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「うちの子はグループホームで暮らせるだろうか」「一人暮らしは無理だけど、グループホームならどうだろう」「性格的に共同生活は難しいかもしれない」。グループホームへの入居を検討する際、多くの人が「自分(または家族)はグループホームに向いているのか」と悩みます。
グループホームは万能ではありません。向いている人もいれば、向いていない人もいます。本記事では、グループホームに向いている人の特徴、向いていない人の特徴、障害種別ごとの適性、判断のポイント、他の選択肢について詳しく解説します。
グループホームとはどんな場所か
まず、グループホームの特徴を理解しましょう。
基本的な特徴
共同生活の場
グループホームは、数人~十数人で共同生活を送る場所です。
主な特徴
- 共同生活(個室だが、リビング・キッチン・浴室などは共有)
- 世話人や生活支援員がいる
- 食事、入浴、排泄などの支援が受けられる
- 日中は仕事や作業所に通う
- ある程度のルールがある
- 地域で暮らせる
入所施設との違い
- より自由度が高い
- 地域に開かれている
- 日中は外に出る
一人暮らしとの違い
- 職員の支援がある
- 他の入居者がいる
- ルールがある
グループホームに向いている人
グループホームに向いている人の特徴を説明します。
1. 生活スキル
ある程度の自立度
完全に自立している必要はありませんが、ある程度の生活スキルがあることが望ましいです。
できることが望ましいスキル
身の回りのこと
- 着替えができる(または少しの支援でできる)
- トイレが自分でできる(または少しの支援でできる)
- 入浴ができる(または少しの支援でできる)
- 食事ができる(または少しの支援でできる)
日常生活
- 簡単な身だしなみが整えられる
- 自分の部屋を片付けられる(または支援を受けながらできる)
- 洗濯物をたたむなど、簡単な家事ができる(または支援を受けながらできる)
完璧でなくても大丈夫
支援を受けながらできれば問題ありません。グループホームは支援の場でもあります。
2. コミュニケーション能力
最低限のコミュニケーション
最低限のコミュニケーションが取れることが重要です。
必要なコミュニケーション
- 簡単な会話ができる
- 意思表示ができる(言葉でなくても、ジェスチャーや表情でも可)
- 困ったときに「助けて」と言える
- 職員の指示が理解できる
高度なコミュニケーションは不要
雑談が得意である必要はありません。
3. 集団生活への適応
他者と一緒に暮らせる
他の入居者と一緒に暮らせることが必須です。
必要な適応力
- 他者の存在を受け入れられる
- 最低限のルールが守れる
- 他者への攻撃性がない
- 共有スペースを使える
- 順番を待てる
完璧な協調性は不要
積極的に交流する必要はありません。自分の部屋で過ごすことが多くても問題ありません。
4. 日中活動の場がある
仕事や作業所に通う
グループホームは住まいの場なので、日中は仕事や作業所に通うことが前提です。
日中活動の場の例
- 一般就労
- 障害者雇用
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
- 生活介護
- 地域活動支援センター
例外
日中サービス支援型グループホームなら、日中も施設で過ごせます(重度の障害がある人向け)。
5. 親元を離れる意欲
自立への意欲
本人に親元を離れる意欲があることが望ましいです。
望ましい状態
- グループホームで暮らしたいと思っている
- 親から自立したいと思っている
- 新しい生活への期待がある
無理強いは禁物
本人が嫌がっている場合、無理に入居させることは避けましょう。体験利用を重ねて、徐々に慣らしていくことが大切です。
6. 障害の程度
軽度~中度の障害
グループホームは、軽度~中度の障害の人に向いています。
障害支援区分
- 区分1~3が多い
- 区分4以上でも入居可能(日中サービス支援型など)
重度の障害
常時介護が必要な重度の障害がある場合、入所施設の方が適している場合もあります。
7. 医療的ケアの必要性が低い
基本的な健康管理
グループホームは、基本的には医療的ケアを必要としない人が対象です。
対応できる医療
- 服薬管理(職員がサポート)
- 定期的な通院(職員が付き添い)
対応が難しい医療的ケア
- 経管栄養
- たんの吸引
- 人工呼吸器
- 24時間の医療的ケア
医療的ケアが必要な場合
訪問看護などの医療サービスと併用すれば、グループホームで暮らせる場合もあります。医療的ケアに対応したグループホームもあります(少数)。
8. 生活リズムが整っている
規則正しい生活
生活リズムが整っていることが望ましいです。
望ましい状態
- 朝起きられる
- 夜眠れる
- 昼夜逆転していない
- 食事の時間が規則的
乱れている場合
グループホームでの生活を通じて、整えることも可能です。
9. 金銭管理ができる(または支援を受けられる)
お金の管理
完全に自分で管理できなくても、職員や相談支援専門員のサポートを受けながら管理できれば大丈夫です。
支援の方法
- 日常生活自立支援事業
- 成年後見制度
- グループホームの職員による小遣い管理
グループホームに向いていない人
グループホームに向いていない人の特徴を説明します。
1. 常時介護が必要
24時間の介護
常時介護が必要な場合、一般的なグループホームでは対応が難しいです。
具体例
- 全介助が必要(食事、排泄、入浴、移動など)
- 夜間も頻繁に介護が必要
- 医療的ケアが常時必要
適切な選択肢
- 入所施設(障害者支援施設)
- 日中サービス支援型グループホーム(重度対応)
- 訪問看護などを併用した在宅生活
2. 他者への攻撃性が強い
暴力や暴言
他の入居者や職員への暴力や暴言がある場合、共同生活は困難です。
具体例
- 頻繁に暴力を振るう
- 暴言を吐く
- 物を壊す
- 他者を傷つける
対応
医療機関で治療を受け、症状が安定してから入居を検討します。
3. 集団生活が全くできない
孤立を強く望む
他者と一緒に暮らすことが全くできない場合、グループホームは向いていません。
具体例
- 他者の存在を全く受け入れられない
- 共有スペースを使えない
- ルールを全く守れない
適切な選択肢
- サテライト型グループホーム(1人用)
- 一人暮らし(支援付き)
4. 日中活動の場がない(かつ重度でない)
行く場所がない
日中活動の場がなく、かつ重度の障害でない場合、グループホームの利用は難しいです。
理由
グループホームは住まいの場であり、日中は仕事や作業所に通うことが前提だからです。
対応
まず日中活動の場を見つけてから、グループホームへの入居を検討します。
例外
日中サービス支援型グループホームなら、日中も施設で過ごせます(重度の障害がある人向け)。
5. 本人が強く拒否している
嫌がっている
本人が強く拒否している場合、無理に入居させるべきではありません。
対応
- 体験利用を重ねる
- グループホームを見学する
- 短期入所で慣らす
- 時間をかけて説得する
無理強いのリスク
- 精神的な負担
- 失敗体験
- 親子関係の悪化
6. 重度の精神疾患で症状が不安定
症状のコントロールができていない
重度の精神疾患で症状が不安定な場合、グループホームでの生活は困難です。
具体例
- 統合失調症の急性期
- 双極性障害の躁状態
- 重度のうつ病
- 頻繁な入退院
対応
まず医療機関で治療を受け、症状を安定させてから入居を検討します。訪問看護などの医療サービスとの併用も検討します。
7. 極度の潔癖症や強いこだわり
共同生活が困難
極度の潔癖症や強いこだわりがある場合、共同生活が困難です。
具体例
- 他者が触ったものが使えない
- 共有スペースが使えない
- 自分のルールに固執し、変更できない
対応
- サテライト型グループホーム
- 一人暮らし
8. 依存症がある
アルコール、薬物、ギャンブル依存
依存症がある場合、グループホームでの生活は困難です。
理由
- ルールを守れない
- 他の入居者に悪影響
- トラブルの原因
対応
まず依存症の治療を受けてから、入居を検討します。
障害種別ごとの適性
障害の種類によって、グループホームへの適性が異なります。
知的障害
最も一般的
知的障害のある人は、グループホームの主な利用者です。
向いている人
- 軽度~中度の知的障害
- 身の回りのことがある程度できる
- 簡単なコミュニケーションが取れる
- 集団生活ができる
向いていない人
- 重度の知的障害で常時介護が必要
- 他者への攻撃性が強い
対応できるグループホーム
ほとんどのグループホームが対応しています。
精神障害
対応しているグループホームは多い
精神障害のある人も、多くのグループホームが対応しています。
向いている人
- 症状が安定している
- 服薬管理ができる(または支援を受けられる)
- 他者への攻撃性がない
- 集団生活ができる
向いていない人
- 症状が不安定
- 頻繁に入退院
- 他者への攻撃性が強い
- 依存症がある
対応できるグループホーム
精神障害専門のグループホームもあります。訪問看護との併用も有効です。
発達障害
対応しているグループホームは増えている
発達障害専門のグループホームも増えています。
向いている人(ASD)
- こだわりが強すぎない
- パニックが頻繁でない
- 構造化された環境で落ち着ける
- 感覚過敏が重度でない
向いている人(ADHD)
- 衝動性がコントロールできる
- 他者への攻撃性がない
- 薬物療法で症状が安定している
向いていない人
- 極度のこだわり
- 頻繁なパニック
- 他者への攻撃性が強い
対応できるグループホーム
発達障害専門のグループホームがおすすめです。構造化された環境、視覚的支援、個別のスペースなど、特性に配慮した支援が受けられます。
身体障害
バリアフリー対応が必要
身体障害のある人は、バリアフリー対応のグループホームが必要です。
向いている人
- 車椅子を使用するが、ある程度自立している
- バリアフリー環境があれば生活できる
向いていない人
- 常時介護が必要
- 医療的ケアが常時必要
対応できるグループホーム
バリアフリー対応のグループホームは限られています。事前に確認が必要です。
難病
医療的ケアの程度による
難病の場合、医療的ケアの必要性によります。
向いている人
- 症状が安定している
- 医療的ケアの必要性が低い
向いていない人
- 症状が不安定
- 常時医療的ケアが必要
対応できるグループホーム
訪問看護などの医療サービスとの併用を検討します。
判断のポイント
グループホームに向いているかどうかを判断するポイントを紹介します。
1. 体験利用をする
実際に泊まってみる
体験利用をすることで、自分に合うかどうかがわかります。
期間
- 数日~数週間
確認すること
- 雰囲気に馴染めるか
- 他の入居者との相性
- 職員との相性
- ルールを守れるか
- 夜眠れるか
- ストレスはないか
2. 短期入所を利用する
慣らす
短期入所を定期的に利用することで、親元を離れることに慣れます。
3. 複数のグループホームを見学する
比較する
複数のグループホームを見学することで、自分に合う場所が見つかります。
4. 専門家に相談する
客観的な判断
相談支援専門員、市区町村の障害福祉課、医師などに相談し、客観的な判断を仰ぎましょう。
5. 本人の意思を尊重する
本人主体
最も大切なのは、本人の意思です。本人が「住みたい」と思えることが重要です。
向いていない場合の他の選択肢
グループホームに向いていない場合の他の選択肢を紹介します。
1. 入所施設
24時間支援
常時介護が必要な場合、入所施設が適しています。
2. サテライト型グループホーム
1人暮らしに近い
集団生活が苦手な場合、サテライト型が選択肢です。
3. 一人暮らし(支援付き)
自立生活
支援を受けながら一人で暮らすことも選択肢です。
4. 家族との同居継続
現状維持
無理にグループホームに入居する必要はありません。福祉サービスを活用しながら、家族との同居を継続することも選択肢です。
5. 日中サービス支援型グループホーム
重度対応
重度の障害があり、日中活動の場に通えない場合、日中サービス支援型グループホームが選択肢です。
まとめ
グループホームに向いている人は、ある程度の生活スキルがあり、最低限のコミュニケーションが取れ、集団生活ができ、日中活動の場があり、親元を離れる意欲があり、軽度~中度の障害で、医療的ケアの必要性が低く、生活リズムが整っている人です。
向いていない人は、常時介護が必要、他者への攻撃性が強い、集団生活が全くできない、日中活動の場がない、本人が強く拒否している、症状が不安定、極度の潔癖症や強いこだわり、依存症がある人です。
障害種別によって適性が異なり、知的障害は最も一般的、精神障害は症状が安定していれば可能、発達障害は専門のグループホームがおすすめ、身体障害はバリアフリー対応が必要、難病は医療的ケアの程度によります。
判断のポイントは、体験利用、短期入所、複数見学、専門家への相談、本人の意思の尊重です。
向いていない場合は、入所施設、サテライト型、一人暮らし、家族との同居継続、日中サービス支援型グループホームなどの選択肢があります。
まずは体験利用をして、自分に合うかどうかを確認することをおすすめします。相談支援専門員や市区町村の障害福祉課に相談しながら、最善の選択をしましょう。
主な相談窓口
相談支援事業所
- グループホームへの適性判断、体験利用の調整
市区町村の障害福祉課
- 制度の説明、他の選択肢の紹介
一人で悩まず、必ず相談してください。

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