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「グループホームに申し込んだのに、空きがない」「何年も待っている」「親が高齢で、早く入居させたい」「このまま待ち続けるしかないのか」。グループホームの空き不足は、全国的に深刻な問題です。
特に都市部では、入居を希望しても数年待ちという状況も珍しくありません。しかし、空きがないからと諦める必要はありません。本記事では、グループホームの空き不足の現状、なぜ空きがないのか、空きがない場合の対処法、他の選択肢、今からできる準備について詳しく解説します。
グループホームの空き不足の現状
全国的な状況
需要が供給を大幅に上回る
グループホームは慢性的に空き不足の状態です。
統計データ
- グループホームの利用者数:約16万人(2023年)
- 毎年増加傾向
- それでも需要に追いついていない
特に不足している地域
- 都市部(東京、大阪、名古屋など)
- 人気のある地域
地方の状況
- 地方でも不足している地域がある
- 都市部ほどではない場合もある
待機期間
数か月から数年
グループホームの待機期間は、地域や事業所によって大きく異なります。
一般的な待機期間
- 短い場合:数か月
- 平均的な場合:1~2年
- 長い場合:3年以上
都市部の場合
- 人気のあるグループホーム:3~5年待ちも珍しくない
空きが出るタイミング
入居者が退去したとき
空きが出るのは、主に以下のタイミングです。
退去の理由
- 入所施設への入所
- 病気や高齢化による入院・施設入所
- 一人暮らしへの移行
- 他のグループホームへの転居
- 死亡
新規開設
- 新しいグループホームが開設されたとき
問題点
- 退去が少ない
- 一度入居すると長期間住み続ける人が多い
- 高齢化で退去が増えない
なぜ空きがないのか
グループホームの空きがない理由を理解しましょう。
1. 需要の増加
親亡き後への不安
親の高齢化により、グループホームへの需要が急増しています。
具体的な背景
- 親の高齢化(70代、80代)
- 親の介護負担の増加
- 親亡き後への不安
- 一人暮らしは難しいが、施設は避けたい
2. 供給の不足
整備が追いついていない
グループホームの整備が需要に追いついていません。
理由
- 建設費用の高騰
- 人材不足
- 土地の確保が困難(特に都市部)
- 近隣住民の反対
- 事業者の参入が限定的
3. 退去が少ない
長期間住み続ける
一度入居すると、長期間住み続ける人が多いです。
理由
- 住み心地が良い
- 他に行く場所がない
- 高齢化しても住み続ける
- 親亡き後も継続
4. 入居者の高齢化
介護度が上がっても退去しない
入居者の高齢化により、介護度が上がっても退去しない人が増えています。
問題点
- 本来は介護保険施設に移るべき人も残っている
- グループホームの職員では対応が難しい場合も
- 空きが出ない
5. 人気の偏り
人気のあるグループホームに集中
立地や評判の良いグループホームに希望が集中します。
人気の条件
- 駅に近い
- 新しい
- 評判が良い
- 設備が充実
- 職員の対応が良い
6. 障害種別による偏り
知的障害向けが多い
グループホームは知的障害向けが多く、精神障害や身体障害向けは少ないです。
問題点
- 精神障害の人が入居しにくい
- 身体障害でバリアフリーが必要な人が入居しにくい
空きがない場合の対処法
空きがない場合の具体的な対処法を紹介します。
1. 複数のグループホームに申し込む
選択肢を増やす
1つのグループホームだけでなく、複数に申し込みましょう。
方法
- 10~20か所に申し込む
- 第一希望、第二希望と優先順位をつける
- 広い範囲で探す
注意点
- 複数申し込みは問題ない
- 空きが出たときに断ることも可能
2. 待機リストに登録する
順番待ち
待機リストに登録しておけば、空きが出たときに連絡がもらえます。
登録方法
- グループホームに直接申し込む
- 相談支援事業所を通じて申し込む
定期的な確認
- 待機リストの順番を確認
- 状況を確認
3. 広い範囲で探す
地域を広げる
希望地域を広げることで、選択肢が増えます。
方法
- 隣の市区町村も含める
- 通勤・通所可能な範囲まで広げる
- 地方も検討する
住所地特例
グループホームは住所地特例の対象なので、他の市区町村のグループホームにも入居できます。
4. 条件を緩める
譲れる条件は譲る
条件を緩めることで、選択肢が増えます。
見直すべき条件
- 立地(駅から遠くても良い)
- 建物の新しさ(古くても良い)
- 個室か相部屋か
- 食事の内容
- 門限などのルール
譲れない条件
- 障害種別への対応
- 雰囲気
- 職員の質
5. 新規開設のグループホームを狙う
情報収集
新しく開設されるグループホームの情報を集めましょう。
情報源
- 市区町村の障害福祉課
- 相談支援事業所
- インターネット
- 障害者団体、家族会
メリット
- 全員が新規入居なので、空きがある
- 新しい設備
6. サテライト型を検討する
一人暮らしに近い
サテライト型グループホームは、比較的空きがある場合があります。
サテライト型とは
- 本体のグループホームから離れた場所で、1人または少人数で暮らす
- 定期的な訪問支援
メリット
- 空きがある可能性が高い
- 一人暮らしに近い
- プライバシーが守られる
デメリット
- 自立度が求められる
- 孤立のリスク
7. 短期入所(ショートステイ)を活用する
つなぎとして
グループホームの空き待ちの間、短期入所を活用しましょう。
メリット
- グループホームを運営する法人の短期入所を利用すれば、優先的に入居できる場合がある
- 体験利用になる
- 親の負担軽減
8. 体験利用を積極的に行う
顔を覚えてもらう
体験利用を積極的に行うことで、グループホームの職員に顔を覚えてもらえます。
メリット
- 空きが出たときに声をかけてもらえる可能性
- 自分に合うか確認できる
9. 相談支援事業所に相談する
専門家の力を借りる
相談支援専門員は、グループホームの情報を持っています。
メリット
- 空き情報を教えてもらえる
- 申し込みのサポート
- グループホームとの調整
10. 市区町村に相談する
行政に働きかける
市区町村の障害福祉課に、グループホームの不足を訴えましょう。
方法
- 窓口で相談
- 要望書を提出
- 議員に相談
効果
- すぐには解決しないが、長期的には整備が進む可能性
11. 家族会や当事者団体に参加する
情報交換
家族会や当事者団体に参加することで、情報が得られます。
メリット
- 空き情報
- どのグループホームが良いか
- 経験談
12. 緊急性をアピールする
優先順位を上げる
緊急性が高い場合、優先してもらえることがあります。
緊急性が高い場合
- 親が高齢で介護が困難
- 親が病気
- 親が亡くなった
- 虐待のリスク
- 本人の状態が悪化
方法
- 市区町村の障害福祉課に相談
- 相談支援事業所に相談
- グループホームに直接伝える
空きがない場合の他の選択肢
グループホーム以外の選択肢も検討しましょう。
1. 入所施設
24時間支援
入所施設(障害者支援施設)は、24時間体制で支援が受けられます。
メリット
- 手厚い支援
- 医療的ケアにも対応
- 安心感
デメリット
- 施設での生活
- 地域から離れる
- 入所施設も空きが少ない
対象者
- 障害支援区分4以上(50歳以上は区分3以上)
- 常時介護を必要とする人
申し込み
- 市区町村の障害福祉課
2. 一人暮らし(支援付き)
自立生活
支援を受けながら、一人で暮らすことも選択肢です。
利用できる支援
- 居宅介護(ホームヘルプ)
- 重度訪問介護
- 訪問看護
- 見守りサービス
- 配食サービス
メリット
- 自由な生活
- プライバシーが守られる
デメリット
- 孤立のリスク
- 緊急時の対応
- 経済的負担が大きい
適している人
- 身の回りのことがある程度できる
- コミュニケーションが取れる
- 緊急時に助けを求められる
3. 家族との同居継続
現状維持
家族との同居を継続することも選択肢です。
工夫
- デイサービス(生活介護、就労継続支援B型など)を利用
- 短期入所を定期的に利用
- 居宅介護を利用
- 親の負担を軽減する
親亡き後の準備
- 成年後見制度
- 遺言書
- 信託
- きょうだいとの話し合い
4. きょうだいや親族との同居
家族で支える
きょうだいや親族と同居することも選択肢です。
注意点
- きょうだいの人生も尊重
- きょうだいだけに負担をかけない
- 福祉サービスを活用
5. 公営住宅
安い家賃
公営住宅に入居して、一人暮らしをする選択肢もあります。
メリット
- 家賃が安い
- 障害者向けの優先枠がある
申し込み
- 都道府県、市区町村の住宅課
6. 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅
高齢の障害者
65歳以上の障害者は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅も選択肢です。
注意点
- 費用が高い
- 障害への理解があるか確認
今からできる準備
将来に備えて、今からできる準備を紹介します。
1. 早めに申し込む
待機期間を見越して
親が元気なうちから、早めに申し込みましょう。
タイミング
- 親が60代~70代前半
- 本人が30代~40代
2. 複数のグループホームに申し込む
選択肢を増やす
1つだけでなく、複数に申し込みましょう。
3. 短期入所を定期的に利用する
慣れておく
短期入所を定期的に利用することで、親元を離れることに慣れます。
メリット
- グループホーム入居への準備
- グループホームを運営する法人の短期入所を利用すれば、優先的に入居できる可能性
4. 日中活動の場を確保する
仕事や作業所
日中活動の場(仕事、作業所など)を確保しておきましょう。
理由
- グループホームは住まいの場
- 日中は別の場所に通うことが前提
5. 相談支援専門員との関係構築
継続的な相談相手
相談支援事業所を利用し、相談支援専門員と関係を築いておきましょう。
メリット
- グループホームの情報が得られる
- 申し込みのサポート
- 親亡き後も継続的な支援
6. 家族会や当事者団体に参加する
ネットワーク作り
家族会や当事者団体に参加し、ネットワークを作りましょう。
メリット
- 情報交換
- 経験談
- 仲間ができる
7. 経済的な準備
親亡き後の経済計画
親亡き後も生活できるよう、経済的な準備をしましょう。
方法
- 障害基礎年金の申請
- 障害者扶養共済制度への加入
- 貯金
- 遺言書の作成
- 信託の活用
8. 地方への移住も視野に
選択肢を広げる
都市部でグループホームが見つからない場合、地方への移住も視野に入れましょう。
メリット
- グループホームの空きがある可能性
- 家賃や生活費が安い
- 自然豊か
デメリット
- 親が遠くなる
- 慣れない土地
9. きょうだいとの話し合い
将来の役割分担
きょうだいと、親亡き後のことを話し合っておきましょう。
話し合うこと
- 住まいのこと
- 経済的なこと
- 成年後見制度のこと
10. 市区町村への要望
政策提言
市区町村に、グループホームの整備を要望しましょう。
方法
- 窓口で要望
- 要望書の提出
- 議員への陳情
- 家族会や当事者団体での組織的な活動
よくある質問
Q1: 何年待てば入居できますか?
A: 確約はできません。
グループホームや地域によって大きく異なります。数か月で入居できる場合もあれば、5年以上待つ場合もあります。複数のグループホームに申し込むことをおすすめします。
Q2: 待機リストの順番は確認できますか?
A: グループホームによります。
教えてくれるグループホームもあれば、教えてくれないグループホームもあります。直接聞いてみましょう。
Q3: 空きが出たときに断ってもいいですか?
A: 問題ありません。
複数申し込んでいる場合、第一希望ではないグループホームから先に空きが出ることもあります。断っても問題ありません。
Q4: 親が亡くなった場合、優先してもらえますか?
A: 優先される可能性があります。
緊急性が高いと判断されれば、優先してもらえる場合があります。市区町村の障害福祉課や相談支援事業所に相談してください。
Q5: グループホームが増える見込みはありますか?
A: 国や自治体は整備を進めています。
しかし、需要の増加に追いついていないのが現状です。引き続き、整備を進めるよう要望していく必要があります。
Q6: 入所施設の方が入りやすいですか?
A: 入所施設も空きが少ないです。
入所施設も慢性的に空き不足です。ただし、重度の障害がある場合は、グループホームより入所施設の方が適している場合もあります。
Q7: 有料のグループホームはありますか?
A: ほとんどが障害福祉サービスのグループホームです。
一部、有料のグループホームもありますが、非常に少数です。
Q8: 空きが出るのを待つ以外に方法はないですか?
A: 複数申し込み、範囲を広げる、条件を緩めるなどの方法があります。
本記事で紹介した対処法を試してください。
まとめ
グループホームの空きがない問題は、全国的に深刻です。需要の増加、供給の不足、退去が少ない、入居者の高齢化、人気の偏りなどが原因です。待機期間は数か月から数年に及びます。
空きがない場合の対処法は、複数のグループホームに申し込む、待機リストに登録する、広い範囲で探す、条件を緩める、新規開設を狙う、サテライト型を検討する、短期入所を活用する、体験利用を積極的に行う、相談支援事業所に相談する、市区町村に相談する、家族会に参加する、緊急性をアピールするなどです。
グループホーム以外の選択肢として、入所施設、一人暮らし、家族との同居継続、きょうだいとの同居、公営住宅、有料老人ホームなどがあります。
今からできる準備は、早めに申し込む、複数申し込む、短期入所を利用する、日中活動の場を確保する、相談支援専門員との関係構築、家族会への参加、経済的な準備、地方移住の検討、きょうだいとの話し合い、市区町村への要望などです。
空きがないからと諦めず、できることから始めましょう。市区町村の障害福祉課や相談支援事業所に相談しながら、最善の方法を探していきましょう。
主な相談窓口
市区町村の障害福祉課
- グループホームの情報、申し込みのサポート
相談支援事業所
- グループホーム選び、継続的なサポート
一人で悩まず、必ず相談してください。

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