成年後見の費用はいくらかかるのか 詳細な内訳と負担軽減策

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成年後見制度を利用したいが費用がいくらかかるのか不安、継続的な費用はどのくらいか、経済的に負担できるか心配など、成年後見の費用について悩む方に向けて、申立て費用、継続費用、負担軽減策などを詳しく解説します。費用は決して安くありませんが、支援制度もあります。

成年後見にかかる費用の全体像

成年後見にかかる費用の全体像について説明します。

大きく分けて2つの費用があります。申立て時にかかる初期費用と、後見開始後に継続的にかかる費用です。

初期費用は数万円から数十万円程度です。家庭裁判所への申立て手数料、診断書作成費用、専門家への依頼費用などです。一度だけの支払いです。

継続費用は月数万円程度が相場です。後見人への報酬が主な費用です。専門職後見人の場合、月2〜6万円程度が一般的です。これが本人が亡くなるまで続きます。

生涯でかかる総額は数百万円から千万円以上になります。例えば、月3万円の報酬を30年間支払うと、3万円×12ヶ月×30年=1,080万円になります。

費用は本人の財産から支払われます。親や親族が負担するのではなく、本人の預貯金から支払われることが原則です。

財産が少ない場合は報酬付与の審判が出ないこともあります。財産がほとんどない場合、後見人への報酬が認められないこともあります。または、報酬額が低く設定されます。

成年後見制度利用支援事業があります。経済的に困難な場合、市区町村が費用を助成する制度があります。

申立て時にかかる初期費用

申立て時にかかる初期費用について詳しく説明します。

申立手数料印紙代は800円です。家庭裁判所に申し立てる際の手数料です。収入印紙で支払います。非常に安価です。

登記手数料は2,600円です。後見開始の登記をするための手数料です。収入印紙で支払います。

郵便切手代は3,000円〜5,000円程度です。家庭裁判所が書類を郵送するための切手代です。裁判所によって金額が異なります。現金または切手で納めます。

診断書作成費用は3,000円〜10,000円程度です。医師に診断書を作成してもらう費用です。かかりつけ医に依頼することが多いです。病院によって金額が異なります。精神科医による診断書が必要な場合もあります。

鑑定費用は5万円〜10万円程度です。家庭裁判所が必要と判断した場合のみ、医学的な鑑定が行われます。鑑定が必要ないケースも多いです。鑑定が行われる割合は全体の約10パーセント程度です。

戸籍謄本や住民票の取得費用は数百円〜数千円程度です。必要な書類を役所で取得する費用です。戸籍謄本1通450円、住民票1通300円程度です。

専門家への依頼費用は10万円〜30万円程度です。弁護士や司法書士に申立て手続きを依頼する場合の報酬です。自分で申し立てる場合は不要です。書類の準備、申立書の作成、家庭裁判所への同行などを依頼できます。

合計すると、自分で申し立てる場合は1万円〜2万円程度鑑定がない場合、専門家に依頼する場合は15万円〜40万円程度鑑定がある場合です。

後見人への報酬

後見開始後に継続的にかかる後見人への報酬について説明します。

報酬は家庭裁判所が決定します。後見人が報酬を請求し、家庭裁判所が審判で金額を決定します。後見人が勝手に決められません。

報酬の基本額は月2万円〜6万円程度が相場です。管理する財産額によって異なります。財産が1,000万円以下なら月2万円程度、1,000万円〜5,000万円なら月3〜4万円程度、5,000万円以上なら月5〜6万円程度が目安です。

付加報酬がつくこともあります。特別な事務遺産分割、不動産売却、訴訟対応などを行った場合、基本報酬に加えて付加報酬が認められることがあります。数十万円単位で加算されます。

親族後見人の場合は報酬なしまたは低額です。親、配偶者、子などの親族が後見人の場合、報酬を請求しないことが多いです。請求する場合でも、専門職より低額月1〜2万円程度になることが多いです。

専門職後見人の場合は必ず報酬がつきます。弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職が後見人の場合、報酬が認められます。月2〜6万円が相場です。

法人後見の場合も報酬がつきます。社会福祉法人やNPO法人が後見人の場合も報酬が認められます。月2〜5万円程度が相場です。

報酬は年1回または年2回請求します。毎月支払うのではなく、年に1〜2回まとめて請求し、家庭裁判所の審判を経て支払われます。

報酬は本人の財産から支払われます。後見人は本人の預貯金から報酬を受け取ります。親族や申立人が支払うわけではありません。

財産が少ない場合は報酬がつかないこともあります。本人の財産が数十万円しかない場合、報酬が認められないことがあります。または、月5,000円〜1万円程度の低額になります。

生涯でかかる総費用

生涯でかかる総費用について計算例を示します。

計算方法は、月額報酬×12ヶ月×年数です。後見が何年続くかによって、総額が大きく変わります。

ケース1:50歳で後見開始、80歳まで生きると仮定、月3万円の報酬の場合です。30年間×12ヶ月×3万円=1,080万円です。初期費用を含めると約1,100万円です。

ケース2:40歳で後見開始、75歳まで生きると仮定、月2万円の報酬の場合です。35年間×12ヶ月×2万円=840万円です。初期費用を含めると約860万円です。

ケース3:60歳で後見開始、85歳まで生きると仮定、月4万円の報酬の場合です。25年間×12ヶ月×4万円=1,200万円です。初期費用を含めると約1,220万円です。

ケース4:親族後見で報酬なしの場合です。初期費用の1万円〜2万円程度のみです。年1回の家庭裁判所への報告に郵送費が数百円かかる程度です。30年間でも数万円程度で済みます。

ケース5:財産が少なく報酬が月1万円の場合です。30年間×12ヶ月×1万円=360万円です。初期費用を含めると約380万円です。

平均的には、専門職後見人で500万円〜1,500万円程度が生涯でかかる費用の目安です。

付加報酬が加わると、さらに高額になります。不動産売却で50万円、遺産分割で30万円など、特別な事務があるたびに費用が増えます。

その他にかかる可能性のある費用

その他にかかる可能性のある費用について説明します。

後見監督人への報酬です。親族後見人の場合、後見監督人が選任されることがあります。後見監督人にも報酬が必要です。月1〜3万円程度が相場です。後見人への報酬に加えて支払う必要があります。

財産管理のための費用です。信託口座の開設費用、不動産の管理費用、税理士への確定申告依頼費用などがかかることがあります。

移動費や通信費です。後見人が遠方に住んでいる場合、交通費や宿泊費がかかることがあります。通常は報酬に含まれますが、特別に遠方の場合は別途請求されることもあります。

書類の郵送費や取得費です。家庭裁判所への報告書類の郵送費、戸籍謄本や登記簿謄本の取得費などが毎年かかります。年間数千円程度です。

成年後見制度支援信託の費用です。多額の財産がある場合、後見制度支援信託を利用することがあります。信託銀行への手数料が数万円かかります。また、一時的に専門職後見人が選任され、その報酬が十数万円かかります。

弁護士や司法書士への相談費用です。後見開始後も、法的な問題が生じた時に専門家に相談することがあります。相談料は1時間5,000円〜1万円程度です。

費用の負担を軽減する方法

成年後見の費用負担を軽減する方法について説明します。

親族後見人を選任してもらうことです。親、配偶者、子、兄弟姉妹などが後見人になれば、報酬を請求しないことが多いです。または、低額で済みます。ただし、財産が多い場合や親族間でトラブルがある場合は、専門職が選任されることが多いです。

成年後見制度利用支援事業を利用することです。市区町村が実施している助成制度です。経済的に困難な場合、申立て費用や後見人報酬を助成してもらえます。市区町村の障害福祉課に相談します。

生活保護受給者は助成が受けやすいです。生活保護を受けている場合、成年後見制度利用支援事業の対象になりやすいです。費用の全額または大部分を助成してもらえます。

報酬付与の申立てをしないことです。親族後見人の場合、報酬を請求せずに無報酬で後見業務を行うことができます。家庭裁判所に報酬付与の申立てをしなければ、報酬は発生しません。

低額の報酬を申し立てることです。財産が少ない場合、月5,000円〜1万円程度の低額報酬を申し立てることができます。家庭裁判所もそれを認めることが多いです。

自分で申立て手続きをすることです。弁護士や司法書士に依頼せず、自分で申立て手続きをすれば、初期費用が大幅に削減できます。家庭裁判所の窓口で相談しながら進められます。

鑑定を回避することです。診断書を詳細に作成してもらうことで、鑑定が不要になることがあります。かかりつけ医に詳しい診断書を書いてもらうよう依頼します。

成年後見以外の方法を検討することです。日常生活自立支援事業月1,000〜3,000円程度、家族信託、任意代理契約など、より費用の安い方法を検討します。

成年後見制度利用支援事業

成年後見制度利用支援事業について詳しく説明します。

制度の概要です。市区町村が実施する助成制度です。経済的な理由で成年後見制度を利用できない人に対して、費用を助成します。障害者総合支援法や老人福祉法に基づく制度です。

助成の対象者です。障害者、高齢者、生活保護受給者、市民税非課税世帯、低所得者などが対象です。市区町村によって基準が異なります。

助成される費用です。申立て費用診断書作成費、鑑定費用、申立て手数料など、後見人報酬月2〜3万円程度まで、後見監督人報酬などが助成対象です。

助成の上限額があります。市区町村によって異なりますが、申立て費用は10万円まで、後見人報酬は月2万8千円までなどの上限が設定されています。

市町村長申立ての場合は優先されます。本人に親族がいない、親族が申し立てない場合、市区町村長が申し立てます。その場合、利用支援事業が適用されやすいです。

申請方法は市区町村の窓口です。障害福祉課、高齢福祉課などに相談します。申請書、診断書、収入証明書、預貯金通帳のコピーなどが必要です。

審査があります。市区町村が審査し、助成の可否と金額を決定します。必ず助成されるわけではありません。

期間が限られることがあります。例えば、2年間だけ助成、5年間だけ助成など、期限が設定されることがあります。永続的に助成されるとは限りません。

市区町村によって制度内容が大きく異なります。実施していない市区町村もあります。まずは自分の住んでいる市区町村に確認することが重要です。

費用を支払えない場合

費用を支払えない場合の対処について説明します。

本人の財産から支払うことが原則です。本人の預貯金、年金、給与などから支払います。親族が負担する必要はありません。

財産がない場合は報酬がつかないこともあります。本人の預貯金が数十万円程度しかない場合、後見人報酬が認められないことがあります。または、月数千円程度の低額報酬になります。

成年後見制度利用支援事業を利用します。市区町村の助成制度を利用すれば、費用の全額または大部分を補助してもらえます。

生活保護を受けている場合は助成対象になります。生活保護受給者は、成年後見制度利用支援事業の対象になりやすいです。

親族が無報酬で後見人になることもできます。報酬を請求せず、ボランティアとして後見業務を行うことができます。

後見人が辞任することもできます。報酬が支払えないなど、後見業務の継続が困難な場合、家庭裁判所の許可を得て辞任できます。ただし、次の後見人が選任されるまでは業務を続ける必要があります。

成年後見以外の方法に切り替えることも検討します。日常生活自立支援事業、家族によるサポート、相談支援専門員のサポートなど、費用のかからない方法を検討します。ただし、一度開始した成年後見は原則として終了できません。

費用に見合う価値があるか

費用に見合う価値があるかの判断について説明します。

費用対効果は個々の状況によります。財産が多い人にとっては、数百万円の費用を払っても、適切な財産管理により数千万円の財産を守れるなら価値があります。

詐欺や悪質商法から守られる価値です。判断能力が不十分な人は、詐欺の被害に遭いやすいです。一度の被害で数百万円失うこともあります。それを防げるなら、後見人への報酬は安いと言えます。

親族間のトラブルを防ぐ価値です。財産を巡る親族間の争いは、精神的にも経済的にも大きな負担です。第三者の後見人により公平な管理ができるなら、価値があります。

親の安心を買う価値です。親が高齢になり、親亡き後が心配な場合、後見人を立てることで安心できます。安心はお金に代えられません。

適切な契約ができる価値です。福祉サービスの利用、施設入所、医療の同意など、重要な契約を適切に行えることの価値は大きいです。

一方、費用が負担になる場合もあります。財産が少ない人にとって、月数万円の報酬は大きな負担です。年金の大部分が報酬に消えてしまうこともあります。

代替手段で十分な場合もあります。信頼できる家族がいる、財産が少ない、詐欺の心配がないなどの場合、高額な費用を払って後見人を立てる必要はないかもしれません。

費用を理由に後見を諦めないことです。成年後見制度利用支援事業など、費用を軽減する方法があります。まずは市区町村に相談することが大切です。

まとめ

成年後見の費用は決して安くありませんが、必要な場合もあります。

費用の全体像としては、初期費用が1万円〜40万円程度自分で申し立てるか専門家に依頼するか、鑑定の有無などにより変動、継続費用が月2〜6万円程度専門職後見人の場合、親族後見人なら無報酬または低額、生涯でかかる総費用が数百万円から千万円以上になります。

申立て時の初期費用は、申立手数料800円、登記手数料2,600円、郵便切手代3,000〜5,000円、診断書作成費3,000〜10,000円、鑑定費用5〜10万円必要な場合のみ、専門家への依頼費用10〜30万円依頼する場合のみなどです。

後見人への報酬は、基本額が月2〜6万円程度財産額により変動、付加報酬が特別な事務を行った場合に加算、親族後見人は無報酬または低額、専門職後見人は必ず報酬がつく、本人の財産から支払われるなどです。

その他にかかる費用として、後見監督人報酬、財産管理費用、移動費、書類取得費、成年後見制度支援信託費用などがあります。

費用負担を軽減する方法として、親族後見人の選任、成年後見制度利用支援事業の利用、生活保護受給者への助成、報酬付与申立てをしない、低額報酬の申立て、自分で申立て手続き、鑑定の回避、代替手段の検討などがあります。

成年後見制度利用支援事業は、市区町村が実施する助成制度です。経済的に困難な場合、申立て費用や後見人報酬を助成してもらえます。

費用を支払えない場合の対処、費用に見合う価値があるかの判断も重要です。

成年後見の費用に不安を感じている方は、まず市区町村の障害福祉課に相談してください。成年後見制度利用支援事業が利用できるかもしれません。親族が後見人になれば、費用は大幅に削減できます。費用を理由に成年後見を諦める必要はありません。自分の状況に合った方法を見つけてください。専門家にも相談してください。費用はかかりますが、適切な財産管理や本人の保護という価値があります。総合的に判断してください。

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