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療育手帳を取得すべきか迷っている、どんなメリットがあるのか、デメリットはないのかなど、療育手帳について知りたい方に向けて、メリット、受けられるサービス、デメリット、取得方法、更新、注意点などを詳しく解説します。
療育手帳とは
療育手帳とは何かについて説明します。
知的障害のある人の手帳です。知的障害のある人に交付される障害者手帳です。都道府県、政令指定都市が交付します。愛の手帳東京都、みどりの手帳さいたま市など、自治体により名称が異なります。
法律に基づかない手帳です。身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳と違い、法律に基づいていません。厚生労働省の通知に基づき、各自治体が独自に運用しています。
等級があります。障害の程度により、等級が分かれます。A重度とB中度・軽度の2区分、A1、A2、B1、B2の4区分など、自治体により異なります。
判定基準はIQと適応行動です。知能指数IQと、日常生活能力適応行動で判定されます。IQだけでなく、実際の生活能力が重視されます。
18歳未満でも取得できます。0歳から取得できます。早期に取得すると、様々なサービスを受けられます。
更新が必要です。定期的な更新が必要です。子どもの場合、2年から5年ごとです。成人後は、更新不要になることもあります。
発達障害だけでは取得できません。発達障害ADHD、ASD、LDのみで、知的障害を伴わない場合、療育手帳は取得できません。精神障害者保健福祉手帳の対象です。
知的障害を伴う発達障害は取得できます。発達障害に知的障害を伴う場合、療育手帳を取得できます。
経済的メリット
療育手帳の経済的メリットについて説明します。
特別児童扶養手当です。20歳未満の障害児を養育している場合、受給できます。1級重度は月約5.5万円、2級中度は月約3.7万円です。年間約66万円または約44万円です。所得制限があります。
障害児福祉手当です。20歳未満の重度障害児に支給されます。月約1.5万円、年間約18万円です。所得制限があります。療育手帳A重度が目安です。
税金の控除・減免です。所得税、住民税の障害者控除を受けられます。本人が障害者控除27万円、特別障害者控除40万円、扶養親族が障害者の場合も控除があります。相続税、贈与税の控除もあります。
NHK受信料の減免です。重度の場合A判定、全額免除です。世帯全員が市町村民税非課税の場合、半額免除です。
携帯電話料金の割引です。docomo、au、SoftBankなどで、障害者割引があります。基本使用料が半額程度になります。家族の回線も割引されることがあります。
公共料金の割引です。上下水道料金、ガス料金などが減免される自治体があります。市区町村により異なります。
医療費助成です。重度心身障害者医療費助成制度があります。医療費の自己負担が無料または軽減されます。自治体により対象者、内容が異なります。
自動車税・自動車取得税の減免です。障害者本人または家族が使用する自動車の、自動車税、自動車取得税が減免されます。1台のみです。軽自動車税も減免されます。
有料道路の割引です。高速道路、有料道路の通行料金が半額になります。ETCでも利用できます。事前登録が必要です。
駐車禁止除外標章です。駐車禁止の場所でも、一定時間駐車できる標章が交付されます。通院、療育などに便利です。重度の場合が対象です。
福祉サービスのメリット
療育手帳で受けられる福祉サービスのメリットについて説明します。
障害福祉サービスが利用できます。児童発達支援、放課後等デイサービス、短期入所ショートステイ、居宅介護ホームヘルプ、移動支援などの障害福祉サービスを利用できます。療育手帳がなくても、医師の診断書で利用できることもありますが、手帳があるとスムーズです。
優先的にサービスを受けられます。希望者が多いサービスで、療育手帳所持者が優先されることがあります。放課後等デイサービス、短期入所などです。
費用が軽減されます。障害福祉サービスの利用料は、所得に応じて上限があります。約9割の世帯は無料です。
特別支援学校への入学です。療育手帳があると、特別支援学校への入学がスムーズです。手帳がなくても入学できますが、判定の参考になります。
就労支援が受けられます。18歳以降、ハローワークの障害者専門窓口、障害者職業センター、就労移行支援などの就労支援を受けられます。
障害者雇用枠で働けます。企業の障害者雇用枠で就職できます。一般枠より就職しやすいことがあります。
グループホームに入居できます。18歳以降、グループホームに入居できます。親亡き後の住まいとして重要です。
成年後見制度が利用しやすいです。成年後見制度を利用する際、療育手帳があると手続きがスムーズです。
公共施設・交通機関のメリット
公共施設や交通機関のメリットについて説明します。
電車・バスの運賃割引です。JR、私鉄、地下鉄、バスの運賃が割引されます。本人と介護者1名が5割引が一般的です。自治体により異なります。定期券も割引されます。
タクシー運賃の割引です。タクシー運賃が1割引になります。すべてのタクシー会社ではありません。
飛行機運賃の割引です。国内線の航空運賃が割引されます。ANA、JALなどで割引があります。本人と介護者1名が対象です。
映画館の割引です。映画館の入場料が、本人と介護者1名が1,000円程度に割引されます。ほとんどの映画館で利用できます。
遊園地・テーマパークの割引です。ディズニーランド、USJなど、多くの遊園地、テーマパークで割引があります。本人と介護者が割引されます。優先入場できる施設もあります。
動物園・水族館の割引です。公立の動物園、水族館は、無料または割引になることが多いです。私立も割引があります。
美術館・博物館の割引です。公立の美術館、博物館は、無料または割引になることが多いです。本人と介護者が対象です。
公営プールの割引です。市営プール、区営プールなどが無料または割引になります。
公営駐車場の割引です。公営駐車場の料金が割引される自治体があります。
スポーツ施設の割引です。公営のスポーツジム、体育館などが割引されます。
その他のメリット
その他のメリットについて説明します。
障害への理解を得やすいです。学校、職場、地域などで、障害があることを説明する際、手帳を見せると理解してもらいやすいです。客観的な証明になります。
合理的配慮を求めやすいです。学校、職場で合理的配慮を求める際、手帳があると説得力があります。配慮を受けやすくなります。
サービスの申請がスムーズです。様々なサービス、制度を利用する際、手帳があると申請がスムーズです。診断書が不要になることもあります。
親亡き後の準備ができます。成年後見制度、グループホーム、障害福祉サービスなど、親亡き後の準備をする際、手帳が必要です。早めに取得すると安心です。
将来の選択肢が広がります。手帳があると、特別支援学校、就労継続支援、グループホームなど、将来の選択肢が広がります。
障害者手帳アプリが使えます。自治体によっては、スマホアプリで手帳を提示できます。ミライロIDなどです。カードを持ち歩かなくて良いです。
身分証明書として使えます。写真付きの手帳は、身分証明書として使えることがあります。
家族の精神的な支えになります。客観的に障害が認定されることで、親が自分の子育てを肯定できます。精神的な支えになります。
デメリット・注意点
療育手帳のデメリットや注意点について説明します。
障害があることが公になります。手帳を持つことで、障害があることが公になります。周囲に知られたくない人には、デメリットです。
本人が嫌がることがあります。思春期以降、本人が手帳を持つことを嫌がることがあります。差別、偏見を恐れます。
更新が面倒です。定期的な更新が必要です。判定を受けに行く手間がかかります。
等級が下がることがあります。更新時、成長により知的発達が向上し、等級が下がる、または非該当になることがあります。サービスが受けられなくなります。
IQの境界域は不安定です。IQが70前後の境界域の場合、判定がぶれやすいです。更新時に非該当になるリスクがあります。
発達障害のみでは取れません。発達障害のみで知的障害を伴わない場合、療育手帳は取得できません。精神障害者保健福祉手帳の対象です。
自治体により基準が異なります。自治体により判定基準が異なります。引っ越しすると、等級が変わることがあります。
手続きに時間がかかります。申請から交付まで、1〜2ヶ月かかります。すぐには受け取れません。
写真が必要です。更新のたびに、写真を撮る必要があります。写真を撮るのが苦手な子どももいます。
取得方法
療育手帳の取得方法について説明します。
市区町村の障害福祉課に相談します。まず、住所地の市区町村の障害福祉課に相談します。手続きの流れ、必要書類などを確認します。
申請書を提出します。申請書を記入し、提出します。写真縦4cm×横3cmが必要です。
判定を受けます。児童相談所18歳未満、または知的障害者更生相談所18歳以上で判定を受けます。予約制です。申請から1〜2ヶ月後です。
判定の内容です。発達検査知能検査、面接、生育歴の聞き取りなどを行います。1〜2時間程度かかります。子どもと一緒に行きます。
発達検査の種類です。WISC、田中ビネー、新版K式などの発達検査を受けます。IQを測定します。
適応行動の評価です。Vineland-II適応行動尺度などで、日常生活能力を評価します。IQだけでなく、実際の生活能力が重視されます。
判定結果が出ます。判定の結果、等級が決まります。その場で結果を教えてもらえることもあれば、後日通知されることもあります。
手帳が交付されます。判定後、市区町村から手帳が交付されます。郵送または窓口で受け取ります。
費用は無料です。申請、判定、交付すべて無料です。
所要期間は1〜3ヶ月です。申請から交付まで、1〜3ヶ月程度かかります。自治体により異なります。
更新
療育手帳の更新について説明します。
更新が必要です。療育手帳は、定期的な更新が必要です。手帳に次回判定年月が記載されています。
更新の頻度です。子どもの場合、2年から5年ごとです。成長により知的発達が変化するため、頻繁に更新します。成人後は、5年ごと、または更新不要になることもあります。
更新時期の通知です。更新時期が近づくと、自治体から通知が来ます。通知が来たら、早めに手続きします。
更新の手続きです。取得時と同じです。市区町村に申請し、児童相談所または更生相談所で判定を受けます。
等級が変わることがあります。更新時、成長により知的発達が向上し、等級が下がる、または非該当になることがあります。逆に、等級が上がることもあります。
非該当になった場合です。更新時に非該当になった場合、手帳は返還します。受けていたサービスが受けられなくなります。
再申請できます。一度非該当になっても、状況が変われば、再度申請できます。
更新を忘れた場合です。更新を忘れると、手帳が失効します。サービスが受けられなくなります。早めに再申請します。
よくある質問
療育手帳についてよくある質問について説明します。
取得すべきですか。メリットが多いため、取得することをお勧めします。特に経済的メリットが大きいです。デメリットより、メリットの方が大きいです。
いつ取得すべきですか。早ければ早いほど良いです。0歳から取得できます。早期に取得すると、児童発達支援などのサービスを受けやすくなります。
発達障害でも取れますか。発達障害に知的障害を伴う場合、取得できます。発達障害のみで知的障害がない場合、療育手帳は取れません。精神障害者保健福祉手帳の対象です。
IQいくつ以下なら取れますか。明確な基準はありませんが、IQおおむね75以下が目安です。ただし、IQだけでなく、適応行動も考慮されます。
境界域でも取れますか。IQ70から75程度の境界域でも、適応行動が著しく困難であれば、取得できることがあります。自治体により異なります。
就職に不利になりますか。障害者雇用枠で就職する場合、手帳が必要です。一般枠で就職する場合、手帳を開示する義務はありません。
結婚に影響しますか。手帳の有無が、結婚に直接影響することはありません。ただし、偏見を持つ人もいるため、本人、家族の判断です。
取得を迷っています。迷っているなら、まず判定を受けてみることをお勧めします。判定の結果、該当しても、手帳を受け取らない選択もできます。
一度取得したら返せませんか。返せます。不要になった場合、いつでも返還できます。再度必要になったら、再申請できます。
まとめ
療育手帳は知的障害のある人の手帳で、特別児童扶養手当月約5.5万円または3.7万円、税金の控除・減免、NHK受信料減免、携帯電話料金割引、医療費助成、自動車税減免、有料道路半額などの経済的メリットが大きいです。
障害福祉サービスの利用、電車・バス運賃割引、映画館・遊園地・動物園の割引、合理的配慮を求めやすくなるなどのメリットもあります。
取得は市区町村の障害福祉課に申請し児童相談所で判定を受け1〜3ヶ月で交付され、定期的な更新が必要です。メリットが大きいため早期取得をお勧めします。

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