二見興玉神社は三重県伊勢市二見町に鎮座する神社で、伊勢神宮参拝の前に身を清める禊ぎの場として古くから信仰を集めてきました。夫婦岩で有名な景勝地にあり、夫婦円満や縁結びのパワースポットとしても知られています。伊勢湾に面した美しい海岸に位置し、特に夏至の頃には夫婦岩の間から昇る朝日が神秘的な光景を作り出します。本記事では二見興玉神社の歴史や由緒、祀られている神様、境内の見どころ、そして参拝する際に知っておきたい情報について詳しく見ていきます。
二見興玉神社の歴史と由緒
二見興玉神社の創建は古く、倭姫命が天照大御神を祀る地を求めて巡行した際、この二見の浦で禊ぎをしたという伝説に由来します。以来、伊勢神宮に参拝する前に二見浦で禊ぎをする習わしが生まれ、浜参宮と呼ばれる風習として定着しました。
正式な創建年代は不詳ですが、少なくとも平安時代には既に信仰の対象となっていたことが文献から確認できます。江戸時代には伊勢参りの隆盛とともに多くの参拝者が訪れ、二見の浦は賑わいを見せました。
現在の社殿は明治時代以降に整備されたもので、比較的新しい建築ですが、神社の持つ霊験と信仰は古来から変わらず受け継がれています。伊勢神宮との深い結びつきを持つ重要な神社です。
祀られている神様
二見興玉神社の主祭神は猿田彦大神です。猿田彦大神は道開きの神として知られ、人生の岐路や新しいことを始める際に導いてくださる神様です。天孫降臨の際に道案内をした神話で有名です。
また宇迦御魂大神も祀られており、五穀豊穣や商売繁盛のご利益があるとされています。この二柱の神様の御神徳により、開運や導き、商売繁盛など幅広いご利益があります。
さらに興玉神石という海中に沈む霊石を御神体として崇めており、この石は猿田彦大神の化身とされています。夫婦岩はこの興玉神石を拝むための鳥居の役割を果たしています。
夫婦岩の意味と信仰
二見興玉神社で最も有名なのが夫婦岩です。大小二つの岩が大注連縄で結ばれた姿は、夫婦や男女の絆を象徴しています。大きい方の男岩は高さ約9メートル、小さい方の女岩は高さ約4メートルで、その間は約9メートル離れています。
大注連縄は長さ35メートル、重さ約40キログラムという巨大なもので、毎年5月、9月、12月の年3回張り替えられます。この張り替え神事には多くの見物人が訪れ、伝統行事として親しまれています。
夫婦岩は夫婦円満や縁結びのシンボルとして信仰され、カップルや夫婦で訪れる人が多くいます。また海中の興玉神石を遥拝するための鳥居としての役割も持っており、信仰上重要な意味があります。
夏至の朝日と富士山
夫婦岩の最も神秘的な光景が見られるのは夏至の頃です。この時期には夫婦岩の間から朝日が昇り、その美しさは格別です。早朝から多くの人々が集まり、この神秘的な瞬間を待ちます。
また冬至の頃には、天気が良ければ夫婦岩の間に富士山が見えることがあります。遠く離れた富士山が夫婦岩の間に姿を現す光景は、まさに奇跡のような美しさです。
このように夫婦岩は季節や時刻によって様々な表情を見せ、自然の神秘と信仰が融合した特別な場所となっています。特に朝日や夕日の時間帯は多くの写真愛好家も訪れます。
カエルがいっぱいの境内
二見興玉神社の境内には、至る所にカエルの像や置物があります。これは猿田彦大神の使いがカエルとされているためです。また無事にかえる、お金がかえるといった語呂合わせから、縁起物として信仰されています。
本殿前には満願蛙と呼ばれる大きなカエルの像があり、水をかけて願いを込めると叶うといわれています。多くの参拝者がこのカエルに水をかけ、願い事をする姿が見られます。
境内のあちこちにあるカエルを探すのも楽しみの一つです。大小様々なカエルの像があり、可愛らしい表情に癒されます。お守りや絵馬にもカエルのモチーフが使われています。
浜参宮と禊ぎの伝統
古来より伊勢神宮に参拝する前には、二見浦で海水に浸かって身を清める浜参宮の習わしがありました。清浄な心身で神宮に参拝するための重要な儀式とされてきました。
現在では実際に海に入る人は少なくなりましたが、二見興玉神社に参拝することで禊ぎの意味を持たせる習慣は残っています。伊勢神宮参拝の前に二見興玉神社を訪れることで、心身を清めることができます。
境内では御祓いを受けることもでき、正式な禊ぎの作法を体験することも可能です。伊勢参りの伝統を感じながら、清らかな気持ちで参拝することができます。
龍宮社と海の神様
境内には龍宮社という摂社があり、綿津見大神が祀られています。綿津見大神は海の神であり、航海安全や豊漁、水難除けのご利益があるとされています。
海に面した神社らしく、漁業関係者や海に関わる仕事をする人々の信仰を集めています。また海を愛する人々が安全を祈願する場所としても親しまれています。
龍宮社の周辺は海の景色が美しく、波の音を聞きながら静かに参拝することができます。海の神様に守られた特別な空間です。
輪注連縄の神事
二見興玉神社では毎年5月5日に輪注連縄を張る神事が執り行われます。これは古式に則った伝統的な神事で、大注連縄を夫婦岩に張り渡す作業が行われます。
氏子や崇敬者が総出で大注連縄を運び、船で沖に出て岩に張り渡す様子は勇壮で、多くの見物人が集まります。この神事は地域の重要な行事として親しまれています。
注連縄を張り替えることで、神様の力を新たにし、夫婦岩の霊験を保つ意味があります。伝統を守り続ける地域の人々の信仰心が感じられる行事です。
年中行事
二見興玉神社では一年を通じて様々な祭事が執り行われています。1月1日の歳旦祭には初詣の参拝者が訪れ、海に面した神社での初詣は清々しい気持ちになります。
6月の夏至祭は最も重要な祭事の一つで、夫婦岩から昇る朝日を拝む禊ぎ祭りが執り行われます。早朝から多くの参拝者が集まり、神秘的な光景を目にします。
また毎月11日は興玉神石例祭が行われ、海中の御神体に感謝を捧げます。定期的な祭事を通じて、神様への崇敬が続けられています。
ご利益と信仰
二見興玉神社は夫婦円満と縁結びのご利益で特に有名です。夫婦岩が象徴するように、夫婦や恋人の絆を強める力があるとされ、多くのカップルが訪れます。結婚式を挙げることもできます。
また猿田彦大神を祀ることから、道開きや交通安全、開運招福のご利益もあります。人生の転機や新しいことを始める際に参拝する人も多くいます。
さらに海の神様も祀ることから、航海安全や海難除け、豊漁のご利益もあります。海に関わる様々な願いに応えてくださる神社です。
参拝の作法とマナー
二見興玉神社を参拝する際は、一般的な神社参拝の作法に従います。鳥居をくぐる前に一礼し、参道は中央を避けて歩きます。手水舎で手と口を清めてから拝殿に向かいます。
参拝は二礼二拍手一礼が基本です。お賽銭を入れ、鈴を鳴らしてから二度深く礼をし、二度拍手して祈願し、最後に一礼します。海を望む清々しい場所で、心を込めて参拝しましょう。
夫婦岩は海岸にあり、波が高い日や満潮時は近づけないこともあります。安全に配慮しながら見学することが大切です。また早朝や夕方は特に美しいですが、足元には十分注意しましょう。
授与品とお守り
二見興玉神社では様々なお守りや授与品が用意されています。夫婦守や縁結び守は特に人気があり、夫婦岩にちなんだデザインが特徴です。カップルや夫婦で求める人が多くいます。
またカエルをモチーフにした無事かえる守や開運守も人気です。可愛らしいデザインで、お土産としても喜ばれます。
御朱印も授与されており、参拝の記念として多くの人が受けています。御朱印帳も販売されており、夫婦岩やカエルをデザインした二見興玉神社オリジナルのものが人気です。
拝観時間とアクセス
二見興玉神社の境内は基本的に自由に参拝できます。夫婦岩は海岸にあるため、24時間見学可能ですが、社務所や授与所の受付時間は午前9時から午後5時頃までです。
アクセスはJR参宮線の二見浦駅が最寄りで、駅から徒歩約15分です。伊勢市駅や鳥羽駅からバスも運行されており、夫婦岩東口バス停で下車すると徒歩約5分です。
車で訪れる場合は伊勢二見鳥羽ラインの二見料金所から約5分です。神社の近くに有料駐車場がありますが、夏季や休日は混雑することがあります。早朝の参拝がお勧めです。
周辺の見どころ
二見興玉神社の周辺には二見シーパラダイスという水族館があり、アシカやセイウチのショーが人気です。家族連れで訪れる際は合わせて楽しむことができます。
また伊勢神宮まで車で約15分、鳥羽水族館まで約10分と、伊勢志摩観光の拠点としても便利な立地です。伊勢エビや海の幸を楽しめる飲食店も多くあります。
二見浦海岸は景勝地として美しく、散策にも適しています。朝日や夕日の時間帯は特に美しい景色を楽しめます。
まとめ
二見興玉神社は伊勢神宮参拝の前に身を清める禊ぎの場として古くから信仰を集めてきた神社であり、猿田彦大神を主祭神として祀っています。夫婦岩は夫婦円満や縁結びのシンボルとして有名で、大注連縄で結ばれた二つの岩は多くの人々を魅了しています。夏至の頃には夫婦岩の間から朝日が昇る神秘的な光景が見られ、冬至の頃には富士山が姿を現すこともあります。境内には猿田彦大神の使いとされるカエルの像が至る所にあり、満願蛙に水をかけて願いを込める習わしが人気です。浜参宮の伝統を今に伝え、伊勢神宮参拝前に訪れることで心身を清めることができます。夫婦円満、縁結び、道開き、航海安全など幅広いご利益があり、年間を通じて多くの参拝者が訪れます。二見浦駅から徒歩約15分とアクセスも良好で、伊勢志摩観光の際にはぜひ訪れたい神社です。美しい海の景色と神秘的な夫婦岩、そして古来からの禊ぎの伝統を体験できる、心洗われる特別な場所です。

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