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確かに困っている、苦しい、辛い。でも、なぜ困っているのか、何が原因なのか、どう説明すればいいのかわからない。「大丈夫じゃない」ことはわかっているのに、理由を言語化できない。この状態は、支援を求めることも、周囲に理解してもらうことも困難にし、孤立感と無力感を深めます。本記事では、なぜ理由が説明できないのか、その背景を理解し、困りごとを整理する方法、支援を求める方法、そして説明できなくても大丈夫という視点について詳しく解説します。
困っているけど理由が説明できない状態
まず、この状態を正確に理解しましょう。
よくあるパターン
毎日が苦しい、生きづらい、でも「何が問題なのか」と聞かれると答えられない。「困っていることは何ですか」という質問に、言葉が詰まる。
身体の不調、気分の落ち込み、意欲の低下など、症状はあるのに、原因がわからない。複数のことが絡み合っていて、一つの理由に特定できない。
家族や友人に「何に困っているの?」と聞かれても、「わからない」としか答えられない。支援機関に相談しようとしても、何をどう相談すればいいのかわからない。
孤立と無力感
理由を説明できないことは、深い孤立感をもたらします。自分の苦しみを理解してもらえない、伝えられない、助けを求められない。
「説明できない」ことで、「本当は困っていないのでは」「甘えているのでは」と思われるのではないかという恐怖もあります。
自分でも理由がわからないことに、無力感と混乱を感じます。
支援を受けられない
理由を説明できないと、適切な支援を受けることが困難になります。支援者は、何を支援すればいいかわからず、本人も何を求めればいいかわかりません。
結果として、必要な支援が得られず、状況が改善しません。
なぜ理由が説明できないのか
理由を説明できない背景には、複数の要因があります。
問題が複雑で多層的
困りごとが一つではなく、仕事、人間関係、健康、家族、経済、住環境など、複数の問題が絡み合っている場合、一言で説明することは不可能です。
どこから説明すればいいかわからず、言葉に詰まります。
漠然とした不調
明確な症状や出来事ではなく、「なんとなく調子が悪い」「生きづらい」「息苦しい」という漠然とした感覚の場合、言語化が困難です。
具体的な何かがあるわけではなく、全体的な不調であるため、説明しにくいです。
原因が無意識にある
困りごとの本当の原因が、無意識の領域にある場合があります。過去のトラウマ、抑圧された感情、認識していない葛藤などが、意識の表面には現れず、漠然とした苦しさとして感じられます。
言語化能力の問題
内的な状態を言葉にする能力には個人差があります。感情や感覚を言語化することが苦手な人もいます。
語彙が不足している、抽象的思考が苦手、言葉で表現する訓練を受けていないなどの理由があります。
認知機能の低下
うつ病、不安障害、発達障害、脳の疲労などにより、認知機能が低下していると、思考がまとまらず、説明することが困難になります。
頭が働かない、考えが整理できない、言葉が出てこないという状態です。
問題を認めたくない
本当の問題に気づいているが、それを認めたくない、直視したくないという心理が働くこともあります。
「仕事が原因」とわかっているが、それを認めると辞めざるを得なくなるため、無意識に認識を避けている。「親との関係」が問題だとわかっているが、それを認めることが怖いなど。
慢性化した状態
困りごとが長期間続いている場合、それが「普通」になってしまい、何が問題なのか客観的に見えなくなります。
ずっと苦しい状態にいると、その状態が当たり前になり、比較対象がなくなります。
社会的な抑圧
困っていることを表明することが、社会的に許されていないと感じている場合もあります。
「こんなことで困っていると言ったら甘えだと思われる」「他の人はもっと大変なのに」という思いが、理由を言語化することを妨げます。
自分でもわからない
単純に、自分でも本当にわからないという場合もあります。原因不明の体調不良、説明のつかない不安感、理由のわからない涙など。
わからないことは、恥ずかしいことではありません。
困りごとを整理する方法
理由がわからなくても、困りごとを整理する方法があります。
症状から始める
原因ではなく、症状から整理してみましょう。
「眠れない」「食欲がない」「気分が落ち込む」「疲れやすい」「集中できない」「人と会いたくない」など、今現れている症状をリストアップします。
症状を並べることで、全体像が見えてくることがあります。
生活の各領域をチェックする
仕事、家族、人間関係、健康、住環境、経済、趣味など、生活の各領域について、「問題ないか」「困っていないか」を一つずつチェックしてみましょう。
一つずつ確認することで、見落としていた問題に気づくことがあります。
いつから困っているか
「いつからこの状態なのか」を考えてみましょう。最近なのか、数ヶ月前からか、数年前からか、子供の頃からか。
時期を特定することで、きっかけや原因が見えてくることがあります。
日記をつける
毎日、その日の気分、出来事、身体の状態を簡単に記録しましょう。数週間続けると、パターンが見えてくることがあります。
「月曜日が特に辛い」「雨の日に悪化する」「特定の人と会った後に落ち込む」など。
比較してみる
「昔の自分」と「今の自分」を比較してみましょう。何が変わったのか、何を失ったのか、何ができなくなったのか。
比較することで、問題が見えてくることがあります。
他人の視点を借りる
信頼できる人に、「客観的に見て、私はどう見えますか」と聞いてみましょう。他人からの視点が、気づきをもたらすことがあります。
質問に答える形式
「困っていることは何ですか」という開かれた質問には答えにくいですが、以下のような具体的な質問には答えやすいかもしれません。
朝起きるのは辛いですか。仕事に行くのは辛いですか。人と会うのは辛いですか。一人でいるのは辛いですか。食事は楽しめますか。趣味は楽しめますか。将来に希望を感じますか。
一つずつ答えることで、困りごとが明確になります。
困っていないことを確認する
逆に、「困っていないこと」「大丈夫なこと」を確認することも有効です。
困っていることだけでなく、困っていないことも明確にすることで、問題の範囲が絞られます。
支援を求める方法
理由を説明できなくても、支援を求めることはできます。
「理由がわからない」と伝える
支援者に、「困っているけれど、理由を説明できません」と正直に伝えましょう。
理由がわからないこと自体が、支援者にとって重要な情報です。
症状を伝える
理由ではなく、症状や困っている状態を具体的に伝えましょう。
「眠れません」「仕事に行けません」「涙が止まりません」「死にたいと思います」など。
症状を伝えるだけでも、支援者は対応できます。
「助けてほしい」と伝える
理由がわからなくても、「助けてほしい」「何とかしてほしい」という気持ちは伝えられます。
それだけで十分です。支援者は、一緒に理由を探してくれます。
複数の支援者に相談する
一人の支援者で解決しない場合、複数の支援者に相談しましょう。医師、カウンセラー、ソーシャルワーカー、友人、家族など。
異なる視点からのアドバイスが、問題の解明につながることがあります。
時間をかける
理由を明確にすることは、一度の相談では難しいかもしれません。複数回の相談を通じて、少しずつ明らかになっていきます。
焦らず、時間をかけることが大切です。
専門家の支援
理由がわからない困りごとには、専門家の支援が有効です。
カウンセリング
カウンセラーや心理士は、対話を通じて、あなたの困りごとを一緒に探求してくれます。質問を通じて、自分でも気づいていなかった問題が明らかになることがあります。
医療機関
身体症状がある場合、まずは内科を受診しましょう。身体疾患が隠れている可能性があります。
身体的な問題がなければ、心療内科や精神科を受診しましょう。うつ病、不安障害などの診断を受けられます。
総合的な相談窓口
生活困窮者自立支援の相談窓口、ひきこもり地域支援センター、地域包括支援センターなど、総合的な相談窓口では、専門の相談員が状況を聞き取り、適切な支援につなげてくれます。
理由がわからなくても、まずは相談してみましょう。
理由がわからなくても大丈夫
理由を説明できないことに、罪悪感や恥ずかしさを感じる必要はありません。
わからないことは当然
自分の内的な状態を完全に理解し、言語化することは、非常に難しいことです。専門家でも難しいことを、一般の人ができなくても当然です。
理由よりも苦しみが重要
支援において最も重要なのは、理由ではなく、「今、苦しんでいる」という事実です。
理由が明確でなくても、苦しんでいることは事実であり、支援を受ける権利があります。
理由は後からわかることもある
最初は理由がわからなくても、支援を受ける過程で、少しずつ明らかになることがあります。
焦って理由を特定する必要はありません。
複数の小さな理由かもしれない
一つの大きな理由ではなく、複数の小さな理由が積み重なっている場合もあります。それを一言で説明することは不可能です。
複数の小さな困りごとを、一つずつ対処していくことが有効です。
説明責任はない
あなたには、自分の困りごとを完璧に説明する責任はありません。支援者は、不完全な情報からでも、あなたを支援する方法を見つけてくれます。
自分を責めない
理由を説明できない自分を、責める必要はありません。
弱さではない
理由を説明できないことは、弱さでも能力不足でもありません。困りごとが複雑であること、認知機能が低下していること、トラウマがあることなど、さまざまな背景があります。
甘えではない
理由が説明できなくても、困っていることは事実です。甘えではありません。
助けを求めていい
理由がわからなくても、困っていれば、助けを求めていいのです。それはあなたの権利です。
まとめ
困っているけど理由が説明できない状態は、決して珍しいことではありません。問題が複雑で多層的、漠然とした不調、原因が無意識にある、言語化能力の問題、認知機能の低下など、さまざまな背景があります。
症状から始める、生活の各領域をチェックする、いつからか考える、日記をつけるなど、困りごとを整理する方法があります。
支援を求める際は、「理由がわからない」と正直に伝え、症状や「助けてほしい」という気持ちを伝えれば十分です。カウンセリングや医療機関、総合的な相談窓口など、専門家の支援を活用しましょう。
理由がわからなくても、あなたの苦しみは本物です。理由を説明できないことで、自分を責める必要はありません。支援を受ける権利があります。
焦らず、時間をかけて、専門家と一緒に、あなたの困りごとと向き合っていきましょう。理由は後からわかることもあります。今は、苦しみを和らげることを最優先にしてください。
あなたは一人ではありません。理由がわからなくても、あなたを支援してくれる人がいます。

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