特別支援学校に入れる基準 対象者と入学までの流れ

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特別支援学校に入学できるのか、どんな基準があるのか、手続きはどうすればいいのかなど、特別支援学校への入学について知りたい方に向けて、対象者の基準、障害種別ごとの詳細、入学までの流れ、メリット・デメリット、よくある質問などを詳しく解説します。

特別支援学校とは

特別支援学校とは何かについて説明します。

障害のある子どものための学校です。視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱の子どものための学校です。専門的な教育を行います。

学校教育法に基づいています。学校教育法に基づく正式な学校です。幼稚部、小学部、中学部、高等部があります。幼稚園から高校までの教育を一貫して受けられます。

小中学校と同じ卒業資格です。小学部を卒業すれば小学校卒業、中学部を卒業すれば中学校卒業の資格がもらえます。同じ卒業証書です。

都道府県が設置しています。公立の特別支援学校は、都道府県が設置、運営しています。市区町村立の小中学校とは異なります。

専門性の高い教育です。障害の特性に応じた専門的な教育を行います。自立活動という特別な指導領域があります。

少人数教育です。1クラス6人以下が基本です。教師の配置も手厚く、3対1から6対1程度の割合です。きめ細かい指導が受けられます。

寄宿舎がある学校もあります。自宅から通えない場合、寄宿舎がある学校もあります。週末だけ帰宅することもできます。

私立の特別支援学校もあります。公立だけでなく、私立の特別支援学校もあります。独自の教育方針を持つ学校があります。

入学できる基準

特別支援学校に入学できる基準について説明します。

法律で定められています。学校教育法施行令第22条の3で、対象となる障害の程度が定められています。これを22条の3基準といいます。

障害の種類と程度です。視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱の5種類の障害について、それぞれ程度の基準があります。

医学的判断が必要です。医師の診断書、意見書が必要です。医学的に基準を満たしているかを判断します。

教育的判断も重要です。医学的基準を満たしていても、教育的に特別支援学校が適切かどうかを判断します。総合的に判定されます。

最終的には保護者が選択します。基準を満たしていても、必ず特別支援学校に行かなければならないわけではありません。小中学校の特別支援学級を選ぶこともできます。最終的には保護者が選択します。

重複障害の場合です。複数の障害がある場合、それぞれの基準を満たさなくても、総合的に判断されることがあります。

早期からの一貫教育です。幼稚部から入学する場合、小学部からとは基準が異なることがあります。早期教育を重視する学校もあります。

障害種別ごとの基準

障害種別ごとの詳しい基準について説明します。

視覚障害の基準です。両眼の視力がおおむね0.3未満のもの、視力以外の視機能障害が高度のもののうち拡大鏡等の使用によっても通常の文字、図形等の視覚による認識が不可能又は著しく困難な程度のものです。盲学校、視覚特別支援学校が該当します。

聴覚障害の基準です。両耳の聴力レベルがおおむね60デシベル以上のもののうち補聴器等の使用によっても通常の話声を解することが不可能又は著しく困難な程度のものです。聾学校、聴覚特別支援学校が該当します。

知的障害の基準です。知的発達の遅滞があり、他人との意思疎通が困難で日常生活を営むのに頻繁に援助を必要とする程度のもの、または知的発達の遅滞の程度が前号に掲げる程度に達しないもののうち社会生活への適応が著しく困難なものです。具体的には、IQおおむね50以下、または50から75程度で社会生活への適応が著しく困難な場合です。

肢体不自由の基準です。肢体不自由の状態が補装具の使用によっても歩行、筆記等日常生活における基本的な動作が不可能又は困難な程度のもの、または肢体不自由の状態が前号に掲げる程度に達しないもののうち常時の医学的観察指導を必要とする程度のものです。

病弱・身体虚弱の基準です。慢性の呼吸器疾患、腎臓疾患及び神経疾患、悪性新生物その他の疾患の状態が継続して医療又は生活規制を必要とする程度のもの、または身体虚弱の状態が継続して生活規制を必要とする程度のものです。病弱特別支援学校、院内学級などが該当します。

発達障害のみの場合です。発達障害ADHD、ASD、LDなどのみで、知的障害を伴わない場合、原則として特別支援学校の対象ではありません。小中学校の通常学級、特別支援学級、通級指導教室が対象です。

知的障害を伴う発達障害の場合です。発達障害に知的障害を伴う場合、知的障害の基準で判断されます。知的特別支援学校に入学できます。

知的障害の基準の詳細

知的障害の基準についてより詳しく説明します。

IQの目安です。明確な基準ではありませんが、IQおおむね50以下が目安です。ただし、IQだけでは判断されません。

適応行動の評価です。IQだけでなく、適応行動日常生活能力、社会性などが重視されます。Vineland-II適応行動尺度などで評価されます。

日常生活での援助の程度です。食事、トイレ、着替え、入浴などの日常生活で、どの程度の援助が必要かが判断材料になります。頻繁に援助が必要な場合、対象になります。

意思疎通の困難さです。言葉でのコミュニケーションがどの程度できるか、意思疎通がどの程度困難かが判断されます。

社会生活への適応です。集団生活への適応、ルールの理解、危険の回避などの社会生活への適応が著しく困難かどうかが判断されます。

IQ50から75程度の境界域の場合です。IQが50から75程度の境界域軽度知的障害の場合、社会生活への適応が著しく困難であれば、対象になることがあります。ただし、多くの場合、小中学校の特別支援学級が適切とされます。

療育手帳の等級との関係です。療育手帳の等級A重度、B中度などと、特別支援学校の基準は、必ずしも一致しません。療育手帳B判定でも、特別支援学校に入学できることがあります。

地域による違いです。都道府県により、運用に違いがあります。同じ状態でも、A県では特別支援学校が適切、B県では特別支援学級が適切と判断されることがあります。

入学までの流れ

特別支援学校への入学までの流れについて説明します。

早めに情報収集を始めることです。就学の1〜2年前から情報収集を始めます。年中から年長にかけて動き始めるのが理想です。

学校見学をすることです。必ず実際に学校を見学します。授業の様子、施設、雰囲気などを確認します。複数回見学することをお勧めします。

教育相談を受けることです。特別支援学校で、教育相談を実施しています。子どもの発達、教育的ニーズなどについて相談できます。

就学相談を受けることです。市区町村の教育委員会で、就学相談を受けます。専門家が、子どもの発達を評価し、適切な学びの場を助言してくれます。

発達検査を受けることです。WISC、田中ビネー、新版K式などの発達検査を受けます。知的発達の程度、得意不得意などが分かります。

医師の診断書・意見書を取得することです。主治医に、診断書または意見書を書いてもらいます。障害の種類、程度、必要な教育的配慮などが記載されます。

就学時健康診断を受けることです。10月から11月頃、就学時健康診断があります。健康状態、発達の状態などを確認されます。

教育支援委員会での審議です。市区町村の教育支援委員会就学指導委員会で、専門家が審議します。医学、心理、教育などの専門家が、適切な学びの場を判断します。

保護者の意向確認です。教育支援委員会の意見を参考に、最終的に保護者が決定します。保護者の意向が最も尊重されます。

就学先の決定です。特別支援学校、小中学校の特別支援学級、通常学級のいずれかに決定します。都道府県教育委員会から通知が来ます。

体験入学・一日入学です。入学前に、体験入学、一日入学がある学校もあります。実際の学校生活を体験できます。

入学説明会です。入学前に、入学説明会があります。必要な準備、持ち物、通学方法などの説明を受けます。

入学です。4月に入学式があります。新しい学校生活が始まります。

メリット

特別支援学校のメリットについて説明します。

専門的な教育を受けられることです。最大のメリットです。障害の特性に応じた専門的な教育を受けられます。教師も専門的な知識、経験を持っています。

少人数で手厚い指導です。1クラス6人以下の少人数です。教師の配置も手厚く、一人ひとりに丁寧な指導が受けられます。

自立活動があることです。自立活動という特別な指導領域があります。日常生活、コミュニケーション、身体の動きなどの自立に向けた指導を受けられます。

個別の指導計画です。一人ひとりに個別の指導計画を作成します。その子に合った目標、指導内容を設定します。無理のないペースで学べます。

施設・設備が充実していることです。スロープ、エレベーター、専用トイレ、訓練室、プールなど、施設設備が充実しています。安全に過ごせます。

専門職がいることです。理学療法士PT、作業療法士OT、言語聴覚士ST、看護師などの専門職がいる学校があります。専門的なサポートを受けられます。

医療的ケアに対応していることです。医療的ケアが必要な子どもにも対応しています。看護師が常駐している学校が多いです。

進路指導が充実していることです。高等部卒業後の進路就労、福祉サービス利用などについて、充実した進路指導を受けられます。

保護者同士のつながりです。同じような障害のある子どもの保護者同士のつながりができます。情報交換、支え合いができます。

一貫した教育です。幼稚部から高等部まで、一貫した教育を受けられます。環境の変化が少なく、安心して通えます。

デメリット

特別支援学校のデメリットについて説明します。

通学が大変なことです。最大のデメリットです。特別支援学校は数が少なく、遠いことが多いです。スクールバスで1時間以上かかることもあります。

地域の友達ができにくいことです。遠くの学校に通うため、地域の友達ができにくいです。放課後、休日に遊ぶ友達がいないことがあります。

定型発達の子どもとの関わりが少ないことです。障害のある子どもだけの環境のため、定型発達の子どもとの関わりが少ないです。社会性を育てる機会が限られます。

刺激が少ないことです。少人数、静かな環境は、刺激が少ないです。多様な経験をする機会が限られることがあります。

学習進度が遅いことです。個別のペースで学ぶため、学習進度が遅くなることがあります。小中学校と同じ内容を学べないこともあります。

高校進学の選択肢が限られることです。中学部卒業後、多くは同じ学校の高等部に進学します。他の高校への進学は難しいことが多いです。

偏見・差別です。特別支援学校に通っていることで、偏見、差別を受けることがあります。思春期に本人が気にすることがあります。

スクールバスの制約です。スクールバスの時刻が決まっているため、柔軟な登下校ができません。放課後の活動が制限されることがあります。

きょうだいへの影響です。送迎、学校行事などで、親が忙しくなります。きょうだいに負担がかかることがあります。

よくある質問

よくある質問について説明します。

療育手帳がないと入れませんか。いいえ、療育手帳は必須ではありません。医師の診断書、意見書があれば入学できます。ただし、療育手帳があると手続きがスムーズです。

IQいくつ以下なら入れますか。明確な基準はありません。目安としてはIQ50以下ですが、IQだけでは判断されません。適応行動、日常生活能力なども考慮されます。

発達障害だけでは入れませんか。原則として、発達障害のみで知的障害を伴わない場合、特別支援学校の対象ではありません。知的障害を伴う場合、入学できます。

途中から入学できますか。できます。小中学校から、年度途中でも転校できます。ただし、定員の関係で、すぐには入れないこともあります。

小学校の特別支援学級との違いは何ですか。特別支援学校の方が、より専門的です。少人数6人以下対8人以下、教師の専門性、施設設備などが異なります。障害の程度が重い子どもが対象です。

高校卒業後の進路はどうなりますか。就労一般企業、A型、B型、生活介護、入所施設、在宅など、様々です。学校が進路指導をしてくれます。

学費はかかりますか。公立の場合、授業料は無料です。給食費、教材費、修学旅行費などは実費負担です。就学奨励費により、一部または全額が支給されることがあります。

寄宿舎に入れますか。寄宿舎がある学校もあります。遠方の場合、寄宿舎に入り、週末だけ帰宅することもできます。

きょうだいも同じ学校に入れますか。障害のあるきょうだいがいる場合、同じ特別支援学校に入学できます。別々の学校より、一緒の方が送迎などが楽です。

見学はいつできますか。学校に連絡すれば、いつでも見学できます。学校公開日、文化祭などもあります。複数回見学することをお勧めします。

まとめ

特別支援学校に入れる基準は、障害の種類と程度により定められています。

特別支援学校とは、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱の子どものための学校、学校教育法に基づく正式な学校、小中学校と同じ卒業資格、都道府県が設置、専門性の高い教育、少人数教育1クラス6人以下、寄宿舎がある学校もあり、私立もあるなどです。

入学できる基準は、学校教育法施行令第22条の3で定められている22条の3基準、障害の種類と程度視覚、聴覚、知的、肢体不自由、病弱の5種類、医学的判断医師の診断書・意見書が必要、教育的判断も重要、最終的には保護者が選択、重複障害の場合は総合的に判断などです。

障害種別ごとの基準は、視覚障害両眼の視力おおむね0.3未満など、聴覚障害両耳の聴力レベルおおむね60デシベル以上など、知的障害日常生活を営むのに頻繁に援助を必要とする程度、社会生活への適応が著しく困難、肢体不自由補装具使用でも基本的な動作が不可能又は困難、病弱・身体虚弱継続して医療又は生活規制を必要とする、発達障害のみの場合は原則対象外、知的障害を伴う発達障害は対象などです。

知的障害の基準の詳細は、IQの目安おおむね50以下だが明確な基準ではない、適応行動の評価Vineland-IIなど、日常生活での援助の程度頻繁に援助が必要、意思疎通の困難さ、社会生活への適応著しく困難、IQ50から75程度の境界域でも社会生活への適応が著しく困難なら対象、療育手帳の等級との関係必ずしも一致しない、地域による違いがあるなどです。

入学までの流れ早めに情報収集1〜2年前から、学校見学必須、複数回推奨、教育相談、就学相談、発達検査WISC、田中ビネーなど、医師の診断書・意見書取得、就学時健康診断10月から11月、教育支援委員会での審議、保護者の意向確認最終決定は保護者、就学先の決定、体験入学・一日入学、入学説明会、入学などです。

メリット専門的な教育、少人数で手厚い指導1クラス6人以下、自立活動、個別の指導計画、施設・設備が充実、専門職がいるPT、OT、ST、看護師など、医療的ケアに対応、進路指導が充実、保護者同士のつながり、一貫した教育幼稚部から高等部まで、デメリット通学が大変スクールバスで1時間以上も、地域の友達ができにくい、定型発達の子どもとの関わりが少ない、刺激が少ない、学習進度が遅い、高校進学の選択肢が限られる、偏見・差別、スクールバスの制約、きょうだいへの影響も考慮が必要です。

特別支援学校への入学を検討している方は、早めに情報収集を始めてください。必ず学校を見学してください。複数回見学し、授業の様子、施設、雰囲気を確認してください。教育相談、就学相談を受けてください。発達検査を受け、医師の診断書を取得してください。教育支援委員会の意見を参考にしながら、最終的には保護者が決定します。子どもにとって何が一番良いかを最優先に考えてください。通学距離、地域とのつながりなども考慮してください。メリット、デメリットを十分に理解した上で、納得のいく選択をしてください。

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