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就労継続支援B型は、障害のある方が自分のペースで働ける貴重な場所ですが、すべての人に向いているわけではありません。「B型を利用しているけど、何か違う気がする」「自分には合っていないのでは」と感じている方もいるでしょう。
B型が向いていないと感じることは、決して悪いことではありません。それは、あなたにもっと合った選択肢があるというサインかもしれません。自分に合わないサービスを無理に続けるより、自分に合った環境を見つける方が、長期的には良い結果につながります。
本記事では、就労継続支援B型が向いていない人の特徴、その理由、そして他にどんな選択肢があるのかについて詳しく解説していきます。
就労継続支援B型とは(基本の確認)
制度の概要
就労継続支援B型は、一般企業等での就労が困難な障害のある方に対し、雇用契約を結ばずに働く場を提供し、就労訓練を行う福祉サービスです。
主な特徴
雇用契約なし:最低賃金の保障がない、工賃は平均月額約16,000円
自分のペース:体調に合わせて出勤日数や時間を調整できる
福祉的支援:就労だけでなく、生活面の相談もできる
期限なし:就労移行支援と違い、利用期限がない
作業内容:軽作業、内職、清掃、データ入力、農作業など
就労継続支援B型が向いていない人の特徴
1. 一般就労を目指したい人
もっと稼ぎたい
最低賃金以上の収入が必要:B型の工賃(平均月額約16,000円)では生活できない、自立したい
キャリアを積みたい:社会人としてのキャリアを築きたい
社会保険に入りたい:健康保険、厚生年金などに加入したい
一般企業で働ける能力がある
体力・スキルがある:週5日、1日8時間働ける体力とスキルがある
安定して通勤できる:毎日決まった時間に出勤できる
ビジネスマナーがある:社会人としての基本的なマナーが身についている
コミュニケーション能力:職場での適切なコミュニケーションが取れる
このタイプの人に向いているサービス
就労移行支援:一般就労を目指すための訓練サービス(2年間の期限あり)
就労継続支援A型:雇用契約を結び、最低賃金以上の給料がもらえる
一般就労(障害者雇用枠):企業の障害者雇用枠で就職
2. もっと専門的なスキルを身につけたい人
高度なスキルを求めている
IT・プログラミング:本格的なプログラミングを学びたい
デザイン:プロレベルのデザインスキルを身につけたい
資格取得:専門的な資格を取得したい
キャリアアップ:将来的に専門職として働きたい
B型の訓練では物足りない
B型事業所の多くは、基本的な作業や軽作業が中心で、高度な専門スキルを身につける環境ではありません。
このタイプの人に向いているサービス
就労移行支援(専門特化型):IT、デザイン、事務など専門分野に特化した事業所
職業訓練校:公共職業訓練、求職者支援訓練
専門学校:本格的に学び直す
オンライン学習:Udemy、プログラミングスクールなど
3. 単調な作業が苦手な人
刺激や変化を求める
同じ作業の繰り返しが苦痛:単純作業を延々と続けることが耐えられない
クリエイティブな仕事がしたい:創造性を発揮できる仕事がしたい
多様な経験がしたい:様々なことに挑戦したい
知的好奇心が強い
学び続けたい:常に新しいことを学びたい
成長実感が欲しい:成長している実感を得たい
変化を楽しみたい:変わらない日常に退屈する
このタイプの人に向いているサービス
クリエイティブな作業を提供するB型事業所:デザイン、アート、IT系の事業所を探す
就労移行支援:多様な訓練プログラムがある
一般就労:より多様な業務に携われる
4. 人間関係が苦手で、一人で働きたい人
対人ストレスが強い
人と関わること自体がストレス:人と同じ空間にいるだけで疲れる
集団行動が苦手:グループでの作業や行事が苦痛
自分のペースを乱されたくない:他人に合わせることがストレス
このタイプの人に向いているサービス
B型の在宅勤務:在宅での作業を提供している事業所を探す
在宅ワーク(フリーランス):クラウドソーシング、内職など
就労継続支援A型(在宅):在宅勤務可能なA型事業所
生活介護:就労より生活支援に重点を置いたサービス
5. 体力があり、もっと働きたい人
時間を持て余している
午前中で作業が終わる:もっと長時間働きたい
週5日フルタイムで働ける:体力的に余裕がある
物足りない:今の作業量では満足できない
このタイプの人に向いているサービス
就労継続支援A型:週5日、1日4~6時間程度の勤務が一般的
一般就労(障害者雇用枠):週5日、1日8時間の勤務
複数のB型事業所を併用:自治体によっては可能
6. 工賃の低さに納得できない人
経済的に自立したい
生活費を稼ぎたい:月額16,000円では全く足りない
一人暮らしをしたい:自立した生活を送りたい
将来への不安:このままでは将来が不安
このタイプの人に向いているサービス
就労継続支援A型:最低賃金以上の給料が保障される
一般就労(障害者雇用枠):さらに高い給料が期待できる
在宅ワーク(副業):B型と並行して、在宅ワークで収入を増やす
7. 福祉的な雰囲気が合わない人
もっと「普通の職場」で働きたい
福祉施設という雰囲気が嫌:特別扱いされたくない
一般企業で働いている実感が欲しい:社会人として働きたい
対等な立場で働きたい:支援される立場ではなく、労働者として扱われたい
このタイプの人に向いているサービス
就労継続支援A型:雇用契約を結ぶため、より一般企業に近い
一般就労(障害者雇用枠):一般企業で働ける
8. 目標や期限がないと動けない人
期限がないと頑張れない
だらけてしまう:期限がないと、ついだらけてしまう
目標が欲しい:明確な目標がないとモチベーションが保てない
卒業したい:いつまでもB型にいるつもりはない
このタイプの人に向いているサービス
就労移行支援:2年間という期限があり、一般就労という明確な目標がある
自分で期限を設定:「1年後にA型に移る」「2年後に一般就労」と自分で目標設定する
9. 障害が軽度で、支援をあまり必要としない人
ほとんど支援が不要
体調が安定している:ほとんど欠勤しない
スキルが高い:パソコンや専門スキルがある
コミュニケーション能力がある:職場での人間関係に問題ない
生活が自立している:日常生活に困っていない
このタイプの人に向いているサービス
一般就労(障害者雇用枠):直接一般企業に就職できる可能性が高い
就労継続支援A型:B型より一般企業に近い環境
B型が向いている人(参考)
逆に、B型が向いている人の特徴も確認しておきましょう。
体調に波がある:安定して毎日通勤することが難しい
ゆっくり働きたい:自分のペースでゆっくり働きたい
長期的に通いたい:期限を気にせず、長く同じ場所にいたい
福祉的支援が必要:就労だけでなく、生活面の支援も必要
工賃より居場所が大切:収入より、居場所や仲間が大切
一般就労は難しい:一般企業での就労は難しいと感じている
プレッシャーを避けたい:厳しいノルマや競争を避けたい
自分に合ったサービスを見つけるために
1. 自己分析をする
何を大切にしたいか:収入、スキルアップ、居場所、健康など
どんな働き方がしたいか:フルタイム、短時間、在宅など
何が得意か:自分のスキルや強みは何か
何が苦手か:人間関係、体力、単調な作業など
将来どうなりたいか:5年後、10年後の自分をイメージする
2. 情報収集をする
他のサービスを知る:就労移行支援、A型、生活介護など
事業所を見学する:実際に複数の事業所を見学する
利用者の声を聞く:実際に利用している人の話を聞く
相談支援専門員に相談:専門家のアドバイスを受ける
3. 体験利用をする
まず体験:契約前に必ず体験利用をする
複数を比較:複数の事業所やサービスを体験して比較する
自分の感覚を大切に:データや評判だけでなく、自分の直感も大切に
4. 移行を考える
B型が合わないと感じたら、他のサービスへの移行を検討しましょう。
相談支援事業所:まず相談支援専門員に相談する
市町村の障害福祉窓口:手続きや制度について確認する
受給者証の変更:サービスを変更する場合、受給者証の変更が必要
計画的に移行:いきなり辞めず、次を決めてから移行する
他の選択肢
就労移行支援
期間:最長2年間
目的:一般就労を目指す
内容:職業訓練、就職活動支援、職場定着支援
工賃:基本的にはなし(事業所によっては少額の工賃あり)
メリット:専門的な訓練、就職サポート、期限があるため集中できる
デメリット:2年間という期限、工賃がない、プレッシャーがある
就労継続支援A型
雇用契約:あり(最低賃金以上の給料)
平均月額:約80,000円程度
作業時間:週5日、1日4~6時間程度が一般的
メリット:給料が高い、社会保険に加入できる、一般企業に近い環境
デメリット:B型より要求水準が高い、体調が安定していることが求められる
一般就労(障害者雇用枠)
雇用契約:あり
給料:企業により異なるが、最低賃金以上
勤務時間:企業により異なる(短時間勤務も可能)
メリット:給料が高い、キャリアが積める、社会的評価
デメリット:求められる水準が高い、競争がある、ストレスが大きい
生活介護
対象:常時介護が必要な障害のある方
内容:創作活動、生産活動、日常生活の支援
工賃:B型よりさらに低い、またはなし
メリット:就労のプレッシャーがない、ゆったりとした環境
デメリット:工賃が低い、就労訓練ではない
在宅ワーク(フリーランス)
クラウドソーシング:ランサーズ、クラウドワークスなど
内職:在宅での軽作業
ハンドメイド販売:メルカリ、minneなどで手作り品を販売
メリット:自分のペース、人間関係のストレスが少ない、収入の上限がない
デメリット:収入が不安定、福祉的支援がない、孤独になりがち
まとめ
就労継続支援B型は素晴らしいサービスですが、すべての人に向いているわけではありません。一般就労を目指したい人、もっと稼ぎたい人、専門スキルを身につけたい人、単調な作業が苦手な人などには、他のサービスの方が合っている可能性があります。
B型が合わないと感じることは、悪いことではありません。それは、あなたにもっと合った選択肢があるというサインです。自己分析をし、情報収集をし、体験利用をして、自分に本当に合ったサービスや働き方を見つけましょう。
就労移行支援、就労継続支援A型、一般就労、生活介護、在宅ワークなど、様々な選択肢があります。相談支援事業所や市町村の障害福祉窓口に相談しながら、自分らしい働き方を探していきましょう。
あなたに合った働き方が見つかり、充実した日々を過ごせることを心から願っています。
注意:この記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的なサービスの利用条件や手続きは、お住まいの市町村や相談支援事業所にご確認ください。

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