帰る場所がないと感じている時に

お子さんの将来を考え、B型施設を探している保護者の方へ
障害のあるお子さんに合った選択をするために、まず知っておきたい基本ガイド

初めての方は、基礎知識と不安解消をセットで押さえると安心です。

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「夜になっても帰る家がない」「実家には戻れない事情がある」「住んでいる場所はあっても心が休まらない」「世界のどこにも自分の居場所がない」と感じている方は少なくありません。物理的に住む場所がない状況、家庭環境の問題で実家に戻れない状況、住居はあっても心の安らぎが得られない状況、それぞれに深い苦しみがあります。「帰る場所がない」という感覚は、人間にとって最も根源的な不安の一つです。一人で抱え込まず、利用できる支援と相談先を知ることで、自分の居場所を見つける道が開けます。

帰る場所がないという感覚

帰る場所がないという感覚には、複数の意味があります。

最初に挙げられるのが、物理的な居場所がない状態です。住んでいた家を失った、ネットカフェや友人宅を転々としている、ホームレス状態にあるといった具体的な住居の問題です。

実家に戻れない状態もあります。家族関係の問題、虐待、毒親、家族との断絶など、物理的には実家があっても、そこに戻ることができない事情を抱える方は少なくありません。

住居はあっても心の居場所がない感覚もあります。一人暮らしの部屋、配偶者と暮らす家、家族と暮らす家であっても、心が安らげない、自分らしくいられない、緊張が続くといった状態です。

精神的な居場所のなさもあります。社会の中で自分の役割や所属を感じられない、誰にも必要とされていないと感じる、世界から疎外されているような感覚を持つ状態です。

存在の根本的な不安として現れることもあります。生きていて良いのか、自分の居場所はあるのかという、深い実存的な問いに苦しむ状態です。

これらの感覚は、それぞれ異なる対応が必要ですが、共通しているのは「安心して身を置ける場所がない」という苦しみです。

物理的に住む場所がない時の緊急対応

今夜泊まる場所がない、住居を失っているという状況では、緊急の対応が必要です。

最初に連絡したいのが、24時間対応の相談窓口です。よりそいホットライン0120-279-338は、生活困窮、住まいの問題など、複合的な悩みに対応してくれます。

DV相談プラス0120-279-889も、24時間対応です。DVや家族関係の問題から逃れて行く場所がない女性の相談に対応しています。

各都道府県の女性相談センターは、女性のための一時保護に対応しています。緊急時には電話相談から保護先の手配まで、一連の流れで支援を受けられます。

シェルターは、緊急避難先として利用できます。配偶者暴力相談支援センターのシェルター、女性向けの民間シェルターなど、安全な場所が確保されます。

警察への110番通報も、身の危険を感じる時はためらわないでください。DV、ストーカー、暴力被害などの場合は、警察が保護してくれます。

今夜だけでも安全に過ごす場所として、女性専用のネットカフェ、24時間営業のファミリーレストラン、カプセルホテルの女性専用フロアなどがあります。一晩を過ごす場所として、屋外で野宿することは絶対に避けてください。

住居を失う前にできる支援

住居を失いそうな状況、家賃の滞納などで追い詰められている場合の支援があります。

最初に検討したいのが、住宅確保給付金です。離職や廃業から2年以内、または収入が著しく減少した方が対象で、家賃相当額が原則3か月、最長9か月にわたって支給されます。

生活困窮者自立相談支援機関は、各自治体に設置されている相談窓口です。住まいの問題、生活全般の困りごとに総合的に対応してくれます。

緊急小口資金は、一時的な生活費の不足に対応する貸付制度です。10万円までの少額融資で、家賃や生活費を確保できます。社会福祉協議会で申し込めます。

生活保護制度は、経済的に困窮した方の最後のセーフティネットです。住居がない状態でも、住居の確保と並行して申請できます。生活費、家賃、医療費が支給されます。

家賃の滞納がある場合は、家主や管理会社に早めに相談することも大切です。状況を説明し、支払いの猶予や分割払いを相談することで、立ち退きを避けられる場合があります。

これらの支援を組み合わせることで、住居の確保と生活の立て直しが可能となります。

実家に戻れない事情を抱える時

実家があっても戻れない事情を抱える方は多くいます。

最初に挙げられるのが、家族からの虐待や暴力です。子どもの頃から続いてきた虐待、現在も続く心理的支配、性的虐待などがある場合、実家に戻ることは自分を傷つける選択となります。

毒親と呼ばれる関係性もあります。過干渉、支配、否定的な言葉、経済的搾取など、健全でない関わりが続く家族との関係です。

家族の精神疾患や依存症の問題もあります。アルコール依存、ギャンブル依存、暴力的な家族との生活は、自分の心身を守るために距離を取る必要があります。

宗教や信条の押し付けもあります。特定の宗教団体への入信を強要される、独自の価値観を強制される家族から離れる必要がある方もいます。

経済的な事情で戻れないこともあります。実家の経済状況が厳しい、戻ることで家計を圧迫する、借金問題があるなどの理由です。

家族関係の破綻もあります。喧嘩別れ、勘当、絶縁状態など、形式的にも実質的にも関係が断たれている場合です。

LGBTQの方が、性的指向や性自認を理解されない家族から離れているケースもあります。

これらの事情を抱える方が、実家に戻らないという選択をすることは、自分を守るための正当な判断です。

心の居場所がない時

住む家はあっても、心が休まらない状態に苦しんでいる方もいます。

最初に意識したいのが、その感覚は本物だということです。物理的に屋根の下にいても、心が安らげない状態は、ホームレス状態と同じくらい辛いものです。

配偶者やパートナーとの関係が原因の場合があります。DV、モラハラ、無関心、価値観の違いなど、家庭内に居場所がないと感じる関係性です。

家族との同居でも、心の距離があれば居場所のなさを感じます。実家暮らしでも、自分の意見が尊重されない、本当の自分を出せないといった状態は、心の居場所のなさを生みます。

一人暮らしでも、心の居場所がないと感じることがあります。仕事から疲れて帰っても、誰も待っていない、誰も自分のことを気にかけていないという感覚が、強い孤独感を生みます。

職場、友人関係、地域社会など、社会の中で居場所を感じられないことも、帰る場所のなさにつながります。

心の居場所を作るためには、物理的な引っ越しだけでなく、人間関係の見直し、自己理解、新しいコミュニティとの出会いなどが必要となります。

利用できる住居の選択肢

住居を確保するための選択肢を整理しておきましょう。

最初に検討したいのが、公営住宅です。家賃が安く長く住み続けられる選択肢で、低所得者には特に手厚い仕組みになっています。生活保護受給者やひとり親家庭は、優先的な扱いを受けられる場合があります。

UR賃貸住宅は、礼金、仲介手数料、更新料、保証人が不要な物件です。初期費用を抑えて入居できる選択肢として、緊急時にも有効です。

シェアハウスは、家具家電が揃っていて、初期費用が少ない現代的な住まい方です。すぐに入居できる物件が多く、人とのつながりも生まれやすい環境です。

母子生活支援施設は、母子家庭が利用できる入所型の施設です。住居と生活支援を一体的に受けられます。

自立援助ホームは、20代前半までの若い女性が利用できる場合があります。家庭に居場所のない若年女性を支える施設です。

DVや虐待から逃れるためのシェルターは、住所が秘匿される安全な環境です。緊急時の一時保護から、その後の生活再建までの支援が受けられます。

民間賃貸住宅では、生活保護受給者の入居を歓迎する物件、保証人不要の物件、家賃保証会社が利用できる物件などを探せます。

それぞれの選択肢には特徴があり、自分の状況に合った住まいを選ぶことができます。

経済的な支援の活用

住居を確保し、新しい生活を始めるための経済的支援があります。

生活保護制度は、経済的困窮への基本的な支援です。生活費、家賃、医療費などが支給されます。

住宅確保給付金は、離職や廃業から2年以内であれば申請できます。家賃相当額が支給されます。

生活福祉資金貸付制度は、低所得世帯を対象に、低利または無利子で借りられる貸付制度です。住宅入居費として40万円までの貸付があり、敷金、礼金などの初期費用に充てられます。

母子父子寡婦福祉資金貸付金は、ひとり親家庭を対象とした貸付制度です。生活資金、住宅資金など、目的別の貸付が用意されています。

求職者支援制度は、雇用保険を受けられない方が職業訓練を受ける際に、月10万円の生活支援給付金が支給される制度です。

緊急小口資金は、当面の生活費を確保するための貸付制度です。10万円までの少額融資で、すぐに必要な費用を賄えます。

これらの制度は、福祉事務所、社会福祉協議会、生活困窮者自立相談支援機関などで申し込みや相談ができます。

心の健康のケア

帰る場所がないと感じる状態は、心の健康にも影響します。

抑うつ気分、不安感、孤独感、無力感などが続く場合、専門的なケアが必要なサインです。

精神保健福祉センターは、心の健康に関する公的な相談機関です。各都道府県に設置されており、無料で専門の相談員に話を聞いてもらえます。

医療機関の受診もためらわないでください。生活保護を受給すれば医療扶助で自己負担なく治療を受けられます。自立支援医療制度を利用すれば、精神科の通院医療費を1割負担に抑えられます。

トラウマや家族関係の問題が背景にある場合、専門のカウンセリングが効果的です。複雑性PTSD、アダルトチルドレン、毒親問題などに詳しい治療者に相談できます。

よりそいホットラインは、24時間対応の無料電話相談です。電話番号は0120-279-338で、生活困窮、心の悩みなど、複合的な悩みに対応してくれます。

死にたい気持ちが強くなった時は、いのちの電話0570-783-556、お住まいの地域の精神保健福祉センターなどに今すぐ電話してください。

信頼できるつながりを作る

新しい居場所を作るためには、信頼できる人間関係が大切です。

最初に検討したいのが、支援団体や自助グループとのつながりです。同じような経験を持つ方々と出会うことで、自分だけではないと感じられます。

毒親育ち、虐待サバイバー、DV被害者、LGBTQなど、さまざまなテーマの自助グループがあります。インターネットで検索すると、地域の団体やオンラインのコミュニティが見つかります。

新しい人間関係も、無理のないペースで築いていきましょう。地域のサークル、習い事、ボランティア活動など、自分が楽しめる場所での出会いが、新しい居場所となります。

オンラインのコミュニティも、現代的な選択肢です。匿名性を保ちながら、地理的な制約なく繋がれる場所が多くあります。

ペットとの暮らしも、心の居場所を作る助けとなります。動物との温かい関係は、孤独感を和らげます。

専門家との関係も、心の支えとなります。担当のケースワーカー、カウンセラー、医師など、定期的に話せる相手がいることが、生活の安定につながります。

自分の心の中に居場所を作る

物理的な居場所と並行して、自分の心の中に居場所を作ることも大切です。

最初に意識したいのが、自分自身を大切にする習慣です。健康的な食事、十分な睡眠、適度な運動、自分の好きなことに時間を使うなど、自分を労わる行動を意識的に取り入れます。

自分の感情を尊重する練習も大切です。寂しさ、悲しみ、怒り、不安などの感情を否定せず、認めることが、自分との関係を深めます。

書くことが、心の居場所を作る助けとなります。日記、ジャーナリング、自分への手紙など、自分との対話を文字にすることで、心の中に安全な場所が育ちます。

好きな場所を持つことも、心の居場所となります。お気に入りのカフェ、自然の中の特定の場所、図書館、神社など、心が落ち着く場所を見つけましょう。

過去の良い記憶を大切にすることもできます。誰かに優しくされた経験、心地よかった瞬間、達成した出来事など、自分の中の温かい記憶が、心の支えとなります。

将来の自分への期待を持つことも、心の居場所を作る助けとなります。今は辛くても、これから自分が築いていく人生への希望が、生きる力になります。

一歩ずつ進んでいく

帰る場所がない状況からの回復は、一歩ずつ進んでいくものです。

最初の一歩として、緊急時の安全を確保することから始めましょう。今夜の宿泊先、当面の生活費、心身の安全など、最も切迫したことから対応します。

次に、住居の確保を進めます。公営住宅、UR賃貸、シェアハウス、シェルターなど、自分に合った住まいを探します。

経済的な基盤を整えることも並行して進めます。生活保護、就労支援、貯蓄など、安定した生活を支える要素を組み立てていきます。

心身の健康のケアも忘れずに。長年抱えてきた心の傷、トラウマ、健康問題などを、専門家のサポートを受けながら整理していきます。

新しい人間関係を、自分のペースで築いていきます。すぐに親密な関係を期待せず、少しずつ信頼できる人を増やしていきましょう。

時間がかかることを受け入れることも大切です。本当の意味での居場所が見つかるまでには、数か月、数年かかることもあります。焦らず、自分のペースで進んでいくことが、持続的な変化を生みます。

帰る場所がないと感じる気持ちは、決してあなただけが抱える特別なものではありません。同じような状況から、新しい居場所を見つけている方が多くいます。

最初の一歩として、緊急時の相談窓口に電話することから始めましょう。よりそいホットライン0120-279-338、DV相談プラス0120-279-889、生活困窮者自立相談支援機関など、利用できる窓口は多くあります。

電話一本で、状況が大きく変わることがあります。専門の相談員は、毎日同じような相談を受けており、責めることなく状況を聞いてくれます。

物理的な居場所と心の居場所、両方を整えていくことが大切です。住む場所の確保と並行して、心のケアにも取り組んでいきましょう。

過去の経験は変えられませんが、これからの居場所は自分の手で築いていけます。家族との関係に縛られず、自分らしくいられる場所を、これから作っていけます。

困ったときには遠慮なく支援を求め、利用できるすべての制度と相談先を活用しながら、一歩ずつ前進していきましょう。あなたが安心して身を置ける場所を実現するための支援は、必ず存在しています。

なお、現在つらい状況にあり、心の健康に深刻な影響が出ている方、自分を傷つけたい気持ちや消えてしまいたい気持ちを抱えている方は、よりそいホットライン0120-279-338、いのちの電話0570-783-556、お住まいの地域の精神保健福祉センターなどの相談窓口にお電話ください。緊急時は110番や119番に通報することもためらわないでください。あなたの命と安全が、何よりも大切です。

一人ではないことを忘れないでください。あなたを支える仕組みと人々は、必ず存在しています。今は帰る場所がないと感じていても、これから自分らしい居場所を見つけていけます。今日の電話一本が、新しい人生への扉を開く力となります。あなたが心から安らげる場所は、必ず見つかります。

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