B型事業所を選ぶ際、見学は非常に重要です。ホームページやパンフレットだけでは分からない、事業所の実際の雰囲気、スタッフの対応、利用者の様子などを、自分の目で確認できる貴重な機会です。しかし、「見学で何を見ればいいのか分からない」「どんな質問をすればいいの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。この記事では、B型事業所の見学で確認すべき30のポイントを、チェックリスト形式で詳しく解説していきます。
見学前の準備
見学に行く前に、以下の準備をしておきましょう。
1. 見学の予約
B型事業所の見学は、基本的に予約が必要です。
予約方法
- 電話で予約
- メールで予約
- 相談支援専門員を通じて予約
予約時に伝えること
- 氏名
- 連絡先
- 希望日時(複数候補があると良い)
- 同伴者の有無(家族、相談支援専門員など)
- 特別な配慮が必要な場合(車椅子、感覚過敏など)
2. 複数の事業所を見学する
一つだけでなく、できれば3〜5か所の事業所を見学して、比較することをおすすめします。
3. 見学時の持ち物
必須
- メモ帳とペン
- 質問リスト
あると良いもの
- カメラ(撮影可能か事前に確認)
- このチェックリスト
- 障害者手帳(提示を求められることがある)
4. 同伴者
一人で見学に行くのが不安な場合、以下の人に同伴してもらいましょう。
- 家族
- 友人
- 相談支援専門員
- 主治医の紹介状を持参する場合も
同伴者がいると、自分が気づかない点を指摘してもらえたり、質問しやすくなったりします。
5. 体調を整える
見学当日は、できるだけ体調を整えて臨みましょう。
見学で確認すべき30のポイント
見学時に確認すべきポイントを、カテゴリー別に紹介します。
施設・環境(6項目)
1. 清潔さ
チェックポイント
- □ 作業場は清潔に保たれているか
- □ トイレは清潔か
- □ 休憩室は清潔か
- □ ゴミが散乱していないか
- □ 悪臭はないか
なぜ重要か
清潔さは、事業所の運営姿勢を示します。清潔に保たれていない事業所は、他の面でも管理が行き届いていない可能性があります。
2. 安全性
チェックポイント
- □ 危険な機械や道具は適切に管理されているか
- □ 避難経路は確保されているか
- □ 消火器などの防災設備は整っているか
- □ バリアフリーか(必要な場合)
- □ 段差や障害物はないか
3. 環境の快適さ
チェックポイント
- □ 室温は適切か(冷暖房は整っているか)
- □ 照明は明るすぎず、暗すぎないか
- □ 換気は十分か
- □ 騒音レベルは許容範囲か
- □ 作業スペースは十分か
特に注意
感覚過敏がある場合、照明、音、温度、匂いなどが自分に合っているか、よく確認しましょう。
4. アクセス
チェックポイント
- □ 自宅からの通いやすさ
- □ 公共交通機関でのアクセス
- □ 駐車場の有無(必要な場合)
- □ 送迎サービスの有無
- □ 送迎ルートと時間
5. 休憩スペース
チェックポイント
- □ 休憩室はあるか
- □ 落ち着いて休める環境か
- □ 飲み物やお弁当を食べる場所はあるか
- □ 一人になれる場所はあるか
6. トイレ
チェックポイント
- □ 清潔か
- □ 数は十分か
- □ 洋式か和式か
- □ バリアフリーか(必要な場合)
作業内容(5項目)
7. 作業の種類
チェックポイント
- □ どんな作業があるか
- □ 自分にできそうな作業があるか
- □ 興味が持てる作業があるか
- □ 作業の難易度は適切か
8. 作業量
チェックポイント
- □ 作業量は十分にあるか
- □ やることがなくて時間を持て余すことはないか
- □ 作業が多すぎて休む暇がないということはないか
9. 作業環境
チェックポイント
- □ 一人で作業できるか、グループでの作業か
- □ 立ち仕事か、座り仕事か
- □ 静かに集中できる環境か
- □ 作業のペースは自分で調整できるか
10. スキルアップ
チェックポイント
- □ スキルが身につく作業か
- □ 訓練やセミナーはあるか
- □ 資格取得の支援はあるか
11. 作業の意味
チェックポイント
- □ 作業の目的や意味を理解できるか
- □ やりがいを感じられそうか
- □ 社会貢献している実感が持てそうか
利用者の様子(4項目)
12. 利用者の表情
チェックポイント
- □ 利用者は生き生きとしているか
- □ 暗い表情、疲れた表情ではないか
- □ 笑顔があるか
- □ リラックスしているか
重要
利用者の表情は、事業所の雰囲気を最もよく表します。
13. 利用者の年齢層
チェックポイント
- □ 自分と近い年齢の人がいるか
- □ 年齢層は幅広いか、偏っているか
- □ 自分が馴染めそうな年齢層か
14. 利用者同士の関係
チェックポイント
- □ 利用者同士が会話しているか
- □ 雰囲気は和やかか
- □ いじめやトラブルの兆候はないか
- □ 孤立している人はいないか
15. 利用者の作業の様子
チェックポイント
- □ 真剣に作業しているか
- □ やる気がなさそうではないか
- □ 作業に集中しているか
- □ 楽しそうに作業しているか
スタッフの対応(6項目)
16. スタッフの態度
チェックポイント
- □ スタッフは利用者に丁寧に接しているか
- □ タメ口や命令口調ではないか
- □ 笑顔があるか
- □ 見下すような態度ではないか
最重要
スタッフの態度は、事業所の質を決定づけます。
17. スタッフと利用者の関係
チェックポイント
- □ 利用者がスタッフに気軽に話しかけているか
- □ スタッフは利用者の話をよく聞いているか
- □ 信頼関係が感じられるか
- □ 利用者がスタッフを恐れていないか
18. スタッフの人数と配置
チェックポイント
- □ スタッフの人数は十分か
- □ 利用者が困ったときにすぐに相談できる体制か
- □ スタッフが常駐しているか
19. スタッフの専門性
チェックポイント
- □ スタッフは資格を持っているか
- □ 専門的な知識がありそうか
- □ 研修を受けているか
20. 見学者への対応
チェックポイント
- □ 見学者に丁寧に対応してくれるか
- □ 質問に誠実に答えてくれるか
- □ 説明は分かりやすいか
- □ 急かしたり、圧力をかけたりしないか
21. スタッフの雰囲気
チェックポイント
- □ スタッフ同士の雰囲気は良いか
- □ ピリピリしていないか
- □ チームワークが感じられるか
運営・制度(9項目)
22. 工賃
チェックポイント
- □ 平均工賃はいくらか
- □ 工賃の計算方法は明確か
- □ 工賃の幅(最低〜最高)
- □ 支払い日はいつか
質問例 「月の平均工賃はどのくらいですか?」 「工賃はどのように計算されますか?」
23. 利用時間・日数
チェックポイント
- □ 利用時間は何時から何時までか
- □ 週何日利用できるか
- □ 短時間利用は可能か
- □ 柔軟に調整できるか
24. 休みやすさ
チェックポイント
- □ 体調不良時に休みやすいか
- □ 当日欠席は可能か
- □ 休むことに対してのペナルティはないか
25. 個別支援計画
チェックポイント
- □ 個別支援計画は作成されるか
- □ どのくらいの頻度で見直されるか
- □ 本人の希望を聞いてくれるか
- □ 面談の機会はあるか
26. 一般就労への支援
チェックポイント
- □ 一般就労への移行支援はあるか
- □ A型への移行支援はあるか
- □ 就職実績はあるか
27. イベント・行事
チェックポイント
- □ どんなイベントがあるか
- □ 参加は任意か、強制か
- □ 費用負担はあるか
28. 食事
チェックポイント
- □ 昼食は提供されるか、持参か
- □ 食事代はいくらか
- □ アレルギー対応はあるか
29. その他の費用
チェックポイント
- □ 利用料以外にかかる費用はあるか
- □ 材料費、教材費などの負担はあるか
- □ 不当な金銭要求はないか
30. 契約・退所
チェックポイント
- □ 契約書や重要事項説明書を見せてもらえるか
- □ 退所は自由にできるか
- □ 退所の手続きは明確か
見学時に聞くべき質問リスト
見学時に、以下の質問をすることをおすすめします。
基本的な質問
- 「利用時間と利用日数を教えてください」
- 「平均工賃はどのくらいですか?」
- 「どんな作業がありますか?」
- 「送迎サービスはありますか?」
- 「体験利用はできますか?」
詳しく知りたい質問
- 「工賃の計算方法を教えてください」
- 「個別支援計画はどのように作成されますか?」
- 「スタッフの配置人数は何人ですか?」
- 「一般就労やA型への移行実績はありますか?」
- 「利用者の年齢層はどのくらいですか?」
自分の状況に応じた質問
- 「〇〇の作業は、初めてでもできますか?」
- 「体調が不安定なのですが、急な休みは可能ですか?」
- 「発達障害があるのですが、配慮していただけますか?」
- 「車椅子でも作業できますか?」
- 「感覚過敏があるのですが、静かな環境はありますか?」
確認したいこと
- 「利用開始までの流れを教えてください」
- 「契約書を事前に見せていただけますか?」
- 「他の利用者の方と話すことはできますか?」
- 「見学後、どのくらいで返事をすればいいですか?」
- 「他の事業所も見学してから決めても大丈夫ですか?」
見学時の注意点
やってはいけないこと
- 勝手に写真や動画を撮影する
- 利用者に無断で話しかける
- スタッフの悪口を言う
- 他の事業所と比較して批判する
- 契約を急かされても、その場で決めない
気をつけること
- 時間を守る
- 服装は清潔に(普段着でOK)
- 挨拶をする
- メモを取る
- 分からないことは質問する
- 正直に自分の状況や希望を伝える
見学後にすべきこと
1. すぐにメモを整理する
見学後、記憶が新しいうちに、メモを整理しましょう。
2. 複数の事業所を比較する
見学した複数の事業所を、チェックリストをもとに比較します。
比較表を作ると便利
| 項目 | A事業所 | B事業所 | C事業所 |
| 工賃 | 月15,000円 | 月12,000円 | 月18,000円 |
| 清潔さ | ◎ | ○ | △ |
| スタッフの態度 | ◎ | ◎ | ○ |
| 作業内容 | ○ | △ | ◎ |
| 通いやすさ | ○ | ◎ | △ |
| 総合評価 | 92点 | 85点 | 88点 |
3. 相談支援専門員に相談
見学の感想や疑問を、相談支援専門員に相談しましょう。
4. 家族と話し合う
家族と一緒に見学した場合、感想を共有しましょう。
5. 体験利用を申し込む
気に入った事業所があれば、体験利用を申し込みましょう。
6. 納得できるまで見学を続ける
「これだ」と思える事業所が見つからない場合、さらに他の事業所を見学しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q 見学は何回してもいい?
A はい、納得できるまで何回でも見学して大丈夫です。ただし、同じ事業所を何度も見学するのは、事業所の負担になるので、2〜3回程度が適切です。
Q 見学だけで決めていい?
A 見学だけでなく、可能なら体験利用もしてから決めることをおすすめします。実際に作業をしてみないと分からないこともあります。
Q 見学を断られることはある?
A まれにあります。定員がいっぱい、または事業所の方針で見学を受け付けていない場合などです。
Q 見学時に利用者と話してもいい?
A 事業所の許可があれば、大丈夫です。ただし、利用者の作業を妨げないよう、配慮しましょう。
Q 悪い印象を受けた場合、どうすれば?
A 無理に契約する必要はありません。他の事業所を探しましょう。
Q 見学後、すぐに返事をしなければならない?
A いいえ、じっくり考えてから決めて大丈夫です。「他の事業所も見学してから決めます」と伝えましょう。
まとめ
B型事業所の見学で確認すべき30のポイント
施設・環境(6項目) 清潔さ、安全性、快適さ、アクセス、休憩スペース、トイレ
作業内容(5項目) 作業の種類、作業量、作業環境、スキルアップ、作業の意味
利用者の様子(4項目) 表情、年齢層、利用者同士の関係、作業の様子
スタッフの対応(6項目) 態度、利用者との関係、人数、専門性、見学者への対応、雰囲気
運営・制度(9項目) 工賃、利用時間、休みやすさ、個別支援計画、就労支援、イベント、食事、費用、契約・退所
見学のポイント
- 複数の事業所を見学して比較する
- チェックリストを活用する
- 質問リストを準備する
- メモを取る
- 体験利用もする
- 納得できるまで見学を続ける
- その場で決めず、じっくり考える
大切なこと
- 見学は、自分の目で確認する貴重な機会
- 遠慮せず、質問する
- 直感も大切にする
- 「ここがいい」と思える事業所が見つかるまで探す
B型事業所選びは、今後の生活に大きく影響します。
焦らず、じっくりと、自分に合った事業所を見つけましょう。
良い見学ができることを願っています!

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