放課後等デイサービスの卒業後の居場所探しと支援の継続方法を解説

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放課後等デイサービスは、原則として高校卒業の年齢までしか利用できません。

長年通った放課後等デイサービスを卒業する時期が近づくと、保護者の中には「卒業後はどこで過ごせばいいのか」「居場所がなくなってしまうのではないか」「就労はまだ難しいけれどどうすれば」など、不安を抱える方が多くいます。

放課後等デイサービスを卒業した後も、子どもの状態に応じた様々な居場所と支援サービスが用意されています。

スムーズな移行のためには、卒業前から計画的に次のステップを準備することが大切です。

この記事では、卒業後の選択肢、移行の進め方、活用のポイントについて解説します。

放課後等デイサービスの利用期間

放課後等デイサービスは、就学児を対象としたサービスです。

小学校入学から高校卒業(原則18歳)までが利用期間となります。

ただし、引き続き支援が必要と認められる場合、満20歳まで利用を延長できる「経過措置」があります。

高校に進学していない、特別支援学校高等部に通っている、進路が確定していないなどの状況では、20歳まで継続して利用できる場合があります。

卒業時期が近づいたら、相談支援専門員と早めに相談し、次の居場所を検討していきましょう。

卒業後の選択肢の種類

放課後等デイサービスを卒業した後の選択肢は、主に以下のようなものがあります。

就労継続支援B型は、雇用契約を結ばずに働く障害者向けの福祉サービスです。

就労継続支援A型は、雇用契約を結んで働く障害者向けの福祉サービスです。

就労移行支援は、一般就労を目指す方向けの訓練を提供するサービスです。

生活介護は、日中の活動と介護を一体的に提供する施設です。

地域活動支援センターは、創作的活動、生産活動、社会との交流を提供する場です。

自立訓練(生活訓練・機能訓練)は、地域生活に向けた訓練を提供するサービスです。

これらのサービスは、子どもの状態と希望に応じて選ぶことになります。

就労継続支援B型

就労継続支援B型は、放課後等デイサービスからの移行先として最も多く選ばれる選択肢の一つです。

雇用契約を結ばずに、自分のペースで作業に取り組めることが特徴です。

軽作業、農作業、清掃、飲食、手工芸など、施設によって様々な作業内容があります。

工賃が支払われますが、最低賃金の保障はなく、月数千円から数万円程度が一般的です。

体調に波がある方、長時間の労働が難しい方、まずは社会参加から始めたい方に適しています。

利用期間に制限はなく、長期的に通い続けることができます。

就労継続支援A型

就労継続支援A型は、雇用契約を結んで働く障害者向けの福祉サービスです。

最低賃金が保障され、社会保険にも加入できます。

一般企業での就労が難しいが、雇用契約のもとで働く能力がある方を対象としています。

就労時間や業務内容の調整があり、配慮された環境で働けます。

「B型より安定した収入を得たい」「働く力をつけたい」という方に適しています。

A型を経て一般就労や障害者雇用に進む方もいます。

就労移行支援

就労移行支援は、一般就労(障害者雇用を含む)を目指す方向けのサービスです。

最大2年間の利用期間で、職業訓練、書類作成、面接対策、就職活動の支援、職場定着支援などを受けられます。

「将来は一般企業で働きたい」「障害者雇用枠で就職したい」という明確な目標がある方に適しています。

放課後等デイサービスから直接就労移行支援に移行する方もいれば、B型を経て就労移行支援に進む方もいます。

子どもの状態と希望に応じて、適切な選択を考えていきましょう。

生活介護

生活介護は、常に介護を必要とする方向けの日中活動のサービスです。

入浴、排泄、食事の介護、創作的活動、生産活動、機能訓練などが提供されます。

重い障害を抱える方、医療的ケアが必要な方、就労が困難な方の日中の居場所となります。

利用期間に制限はなく、長期的に通い続けることができます。

子どもの状態が比較的重度の場合、生活介護が現実的な選択肢となります。

地域活動支援センター

地域活動支援センターは、創作的活動、生産活動、社会との交流を提供する場です。

法律上は「障害者総合支援法」に基づく地域生活支援事業の一つで、各自治体が設置しています。

利用料は無料または安価で、気軽に立ち寄れる場として活用できます。

通所が難しい日も柔軟に対応してくれることが多く、社会との接点を保ちたい方に適しています。

各センターによって活動内容が異なるため、地域の情報を確認することが大切です。

自立訓練

自立訓練(生活訓練・機能訓練)は、地域生活に向けた訓練を提供するサービスです。

生活訓練は、生活スキル、コミュニケーション、社会参加に向けた訓練が中心です。

機能訓練は、身体的なリハビリテーションが中心です。

最大2年間の利用期間で、その後の自立した生活や就労に向けた基礎を築きます。

「もう少しスキルを伸ばしてから次のステップに進みたい」「自立に向けた準備が必要」という方に適しています。

高等部進学・通信制高校

特別支援学校高等部、通常の高校、通信制高校、サポート校などへの進学も、卒業後の主要な選択肢です。

就労に向かう前に、まず高等教育を受けるという選択は、多くの子どもにとって自然な流れです。

特別支援学校高等部では、職業教育やキャリア教育が充実しており、卒業後の就労につながる実践的な学びが受けられます。

通信制高校では、自分のペースで学習でき、体調に波がある方にも適しています。

サポート校は、通信制高校の学習を支援する民間教育機関で、より個別的なサポートが受けられます。

大学・専門学校

大学や専門学校への進学も選択肢の一つです。

学力的な準備、配慮の必要性、就労への道筋などを総合的に考えて判断します。

近年は、発達障害や精神障害を抱える学生への合理的配慮を提供する大学や専門学校が増えています。

学生支援センター、保健管理センター、合理的配慮の窓口などを活用しながら、学業を続けることが可能です。

一般就労(障害者雇用)

放課後等デイサービスから直接、一般企業の障害者雇用枠で就労するという選択肢もあります。

特別支援学校高等部からの就労、ハローワークの障害者専門窓口を通じた就職、就労支援機関の支援を受けた就職など、複数のルートがあります。

子どもの状態が安定していて、就労準備が整っている場合、一般就労がスムーズに実現できる場合もあります。

卒業前からの計画的な準備

卒業後の居場所を見つけるためには、卒業前から計画的に準備することが大切です。

高校生になったら、相談支援専門員と一緒に卒業後の計画を立て始めましょう。

子どもの状態、希望、家族のサポート状況などを総合的に踏まえて、適切な選択肢を絞り込んでいきます。

候補となる事業所の見学、体験利用、説明会への参加などを通じて、実際の様子を確認します。

複数の選択肢を比較しながら、最適な場所を選んでいきましょう。

子ども本人の意思を尊重

卒業後の選択は、子ども本人の意思を尊重することが最も大切です。

「保護者がこうあってほしい」と決めつけるのではなく、子ども自身が「こうしたい」と考える機会を作ることが大切です。

進路選択は、子どもの将来の人生を左右する重要な決定です。

子どもの希望、興味、適性などを丁寧に聞き、子ども自身が納得できる選択を支援していきましょう。

相談支援専門員の役割

相談支援専門員は、卒業後の居場所選びをサポートする中心的な存在です。

サービス等利用計画の見直し、新しいサービスの調整、関係機関との連絡など、多岐にわたる支援を提供してくれます。

放課後等デイサービスから次のサービスへの切れ目ない移行を、相談支援専門員と一緒に進めていきます。

放課後等デイサービスの利用中から、卒業後を見据えた相談を始めることが推奨されます。

学校との連携

特別支援学校に通っている場合、学校と連携した進路指導が受けられます。

担任の先生、進路指導の担当、特別支援コーディネーターなどが、卒業後の進路についてサポートしてくれます。

学校での進路指導と、相談支援専門員の支援を組み合わせることで、より総合的な進路選択が実現できます。

通常の中学校・高校に通っている場合も、スクールカウンセラー、特別支援コーディネーターなどが進路相談に対応してくれます。

体験利用の活用

新しい事業所を選ぶ際、体験利用を活用することが大切です。

実際に通って、活動内容、スタッフ、他の利用者の雰囲気を確認します。

「自分はここで楽しく過ごせそうか」「スタッフは信頼できそうか」「他の利用者との相性はどうか」などを、体験を通じて見極めます。

複数の事業所で体験利用を受けて比較することで、最も合う場所が見つかります。

体験中の子どもの様子、帰宅後の感想なども、判断材料として大切にしましょう。

卒業後の生活リズム

放課後等デイサービスを卒業した後、生活リズムが大きく変わる可能性があります。

新しい通所先のスケジュール、移動時間、活動内容など、すべてが新しい状況となります。

慣れるまで時間がかかることが多いため、最初は無理せず段階的に慣らしていく方法もあります。

新しい事業所のスタッフと相談しながら、無理のないペースで通所を始めていきましょう。

家族のサポート

卒業と新しい生活への移行は、家族にとっても大きな変化です。

通所先の変更に伴う送迎の調整、新しい生活リズムへの適応、家族の役割の見直しなど、家族全体で取り組む課題があります。

家族で話し合いながら、子どもの新しい生活を支える体制を整えていきましょう。

家族会、自助グループ、相談支援専門員などのサポートも活用しながら、家族の負担を軽減していくことが大切です。

経済的な変化

卒業後のサービスによって、経済的な状況も変わる可能性があります。

放課後等デイサービスの利用料は、生活保護受給家庭では無料でしたが、卒業後のサービスでも基本的に同様の扱いとなります。

ただし、就労継続支援A型などで雇用契約を結ぶ場合、収入が発生し、生活保護費の扱いが変わる可能性があります。

ケースワーカー、相談支援専門員と相談しながら、経済的な側面についても計画的に進めていきましょう。

障害福祉サービスの全体像

放課後等デイサービスから他のサービスに移行する際、障害福祉サービスの全体像を把握することが役立ちます。

訪問系サービス(居宅介護、行動援護、同行援護など)、日中活動系サービス(生活介護、就労継続支援、自立訓練など)、居住系サービス(共同生活援助、宿泊型自立訓練など)、相談支援サービスなど、多様なサービスがあります。

子どもの将来の生活設計を考える上で、これらのサービスを組み合わせる視点が大切です。

困ったときの相談先

相談支援専門員、相談支援事業所は、卒業後のサービス選びについての中心的な相談先です。

特別支援学校の進路指導担当、特別支援コーディネーターは、学校での相談先となります。

地域の発達障害者支援センター、子ども家庭支援センターも、子どもと家庭の相談先として活用できます。

ハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターは、就労についての公的な相談先です。

各種事業所のスタッフ、見学・体験会の担当者なども、具体的な情報源となります。

親なき後の備えも視野に

子どもが卒業の時期を迎えると、保護者にも「親なき後」を考える時期がやってきます。

将来、保護者が高齢になった時、亡くなった後、子どもがどう生活していくかという長期的な視点も持っておくことが大切です。

成年後見制度、信託、グループホームへの入居、サービスの組み合わせなど、子どもの将来の生活を支える仕組みを少しずつ準備していきましょう。

弁護士、社会福祉士、相談支援専門員などと相談しながら、計画的に進めていくことが推奨されます。

新しい人生のステージへ

放課後等デイサービスからの卒業は、子どもにとって新しい人生のステージへの移行です。

長年通った場所を離れる寂しさ、新しい環境への不安、将来への期待など、複雑な感情を伴います。

子どもの気持ちに寄り添いながら、新しいスタートを応援する姿勢が、保護者の役割です。

子どもが新しい環境で、また新しい仲間と出会い、新しい経験を積み、成長していく日々が待っています。

その日々を、家族と専門家のチームと共に、一歩ずつ大切に育てていってください。

新しい生活のステージで、子どもが自分らしく生きていける場所が必ず見つかります。

その場所を見つけるまでの道のりを、家族で支え合いながら歩んでいってください。

支援は、必ずあなたたち家族の近くで待っています。

その支援を活用しながら、子どもの未来を、これからも丁寧に築いていきましょう。

新しい居場所での出会いと成長が、子どもの人生をさらに豊かなものにしてくれることを、心から信じています。

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