就労継続支援B型 スキルは身につくのか 成長できる事業所の選び方

お子さんの将来を考え、B型施設を探している保護者の方へ
障害のあるお子さんに合った選択をするために、まず知っておきたい基本ガイド

初めての方は、基礎知識と不安解消をセットで押さえると安心です。

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就労継続支援B型でスキルは本当に身につくのか」という疑問を持つ方は多いでしょう。将来の一般就労を目指す人、自立したい人、成長したいと考える人にとって、スキルアップは重要な関心事です。

結論から言うと、事業所によって大きく異なります。単純な軽作業しかない事業所もあれば、専門的なスキルを身につけられる事業所もあります。「B型だからスキルは身につかない」と決めつけるのではなく、どんな事業所を選ぶか、どう取り組むかが重要です。

本記事では、B型事業所で実際に身につけられるスキル、スキルアップできる事業所の特徴、スキルを身につけるための心構え、そして一般就労につながるスキルについて詳しく解説していきます。

B型事業所で身につく可能性があるスキル

1. 基本的な就労スキル

どんな作業であっても、働く上での基本的なスキルは身につけることができます。

勤怠管理

時間を守る:決まった時間に出勤する習慣

休まず通う:体調管理をして、安定して通所する

遅刻・欠席の連絡:できない時は事前に連絡する習慣

基本的なビジネスマナー

挨拶:適切な挨拶ができる

報告・連絡・相談(報連相):困ったことや終わったことを適切に報告する

身だしなみ:清潔な服装、適切な身だしなみ

言葉遣い:敬語の基本、適切な言葉遣い

協調性・コミュニケーション

他者と協力する:チームで作業する経験

指示を聞く:職員の指示を理解し、従う

質問する:わからないことを適切に質問する

トラブル対応:人間関係のトラブルを適切に処理する

2. 作業別の専門スキル

作業内容によって、様々な専門スキルを身につけることができます。

パソコン・IT系

タイピング:タッチタイピング(ブラインドタッチ)の習得

Word・Excel:文書作成、表計算、データ入力

PowerPoint:プレゼンテーション資料の作成

グラフィックデザイン:Illustrator、Photoshopの操作

Webデザイン:HTML、CSS、Webサイト制作

プログラミング:Python、JavaScript などのプログラミング言語

動画編集:Premiere Pro、Final Cut Proなどの操作

事務系

データ入力:正確で速いデータ入力

書類整理:ファイリング、書類管理

電話応対:基本的な電話のマナー

来客対応:受付、案内の基本

製造・軽作業系

手作業の正確性:細かい作業を正確に行う

品質管理:検品、チェックの目を養う

効率化:作業の効率を上げる工夫

安全管理:安全に作業する意識

農業系

栽培技術:野菜や花の育て方

収穫作業:適切な時期の見極め、収穫技術

土づくり:堆肥作り、土壌管理

機械操作:農業機械の操作

食品製造系

調理技術:パン、クッキー、弁当などの製造

衛生管理:食品衛生の基礎知識、手洗い、清潔保持

レシピ通りの作業:正確な計量、手順の遵守

品質管理:味、見た目のチェック

接客・サービス系(カフェ・レストラン運営)

接客マナー:笑顔、言葉遣い、お辞儀

レジ操作:金銭の授受、レジの操作

清掃:店舗の清掃、衛生管理

商品知識:提供する商品の知識

クリエイティブ系

デザイン:色彩感覚、レイアウトセンス

イラスト:デジタルイラスト、手描きイラスト

写真撮影:商品撮影、画像加工

手工芸:裁縫、編み物、木工など

3. 社会人基礎力

経済産業省が提唱する「社会人基礎力」と呼ばれる力も、B型での経験を通じて育つことがあります。

前に踏み出す力:主体性、働きかけ力、実行力

考え抜く力:課題発見力、計画力、創造力

チームで働く力:発信力、傾聴力、柔軟性、状況把握力、規律性、ストレスコントロール力

4. 資格取得

事業所によっては、資格取得を支援してくれるところもあります。

MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト):Word、Excel、PowerPointの資格

日商簿記:3級程度

フォークリフト運転技能講習

食品衛生責任者

危険物取扱者

色彩検定

Webクリエイター能力認定試験

Illustrator/Photoshopクリエイター能力認定試験

スキルが身につく事業所の特徴

1. 専門的な作業を提供している

IT・デザイン特化型:パソコンスキル、デザインスキルが身につく

本格的な農業:農業技術が学べる

本格的な食品製造:調理技術、衛生管理が学べる

カフェ・レストラン運営:接客スキルが身につく

2. 教育・研修制度がある

定期的な研修:パソコン講座、ビジネスマナー講座など

OJT(実地訓練):先輩や職員が丁寧に教えてくれる

外部講師:専門家を招いた講習会

資格取得支援:資格取得のための費用補助や学習支援

3. 段階的なスキルアップが可能

初級から上級まで:簡単な作業から始めて、徐々に高度な作業へ

役割の変化:慣れてきたら、リーダーや指導役に

多様な作業:複数の作業を経験できる

4. 職員が専門知識を持っている

IT技術者:プログラミングやデザインを教えられる職員

調理師:調理技術を教えられる職員

農業経験者:農業を教えられる職員

ビジネス経験者:一般企業での経験がある職員

5. 一般就労への支援がある

就労移行支援との連携:スキルアップ後の就職を見据えている

企業との連携:職場体験、見学の機会がある

成功例がある:実際に一般就労に成功した人がいる

6. 設備が充実している

最新のパソコン:古いパソコンではスキルが身につきにくい

専門ソフト:Adobe Creative Cloud など、業界標準のソフト

専門機器:農業機械、調理器具、工作機械など

スキルが身につきにくい事業所の特徴

逆に、以下のような事業所では、スキルアップは難しいかもしれません。

単純作業のみ

内職系の軽作業のみ:袋詰め、シール貼りだけ

誰でもできる作業:スキルが不要な作業のみ

同じ作業の繰り返し:何年経っても同じ作業

教育がない

教えてもらえない:「見て覚えろ」スタイル

研修がない:スキルアップの機会がない

放置される:困っていても助けてくれない

設備が不十分

古いパソコン:動作が遅く、最新ソフトが動かない

設備がない:作業に必要な機器がない

壊れたまま:壊れた設備が放置されている

工賃優先でスキルアップの意識がない

とにかく数をこなす:スピード重視で、丁寧に教えない

スキルアップより生産性:教育より生産を優先

スキルを身につけるための心構え

事業所選びも重要ですが、利用者自身の心構えも大切です。

1. 主体的に学ぶ

受け身にならない:教えてもらうのを待つだけでなく、自分から学ぶ

質問する:わからないことは積極的に質問する

自主学習:事業所での作業以外にも、自分で勉強する

2. 目標を持つ

何を身につけたいか明確に:漠然とではなく、「Excelを使えるようになる」など具体的に

期限を設定:「1年後には○○できるようになる」と期限を決める

小さな目標から:最初から大きな目標ではなく、達成可能な小さな目標から

3. 継続する

毎日コツコツ:一朝一夕では身につかない、継続が大切

諦めない:最初はできなくても、繰り返せばできるようになる

習慣化:スキルアップを習慣にする

4. 失敗を恐れない

失敗から学ぶ:失敗は成長のチャンス

挑戦する:新しいことに挑戦する

完璧を求めすぎない:最初から完璧にできなくていい

5. フィードバックを求める

評価してもらう:職員に自分の作業を評価してもらう

改善点を聞く:どこを改善すればいいか聞く

アドバイスを素直に受け入れる:指摘を素直に受け入れる

6. 記録をつける

できるようになったことを記録:成長を実感できる

ポートフォリオを作る:作品を残す(デザイン、プログラミングなど)

振り返る:定期的に振り返り、次の目標を設定

一般就労につながるスキル

一般就労を目指すなら、以下のようなスキルを優先的に身につけましょう。

企業が求めるスキル

パソコンスキル(Word、Excel):事務職では必須

コミュニケーション能力:どの職場でも必要

報連相:社会人の基本

時間管理:遅刻しない、納期を守る

問題解決能力:自分で考えて対処する

障害者雇用で有利なスキル

データ入力:正確で速いタイピング

事務補助:書類整理、コピー、ファイリング

清掃:丁寧な清掃スキル

軽作業:検品、梱包、ピッキング

Webデザイン・プログラミング:専門性が高く、在宅勤務も可能

経理補助:簿記の知識

事業所以外でスキルを身につける方法

B型事業所だけに頼らず、並行して自分でスキルアップすることもできます。

オンライン学習

Udemy:様々な講座が格安で受けられる

YouTube:無料で学べる

Progate:プログラミング学習

ドットインストール:プログラミング学習

Schoo:ビジネススキル全般

資格取得

独学で取得:MOS、簿記、ITパスポートなど

通信講座:ユーキャン、資格の大原など

ハローワークの職業訓練

公共職業訓練:無料または低額で専門スキルを学べる

求職者支援訓練:失業中の人向けの訓練

就労移行支援への移行

本格的なスキル訓練:B型よりも就職を意識した訓練

2年間の集中:期限があるため集中して学べる

まとめ

就労継続支援B型でスキルが身につくかどうかは、事業所選びと本人の取り組み次第です。単純な軽作業しかない事業所もあれば、専門的なスキルを本格的に学べる事業所もあります。

スキルアップを目指すなら、専門的な作業を提供している事業所、教育・研修制度がある事業所、設備が充実している事業所を選びましょう。そして、主体的に学ぶ姿勢、明確な目標、継続する意志が大切です。

B型事業所だけに頼らず、オンライン学習、資格取得、職業訓練など、並行して自己研鑽することで、より確実にスキルアップできます。

スキルは、一般就労への道を開くだけでなく、自信や自己肯定感、人生の選択肢を広げてくれます。あなたが着実にスキルを身につけ、望む未来を実現できることを心から願っています。


参考資料

  • ハローワーク(職業訓練情報):https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
  • 厚生労働省(障害者雇用):https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/index.html

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