就労継続支援B型を辞めたいと思ったら?退所理由・手続き・次の選択肢

「B型作業所を辞めたい」「でも辞めていいのか分からない」「辞めた後どうすればいいのか不安」――B型事業所の利用を続ける中で、こんな気持ちになることがあるかもしれません。人間関係のトラブル、作業内容への不満、体調の変化、将来への不安など、辞めたいと思う理由はさまざまです。この記事では、B型事業所を辞めたいと思ったときに考えるべきこと、退所の手続き、そして辞めた後の選択肢について、詳しく解説していきます。

なぜB型事業所を辞めたいのか

まず、なぜ辞めたいと思っているのか、理由を整理してみましょう。

1. 人間関係のトラブル

利用者同士のトラブル 

  • 特定の利用者と合わない
  • いじめや嫌がらせを受けている
  • グループから孤立している
  • 価値観の違いでストレスを感じる

スタッフとのトラブル 

  • スタッフの態度が悪い
  • 相談しても取り合ってもらえない
  • ハラスメントを受けている
  • 信頼できるスタッフがいない

2. 作業内容への不満

単調すぎる 

  • 同じ作業の繰り返しで飽きた
  • やりがいを感じられない
  • 自分の能力を活かせていない
  • 成長実感がない

体力的にきつい 

  • 作業が体力的に合わない
  • 立ち仕事が辛い
  • 長時間の作業が辛い

作業量が少ない 

  • やることがなく、時間を持て余す
  • もっと働きたいのに作業がない

3. 工賃への不満

工賃が低すぎる 

  • 頑張っても月数千円では納得できない
  • 交通費にもならない
  • もっと稼ぎたい

工賃の計算方法に納得できない 

  • 不公平に感じる
  • 説明が不明確

4. 事業所の運営への不満

支援の質が低い 

  • 個別支援計画が形骸化している
  • スタッフの専門性が低い
  • 相談しても対応してくれない

環境が悪い 

  • 施設が汚い、古い
  • 危険な環境
  • 騒音や臭いが辛い

不適切な運営 

  • ハラスメントが放置されている
  • 不当な金銭要求がある
  • 透明性がない

5. 体調・病状の変化

体調が悪化した 

  • 病気や障害の状態が悪化した
  • 通所が体力的に難しくなった
  • 薬の副作用で通えなくなった

体調が良くなった 

  • 症状が改善し、もっと働けるようになった
  • 一般就労を目指せるようになった

6. ステップアップしたい

A型や一般就労を目指したい 

  • B型では物足りない
  • もっと稼ぎたい
  • キャリアアップしたい
  • 社会的な評価を得たい

就労移行支援を利用したい 

  • 一般就労への準備をしたい
  • スキルを身につけたい

7. 生活環境の変化

引っ越す 

  • 遠方に引っ越すため通えなくなった
  • 家族の都合で転居

家庭の事情 

  • 家族の介護が必要になった
  • 子育てに専念したい

8. その他の理由

通所が負担 

  • 通勤が遠くて辛い
  • 送迎がなくなった
  • 交通費が負担

方向性が合わない 

  • 自分が求めるものと事業所の方向性が違う
  • やりたいことができない

辞める前に考えるべきこと

すぐに辞める前に、以下のことを考えてみましょう。

1. 辞めたい理由は解決可能か

スタッフに相談してみる 

  • 作業内容の変更
  • 利用時間の調整
  • 人間関係のトラブルへの対応

解決できる問題なら、まず相談してみましょう。

2. 他の事業所に移る選択肢

辞めるのではなく、他のB型事業所に移る

今の事業所が合わないだけで、他の事業所なら合うかもしれません。

3. 辞めた後の計画

次の場所は決まっているか 

  • 他のB型事業所
  • A型事業所
  • 就労移行支援
  • 一般就労
  • 自宅療養

経済的にやっていけるか 

  • 工賃がなくなっても大丈夫か
  • 障害年金や他の収入はあるか

生活リズムは保てるか 

  • 通所がなくなると、生活リズムが乱れないか
  • 社会とのつながりを他で持てるか

4. 相談支援専門員に相談

計画相談を利用している場合、相談支援専門員に相談しましょう。

  • 辞めるべきかどうかの判断
  • 次の選択肢の提案
  • 退所手続きのサポート
  • 新しい事業所探しの支援

5. 一時的な休止も選択肢

退所せず、一時的に休む

体調不良などの場合、辞めるのではなく、しばらく休んで様子を見ることもできます。

B型事業所を辞める手続き

辞めることを決めたら、以下の手順で手続きを進めます。

1. 相談支援専門員に相談

まず、相談支援専門員(計画相談を利用している場合)に相談しましょう。

  • 退所の意思を伝える
  • 次の選択肢を相談する
  • 手続きのサポートを依頼する

2. 事業所に退所の意思を伝える

誰に伝えるか 

  • 管理者またはサービス管理責任者
  • 担当のスタッフ

いつ伝えるか 

  • できるだけ早めに(1か月前が目安)
  • 急を要する場合は、すぐに伝える

どう伝えるか 

  • 直接会って口頭で伝える
  • 難しい場合は、電話や書面でも可
  • 相談支援専門員や家族に同席してもらってもよい

伝える内容 

  • 「退所したい」という意思
  • 退所の理由(詳しく言う必要はない)
  • 希望する退所日

3. 退所届の提出

事業所から「退所届」などの書類を受け取り、記入して提出します。

記入内容 

  • 氏名、住所など
  • 退所希望日
  • 退所理由(簡潔でOK)

4. 市区町村への届出

受給者証の返還または変更 

市区町村の障害福祉担当窓口で、受給者証の手続きをします。

  • 他のサービスを利用しない場合:受給者証を返還
  • 他のサービスに移る場合:受給者証の変更

5. 最終日の手続き

受け取るもの 

  • 残っている工賃
  • 私物
  • ロッカーの鍵など

返すもの 

  • 借りていた物品
  • 作業着など

6. 次のサービスへの移行

他のB型事業所や、A型、就労移行支援などに移る場合は、新しい事業所との契約手続きを進めます。

辞めると言いにくい場合の対処法

「辞めたい」と言い出しにくい場合もあります。

よくある不安

引き止められそう 

  • 「辞めないで」と説得されそう
  • 罪悪感を感じる

怒られそう 

  • 「無責任だ」と叱られそう
  • 嫌味を言われそう

孤立が怖い 

  • 他に行く場所がない
  • 友達がいなくなる

次が決まっていない 

  • 次の場所がまだ決まっていない
  • 辞めた後どうするか不安

対処法

1. 相談支援専門員に同席してもらう

一人で言いにくければ、相談支援専門員に同席してもらいましょう。

2. 書面で伝える

直接言えない場合は、退所届を書面で提出することもできます。

3. 理由は簡潔に

詳しく説明する必要はありません。「一身上の都合」でも構いません。

4. 引き止められても、意思を貫く

引き止められても、辞める権利はあなたにあります。毅然とした態度で。

5. ハラスメントがあれば行政に相談

「辞めるなら工賃を払わない」「悪い噂を流す」などの脅しは、ハラスメントです。市区町村や運営適正化委員会に相談しましょう。

6. 最悪、連絡を断つことも

どうしても辞めさせてもらえない場合、市区町村に相談して、受給者証を返還すれば、利用は終了します。

辞めた後の選択肢

B型事業所を辞めた後、どんな選択肢があるのでしょうか。

1. 他のB型事業所に移る

メリット 

  • 同じB型なので、移行がスムーズ
  • 今度は自分に合った事業所を選べる

手順 

  • 相談支援専門員に相談
  • 複数の事業所を見学
  • 体験利用をする
  • 契約

2. 就労継続支援A型に移る

A型の特徴 

  • 雇用契約を結ぶ
  • 最低賃金以上の給与
  • より高い作業能力が求められる

向いている人 

  • 体調が安定している
  • もっと稼ぎたい
  • 一般就労に近い環境で働きたい

手順 

  • 相談支援専門員に相談
  • A型事業所を見学
  • 面接を受ける
  • 合格すれば契約

3. 就労移行支援を利用する

就労移行支援の特徴 

  • 一般就労を目指す訓練
  • 最長2年間
  • 工賃は出ないが、訓練手当がある場合も

向いている人 

  • 一般企業で働きたい
  • スキルを身につけたい
  • 就職活動のサポートが欲しい

手順 

  • 相談支援専門員に相談
  • 就労移行支援事業所を見学
  • 契約

4. 一般就労(障害者雇用枠を含む)

一般就労の特徴 

  • 一般企業で働く
  • 安定した収入
  • 社会保険加入
  • 障害者雇用枠なら、配慮を受けやすい

向いている人 

  • 体調が安定している
  • フルタイムで働ける
  • 経済的に自立したい

手順 

  • ハローワークに登録
  • 障害者就業・生活支援センターに相談
  • 求人に応募
  • 面接を受ける

5. 自宅療養・休養

向いている人 

  • 体調が悪化している
  • しばらく休養が必要
  • 次のステップを考える時間が欲しい

注意点 

  • 生活リズムが乱れやすい
  • 孤立しやすい
  • 経済的な不安

サポート 

  • 障害年金の受給
  • 定期的な通院
  • デイケアなどの利用
  • 相談支援専門員との定期的な面談

6. 地域活動支援センターなどの利用

地域活動支援センターの特徴 

  • 創作活動や生産活動の場
  • 仲間との交流
  • B型より緩やか

向いている人 

  • 作業よりも、居場所が欲しい
  • ゆるやかなペースで過ごしたい

7. 在宅ワーク・フリーランス

向いている人 

  • パソコンスキルがある
  • 通所が難しい
  • 自分のペースで働きたい

注意点 

  • 安定した収入は難しい
  • 自己管理が必要
  • 孤立しやすい

8. デイケア・デイナイトケア

精神科デイケアの特徴 

  • 病院や診療所で行われる
  • リハビリテーションプログラム
  • 生活リズムの改善

向いている人 

  • 精神的な不調がある
  • 生活リズムを整えたい
  • 就労の準備段階

9. 何もしない期間を作る

一時的に何もしない

すぐに次のステップに進まず、しばらく休養する期間を作ることも選択肢です。

注意点 

  • 長期間になると、社会復帰が難しくなる
  • 定期的に相談支援専門員と話す
  • 期限を決めておく

辞めた後に後悔しないために

辞めた後に「辞めなければよかった」と後悔しないために、以下のことを心がけましょう。

1. 十分に考えてから決める

衝動的に辞めるのではなく、よく考えて、相談してから決めましょう。

2. 次の計画を立ててから辞める

可能なら、次の場所を決めてから辞めることをおすすめします。

3. つながりを保つ

辞めた後も、仲の良かった利用者やスタッフとのつながりを保つことができれば、孤立を防げます。

4. 定期的に振り返る

辞めた後も、定期的に自分の状態を振り返り、次のステップを考えましょう。

5. 必要なら戻ることもできる

辞めた後、やっぱり戻りたいと思ったら、再度利用できることもあります(事業所による)。

よくある質問(FAQ)

Q  辞めたいと言ったら、引き止められる?

A  引き止められることはあるかもしれません。しかし、利用者には辞める権利があります。毅然とした態度で、意思を伝えましょう。

Q  辞める理由を詳しく説明しなければならない?

A  詳しく説明する必要はありません。「一身上の都合」「体調の変化」など、簡潔な理由で大丈夫です。

Q  すぐに辞められる?

A  法律上の決まりはありませんが、マナーとして1か月前に伝えるのが一般的です。ただし、緊急の場合(ハラスメントなど)は、すぐに辞めることもできます。

Q  工賃はもらえる?

A  辞めるまでに働いた分の工賃は、当然もらえます。支払われない場合は、相談支援専門員や行政に相談しましょう。

Q  辞めた後、また同じB型事業所に戻れる?

A  事業所によりますが、可能な場合もあります。ただし、一度辞めると、戻りにくくなることもあります。

Q  辞めると、障害福祉サービスが使えなくなる?

A  B型を辞めても、他の障害福祉サービス(A型、就労移行支援など)は利用できます。

Q  次が決まっていないけど、辞めてもいい?

A  辞めることはできますが、次が決まってから辞める方が安心です。どうしても辞めたい場合は、辞めてから次を探すこともできますが、生活リズムが乱れやすいので注意が必要です。

まとめ

B型事業所を辞めたいと思ったら、以下のステップで進めましょう。

1. 辞めたい理由を整理する

  • 人間関係、作業内容、工賃、体調など

2. 辞める前に考える

  • 理由は解決可能か
  • 他の事業所に移る選択肢
  • 辞めた後の計画
  • 相談支援専門員に相談

3. 退所手続き

  1. 相談支援専門員に相談
  2. 事業所に退所の意思を伝える
  3. 退所届の提出
  4. 市区町村への届出
  5. 最終日の手続き

4. 辞めた後の選択肢

  • 他のB型事業所
  • A型事業所
  • 就労移行支援
  • 一般就労
  • 自宅療養
  • 地域活動支援センター
  • 在宅ワーク
  • デイケア

大切なこと 

  • 辞める権利はあなたにある
  • 衝動的に辞めず、よく考えて決める
  • 相談支援専門員に相談する
  • 次の計画を立ててから辞める(できれば)
  • 辞めた後も、つながりを保つ

B型事業所を辞めることは、決して悪いことではありません。

自分に合った場所を見つけるため、次のステップに進むため、辞めることが必要なこともあります。

大切なのは、よく考えて、計画的に行動することです。

一人で抱え込まず、相談支援専門員や家族、友人に相談しながら、あなたにとって最善の選択をしてください。

新しい一歩が、より良い未来につながることを願っています。

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