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新しい職場に入社した直後の研修期間は、業務を覚えるための大切な時期ですが、障がいを抱える方にとっては心身への負担が大きくなりやすい時期でもあります。
環境の変化、新しい人間関係、慣れない業務、緊張感の持続など、さまざまな要因が重なり、体調を崩して欠勤してしまうことは珍しくありません。
研修期間中の欠勤が続くと、自分は続けていけるのかという不安、企業に迷惑をかけているのではないかという罪悪感、クビになるのではないかという恐れなどが襲ってきます。
ここでは、研修期間中の休みがちな状況への向き合い方、企業や支援機関との関わり方、長期就労への道筋について解説していきます。
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研修期間中の欠勤が起きる背景
研修期間中に欠勤が増える背景には、いくつかの要因が重なっています。
まず環境変化による負担の大きさです。転職は生活の大きな変化をもたらすもので、新しい職場、新しい人間関係、新しい業務、新しい通勤ルートなど、同時に多くの変化に対応することになります。
障がいのある方にとって、こうした多重の変化は症状悪化の引き金となることがあります。
緊張の持続も大きな要因です。研修期間中は「ミスできない」「早く覚えなければ」というプレッシャーが続きます。周囲の目も気になり、常に気を張った状態が続くことで、心身のエネルギーが消耗していきます。
普段よりも睡眠の質が落ちたり、食欲が落ちたりすることで、体調全体が下降していくケースもあります。
新しい情報を吸収する負担も侮れません。
研修では多くの情報が一度に提供されることが多く、業務の手順、社内ルール、ツールの使い方、人の名前など、記憶すべき情報が大量にあります。発達障がいのある方、ワーキングメモリに課題のある方、精神障がいで集中力が低下している方にとって、こうした情報過多は大きな負担です。
対人コミュニケーションの負荷も、研修期間に集中しがちです。自己紹介、挨拶、質問、雑談など、初対面の人との関わりが連続することで、対人疲労が蓄積します。
特に社交不安障害、回避性パーソナリティ障害、発達障がいの方にとって、この対人負荷は通常勤務よりも大きい場合があります。
体調の波がある障がいでは、新しい環境に慣れる前に悪化の周期が来てしまうこともあります。
精神障がいは気候の変化、季節の変わり目、月経周期などの要因でも症状が揺らぐため、研修期間と悪化のタイミングが重なる事態も珍しくありません。
休んだことを責めすぎない
研修期間中に欠勤が続くと、自分を責める気持ちが強くなりがちです。「情けない」「甘えている」「やっぱり働けない」といった否定的な思考が頭を占めることもあります。
しかし、こうした自己否定は症状をさらに悪化させる要因となり、欠勤が長引く悪循環を生みます。
まず自分を責めすぎないことが大切です。
障がいがあることは事実であり、新しい環境への適応に時間がかかるのは自然なことです。他の同僚と比較するのではなく、自分のペースで少しずつ慣れていくことを目指す姿勢が、長期的な就労につながります。
体調管理は仕事の一部と捉える考え方も役立ちます。
欠勤しないために無理をして、症状を大きく悪化させれば、結果として休職や退職に追い込まれてしまいます。必要な休息を取ることは、怠けではなく、長く働き続けるための自己管理です。
休んだことで失われるものばかりに目を向けず、休むことで得られるものにも意識を向けましょう。
1日休むことで次の日に出勤できる、症状悪化を防いで長期就労を実現できる、治療に専念することで回復を早められるなど、休むことには前向きな意味もあります。
ただし、自己管理と言っても、休めば自動的に事態が解決するわけではありません。
休みがちな状況が続く場合、早めに対処を考える姿勢も大切です。一人で抱え込まず、職場や支援機関に相談することで、より建設的な道が見えてくることが多いです。
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職場への連絡の仕方
欠勤する際は、職場への適切な連絡が欠かせません。
連絡を怠ったり遅らせたりすると、職場での信頼関係を損ねることにつながります。体調が悪いときほど連絡が億劫になりがちですが、最低限のコミュニケーションは保つ努力が必要です。
連絡は始業前、できれば始業時刻の30分前から1時間前までに入れることが基本です。
電話での連絡が望ましいとされていますが、電話対応が難しい状態であれば、メールやビジネスチャットツールでの連絡でも受け付けてくれる職場が多くあります。事前に「体調不良時の連絡方法」について確認しておくと、当日に慌てずに済みます。
連絡の内容は簡潔でよいです。「本日、体調不良のため欠勤させていただきます。
申し訳ございません。明日以降の出勤については改めてご連絡いたします」といった程度の情報で十分です。症状の詳細を長々と説明する必要はなく、欠勤の事実と今後の見通しを伝えることが目的です。
復帰の見込みが立たない場合でも、連絡を絶やさないことが大切です。
「本日も引き続き体調不良のため欠勤させていただきます」という連絡を日々入れることで、職場も状況を把握できます。
見通しが立ってきたら「明日から出勤できる見込みです」と伝えることで、職場の業務調整に協力できます。
事後の対応も忘れないようにしましょう。
復帰した際には、迷惑をかけたことへのお詫びと、対応してくれた同僚への感謝の言葉を伝えることが、人間関係の維持につながります。「欠勤中はご迷惑をおかけしました。
フォローいただきありがとうございました」といった短い一言でも、印象が大きく変わります。
上司や人事担当者への相談
研修期間中の欠勤が続いている場合、早い段階で上司や人事担当者に相談することが重要です。
黙っていると状況が悪化するだけでなく、企業側も対応策を立てられません。率直に現状を共有することで、配慮や支援を受けられる可能性が広がります。
相談のタイミングは、欠勤が2回から3回続いた段階で考えましょう。
それ以上頻度が高まる前に、一度状況を共有しておくことで、企業側も計画的な対応ができます。早ければ早いほど、選択肢の幅が広がります。
相談内容としては、現在の体調、欠勤の主な原因、自分なりに取り組んでいる対策、職場に求めたい配慮などを整理して伝えましょう。
「新しい環境への適応に時間がかかっており、体調を崩しがちです」「業務量を一時的に調整していただけると助かります」「通院の頻度を増やして主治医と対策を相談しています」など、具体的な内容を伝えることが大切です。
職場の配慮を求める際は、一方的に要求するのではなく、自分でも努力している姿勢を示すことが重要です。「医師の指示に従って服薬を見直しています」「毎日の生活リズムを整えるよう取り組んでいます」といった自己努力を伝えることで、企業側も協力姿勢を示しやすくなります。
上司への相談が難しい場合は、人事担当者や産業医、障害者職業生活相談員など、別の窓口に相談する選択肢もあります。50人以上の従業員を雇用する事業所では産業医の選任が義務付けられており、健康面の相談に応じてくれる存在です。
支援機関との連携を保つ
転職後も、支援機関との関係を継続することが長期就労の鍵となります。就労移行支援事業所の定着支援、ハローワークの専門援助部門、障害者就業生活支援センター、ジョブコーチ支援制度などは、入社後も活用できるサポートです。
定着支援は、就労移行支援事業所を利用して就職した方が受けられるサポートです。就職後の半年間は定着支援の一環として、就労移行支援事業所のスタッフが定期的に状況確認をしてくれます。その後も定着支援事業として、最長3年間にわたる支援を受けられる仕組みがあります。
ジョブコーチ支援制度は、職場に直接出向いて支援を提供する専門職の仕組みです。
ジョブコーチが職場と求職者の間に入って、業務内容の調整、配慮事項の伝達、職場内のコミュニケーション支援などを行ってくれます。
研修期間中の欠勤が続いている状況で、ジョブコーチの支援を活用することで、企業との対話が円滑に進む可能性があります。
障害者就業生活支援センターは、就労と生活の両面から総合的な支援を提供する機関です。
仕事の悩み、生活の困りごと、医療との連携など、幅広い相談に応じてくれます。研修期間中の困難についても、具体的なアドバイスを受けられます。
主治医との連携も欠かせません。
転職直後は環境変化による症状の揺らぎが起こりやすいため、いつもより頻繁に通院することも選択肢です。主治医に現在の状況を詳しく伝えることで、薬の調整や治療方針の見直しを行ってもらえます。
診断書や意見書が必要な場面でも、主治医との信頼関係が支えとなります。
研修内容の調整を相談する
欠勤が続いている場合、研修内容そのものの調整を相談することも有効な選択肢です。
研修カリキュラムが自分の特性や体調に合っていない可能性もあり、個別の調整によって参加しやすくなることがあります。
研修のペースダウンを相談できる場合があります。一般的なスケジュールで進めている研修を、自分のペースに合わせて延長してもらう、1日の研修時間を短縮してもらうなど、柔軟な対応が可能な企業もあります。
研修内容の書面化も、有効な調整の一つです。口頭での説明中心の研修を、書面やマニュアルベースに変更してもらうことで、自分のペースで情報を消化できるようになります。
発達障がいや聴覚障がいのある方にとって、視覚情報での学習は負担を大きく軽減する要素です。
研修場所の調整も検討できます。大人数での集合研修ではなく、個別指導や少人数での研修に切り替えることで、対人負荷を減らしながら業務を学べます。
オンライン研修の活用も、自宅で集中して学べる環境を作れるため、対人ストレスが強い方に適した方法です。
時短勤務や在宅勤務の併用も、研修期間中の選択肢です。
フルタイムでの研修参加が難しい場合、週の数日を在宅勤務にする、1日の勤務時間を短くする、といった対応で負担を分散できます。企業側の業務体制に応じた調整となりますが、提案する価値はあります。
試用期間との関係
研修期間と試用期間が重なっている場合、企業側が試用期間中の解雇を検討する可能性があります。
ただし、試用期間中でも解雇には合理的な理由が必要であり、障害者雇用で配慮が必要な従業員を簡単に解雇することは、法的にも道義的にも問題となる行為です。
試用期間中に解雇を示唆された場合は、焦らず対応することが大切です。
「現在、体調面で調整中ですが、改善に向けて取り組んでいます」「具体的にはこのような配慮があれば、業務に貢献できます」と、前向きな姿勢を示しながら交渉する余地があります。
試用期間中の解雇は、通常の解雇よりもハードルが低いとされますが、障害者雇用における解雇には合理的配慮の提供義務との兼ね合いがあります。
企業側が十分な配慮を提供していない状態での解雇は、障害者差別解消法や障害者雇用促進法の観点から問題視される可能性があります。
労働問題に関する相談は、労働局の総合労働相談コーナー、労働基準監督署、弁護士会の労働相談などで受けられます。
状況によっては専門家の力を借りることで、正当な権利を守れる場合があります。
体調管理の工夫
研修期間中の休みがちな状況を改善するには、体調管理の工夫も欠かせません。生活リズムを整えることは基本中の基本です。
就寝時刻と起床時刻を一定に保つ、朝食を決まった時間に摂る、適度な運動を取り入れるなど、規則的な生活が体調安定の土台となります。
睡眠の質を高める工夫も重要です。
就寝前のスマートフォン使用を控える、リラックスできる環境を整える、寝室の温度や明るさを調整するなど、質の高い睡眠のための工夫を取り入れましょう。
睡眠不足は症状悪化の大きな要因となるため、十分な睡眠時間の確保を優先します。
服薬を確実に続けることも、症状安定の鍵です。
研修期間中の忙しさで服薬を忘れる、薬の補充を怠るといったことがないよう、服薬管理を丁寧に行いましょう。主治医から処方された薬を指示通りに服用し、効果や副作用の変化があれば速やかに相談します。
ストレス対処法を日常に取り入れることも大切です。
深呼吸、瞑想、リラクゼーション、趣味の時間、人との交流など、自分に合ったストレス解消法を意識的に実践しましょう。研修期間中のストレスは蓄積しやすいため、こまめな発散が必要です。
栄養バランスの取れた食事も、見落とされがちなポイントです。
忙しさや食欲不振で食事が不規則になると、体調全体が下降していきます。無理に多く食べる必要はありませんが、最低限の栄養摂取を続けることが大切です。
短期的な休職という選択
欠勤が長期化している場合、短期の休職を活用する選択肢もあります。一時的に業務から離れて体調を整える期間を設けることで、その後の復帰をスムーズにできる可能性があります。
休職制度は多くの企業で用意されていますが、研修期間中の休職については企業の規定によって扱いが異なります。規模の大きい企業では、試用期間中でも休職が認められるケースがある一方、中小企業では休職制度自体が限定的な場合もあります。人事担当者に確認したうえで、活用の可能性を検討しましょう。
休職中は傷病手当金の受給が可能な場合があります。
健康保険から、給与の約3分の2に相当する金額が支給される制度で、最長1年6か月にわたって受給できます。
ただし、試用期間中で社会保険の加入期間が短い場合、受給できないケースもあるため、要件を確認することが大切です。
休職を選ぶ際は、主治医、支援機関、家族などと十分に相談して判断しましょう。自分一人で決断するのではなく、専門家の意見を踏まえた判断が適切です。
転職の継続と別の選択肢
研修期間中の欠勤が続き、このまま働き続けることが難しいと判断される場合、別の選択肢を検討することも視野に入ります。入社して数か月で退職することは望ましくありませんが、自分の健康を大きく損なう前に判断することも大切です。
退職を検討する場合は、次の就労に向けた準備も考えていきましょう。
就労移行支援事業所を利用して職業訓練や就労準備を進める、一度療養期間を取って治療に専念する、別の職種や雇用形態での転職を目指すなど、選択肢はさまざまです。
退職の判断は、支援機関や医療機関とよく相談してから行うことが重要です。
感情的な判断で早急に退職すると、その後の生活や就労に影響します。第三者の視点を取り入れながら、冷静に判断していきましょう。
退職する場合も、職場との関係を損なわずに円満に進めることが大切です。
退職の意思を早めに伝え、引き継ぎを丁寧に行い、感謝の気持ちを伝えて退職することで、次の職場での評価にもつながる場合があります。
自分に合った働き方を見つける
今回の転職での研修期間の経験は、自分に合った働き方を見つけるための貴重な学びでもあります。
どのような環境で体調を崩しやすいか、どのような配慮があれば働きやすいか、自分の限界はどこかなどを知ることで、次の就労に活かせます。
フルタイムの正社員にこだわらず、短時間勤務、パートタイム、在宅勤務中心、業務委託など、多様な働き方の選択肢があります。
体調の波に対応できる働き方を選ぶことで、長期的に安定した就労を実現できる可能性が広がります。
障害者雇用の求人のなかでも、配慮体制が整っている企業、特例子会社、中小企業のアットホームな職場など、さまざまな選択肢があります。企業規模や知名度だけでなく、自分が働きやすいかどうかで企業を選ぶ視点を持ちましょう。
まとめ
研修期間中の欠勤が続く状況は、障がいを抱える方にとって珍しいことではありません。
環境変化への適応、緊張の持続、情報過多、対人負荷などが複合的に影響し、一時的に体調を崩しやすい時期です。
自分を責めすぎず、職場への適切な連絡を続け、上司や人事担当者と相談しながら必要な配慮を求めていく姿勢が大切です。
就労移行支援事業所の定着支援、ジョブコーチ、障害者就業生活支援センター、主治医などとの連携を保ち、体調管理に取り組むことで、長期就労への道が見えてきます。
無理をせず、自分のペースで新しい職場に慣れていくことが、結果として長く働き続けるための近道となります。
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