偏見にとらわれず、必要なときに受診することが大切です。
内科との連携
精神科や心療内科と内科の連携も重要です。身体症状があって内科を受診したが、検査で異常が見つからない場合、心身症や精神疾患の可能性があります。内科医が精神科や心療内科を紹介することがあります。
逆に精神科や心療内科を受診していても、身体疾患が隠れていることもあります。甲状腺機能障害、糖尿病、貧血などが精神症状を引き起こすこともあるため、必要に応じて内科的な検査が行われます。
また精神疾患の薬と内科の薬の相互作用にも注意が必要です。複数の診療科にかかっている場合は、それぞれの医師にすべての服薬を伝えることが重要です。お薬手帳を活用しましょう。
心身症の場合は、心療内科と内科の両方で診てもらうこともあります。例えば、糖尿病のコントロールは内科で行い、ストレス管理は心療内科で行うという連携です。
総合病院では、各診療科の連携がスムーズです。クリニックの場合でも、必要に応じて他の医療機関を紹介してもらえます。
身体と心は密接に関連しているため、総合的な視点での治療が重要です。
オンライン診療の広がり
近年、精神科や心療内科でもオンライン診療が広がっています。新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、オンライン診療の規制が緩和され、多くの医療機関が導入しました。
オンライン診療のメリットは、自宅から受診できるため、外出が困難な人、遠方に住む人、仕事で忙しい人にとって便利です。また待合室で他の患者さんと会うことがないため、プライバシーが守られます。
一方でデメリットもあります。初診はオンラインでは難しく、対面診療が必要な場合が多いです。また通信環境により、診察の質が左右されることがあります。
オンライン診療は主に再診、経過観察、薬の処方などで活用されます。状態が安定している患者さんにとっては、通院の負担を減らす有効な手段です。
ただし緊急性が高い場合、状態が不安定な場合、詳しい診察が必要な場合などは、対面診療が必要です。
オンライン診療を希望する場合は、医療機関に問い合わせて、実施しているか、どのような条件かを確認しましょう。
オンライン診療とリアル診療を組み合わせることで、より柔軟な医療が可能になります。
セカンドオピニオン
精神科や心療内科の治療においても、セカンドオピニオンを求めることは可能です。診断や治療方針に疑問がある、症状が改善しない、医師との相性が合わないなどの場合、他の医師の意見を聞くことができます。
セカンドオピニオンは患者の権利であり、現在の主治医に対する不信や裏切りではありません。より良い治療を受けるための正当な行動です。
セカンドオピニオンを求める際は、現在の医療機関から紹介状や診療情報提供書をもらうとスムーズです。これまでの経過、検査結果、処方内容などが記載されており、新しい医師が適切に判断できます。
セカンドオピニオンを聞いた後、元の医療機関に戻ることもできますし、新しい医療機関に転院することもできます。選択は患者さんの自由です。
ただし頻繁に医療機関を変えるドクターショッピングは、かえって治療の妨げになることがあります。継続的な治療関係が重要なため、慎重に判断しましょう。
信頼できる医師を見つけ、長期的な治療関係を築くことが、精神疾患や心身症の治療には重要です。
まとめ
精神科と心療内科はいずれも心の不調を扱いますが、専門分野に違いがあります。精神科はうつ病や統合失調症など心の病気そのものを主に治療し、心療内科はストレスが原因で身体症状が出る心身症を中心に診療します。
ただし実際には両方を診る医療機関も多く、明確な区別がない場合もあります。
心の症状が強ければ精神科、身体症状が中心なら心療内科が目安ですが、迷ったら早めにどちらかを受診することが大切です。重要なのは診療科名よりも、信頼できる医師と継続的に治療を受けることです。

コメント