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就労継続支援B型事業所におけるデザイン作業は、クリエイティブな才能や感性を活かせる仕事として、近年注目を集めています。
グラフィックデザイン、イラスト制作、ロゴデザイン、Web デザインなど、多様なデザイン業務が就労継続支援B型の作業として提供されています。
障害のある方の中には、独特の感性や表現力を持つ方が多く、デザインという分野でその才能を発揮できる可能性があります。
また、パソコンを使った作業が中心となるため、体力的な負担が少なく、在宅勤務にも適しているという利点もあります。
本記事では、就労継続支援B型におけるデザイン作業の実態、具体的な作業内容、必要なスキル、メリットと課題、そして事業所の選び方について詳しく解説していきます。
就労継続支援B型とは(基本の確認)
制度の概要
就労継続支援B型は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つで、一般企業等での就労が困難な障害のある方に対し、雇用契約を結ばずに働く場を提供し、就労訓練を行う事業です。
対象者
身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病のある方などが対象となります。
工賃
雇用契約ではないため、給料ではなく「工賃」が支払われます。全国平均は月額約16,000円程度ですが、事業所や作業内容によって大きく異なります。
就労継続支援B型で行われるデザイン作業
デザイン作業の種類
就労継続支援B型事業所で実際に行われているデザイン作業には、以下のようなものがあります。
グラフィックデザイン
チラシ・ポスター制作:イベントや店舗の宣伝用チラシやポスターのデザイン
名刺デザイン:企業や個人事業主の名刺制作
パンフレット・カタログ:商品カタログや会社案内のデザイン
ロゴデザイン:企業やブランドのロゴマーク制作
パッケージデザイン:商品のパッケージやラベルのデザイン
Web デザイン
ホームページ制作:企業や店舗のウェブサイトのデザイン・制作
バナー制作:Web 広告用のバナー画像制作
SNS 用画像制作:Instagram、Twitter、Facebook などの投稿用画像
LP(ランディングページ)制作:商品やサービスの紹介ページ制作
イラスト制作
キャラクターデザイン:企業やイベントのマスコットキャラクター制作
挿絵制作:書籍、雑誌、Web メディアの挿絵
イラストマップ:観光地や施設の案内マップ
LINEスタンプ制作:オリジナルのLINEスタンプ制作・販売
その他のデザイン関連作業
写真加工・レタッチ:写真の色調整や合成
動画編集:PR動画やYouTube動画の編集
DTP作業:印刷物のデータ制作
商品撮影:自主製品の撮影と画像加工
受注形態
外部企業からの受注:地域の企業や店舗からデザイン制作を請け負う
自主製品の制作:オリジナルグッズやアート作品を制作・販売
クラウドソーシング:ランサーズ、クラウドワークスなどで案件を受注
協力企業との連携:デザイン会社と提携し、下請け作業を行う
デザイン作業のメリット
利用者にとってのメリット
才能・感性を活かせる:独特の感性や表現力を仕事に活かせます
クリエイティブな達成感:自分の作品が形になる喜びがあります
スキルアップ:デザインスキルを身につけることができます
在宅勤務が可能:パソコンがあれば在宅でも作業できます
体力的な負担が少ない:座って作業できるため、体力に不安がある方にも適しています
ポートフォリオの構築:作品を蓄積し、将来の就職活動に活かせます
一般就労への道:デザインスキルを磨き、デザイン会社やフリーランスとして独立する道も開けます
比較的高い工賃:デザイン作業は専門性が高いため、他の作業より工賃が高い傾向があります
社会的な意義
企業のコスト削減:中小企業や個人事業主が、比較的低コストでデザインを依頼できます
地域貢献:地域の企業や団体のデザイン制作を通じて、地域活性化に貢献できます
障害者の可能性の発信:優れたデザイン作品を通じて、障害者の能力や可能性を社会に示せます
デザイン作業の課題
利用者にとっての課題
スキルの習得に時間がかかる:デザインソフトの操作や基本的なデザイン理論を学ぶ必要があります
センスや適性が必要:すべての人に向いているわけではありません
クライアントの要望への対応:修正依頼や納期に応えるプレッシャーがあります
孤立しやすい:個人作業が中心になるため、他の利用者との交流が少なくなることがあります
目や肩の疲労:長時間のパソコン作業による身体的負担があります
事業所にとっての課題
指導者の確保:デザインを指導できる専門スタッフが必要です
設備投資:高性能なパソコンやデザインソフト(Adobe Creative Cloud など)の導入にコストがかかります
受注の安定性:継続的に仕事を受注することが難しい場合があります
品質管理:クライアントの要求水準を満たす品質を維持する必要があります
必要なスキルと学習方法
必要な基礎スキル
パソコンの基本操作:マウス操作、キーボード入力、ファイル管理など
デザインソフトの操作:Adobe Illustrator、Photoshop、Canva などの操作
デザインの基礎知識:色彩、レイアウト、フォントなどの基本
コミュニケーション能力:クライアントの要望を理解し、形にする力
学習方法
多くの事業所では、未経験者でも基礎から学べる研修体制を整えています。
OJT(実地訓練):実際の案件を通じて学ぶ
講座・セミナー:デザインソフトの使い方やデザイン理論の講座
オンライン学習:YouTube、Udemy などのオンライン教材
先輩利用者からの指導:経験のある利用者が教えてくれる
外部講師の招聘:現役デザイナーを招いた特別講座
初心者でも始められるか
多くのデザイン作業を行う事業所では、未経験者も受け入れています。簡単な作業から始め、徐々にスキルアップできる体制が整っている事業所を選ぶことが重要です。
デザイン事業所の選び方
チェックポイント
デザイン作業を行う就労継続支援B型事業所を選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。
提供されるデザイン作業の種類:自分がやりたい、または学びたいデザイン作業があるか
研修体制:未経験者への教育プログラムがあるか
設備:最新のパソコンやデザインソフトが整っているか
指導者:デザインの経験・知識を持つスタッフがいるか
受注実績:実際に外部から仕事を受注しているか
工賃:デザイン作業に対する工賃がどの程度か
在宅勤務の可否:在宅での作業が可能か
一般就労への支援:就職活動のサポートがあるか
見学・体験のポイント
実際の作業を見る:どんな作品を作っているか、作業環境はどうか確認しましょう
利用者に話を聞く:実際に利用している人の生の声を聞きましょう
体験利用:可能であれば、実際に作業を体験してみましょう
質問をする:疑問点や不安なことは遠慮なく質問しましょう
デザイン作業を行う事業所の例
全国的な事例
全国には、デザイン作業に特化した、または力を入れている就労継続支援B型事業所が増えています。
特化型事業所:デザイン作業のみを行う事業所
多機能型事業所:複数の作業の選択肢の一つとしてデザインを提供
アート系事業所:アート活動の一環としてデザイン制作を行う
成功事例の特徴
成功している事業所には、以下のような特徴があります。
プロのデザイナーが指導している、地域企業との強い連携がある、オリジナルブランドを確立している、オンライン販売を活用している、SNS で作品を積極的に発信している、などです。
工賃について
デザイン作業の工賃
デザイン作業の工賃は、事業所や作業内容によって大きく異なりますが、一般的には他の軽作業よりも高めに設定されていることが多いです。
時給換算:200円~500円程度(事業所により大きく異なる)
月額:15,000円~50,000円程度(作業量や技術レベルによる)
出来高制:作品の完成度や受注金額に応じて変動
高工賃を得るためのポイント
スキルアップ:技術を磨き、より高度な作業を担当できるようになる
生産性の向上:作業スピードを上げる
品質の向上:修正が少なく、高品質な作品を作る
受注への貢献:営業活動や SNS 発信に協力する
デザインから一般就労へ
キャリアパス
就労継続支援B型でデザインスキルを身につけ、一般就労に移行する道もあります。
デザイン会社への就職:一般企業のデザイナーとして就職
在宅デザイナー:フリーランスや在宅勤務のデザイナーとして独立
就労継続支援A型への移行:雇用契約を結ぶA型事業所でデザイン作業
一般企業の障害者雇用枠:企業の障害者雇用枠でデザイン業務を担当
移行のための準備
ポートフォリオの作成:自分の作品集を作成し、就職活動で活用
資格取得:Illustrator クリエイター能力認定試験、色彩検定など
就労移行支援の活用:就労移行支援事業所を利用して、就職準備
ジョブコーチの活用:職場定着のための支援を受ける
まとめ
就労継続支援B型におけるデザイン作業は、クリエイティブな才能を活かし、スキルを身につけ、社会貢献できる魅力的な選択肢です。未経験者でも学べる体制を整えている事業所が増えており、将来的には一般就労やフリーランスとしての独立も目指せます。
デザインに興味がある方、パソコン作業が得意な方、クリエイティブな仕事がしたい方は、ぜひデザイン作業を提供している就労継続支援B型事業所を検討してみてください。
事業所選びの際は、見学や体験利用を通じて、自分に合った環境かどうかをしっかり確認しましょう。お住まいの地域の相談支援事業所や市町村の障害福祉窓口でも情報を得ることができます。
あなたのクリエイティブな才能が輝き、充実した働き方ができることを心から願っています。
注意:この記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な事業所の情報や利用条件は、各事業所や自治体によって異なります。実際の利用を検討される際は、お住まいの市町村の障害福祉窓口や相談支援事業所にご相談ください。

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