就労継続支援B型 利用断られる 断られる理由と対処法

はじめに:利用を断られる不安と現実

就労継続支援B型事業所の利用を検討している方の中には、「利用を断られるのではないか」という不安を抱えている方が少なくありません。「自分の障がいでは受け入れてもらえないのではないか」「症状が重すぎて断られるのではないか」「過去の経歴が原因で拒否されるのではないか」「何か問題があると思われて断られるのではないか」という心配から、最初の一歩を踏み出せずにいる方もいます。

特に、過去に何かを断られた経験がある方、自己肯定感が低い方、「自分は社会から必要とされていない」と感じている方は、「どうせ断られる」と諦めてしまうことがあります。また、実際に見学や体験利用を申し込んで断られた経験がある方は、大きなショックを受け、「やはり自分はどこにも受け入れてもらえない」と深く傷ついています。

しかし、実際には、B型事業所で利用を断られることは非常に稀です。B型事業所は、「働くことが困難な方」を受け入れることを目的としており、多様な障がいや状況の方を支援する場所だからです。断られるケースは、非常に限定的な理由によるものであり、「あなた個人を拒否している」わけではありません。

また、万が一断られた場合でも、それは「終わり」ではありません。別の事業所を探す、他のサービスを利用する、時期を変える、状況を整えるなど、様々な選択肢があります。一つの事業所に断られたからといって、すべての道が閉ざされるわけではないのです。

本記事では、B型事業所で利用を断られる可能性がある理由、実際に断られるケースは稀であること、断られた場合の対処法、断られないための準備、そして断られた時の心の持ち方について、詳しく解説していきます。利用を検討している方、断られる不安がある方、実際に断られた経験がある方、ご家族や支援者の方々にとって、実践的な情報となれば幸いです。

B型事業所で利用を断られる可能性がある理由

まず、どのような理由で利用を断られる可能性があるのか、理解しましょう。

定員が満員で空きがない

最も一般的な理由 利用を断られる最も一般的な理由は、「定員が満員で空きがない」ことです。

B型事業所には、法律で定められた定員があります。定員に達している場合、物理的に受け入れることができません。

この場合の特徴:

  • あなた個人を拒否しているわけではない
  • 誰が申し込んでも断られる
  • 空きが出れば利用できる可能性がある
  • 他の事業所を紹介してくれることが多い

対処法:

  • 空き待ちリストに登録する
  • 定期的に空き状況を確認する
  • 他の事業所を探す

サービス対象外

事業所の対応範囲外 事業所によって、対応できる障がいの種類や程度が異なります。特定の分野に特化した事業所の場合、対象外の障がいの方は受け入れられないことがあります。

例:

  • 精神障害専門の事業所に、知的障害の方が申し込んだ場合
  • 軽度・中度対応の事業所に、重度の方が申し込んだ場合
  • 身体障害対応の設備がない事業所に、車椅子の方が申し込んだ場合

この場合の特徴:

  • 事業所の専門性や設備の問題
  • あなたを拒否しているわけではない
  • 対応できる事業所を紹介してくれることが多い

対処法:

  • 自分の障がいに対応している事業所を探す
  • 相談支援専門員に相談する

医療的ケアが必要で対応できない

専門的な医療対応 常時医療的ケア(痰の吸引、経管栄養、インシュリン注射など)が必要な場合、看護師が配置されていない事業所では対応できません。

この場合の特徴:

  • 医療体制の問題
  • 安全面への配慮
  • 看護師配置のある事業所なら対応可能

対処法:

  • 看護師が配置されている事業所を探す
  • 医療的ケアに対応した事業所を探す
  • 生活介護サービスも検討する

重度の暴力行為・他害行為のリスク

安全面の懸念 過去に重度の暴力行為や他害行為があり、現在も高いリスクがあると判断された場合、他の利用者やスタッフの安全を守るために、受け入れが難しいことがあります。

ただし:

  • 「過去に暴力があった」だけでは断られない
  • 現在の状態が安定していれば問題ない
  • 適切な服薬や治療で管理されていれば受け入れ可能
  • 暴力のリスクについて、医師の診断書や意見書があれば判断材料になる

この場合の特徴:

  • 安全管理の問題
  • 現在進行形の高リスクが問題
  • 過去だけでなく現在の状態が重要

対処法:

  • 主治医に相談して、症状を安定させる
  • 薬の調整
  • より手厚いサポートがある事業所を探す

地域外・サービス提供区域外

事業所の活動範囲 一部の事業所は、サービス提供区域を限定していることがあります。区域外の方は受け入れられません。

例:

  • 「○○市在住の方のみ」
  • 「送迎範囲は半径5km以内」

この場合の特徴:

  • 地理的な制限
  • あなた個人の問題ではない

対処法:

  • 自分の居住地域にある事業所を探す
  • 引っ越しを検討する(現実的でない場合が多い)

受給者証の支給決定が下りない

行政の判断 事業所ではなく、市区町村の行政が「B型の利用は適切でない」と判断し、受給者証の支給決定が下りないケースがあります。

理由の例:

  • 一般就労が十分可能と判断された
  • 就労移行支援を先に利用すべきと判断された
  • A型事業所の方が適切と判断された
  • 障がいの程度が受給要件を満たさないと判断された

この場合の特徴:

  • 事業所ではなく行政の判断
  • 事業所は受け入れたいが、制度上受け入れられない

対処法:

  • 市区町村に理由を聞く
  • 主治医に診断書や意見書を書き直してもらう
  • 相談支援専門員に相談して、支給決定を得る方法を探る
  • 不服申し立てをする(最終手段)

年齢制限(非常に稀)

原則年齢制限はないが B型事業所には原則として年齢制限はありませんが、極めて稀に、事業所が独自に年齢制限を設けていることがあります。

例:

  • 「65歳未満の方のみ」
  • 「若年層向けの事業所」

この場合の特徴:

  • 非常に稀
  • 事業所の方針

対処法:

  • 年齢制限のない事業所を探す(ほとんどの事業所は制限がない)

実際には断られるケースは非常に稀

重要なのは、上記のような理由で実際に利用を断られるケースは、非常に稀だということです。

B型の本来の役割

「働くことが困難な方」のための場所 B型事業所は、「一般企業での就労が困難な方」「A型事業所でも働くことが難しい方」を受け入れるための場所です。

つまり、「障がいが重い」「能力が低い」「問題がある」という理由では、基本的に断られません。

多様性の受け入れ

様々な方を支援 B型事業所は、以下のような多様な方を受け入れています。

  • 精神障害、知的障害、身体障害、発達障害
  • 軽度から重度まで
  • 高齢者から若年層まで
  • 長期間の引きこもり経験者
  • 複数の障がいがある方
  • 過去に職場や学校で問題があった方
  • 何度も福祉サービスを辞めた方

この多様性こそが、B型の特徴です。

事業所側のメリット

利用者を増やしたい 事業所は、利用者がいないと運営できません。利用者を増やしたいと考えているため、基本的には受け入れに前向きです。

「断る」のは最終手段

まず受け入れを検討 健全な事業所は、すぐに「断る」のではなく、「どうすれば受け入れられるか」を考えます。

  • 通所日数や時間を調整する
  • 作業内容を配慮する
  • スタッフの配置を工夫する
  • 段階的に慣れてもらう

断られた場合の対処法

万が一、利用を断られた場合、どうすればよいでしょうか。

理由を明確に聞く

なぜ断られたか確認 「申し訳ありませんが、なぜ利用できないのか、理由を教えていただけますか」と丁寧に聞きましょう。

理由が分かれば、対処法も見えてきます。

理由ごとの対処法

定員が満員の場合

対処法:

  1. 空き待ちリストに登録する
    • 「空きが出たら連絡いただけますか」
    • 定期的に空き状況を確認する
  2. 他の事業所を探す
    • 同じ地域の別の事業所を探す
    • 相談支援専門員に紹介してもらう
  3. 一時的に他のサービスを利用
    • 地域活動支援センター
    • デイケア
    • 空きが出るまでの繋ぎとして

サービス対象外の場合

対処法:

  1. 対応している事業所を紹介してもらう
    • 「私の障がいに対応している事業所を教えていただけますか」
  2. 相談支援専門員に相談
    • 自分の障がいに対応した事業所を探してもらう
  3. 市区町村の窓口に相談
    • 適切な事業所を紹介してもらう

医療的ケアが必要な場合

対処法:

  1. 看護師配置のある事業所を探す
    • 相談支援専門員に相談
    • 市区町村の窓口に相談
  2. 生活介護サービスを検討
    • より医療的サポートが手厚い
  3. 訪問看護との併用
    • B型利用と訪問看護を組み合わせる

暴力・他害のリスクがある場合

対処法:

  1. 主治医に相談
    • 薬の調整
    • 症状の安定化
  2. より手厚いサポートのある事業所を探す
    • スタッフ配置が多い事業所
    • 小規模で個別対応が手厚い事業所
  3. 段階的なアプローチ
    • まず短時間・少日数から
    • スタッフと信頼関係を築く

受給者証が下りない場合

対処法:

  1. 市区町村に理由を聞く
    • なぜ支給決定が下りないのか明確に
  2. 主治医に相談
    • 診断書や意見書を詳しく書いてもらう
    • B型利用の必要性を明記してもらう
  3. 相談支援専門員に相談
    • 支給決定を得るための戦略を立てる
    • 市区町村との調整を手伝ってもらう
  4. 不服申し立て
    • 明らかに不当な場合、不服申し立ても可能

複数の事業所にアプローチする

一つに固執しない 一つの事業所に断られても、他にも多くの事業所があります。同時に複数の事業所に問い合わせることも有効です。

相談支援専門員を活用する

専門家のサポート 相談支援専門員は、事業所探しのプロです。

  • 自分に合った事業所を紹介してもらう
  • 断られた理由を一緒に分析する
  • 次の戦略を立てる
  • 事業所との調整を手伝ってもらう

市区町村の窓口に相談

公的なサポート 市区町村の障がい福祉担当窓口に相談すると、

  • 適切な事業所を紹介してもらえる
  • 受給者証の問題を解決してもらえる
  • 他のサービスを提案してもらえる

時期をずらす

タイミングを変える 今は断られても、数ヶ月後には状況が変わることがあります。

  • 定員に空きが出る
  • 自分の体調が安定する
  • 新しい事業所がオープンする

B型以外の選択肢も検討

他のサービス B型が難しい場合、他のサービスも検討しましょう。

  • A型事業所: より安定した体調・能力がある場合
  • 就労移行支援: 一般就労を目指す場合
  • 地域活動支援センター: より柔軟、ハードルが低い
  • 生活介護: より手厚いサポートが必要な場合
  • デイケア: 医療的サポートが必要な場合

断られないための準備

利用を断られないために、事前にできる準備です。

事前に事業所の情報を調べる

対応範囲を確認 事業所のホームページや電話で、以下を確認しましょう。

  • どんな障がいに対応しているか
  • 定員と空き状況
  • サービス提供区域
  • 特別な対応が必要な場合、可能か

自分の状況に合った事業所を選ぶことで、断られるリスクを減らせます。

受給者証を取得しておく

事前準備 見学や体験利用の段階では不要ですが、利用開始には受給者証が必要です。

早めに申請を始めることで、スムーズに進みます。

主治医の診断書・意見書

詳しく書いてもらう 主治医に、以下を詳しく書いてもらいましょう。

  • 障がいの状態
  • 日常生活の困難
  • B型利用の必要性
  • 配慮が必要な点

詳しい診断書があると、事業所も対応しやすくなります。

相談支援専門員と契約

専門家のサポート 相談支援専門員と事前に契約しておくと、

  • 適切な事業所を紹介してもらえる
  • 見学や体験に同行してもらえる
  • 事業所との調整を手伝ってもらえる

正直に伝える

隠さない 障がいの状態、困っていること、過去の経験などは、隠さず正直に伝えましょう。

隠すと、後で問題になります。正直に伝えた上で、「それでも受け入れてくれる」事業所を探すことが大切です。

柔軟性を示す

調整可能であることを伝える 「週5日フルタイムで」と固執せず、

  • 「最初は週1日、午前のみから始めて、徐々に増やしたい」
  • 「事業所の都合に合わせます」

柔軟性を示すと、事業所も受け入れやすくなります。

前向きな姿勢を見せる

意欲を伝える 「頑張りたい」「成長したい」「働きたい」という前向きな姿勢を見せることで、事業所も「支援したい」と思います。

断られた時の心の持ち方

実際に断られた場合、どう受け止めればよいでしょうか。

あなた個人を拒否しているわけではない

システムや状況の問題 断られる理由のほとんどは、定員、対応範囲、設備、地域など、システムや状況の問題です。

「あなたという人間を拒否している」わけではありません。

相性の問題

合わなかっただけ その事業所とあなたの相性が合わなかっただけです。他の事業所なら、相性が合うかもしれません。

一つに断られても、道は他にもある

選択肢は無限 一つの事業所に断られても、他にも多くの事業所があります。B型以外のサービスもあります。

一つの道が閉ざされても、他の道があります。

自分を責めない

あなたのせいではない 断られたことで、「自分はダメだ」「価値がない」と思う必要はありません。

断られた理由は、あなたの価値や能力とは無関係です。

学びの機会

次に活かす 断られた理由を分析することで、次の事業所選びに活かせます。

「この経験から学べることは何か」と考えてみましょう。

サポートを求める

一人で抱え込まない 断られてショックを受けた時は、一人で抱え込まず、

  • 家族に話す
  • 相談支援専門員に相談する
  • 主治医に相談する
  • 友人に話す

サポートを求めましょう。

諦めない

必ず道はある 一つ、二つ断られても、諦めないでください。あなたに合った場所は、必ず見つかります。

よくある質問

Q1: 障害者手帳を持っていないと断られますか?

A: 断られません 障害者手帳がなくても、医師の診断書や意見書があれば、B型を利用できます。

Q2: 精神障害だと断られやすいですか?

A: いいえ B型利用者の多くは精神障害の方です。精神障害だから断られることはありません。

Q3: 高齢だと断られますか?

A: 断られません B型には年齢制限はありません。60代、70代の方も利用しています。

Q4: 引きこもり期間が長いと断られますか?

A: 断られません 長期間の引きこもり経験者も多く利用しています。むしろ、そういう方のための場所です。

Q5: 過去に職場や学校で問題を起こしたことがあると断られますか?

A: 過去だけでは断られません 過去ではなく、現在の状態が重要です。現在症状が安定していれば問題ありません。

Q6: コミュニケーションが苦手だと断られますか?

A: 断られません コミュニケーションが苦手な方も多く利用しています。それをサポートするのがB型の役割です。

Q7: すべての事業所に断られることはありますか?

A: 極めて稀 適切な事業所を探せば、必ずどこかは受け入れてくれます。相談支援専門員に相談しましょう。

Q8: 断られた理由を教えてもらえますか?

A: 聞けます 丁寧に尋ねれば、理由を教えてもらえます。理由を知ることで、次の対策が立てられます。

Q9: 一度断られた事業所に、後から再度申し込めますか?

A: 申し込めます 状況が変われば(空きが出る、自分の状態が変わるなど)、再度申し込むことができます。

Q10: 断られたらどこに相談すればいいですか?

A: 相談支援事業所や市区町村の窓口 相談支援専門員や、市区町村の障がい福祉担当窓口に相談しましょう。適切なアドバイスやサポートを受けられます。

まとめ:断られることは稀、諦めないで

就労継続支援B型事業所で利用を断られる理由は、定員満員、サービス対象外、医療的ケアが必要、重度の暴力リスク、地域外、受給者証が下りない、年齢制限(稀)など、限定的です。

重要なのは、実際に断られるケースは非常に稀だということです。B型の本来の役割は「働くことが困難な方」を受け入れることであり、多様な方を支援しています。事業所は利用者を増やしたいと考えており、「断る」のは最終手段です。

万が一断られた場合は、理由を明確に聞き、理由ごとに対処しましょう。複数の事業所にアプローチし、相談支援専門員や市区町村の窓口を活用し、時期をずらす、B型以外の選択肢も検討するなどの方法があります。

断られないための準備として、事前に事業所の情報を調べる、受給者証を取得しておく、主治医の診断書を詳しく書いてもらう、相談支援専門員と契約する、正直に伝える、柔軟性を示す、前向きな姿勢を見せることが有効です。

断られた時は、あなた個人を拒否しているわけではなく、相性の問題であり、一つに断られても道は他にもあることを理解しましょう。自分を責めず、学びの機会とし、サポートを求め、諦めないでください。

障害者手帳がない、精神障害、高齢、引きこもり期間が長い、過去に問題があった、コミュニケーションが苦手などの理由では、断られることはありません。

あなたに合った事業所は、必ず見つかります。一つや二つ断られても、諦めずに探し続けてください。相談支援専門員や市区町村の窓口のサポートを受けながら、あなたの居場所を見つけましょう。応援しています。

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