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アルコール依存症は、専門的な治療が必要な病気です。
「お酒をやめたいのにやめられない」「家族や仕事に悪影響が出ている」「自分一人ではどうすることもできない」と感じたとき、適切な医療機関を見つけることが回復への重要な第一歩となります。
横浜市内には、アルコール依存症の治療に取り組む医療機関がいくつかあり、それぞれ特徴が異なります。
入院治療に力を入れている病院、外来での治療プログラムを充実させているクリニック、家族支援に強い医療機関など、自分の状態や希望に合った場所を選ぶことが大切です。
この記事では、アルコール依存症の専門医療機関の選び方、横浜市内の主な医療機関、治療の流れ、生活保護受給者の方の利用について詳しく解説します。
ご本人やご家族、支援に関わる方の参考にしてください。
アルコール依存症の専門医療機関とは
アルコール依存症は、本人の意思の弱さではなく、医療的なサポートが必要な脳の病気です。
専門の医療機関では、医師、看護師、精神保健福祉士、心理士、作業療法士などの多職種が連携し、本人の回復を総合的に支える治療が行われています。
神奈川県では、アルコール健康障害、薬物依存症、ギャンブル等依存症の患者が適切な医療を受けられる体制づくりを目的として、依存症専門医療機関及び依存症治療拠点機関等を指定しています。
神奈川県知事が指定する依存症専門医療機関は、専門的な研修を受けたスタッフを配置し、依存症に特化した治療プログラムを提供している医療機関です。
依存症に関する所定の研修を修了した医療スタッフを配置し、専門性を有した医師が担当する入院医療や依存症に特化した専門プログラムを有する外来医療を行うなど、依存症に関する専門的な医療を提供できる医療機関です。
このような指定を受けた医療機関を選ぶことで、質の高い治療を受けられる可能性が高まります。
神奈川病院の特徴と入院治療
横浜市内で長くアルコール依存症治療を続けている代表的な病院の一つが、神奈川病院です。
当院は1984年からアルコール依存症治療を行っており、横浜市内の民間病院で唯一アルコール依存症治療病棟を有しております。患者さん・ご家族向けに回復に必要な豊富なプログラムを用意しており、地域の依存症関連施設や自助グループとも連携しております。お酒から離れた環境で専門的な治療教育プログラムを受けることや、離脱症状や合併症をより安全に治療できるのは入院治療だからこそです。入院はもちろん、通院で治療を始めたい方にも、専門研修を終了した経験豊かなスタッフが連携し、患者さん・ご家族のアルコール依存症からの回復への支援を行っています。
40年以上の長い治療実績を持ち、横浜市内の民間病院で唯一アルコール依存症専門病棟を持っているという特徴があります。
入院治療は、お酒から物理的に離れた環境で集中的に治療を受けられるメリットがあります。
離脱症状(禁酒に伴う身体的・精神的症状)の安全な管理、合併症の治療、教育プログラムの受講、自助グループとの連携など、回復への基盤を整えるための環境が用意されています。
家族との相談も予約制で受け付けており、本人だけでなく家族のサポートも行っています。
大石クリニックの特徴と外来治療
大石クリニックは、横浜市中区にある依存症治療の専門クリニックです。
30年間依存症を専門に治療を行っている横浜市の精神科クリニックです。クリニックだけでなくいろいろな付属施設がありますので、多方面でサポートができます。例えば、県外の方でも当院のグループホームに入所することで治療を受けることができます。
30年間にわたって依存症治療に特化してきた実績があり、外来治療を中心に多様な依存症に対応しています。
アルコール依存症だけでなく、薬物依存症、ギャンブル依存症、ネット依存、買い物依存症、クレプトマニア(病的窃盗)など、幅広い依存症の治療を行っています。
特徴的なのは、回復施設としてのグループホーム「わくわくハウス大石」を運営している点です。
治療と生活環境の整備を組み合わせた支援が可能で、住居の問題を抱えている方にも対応しています。
院長は2022年に第10回日本医師会赤ひげ大賞を受賞しており、地域医療への貢献が評価されています。
自分に合った医療機関を選ぶ視点
アルコール依存症の治療を始めるにあたって、自分に合った医療機関を選ぶ視点を整理しておくことが大切です。
入院治療と外来治療のどちらが適しているかを考えましょう。
重度の依存症で、自宅では断酒が難しい場合、家庭環境がストレス要因となっている場合、合併症の治療も必要な場合などは、入院治療が選択肢となります。
仕事や家族の事情で長期入院が難しい場合、軽度から中等度の依存症で外来でのサポートが可能な場合は、外来通院での治療が現実的な選択となります。
通院のしやすさも重要なポイントです。
自宅から通いやすい場所、公共交通機関でアクセスできる場所、定期的な通院を続けられる場所を選ぶことが、治療継続の基盤となります。
医療機関との相性も大切です。
医師やスタッフとの相性、治療プログラムの内容、雰囲気などが自分に合うかどうかは、初診や相談を通じて確認していきましょう。
合わないと感じた場合、別の医療機関を探すことも選択肢です。
治療プログラムの内容
アルコール依存症の治療には、いくつかの要素が組み合わされます。
解毒治療は、最初の段階で行われる治療です。
長期間飲酒していた方の場合、急に断酒すると離脱症状(手の震え、発汗、不眠、不安、けいれんなど)が現れます。
これを医療管理のもとで安全に乗り越えるための治療が、解毒治療です。
教育プログラムでは、依存症についての知識、お酒と脳の関係、回復のプロセスなどを学びます。
自分の病気を正しく理解することが、回復への重要な基盤となります。
集団療法では、同じ問題を抱える仲間と話し合い、お互いの経験を共有することで、回復への動機づけを高めていきます。
孤独に感じていた問題が、実は多くの人が抱える共通の課題であることを実感できる場でもあります。
個人カウンセリングでは、専門のカウンセラーや心理士と一対一で話し、依存症の背景にある問題、対処法、再発防止策などを考えていきます。
家族支援も、重要な要素です。
依存症は本人だけの問題ではなく、家族全体に影響する問題です。
家族向けのプログラムや相談を通じて、家族自身の心の健康と、本人へのサポートのあり方を学ぶことができます。
薬物療法も、状況に応じて行われます。
アルコール依存症の治療薬には、断酒補助薬、抗酒薬、減酒薬などがあり、本人の状態に応じて処方されます。
自助グループとの連携
医療機関での治療と並行して、自助グループへの参加が回復を強く支えます。
AA(アルコホーリクス・アノニマス)、断酒会など、横浜市内でも複数の自助グループが活動しています。
医療機関の多くは、これらの自助グループとの連携を持っており、患者さんに参加を勧めています。
自助グループでは、同じ経験を持つ仲間と出会い、回復への道を共に歩んでいけます。
匿名で参加でき、無料で利用できることが多いため、誰でも気軽に始められます。
生活保護受給者と専門医療機関
生活保護を受けている方も、専門医療機関での治療を受けることができます。
医療扶助を利用することで、自己負担なしで治療を受けられる仕組みが整えられています。
無職や貯金のない子息を両親が支える場合がこれに当たります。子息がさまざまな問題を起こし、経済的に破綻していることが一般的です。この様な場合に両親が医療費や生活費を立て替えることは、依存症という病気では子息の依存や甘えを増大させることに繋がり、子息の自立を妨げる行為ともいえます。このようなことがあるので当院では両親からの援助をできるだけ受けないように指導しており、このために本人に生活保護を勧めます。自宅が自己所有であったり多少の資産や貯金があるからといって、必ずしも子息本人が生活保護を受けられないとは限りません。最終的には福祉事務所が決定しますが、一般的には経済的に破綻している場合が多いので、ほとんどのケースでは一定の手続きを行えば生活保護を受けられます。
依存症治療の専門医療機関では、本人の経済的自立を支える観点から、必要に応じて生活保護の利用を勧める場合もあります。
家族からの経済的援助が依存症を継続させる要因となることを踏まえ、本人の自立した治療と生活を支えるための仕組みとして、生活保護が活用されているのです。
相談から治療開始までの流れ
アルコール依存症の治療を始めるまでの一般的な流れを見ていきましょう。
まず、医療機関への問い合わせから始まります。
電話やホームページで、初診の予約方法、必要な書類、治療内容などを確認しましょう。
家族からの相談を受け付けている医療機関も多く、本人が受診をためらう場合は、まず家族が相談に行くことから始められます。
初診では、これまでの飲酒状況、現在の症状、生活への影響などを医師に伝えます。
正直に話すことで、適切な治療方針が立てられます。
医師の診察と検査の結果、入院治療が必要か外来治療が適しているかが判断されます。
治療プログラムへの参加が開始されます。
医療機関ごとに、特色あるプログラムが用意されているため、自分に合ったものを選んでいきます。
横浜市の精神保健福祉センターの活用
医療機関を選ぶ前段階の相談先として、横浜市こころの健康相談センター(精神保健福祉センター)を活用することができます。
依存症についての電話相談、面談相談、家族向けの教室などが行われており、無料で利用できます。
自分に合った医療機関を選ぶための情報提供、地域の自助グループの紹介、家族支援なども行ってくれます。
「医療機関にいきなり行くのはハードルが高い」と感じる方は、まず精神保健福祉センターへの相談から始めるのも良い選択です。
ご家族へのメッセージ
家族がアルコール依存症で苦しんでいる場合、家族自身も大きな苦しみを抱えています。
「責めても変わらない」「いつまでこの状態が続くのか」「自分の生活も限界」という気持ちは、依存症者の家族なら誰もが経験するものです。
家族向けの相談、家族会、家族向け自助グループ(アラノン)への参加を通じて、自分自身の心の健康を保ちながら、本人の回復を支える方法を学ぶことができます。
家族が一人で抱え込まず、専門家や同じ立場の家族とつながることが、家族全体の回復への道となります。
回復への道は確実に開かれている
アルコール依存症は、適切な治療と支援によって回復が可能な病気です。
横浜市内には、長年の経験と専門性を持つ医療機関があり、さまざまな状態の方に対応した治療が受けられます。
「自分は重症すぎて治らない」「もう手遅れだ」と諦めないでください。
今日から専門医療機関に相談することで、新しい人生への扉が開かれます。
電話一本、家族からの相談からでも構いません。
一歩を踏み出す勇気が、すべての回復のスタートとなります。
困ったときは、ためらわずに専門家に支援を求めてください。
社会には、あなたとあなたの家族を支える仕組みと人々が、確かに存在しています。
横浜市内の専門医療機関、自助グループ、行政の相談窓口など、頼れる存在を活用しながら、明日への希望を持って歩んでいってください。
回復への道は、必ずあなたを待っています。
