はじめに
就労継続支援B型事業所の見学を考えているものの、「一人で行くのが不安」「家族に一緒に来てもらいたい」と考えている方は少なくありません。初めての場所、初めての人たち、どんな質問をすればいいのか分からない——こうした不安から、家族同伴での見学を希望する方がいらっしゃいます。
実は、B型事業所の見学に家族同伴で行くことは、全く問題ありません。むしろ、多くの事業所が家族同伴を歓迎しています。家族が一緒にいることで安心できる、家族の視点で事業所を評価できる、家族も事業所を理解できる——家族同伴には多くのメリットがあります。
しかし、家族同伴にも注意点があります。家族が前面に出すぎる、利用者本人の意思が見えなくなる、過保護に見える——こうした点に配慮する必要があります。また、すべての人が家族同伴を希望するわけではなく、「一人で行きたい」という方もいます。
本記事では、家族同伴で見学するメリット・デメリット、見学時の家族の役割、注意点、そして家族同伴を断られることはあるのかまで、詳しく解説していきます。
家族同伴での見学は可能か
結論:可能です
全く問題ない B型事業所の見学に、家族同伴で行くことは全く問題ありません。
一般的: 家族同伴での見学は、非常に一般的です。
歓迎される: 多くの事業所が、家族同伴を歓迎しています。
事業所側の考え
理解がある 事業所側は、利用者が不安を感じることを理解しています。
家族の視点も重要: 事業所側も、家族の視点や意見を聞きたいと考えています。
家族の理解が必要: 利用者が事業所を継続して利用するには、家族の理解と協力が必要です。事業所側も、家族に理解してもらいたいと考えています。
事前連絡
伝えておく 見学の予約をする際、「家族と一緒に見学したい」と伝えましょう。
例: 「母(父、配偶者など)と一緒に見学させていただきたいのですが、大丈夫ですか?」
対応: ほとんどの事業所は、「もちろん大丈夫です」と答えてくれます。
誰と行くか
同伴者 家族同伴といっても、誰でもいいわけではありません。
適切な同伴者:
- 親(父、母)
- 配偶者(夫、妻)
- 兄弟姉妹
- 子ども(成人している場合)
同居家族が理想: 同居している家族、または日常的にサポートしてくれる家族が理想です。
人数: 基本的に1〜2名が適切です。大勢で行くのは避けましょう。
家族同伴で見学するメリット
メリット1: 安心感
最大のメリット 家族が一緒にいることで、安心感があります。
不安の軽減:
- 初めての場所への不安が軽減される
- 緊張が和らぐ
- 心強い
特に: 対人不安が強い方、初めての場所が苦手な方には、大きなメリットです。
メリット2: 家族の視点
客観的な評価 家族の視点で、事業所を客観的に評価できます。
見るポイント:
- 事業所の雰囲気
- 支援員の対応
- 他の利用者の様子
- 清潔感
- 安全性
本人が見落とす点: 本人が緊張して見落とす点を、家族が見てくれます。
メリット3: 質問のサポート
質問を補う 本人が質問しにくいことを、家族が質問できます。
例:
- 「工賃はどれくらいですか?」
- 「休んだ場合の対応は?」
- 「通所できない日が多くても大丈夫ですか?」
本人が聞きにくいこと: 本人が聞きにくい質問を、家族が代わりに聞いてくれます。
メリット4: 情報の整理
記憶のサポート 見学後、家族と一緒に情報を整理できます。
忘れない: 一人だと、見学内容を忘れることがありますが、家族と一緒なら、後で確認できます。
比較: 複数の事業所を見学する場合、家族と一緒に比較・検討できます。
メリット5: 家族の理解
事業所を理解 家族が実際に事業所を見ることで、B型がどんなサービスか理解できます。
重要: 家族の理解と協力は、利用を続ける上で非常に重要です。
説明不要: 見学後、家族に事業所のことを説明する手間が省けます。
メリット6: 決断のサポート
相談相手 見学後、家族と一緒に「この事業所に通うかどうか」を相談できます。
アドバイス: 家族からのアドバイスをもらえます。
決断: 一人で決めるより、家族と一緒に決める方が、安心です。
メリット7: 支援員との関係構築
顔つなぎ 家族が支援員と顔を合わせることで、今後の連携がスムーズになります。
信頼: 支援員と家族が顔見知りになることで、信頼関係が生まれます。
メリット8: 緊急連絡先の確認
家族情報 見学時に、家族の連絡先などを確認してもらえます。
緊急時: 緊急時の連絡先として、家族の情報を事業所に伝えられます。
メリット9: 通所方法の確認
一緒に確認 家族と一緒に、通所ルートや送迎の有無を確認できます。
送迎: 家族が送迎する場合、実際のルートや所要時間を確認できます。
メリット10: モチベーション
後押し 家族が一緒に見学することで、「家族も応援してくれている」と感じ、モチベーションが上がります。
支え: 家族の存在が、大きな支えになります。
家族同伴で見学するデメリット
デメリット1: 家族が前面に出すぎる
本人の意思が見えない 家族が前面に出すぎると、本人の意思が見えなくなります。
問題:
- 家族ばかりが質問する
- 家族ばかりが話す
- 本人が何も言わない
印象: 事業所側から、「本人の意思はどこにあるのか?」と疑問に思われます。
デメリット2: 過保護に見える
自立を妨げる 家族が過保護すぎると、本人の自立を妨げているように見えます。
例:
- 家族が全て代弁する
- 本人に何も聞かない
- 本人の意見を無視する
デメリット3: 本人が萎縮する
緊張が増す 家族がいることで、かえって本人が萎縮することがあります。
理由:
- 家族の前で恥ずかしい
- 家族に良く見られたい
- 家族の期待に応えなければ
デメリット4: 家族の意見の押し付け
意見の相違 家族と本人の意見が異なる場合、トラブルになることがあります。
例:
- 本人:「この事業所が良い」
- 家族:「ここは良くない。別の事業所にしなさい」
押し付け: 家族が意見を押し付けると、本人の意思が尊重されません。
デメリット5: 家族の質問が多すぎる
時間超過 家族が質問しすぎると、見学時間が大幅に超過することがあります。
問題:
- 他の見学者を待たせる
- 事業所の業務を妨げる
デメリット6: 家族間の意見対立
その場で対立 見学中に、家族間で意見が対立することがあります。
例:
- 母:「ここが良い」
- 父:「ここはダメだ」
印象: 事業所側に、良くない印象を与えます。
デメリット7: 一人で行く練習にならない
依存 いつも家族同伴だと、一人で行動する練習になりません。
将来: 将来、一人で通所する必要があるのに、家族に頼りすぎると自立できません。
デメリット8: 家族のスケジュール
日程調整 家族の都合に合わせる必要があり、見学の日程調整が難しくなることがあります。
遅れる: 自分は早く見学したいのに、家族の都合で遅れることがあります。
デメリット9: 家族の偏見
先入観 家族が偏見や先入観を持っている場合、それが本人に影響します。
例:
- 「障害者の施設なんて…」
- 「こんな場所に通わせたくない」
デメリット10: 本人の主体性が育たない
自立の妨げ いつも家族に頼ると、本人の主体性が育ちません。
重要: 将来的に、自分で判断し、自分で行動する力が必要です。
見学時の家族の役割
役割1: サポート役
主役は本人 見学の主役は、あくまで本人です。家族はサポート役です。
意識: 「自分が前に出る」のではなく、「本人をサポートする」という意識を持ちましょう。
役割2: 本人が話せるよう促す
発言を促す 本人が話せるよう、促しましょう。
例:
- 支援員が質問した時、本人が答えるのを待つ
- 「○○(本人)、何か聞きたいことある?」と促す
役割3: 本人が聞きにくい質問を補う
補足質問 本人が聞きにくい質問を、家族が補いましょう。
タイミング: 本人が話し終わった後、または本人が「家族に聞いてほしい」と思っている時。
役割4: 客観的な観察
冷静に観察 感情的にならず、冷静に事業所を観察しましょう。
観察ポイント:
- 雰囲気
- 清潔感
- 支援員の対応
- 他の利用者の様子
- 安全性
役割5: メモを取る
記録係 本人が緊張してメモを取れない場合、家族がメモを取りましょう。
メモ内容:
- 作業内容
- 工賃
- 通所日数・時間
- 送迎の有無
- 気づいた点
役割6: 本人の様子を見る
体調チェック 見学中、本人の体調や様子を見守りましょう。
対応:
- 疲れているようなら、「少し休憩しましょうか?」と提案
- 緊張しているようなら、励ます
役割7: 見学後の相談相手
一緒に考える 見学後、本人と一緒に「この事業所に通うかどうか」を相談しましょう。
押し付けない: 家族の意見を押し付けず、本人の意思を尊重しましょう。
役割8: 支援員との連携
協力関係 支援員と協力関係を築きましょう。
姿勢:
- 支援員を信頼する
- 協力的な態度
- 感謝の気持ち
役割9: 本人の代弁(必要な場合のみ)
代弁 本人がうまく伝えられない場合のみ、代弁しましょう。
注意: すべてを代弁するのではなく、必要最低限に留めましょう。
役割10: 励まし
精神的サポート 見学後、本人を励ましましょう。
言葉:
- 「良い事業所だったね」
- 「あなたなら大丈夫」
- 「一緒に頑張ろう」
家族同伴での見学時の注意点
注意点1: 本人を主役に
最重要 見学の主役は、本人です。家族が前に出すぎないようにしましょう。
意識: 「私がどう思うか」ではなく、「本人がどう感じるか」を優先しましょう。
注意点2: 本人の意思を尊重
決定権は本人 最終的な決定権は、本人にあります。
押し付けない: 家族の意見を押し付けないようにしましょう。
注意点3: 質問は適度に
質問しすぎない 質問は適度に留めましょう。
時間: 見学時間は、通常1〜2時間です。時間を守りましょう。
注意点4: 批判的な態度を避ける
ポジティブに 批判的な態度、否定的な態度は避けましょう。
例(避けるべき):
- 「こんな作業、意味あるんですか?」
- 「工賃が安すぎませんか?」
- 「他の事業所の方が良いですよ」
態度: 興味を持って、前向きに見学しましょう。
注意点5: 他の利用者への配慮
プライバシー 他の利用者のプライバシーに配慮しましょう。
避けること:
- じろじろ見る
- 写真を撮る(許可なく)
- 話しかける(許可なく)
注意点6: 服装
清潔な服装 清潔で、常識的な服装で行きましょう。
避けること:
- 派手すぎる服装
- 不潔な服装
- サンダル、スリッパ
注意点7: 時間厳守
遅刻しない 見学の予約時間を守りましょう。
遅れる場合: 必ず事前に連絡しましょう。
注意点8: 感謝の気持ち
お礼を言う 見学後、支援員にお礼を言いましょう。
言葉: 「今日はありがとうございました」
注意点9: 本人の気持ちを聞く
見学後 見学後、本人の気持ちをじっくり聞きましょう。
質問:
- 「どうだった?」
- 「この事業所、どう思う?」
- 「通いたいと思う?」
傾聴: 本人の気持ちを、否定せず、じっくり聞きましょう。
注意点10: 複数見学を推奨
比較検討 一つの事業所だけでなく、複数の事業所を見学することを推奨します。
理由: 比較することで、より良い選択ができます。
家族同伴を断られることはあるか
基本的に断られない
歓迎される 基本的に、家族同伴での見学を断られることはありません。
一般的: 家族同伴は一般的で、事業所側も慣れています。
断られる可能性がある場合
稀なケース 以下のような場合、断られる可能性があります。
1. 大勢で来る 家族が5人、10人など、大勢で来ることを伝えた場合。
理由: 事業所のスペースに限りがあるため。
対応: 1〜2名に絞りましょう。
2. 利用者本人が来ない 家族だけで見学し、本人が来ない場合。
理由: 見学の主役は本人です。本人抜きでは意味がありません。
対応: 本人と一緒に行きましょう。
3. 過去にトラブルがあった 過去に、その家族がトラブルを起こしたことがある場合。
稀: これは非常に稀なケースです。
断られた場合の対応
理由を聞く 断られた場合、理由を聞きましょう。
代替案: 「では、本人だけで見学させていただけますか?」など、代替案を提案しましょう。
他の事業所: どうしても家族同伴が必要な場合、他の事業所を探しましょう。
一人で見学に行くべきか、家族同伴で行くべきか
迷った時の判断基準
本人の希望 最も重要なのは、本人の希望です。
質問:
- 「一人で行きたい? それとも一緒に行く?」
本人が決める: 本人が決めましょう。
一人で行くことを推奨する場合
以下の場合、一人で行くことを推奨:
- 本人が「一人で行きたい」と希望している
- 本人に一人で行く力がある
- 自立を促したい
- 将来的に一人で通所する予定
メリット:
- 自立の練習になる
- 主体性が育つ
- 自信がつく
家族同伴を推奨する場合
以下の場合、家族同伴を推奨:
- 本人が「一緒に来てほしい」と希望している
- 本人が強い不安を感じている
- 初めてのB型見学
- 家族の理解が必要
- 複雑な質問が予想される
メリット:
- 安心感
- 家族の視点
- サポート
段階的なアプローチ
最初は家族同伴、徐々に一人で 最初の見学は家族同伴で、2回目以降は一人で、という段階的なアプローチもあります。
例:
- 1つ目の事業所:家族同伴
- 2つ目の事業所:一人で
- 3つ目の事業所:一人で
練習: 段階的に、一人で行動する練習になります。
よくある質問(FAQ)
Q1: B型の見学に家族同伴で行っても大丈夫ですか?
A: はい、全く問題ありません。多くの事業所が家族同伴を歓迎しています。
Q2: 見学の予約時に、家族同伴であることを伝えるべきですか?
A: はい、伝えておくと良いです。「家族と一緒に見学したいのですが、大丈夫ですか?」と聞きましょう。
Q3: 両親2人と私の3人で見学に行っても大丈夫ですか?
A: 基本的に大丈夫ですが、事前に「3人で見学したい」と伝えましょう。
Q4: 配偶者と子どもも連れて行っても大丈夫ですか?
A: 小さな子どもを連れて行くのは避けた方が良いです。配偶者のみ、または信頼できる人に子どもを預けましょう。
Q5: 家族が質問ばかりしても大丈夫ですか?
A: 適度なら大丈夫ですが、質問しすぎると時間超過になります。事前に質問を整理しておきましょう。
Q6: 家族だけで見学し、本人は後日見学することは可能ですか?
A: 一般的には、本人と一緒に見学することが推奨されます。ただし、事情がある場合は事業所に相談しましょう。
Q7: 見学時、家族はどこまで質問していいですか?
A: 本人が聞きにくい質問(工賃、休みの対応など)は家族が質問してOKです。ただし、本人の意思を尊重しましょう。
Q8: 見学後、家族と本人の意見が違う場合、どうすればいいですか?
A: 最終的な決定権は本人にあります。家族は意見を伝えることはできますが、押し付けないようにしましょう。
Q9: いつも家族同伴で見学すると、本人の自立を妨げますか?
A: 可能性はあります。最初は家族同伴でも、徐々に一人で行動する練習をすることをお勧めします。
Q10: 事業所側は、家族同伴をどう思っていますか?
A: ほとんどの事業所は、家族同伴を歓迎しています。家族の理解と協力は、利用者の継続利用に重要だからです。
まとめ:家族同伴は問題なし、ただしバランスが大切
就労継続支援B型事業所の見学に、家族同伴で行くことは全く問題ありません。むしろ、多くの事業所が家族同伴を歓迎しています。家族が一緒にいることで安心できる、家族の視点で評価できる、家族も事業所を理解できる——家族同伴には多くのメリットがあります。
大切なポイント
- 家族同伴は可能 B型の見学に家族同伴で行くことは、全く問題ありません。
- 事前に伝える 予約時に「家族と一緒に見学したい」と伝えましょう。
- 本人が主役 家族はサポート役です。本人を主役にしましょう。
- 本人の意思を尊重 家族の意見を押し付けず、本人の意思を尊重しましょう。
- 適度な質問 質問は適度に。時間を守りましょう。
- 客観的な観察 感情的にならず、冷静に事業所を観察しましょう。
- 見学後の相談 見学後、本人と一緒に相談しましょう。
- 段階的なアプローチ 最初は家族同伴、徐々に一人で、という方法もあります。
- 家族の理解が重要 家族が事業所を理解することは、利用継続に重要です。
- バランスが大切 家族のサポートと、本人の自立のバランスが大切です。
あなたとご家族へのメッセージ
B型事業所の見学に行くことは、大きな一歩です。初めての場所、初めての人たち——不安を感じるのは当然です。
もし「一人で行くのは不安」と感じているなら、家族に一緒に来てもらいましょう。全く問題ありません。家族が一緒にいることで、あなたは安心して見学できます。そして、家族もB型がどんなサービスか、どんな事業所かを理解できます。家族の理解と協力は、あなたがB型を継続して利用する上で、とても大切です。
ご家族の方へ。あなたの大切な家族が、B型を利用しようとしています。ぜひ、見学に同伴してください。そして、事業所を見て、支援員と話して、B型がどんな場所かを理解してください。あなたの理解と協力が、ご家族の背中を押します。
ただし、一つだけお願いがあります。見学の主役は、利用者ご本人です。あなたはサポート役です。前に出すぎず、本人の意思を尊重してください。本人が話せるよう促し、本人が聞きにくい質問を補い、本人の様子を見守ってください。そして、見学後、本人の気持ちをじっくり聞いてください。「どうだった?」「どう思う?」と。
家族同伴での見学は、あなたとご家族が一緒に、新しい一歩を踏み出す機会です。不安もあるでしょう。でも、大丈夫です。事業所は、あなたとご家族を温かく迎えてくれます。支援員は、あなたの不安を理解し、丁寧に説明してくれます。
見学を通じて、あなたに合った事業所が見つかることを心から願っています。家族と一緒に、一歩ずつ、前に進んでいきましょう。あなたには、その力があります。そして、あなたのそばには、支えてくれる家族がいます。安心して、見学に行ってください。新しい世界が、あなたを待っています。

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