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初めての方は、基礎知識と不安解消をセットで押さえると安心です。
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出社しようと家を出ても、駅のホームに立つと体が動かなくなってしまう、電車に乗ろうとすると強い不安や恐怖に襲われて乗れなくなってしまう経験をしている方がいます。真面目に働きたいと思っているのに体が言うことを聞かず、自分を責めてしまう日々は本当につらいものです。
電車に乗れなくなる症状
出社のために電車に乗ろうとすると、さまざまな心身の症状が現れます。
身体的な症状としては、激しい動悸や息苦しさ、手足の震え、冷や汗、吐き気、めまいなどがあります。駅に近づくだけで胸が苦しくなったり、ホームに立つと足がすくんで動けなくなったりします。電車のドアが開いても一歩も踏み出せず、閉まるドアを見送ってしまうこともあります。
精神的な症状も深刻です。強い不安感や恐怖感に襲われ、このまま電車に乗ったら取り返しのつかないことが起こるような気がしてしまいます。頭では乗らなければならないと分かっていても、体が拒否反応を示すのです。
何度も引き返してしまうこともあります。家を出て駅まで行っても乗れずに戻り、また出かけては戻ることを繰り返し、結局会社に行けないまま一日が終わってしまいます。
電車に乗れなくなる原因
このような状態になる背景には、いくつかの要因があります。
パニック障害や不安障害が関係していることがあります。過去に電車内でパニック発作を起こした経験があると、また同じことが起こるのではないかという予期不安が生まれます。その不安が強くなりすぎて、電車に乗ること自体を避けるようになってしまうのです。
うつ病の症状として現れることもあります。うつ病では意欲の低下や疲労感が強く、日常的な行動が困難になります。特に朝は症状が重く、出社という行為自体が大きな負担となり、その過程で電車に乗れなくなることがあります。
適応障害も考えられます。職場でのストレスや人間関係の問題、過度な業務負担などが原因で、心身が悲鳴を上げている状態です。出社することが強いストレス源となり、それを回避するために体が反応してしまうのです。
過去のトラウマ体験が影響している場合もあります。電車内での痴漢被害や、満員電車で気分が悪くなった経験、倒れてしまった経験などが心の傷となり、電車に乗ることへの恐怖として残っているのです。
燃え尽き症候群の可能性もあります。長期間にわたって頑張り続けた結果、心身のエネルギーが完全に枯渇してしまった状態です。これ以上無理をすると壊れてしまうという体からの強いメッセージが、電車に乗れないという症状として現れているのかもしれません。
電車に乗れないときの応急対処法
電車に乗れなくて困ったとき、その場でできることがあります。
まず自分を責めないことが大切です。乗れないのは甘えでも怠けでもなく、心身が限界を迎えているサインです。無理に乗ろうとしてパニックを悪化させるよりも、一度立ち止まって自分の状態を認めることが重要です。
深呼吸をして気持ちを落ち着かせましょう。駅のベンチや静かな場所に座り、ゆっくりと呼吸を整えます。焦らず、今日は乗れなくても大丈夫だと自分に言い聞かせてください。
別の交通手段を検討することも一つの方法です。タクシーやバス、自転車など、電車以外の方法で出社できないか考えてみましょう。時間はかかっても、とりあえず会社に行くことが目標です。
会社に連絡を入れることも必要です。遅刻や欠勤の連絡は勇気がいりますが、正直に体調不良を伝えましょう。無断欠勤よりも、きちんと連絡する方が信頼を失いません。
専門家に相談する重要性
電車に乗れない状態が続いている場合は、早めに専門家に相談することが重要です。
心療内科や精神科を受診しましょう。医師の診察により、パニック障害やうつ病などの診断を受けられます。診断名がつくことで、自分の状態を客観的に理解でき、適切な治療を受けられるようになります。
薬物療法が有効な場合もあります。抗不安薬や抗うつ薬などを服用することで、症状が軽減し、電車に乗れるようになることがあります。薬を飲むことに抵抗がある方もいるかもしれませんが、適切に使用すれば社会生活を取り戻す助けとなります。
カウンセリングや心理療法も効果的です。認知行動療法では、電車に対する恐怖を段階的に克服していく練習をします。最初は駅まで行くだけ、次はホームに立つだけ、そして一駅だけ乗ってみるというように、少しずつステップを進めていきます。
職場への相談と配慮の依頼
症状が深刻な場合は、職場に状況を説明し配慮を求めることも検討しましょう。
人事部や上司に診断書を提出し、時差出勤やテレワーク、休職などの選択肢について相談します。最初は言い出しにくいかもしれませんが、無理を続けて完全に働けなくなるよりも、早めに相談する方が良い結果につながることが多いです。
時差出勤ができれば、ラッシュを避けた時間帯に空いている電車で通勤できます。混雑が少ないだけで、乗れるようになる場合もあります。
テレワークや在宅勤務が可能であれば、通勤そのものを避けることができます。一時的に在宅勤務にしてもらい、体調が回復してから徐々に出社日を増やしていく方法もあります。
休職制度の利用も選択肢です。心身を休め、治療に専念することで、根本的な回復を目指せます。休職は逃げではなく、再び働くための準備期間です。
段階的な復帰の方法
電車に乗れるようになるためには、焦らず段階的に進めることが大切です。
まず電車以外の方法で通勤できる環境を整えます。タクシー代を会社に補助してもらったり、自転車通勤を許可してもらったりすることで、とりあえず出社できる状態を作ります。
次に空いている時間帯の電車に乗る練習をします。休日や早朝など、プレッシャーのない状況で一駅だけ乗ってみることから始めましょう。乗れたことを成功体験として積み重ねていきます。
徐々に距離や時間を伸ばしていきます。一駅乗れたら次は二駅、それができたら三駅というように、少しずつハードルを上げていきます。失敗しても自分を責めず、またやり直せばいいと考えましょう。
誰かに付き添ってもらうことも効果的です。家族や友人に一緒に乗ってもらうことで、安心感が得られます。慣れてきたら一人で乗る練習に移行していきます。
根本的な問題への対処
電車に乗れないという症状の背後には、より根本的な問題が隠れていることがあります。
職場環境を見直す必要があるかもしれません。パワハラやセクハラ、過度な業務負担などが原因で心身が疲弊している場合、職場そのものを変える決断が必要なこともあります。部署異動や転職も視野に入れて考えてみましょう。
生活習慣の改善も重要です。睡眠不足や栄養の偏り、運動不足などが心身の不調を招いている可能性があります。規則正しい生活を心がけ、体調を整えることで、症状が軽減することもあります。
ストレス対処法を身につけることも大切です。趣味やリラックスできる時間を確保し、自分を癒す方法を見つけましょう。瞑想やヨガ、散歩など、心を落ち着かせる活動を日常に取り入れることも効果的です。
周囲の理解とサポート
一人で抱え込まず、周囲に助けを求めることも重要です。
家族や友人に状況を説明し、理解とサポートを得ましょう。朝一緒に駅まで行ってもらったり、話を聞いてもらったりするだけでも、心の支えになります。
同じような経験をした人の話を聞くことも励みになります。SNSやブログ、支援団体などで情報を得たり、体験談を読んだりすることで、自分だけではないと感じられます。
産業医や産業カウンセラーがいる職場であれば、相談してみましょう。職場内で守秘義務のもと相談できる相手がいることは心強いものです。
出社しようとしても電車に乗れない状態は、心身からの重要なメッセージです。その声を無視せず、適切な対処と治療を受けることで、多くの方が社会復帰を果たしています。焦らず、自分のペースで回復への道を歩んでいきましょう。

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