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子どもに療育を受けさせたいけれど、費用はどのくらいかかるのか、無料で受けられるのか、収入によって変わるのかといった疑問を持つ保護者の方は多くいます。療育の費用は利用するサービスの種類や家庭の収入によって異なるため、仕組みを正確に理解しておくことが重要です。この記事では、療育にかかる費用と制度の仕組みについて詳しく解説します。
療育とはどういうものか
療育とは、障害のある子どもや発達に困難がある子どもに対して、その特性に応じた支援や訓練を行うことで、日常生活や社会参加を助けることを目的とした取り組みです。
言語療法、作業療法、理学療法、ソーシャルスキルトレーニング、感覚統合訓練といったさまざまなアプローチが含まれます。療育を受ける場所としては、児童発達支援事業所、医療機関、保健センター、特別支援学校等があります。
療育費用の基本的な仕組み
療育の費用は、利用するサービスの種類によって制度が異なります。主に以下の二つのルートで療育を受けることができます。
障害福祉サービスとしての療育
児童発達支援事業所や放課後等デイサービスといった障害福祉サービスを利用する場合は、児童福祉法に基づく通所給付費の制度が適用されます。この制度では、費用の九割が国と自治体から給付され、原則として利用者の自己負担は一割となります。
ただし所得に応じた負担上限月額が設定されているため、実際の負担額は家庭の収入によって大きく異なります。
医療機関での療育
小児科や小児リハビリテーション科、児童精神科等の医療機関で言語療法や作業療法、理学療法といったリハビリテーションを受ける場合は、医療保険が適用されます。医療保険の自己負担割合は年齢や所得によって異なり、未就学児は二割、小学生以上は三割が原則の自己負担となります。
また自立支援医療の申請をすることで、医療費の自己負担をさらに軽減できる場合があります。
障害福祉サービスとしての療育費用
負担上限月額の仕組み
児童発達支援や放課後等デイサービスを利用する場合の利用者負担は、サービス費用の一割ですが、所得に応じた負担上限月額が設定されており、その月額を超える負担は生じません。
負担上限月額は世帯の収入によって以下のように設定されています。生活保護受給世帯は月額ゼロ円です。市区町村民税非課税世帯は月額ゼロ円です。市区町村民税課税世帯のうち市区町村民税所得割額が二十八万円未満の世帯は月額四千六百円です。市区町村民税所得割額が二十八万円以上の世帯は月額三万七千二百円です。
この負担上限月額の仕組みにより、低所得の世帯は実質的に無料または非常に低い負担で療育を受けることができます。
実際の費用の例
たとえば児童発達支援事業所に週三回通った場合、一回あたりのサービス費用が五千円程度とすると、月の総費用は六万円程度となります。一割の自己負担は六千円ですが、市区町村民税課税世帯で所得割額が二十八万円未満の場合は上限の四千六百円が自己負担となります。
同じ事業所に週五回通った場合でも、負担上限月額を超える部分は負担する必要がないため、月額四千六百円以上の負担は生じません。
多子世帯への配慮
同じ世帯で複数の子どもが障害福祉サービスを利用している場合、世帯全体の負担上限月額が適用されるため、複数の子どもが通っても合計の自己負担が上限を超えることはありません。
食費等の実費負担
上記の制度による自己負担とは別に、給食費や行事費、教材費といった実費については別途負担が必要な場合があります。事業所によって実費の金額は異なるため、利用前に確認することをおすすめします。
医療機関での療育費用
医療保険による費用負担
医療機関で言語療法や作業療法等のリハビリテーションを受ける場合は医療保険が適用されます。未就学児の場合は医療費の二割が自己負担、小学生以上は三割が自己負担となります。
一回のリハビリテーションにかかる費用は、実施する内容や時間によって異なりますが、保険適用後の自己負担で一回につき数百円から一千円程度が目安となることが多くあります。
自立支援医療制度の活用
自立支援医療の育成医療という制度を利用することで、障害のある子どもが受ける医療費の自己負担を軽減することができます。この制度では、医療費の自己負担が通常の二割から一割に軽減されます。
また所得に応じた月額上限額が設定されているため、一定以上の医療費負担が生じないよう配慮されています。利用するためには市区町村の窓口への申請が必要です。
子どもの医療費助成制度
多くの自治体では、子どもの医療費を助成する制度があります。助成の対象年齢や助成の範囲は自治体によって異なりますが、対象年齢内であれば医療機関での療育にかかる費用が実質無料または非常に低い負担となる場合があります。
居住している自治体の子どもの医療費助成制度について確認することをおすすめします。
療育費用の申請手続き
受給者証の取得
障害福祉サービスとしての児童発達支援や放課後等デイサービスを利用するためには、受給者証の取得が必要です。受給者証とは、サービスを利用するための資格を証明する書類です。
受給者証の申請は市区町村の障害福祉担当窓口で行います。申請に必要な書類は自治体によって異なりますが、医師の診断書や意見書、障害者手帳等が必要となることがあります。
受給者証には月間の利用日数の上限が記載されており、その範囲内でサービスを利用することになります。
負担上限月額管理の仕組み
複数の事業所を利用する場合、それぞれの事業所での利用料の合計が負担上限月額を超えないよう管理する仕組みがあります。上限管理事業所と呼ばれる事業所が、利用者負担の合計額を管理します。
複数の事業所を利用する予定がある場合は、上限管理の仕組みについて市区町村または相談支援事業所に確認することをおすすめします。
費用について困ったときの相談先
療育費用について不明な点や、費用の負担が難しいという場合は、以下の相談先を活用してください。
市区町村の障害福祉担当窓口では、受給者証の申請手続きや負担上限月額の確認、利用できる制度についての説明を受けることができます。
相談支援事業所では、療育サービスの利用計画の作成とともに、費用に関する疑問や手続きについて相談することができます。
発達障害者支援センターでは、療育に関する全般的な相談に応じており、費用面の心配がある場合にも適切な窓口を紹介してもらえることがあります。
まとめ
療育にかかる費用は、障害福祉サービスとして利用する場合は所得に応じた負担上限月額の制度があり、低所得世帯は実質無料または非常に低い負担で受けることができます。医療機関での療育は医療保険が適用され、自立支援医療制度や自治体の医療費助成制度を活用することでさらに負担を軽減できます。費用についての不明な点は、市区町村の窓口や相談支援事業所に積極的に相談してください。制度を上手に活用して、お子さんに必要な療育を受けられる環境を整えていただければと思います。

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