富士山本宮浅間大社について知る

富士山本宮浅間大社は静岡県富士宮市に鎮座する神社で、全国に約1300社ある浅間神社の総本宮です。富士山を御神体として祀り、約2000年の歴史を持つ格式高い古社として、富士山信仰の中心的存在となっています。世界文化遺産富士山の構成資産の一つにも登録されており、富士山八合目以上の土地を所有する特別な神社でもあります。本記事では富士山本宮浅間大社の歴史や由緒、祀られている神様、境内の見どころ、そして参拝する際に知っておきたい情報について詳しく見ていきます。

富士山本宮浅間大社の歴史と由緒

富士山本宮浅間大社の起源は古く、垂仁天皇の時代に遡るとされています。富士山の噴火を鎮めるため、垂仁天皇が浅間大神を山足の地に祀ったのが始まりと伝えられています。

大同元年806年、坂上田村麻呂が現在の地に社殿を造営したとされ、以降富士山信仰の中心として発展しました。平安時代には朝廷からも崇敬され、延喜式神名帳にも記載される名神大社として格式を認められました。

徳川家康は特に篤く崇敬し、慶長9年1604年に現在の社殿を造営しました。この本殿は国の重要文化財に指定されており、桃山時代の建築様式を今に伝える貴重な建造物です。江戸時代を通じて富士講の隆盛とともに、庶民の信仰も集めました。

祀られている神様

富士山本宮浅間大社の主祭神は木花之佐久夜毘売命です。この神様は富士山の神であり、美しさと桜の神、また安産と子育ての神として信仰されています。日本神話では天孫降臨の際にニニギノミコトの妻となった美しい女神として知られています。

木花之佐久夜毘売命は火中出産の神話でも有名です。出産の際に産屋に火を放ち、その炎の中で無事に三柱の子を産んだという伝説から、火難除けや安産の神としても崇敬されています。

また相殿神として瓊々杵尊と大山祇神も祀られています。これらの神々の御神徳により、安産、子育て、縁結び、火難消除、航海安全など幅広いご利益があるとされています。

富士山の所有と奥宮

富士山本宮浅間大社の特徴的な点は、富士山八合目以上の土地を所有していることです。これは徳川家康が寄進したもので、富士山頂上の土地は浅間大社の境内地となっています。

富士山頂には奥宮があり、夏の登山シーズンには多くの登山者が参拝に訪れます。本宮から約12キロメートル離れた山頂に位置し、標高3715メートルの地にある神社としては日本最高所です。

奥宮には木花之佐久夜毘売命の荒御魂が祀られており、富士登山の安全と無事を祈願する登山者で賑わいます。本宮と奥宮を合わせて一つの神社として機能しているのです。

湧玉池と御神水

境内には湧玉池という美しい池があります。この池は富士山の雪解け水が湧き出る清らかな泉で、国の特別天然記念物に指定されています。透明度が高く、池の底まではっきりと見える美しさは訪れる人々を魅了します。

湧玉池の水は御神水として崇められており、古来より富士登山者はこの池で身を清めてから登山に臨んだといわれています。現在でも水を汲んで帰る人が多く、飲用することもできます。

池には鯉が泳ぎ、周囲には緑が茂り、静謐な雰囲気に包まれています。池のほとりには水屋神社があり、水の神様が祀られています。湧玉池は浅間大社の神聖さを象徴する場所です。

本殿と楼門

富士山本宮浅間大社の本殿は徳川家康が造営したもので、国の重要文化財に指定されています。二階建ての珍しい形式で、浅間造という独特の建築様式です。朱塗りの美しい社殿は荘厳な雰囲気を醸し出しています。

楼門も立派な建造物で、参拝者を迎える堂々とした姿です。桜の季節には楼門と桜のコントラストが美しく、多くの人が写真を撮りに訪れます。

境内には他にも多くの摂末社があり、それぞれに様々な神様が祀られています。ゆっくりと境内を巡ることで、富士山信仰の深さを感じることができます。

桜の名所として

富士山本宮浅間大社は桜の名所としても知られています。境内には約500本の桜が植えられており、春には美しい桜が咲き誇ります。特に湧玉池周辺の桜は水面に映り込み、幻想的な景観を作り出します。

桜の季節には多くの花見客が訪れ、境内は華やかな雰囲気に包まれます。富士山を背景に桜を楽しめるロケーションは格別です。夜桜のライトアップも行われることがあります。

また秋には紅葉も美しく、四季折々の自然を楽しむことができます。富士山と季節の花々、そして神聖な雰囲気が調和した美しい景観が広がります。

流鏑馬祭と年中行事

富士山本宮浅間大社では一年を通じて様々な祭事が執り行われています。最も有名なのは5月に行われる流鏑馬祭です。源頼朝が富士の巻狩りを行った故事にちなむ伝統行事で、勇壮な馬上の武者が的を射る様子は圧巻です。

8月には富士山お山開きに関連した祭事が行われます。富士登山シーズンの安全を祈願する重要な行事です。また11月には例大祭が盛大に執り行われます。

初詣には多くの参拝者が訪れ、富士山を望みながらの新年の祈願は格別です。年間を通じて様々な行事があり、いつ訪れても何かしらの祭事に出会える可能性があります。

世界文化遺産の構成資産

平成25年2013年、富士山は世界文化遺産に登録されました。富士山本宮浅間大社はその構成資産の一つとして登録されており、富士山信仰の中心的存在として国際的にも認められています。

世界遺産登録により、国内外からの注目が高まり、外国人観光客も多く訪れるようになりました。富士山信仰という日本独自の文化を伝える重要な場所として、その価値が再認識されています。

境内には世界遺産登録を記念した碑もあり、訪れる人々に富士山の文化的価値を伝えています。観光地としてだけでなく、信仰の場としての重要性も増しています。

ご利益と信仰

富士山本宮浅間大社は木花之佐久夜毘売命を祀ることから、安産と子育てのご利益で特に有名です。妊婦や子育て中の方が多く参拝に訪れ、安産祈願や初宮参りが執り行われます。

また縁結びのご利益もあるとされ、良縁を求める人々も訪れます。美しい女神を祀ることから、美容や良縁にもご利益があると信じられています。

さらに火難消除、富士登山の安全、家内安全、商売繁盛など、幅広い願いに応えてくださるとされています。富士山のパワーと神様の御神徳を求めて、全国から参拝者が訪れます。

参拝の作法とマナー

富士山本宮浅間大社を参拝する際は、一般的な神社参拝の作法に従います。鳥居をくぐる前に一礼し、参道は中央を避けて歩きます。手水舎で手と口を清めてから拝殿に向かいます。

参拝は二礼二拍手一礼が基本です。お賽銭を入れ、鈴を鳴らしてから二度深く礼をし、二度拍手して祈願し、最後に一礼します。富士山を背景にした神聖な場所で、心を込めて参拝しましょう。

境内は神聖な場所ですので、大声を出したり走り回ったりすることは控えましょう。また湧玉池は特別天然記念物ですので、池に入ったり触れたりしないよう注意が必要です。

授与品とお守り

富士山本宮浅間大社では様々なお守りや授与品が用意されています。安産守や子授け守は特に人気があり、木花之佐久夜毘売命のご利益をいただけるお守りです。

また富士山をモチーフにしたお守りも人気で、登山安全守は富士登山者が多く求めています。縁結び守や開運守など、様々な願いに応じたお守りが揃っています。

御朱印も授与されており、参拝の記念として多くの人が受けています。御朱印帳も販売されており、富士山や桜をデザインした美しいものが人気です。また限定の御朱印が授与されることもあります。

拝観時間とアクセス

富士山本宮浅間大社の境内は基本的に自由に参拝できますが、祈祷や授与所の受付時間は午前8時30分から午後4時30分頃までです。開門時間は季節により異なることがあります。

アクセスはJR身延線の富士宮駅が最寄りで、駅から徒歩約10分です。東海道新幹線の新富士駅からはバスで約30分、JR東海道線の富士駅からもバスで約30分です。

車で訪れる場合は東名高速道路の富士インターチェンジから約20分、新東名高速道路の新富士インターチェンジから約15分です。参拝者用の無料駐車場がありますが、初詣や桜の季節は混雑します。

周辺の見どころ

富士山本宮浅間大社の周辺には他にも見どころがあります。白糸の滝は車で約20分の距離にあり、富士山の伏流水が流れ落ちる美しい滝です。世界遺産の構成資産にも含まれています。

また富士宮市街には富士宮やきそばの名店が多くあり、B級グルメの聖地としても知られています。参拝後に富士宮やきそばを楽しむのも良いでしょう。

富士山世界遺産センターも近くにあり、富士山の自然や文化について学ぶことができます。浅間大社と合わせて訪れることで、富士山信仰への理解がより深まります。

まとめ

富士山本宮浅間大社は約2000年の歴史を持つ全国浅間神社の総本宮であり、富士山を御神体として祀る富士山信仰の中心的存在です。木花之佐久夜毘売命を主祭神とし、安産や子育て、縁結び、火難消除など幅広いご利益があるとされています。富士山八合目以上の土地を所有し、山頂には奥宮があるという特別な神社です。境内の湧玉池は国の特別天然記念物で、富士山の伏流水が湧き出る神聖な場所として崇められています。徳川家康造営の本殿は国の重要文化財であり、浅間造という独特の建築様式を今に伝えています。桜の名所としても知られ、春には約500本の桜が咲き誇り、富士山を背景にした美しい景観を楽しめます。世界文化遺産富士山の構成資産として国際的にも認められ、年間を通じて多くの参拝者や観光客が訪れます。富士宮駅から徒歩約10分とアクセスも良好で、富士山観光の際にはぜひ訪れたい神社です。富士山のパワーと神様の御神徳を感じられる、日本を代表する霊験あらたかな聖地です。

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