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「子どもをグループホームに入居させたいけれど、親の負担はどのくらいあるのか」「経済的に支援し続けないといけないのか」「手続きが複雑で大変そう」「心配で夜も眠れない」。グループホームへの入居を検討する親にとって、自分たちの負担がどのくらいになるのかは大きな関心事です。
グループホームでの生活は、親の負担を大きく軽減しますが、ゼロになるわけではありません。本記事では、グループホーム入居後の親の経済的負担、精神的負担、手続きの負担、定期的に必要な対応、そして負担を軽減する方法について詳しく解説します。
グループホーム入居後の親の負担の全体像
親の負担は、大きく以下の4つに分類されます。
1. 経済的負担
- 毎月の費用の補填
- 臨時の出費
- 将来への備え
2. 精神的負担
- 心配、不安
- 罪悪感
- 孤独感
3. 手続きの負担
- 入居時の手続き
- 更新手続き
- 緊急時の対応
4. 定期的な対応
- 面会
- 連絡調整
- 衣類や日用品の準備
経済的負担
グループホーム入居後の経済的負担について詳しく説明します。
毎月の費用
基本的な費用
グループホームの月額費用は、以下の通りです。
費用の内訳
- 家賃:3万円~7万円
- 食費:3万円~4万円
- 光熱費:1万円~2万円
- サービス利用料:0円~1万円(所得に応じて)
- 日用品費:5,000円~1万円
- 通信費:5,000円~1万円
- 交際費・娯楽費:1万円~2万円
- 医療費:5,000円~2万円
- その他:5,000円~1万円
合計:月額10万円~20万円程度
本人の収入
障害基礎年金
- 1級:月額約81,000円
- 2級:月額約65,000円
就労収入
- B型工賃:月額約15,000円(平均)
- A型給与:月額約80,000円
- 一般就労・障害者雇用:様々
収支の例
ケース1:障害基礎年金2級 + B型工賃
収入
- 障害基礎年金2級:65,000円
- B型工賃:15,000円
- 合計:80,000円
支出
- グループホーム費用:約150,000円
不足額:70,000円
親の負担
- 月額7万円程度を補填
ケース2:障害基礎年金2級 + A型給与
収入
- 障害基礎年金2級:65,000円
- A型給与:80,000円
- 合計:145,000円
支出
- グループホーム費用:約150,000円
不足額:5,000円
親の負担
- 月額5,000円程度を補填、またはほぼ自立
ケース3:障害基礎年金1級 + 生活保護
収入
- 障害基礎年金1級:81,000円
- 生活保護:不足分を支給
支出
- グループホーム費用:約100,000円
不足額:生活保護でカバー
親の負担
- 基本的にはなし
親が負担する可能性がある費用
毎月の不足分
- 月額0円~7万円程度
- 本人の収入と支出により異なる
臨時の出費
医療費
- 入院費
- 手術費
- 歯科治療費
- 補装具、装具
衣類、日用品
- 季節ごとの衣類
- 靴
- 家電の買い替え
行事・イベント
- 旅行
- 誕生日祝い
- 外食
その他
- 携帯電話の機種変更
- 家具の購入
- 趣味の費用
年間の臨時出費:10万円~30万円程度
初期費用
入居時にかかる費用
敷金・礼金
- 敷金:家賃の1~2か月分
- 礼金:家賃の1~2か月分(ない場合もある)
日用品、家電の購入
- 冷蔵庫、洗濯機(個室の場合)
- 寝具
- 衣類
- 日用品
合計:10万円~30万円程度
将来への備え
親亡き後の経済計画
親が生きている間に、以下の準備をしておく必要があります。
障害者扶養共済制度
- 掛金:月額9,300円~23,300円
- 年金:月額2万円または4万円(親亡き後)
貯金
- 子どものための貯金
- 目安:500万円~1,000万円
遺産
- 子どもに残す財産
- 遺言書の作成
信託
- 特定贈与信託
- 家族信託
経済的負担の軽減方法
生活保護の利用
収入が最低生活費に満たない場合、生活保護を受けられます。
申請方法
- 市区町村の福祉事務所
家賃補助
特定障害者特別給付費により、月額最大1万円の家賃補助があります。
工賃の高い事業所への変更
B型からA型へ、またはより工賃の高いB型事業所への変更を検討します。
一般就労、障害者雇用
可能であれば、一般就労や障害者雇用を目指します。
各種減免制度の利用
- 医療費助成
- 交通費助成
- NHK受信料免除
- 携帯電話料金割引
精神的負担
グループホーム入居後の精神的負担について説明します。
心配・不安
常につきまとう心配
子どもがグループホームで暮らし始めても、心配は尽きません。
具体的な心配
- ちゃんと食べているか
- 健康は大丈夫か
- 他の入居者とトラブルはないか
- いじめられていないか
- 職員は優しくしてくれているか
- 寂しがっていないか
- 夜は眠れているか
不安の内容
- 将来のこと
- 親が亡くなった後のこと
- お金は足りるか
- ずっとグループホームで暮らせるか
罪悪感
親として申し訳ない気持ち
多くの親が罪悪感を抱えています。
罪悪感の理由
- 家に置いておけなかった
- 施設に入れたような気がする
- 子どもを手放した
- もっと一緒にいたかった
- 親としての責任を果たせなかった
寂しさ
空虚感
子どもが家を出ることで、寂しさを感じます。
具体的な感情
- 家が静かになった
- やることがなくなった
- 生きがいを失った
- 子ども中心の生活だったのに
孤独感
理解されない
周囲に理解されず、孤独を感じます。
具体的な状況
- 同じ立場の人が少ない
- 親戚や友人に話しても理解されない
- 「施設に入れたんだ」と言われる
安堵感と罪悪感の共存
複雑な感情
「楽になった」と感じる一方で、そう思う自分を責めてしまいます。
親の本音
- 介護の負担が減って楽になった
- 自分の時間ができた
- でも、そう思う自分に罪悪感
精神的負担の軽減方法
定期的な面会
定期的に面会することで、安心できます。
頻度
- 週1回~月1回程度
- 無理のない範囲で
職員とのコミュニケーション
職員と良好な関係を築き、子どもの様子を聞きましょう。
家族会への参加
同じ立場の親と交流することで、孤独感が和らぎます。
カウンセリング
罪悪感や不安が強い場合、カウンセリングを受けることも選択肢です。
自分の時間を楽しむ
罪悪感を感じる必要はありません。自分の時間を楽しみましょう。
相談支援専門員との連絡
相談支援専門員が定期的に訪問し、様子を教えてくれます。
手続きの負担
グループホーム入居に伴う手続きの負担について説明します。
入居時の手続き
一度だけだが、複雑
入居時には、多くの手続きが必要です。
主な手続き
1. グループホームの見学・申し込み
- 複数見学
- 体験利用
- 申し込み
2. 障害支援区分の認定
- 市区町村に申請
- 認定調査
- 1~2か月かかる
3. サービス等利用計画の作成
- 相談支援事業所に依頼
- 相談支援専門員が作成
4. 障害福祉サービス受給者証の申請
- 市区町村に申請
- 1~2週間で交付
5. グループホームとの利用契約
- 契約書の締結
6. その他の手続き
- 住民票の異動(グループホームの住所へ)
- 郵便物の転送
- 携帯電話の住所変更
- 銀行の住所変更
- 障害者手帳の住所変更
負担軽減方法
- 相談支援専門員にサポートしてもらう
- グループホームの職員に相談する
- 一つずつ確実に進める
更新手続き
毎年必要
障害福祉サービス受給者証は、通常1年ごとに更新が必要です。
手続き
- 市区町村から更新通知が届く
- サービス等利用計画の見直し
- 更新申請
- 受給者証の再交付
負担軽減方法
- 相談支援専門員が主導してくれる
- 親がすることは少ない
障害支援区分の更新
3年ごと、または状態変化時
障害支援区分は、3年ごと、または状態が変化したときに更新します。
手続き
- 市区町村に申請
- 認定調査
- 医師の意見書
- 審査会
- 認定
負担軽減方法
- 相談支援専門員がサポートしてくれる
緊急時の対応
突然の呼び出し
緊急時には、親に連絡が来ます。
緊急時の例
- 病気、ケガ
- 入院
- トラブル
親の対応
- すぐに駆けつける
- 病院に付き添う
- 医療同意
負担軽減方法
- グループホームや相談支援専門員と事前に緊急時の対応を決めておく
- きょうだいや親族にも協力を求める
定期的に必要な対応
グループホーム入居後も、定期的に必要な対応があります。
面会
子どもとの交流
定期的に面会することが推奨されます。
頻度
- 週1回~月1回程度
- グループホームや本人の希望による
面会の場所
- グループホーム
- 外出して外食
- 実家
負担
- 時間
- 交通費
- 感情的な負担(別れるときの寂しさ)
負担軽減方法
- 無理のない頻度で
- きょうだいと交代で
- ビデオ通話も活用
外出・外泊
一時帰宅
休日に外出したり、実家に外泊したりすることがあります。
頻度
- 月1回~数か月に1回程度
内容
- 外食
- 買い物
- 実家で一泊
負担
- 送迎
- 費用
- 食事の準備
負担軽減方法
- 無理のない範囲で
- 本人の希望を尊重
衣類や日用品の準備
季節ごとの対応
季節ごとに衣類を準備します。
内容
- 季節の変わり目に衣類を持っていく
- 古くなった衣類の入れ替え
- 日用品の補充
負担
- 買い物
- 費用
- 持っていく手間
負担軽減方法
- ネット通販を活用
- グループホームで購入してもらう(費用は負担)
職員との連絡調整
定期的なコミュニケーション
グループホームの職員と、定期的に連絡を取ります。
内容
- 子どもの様子を聞く
- 健康状態の確認
- トラブルの報告
- イベントの連絡
頻度
- 月1回~数か月に1回
- 必要に応じて随時
負担軽減方法
- メールやLINEを活用
- 面会時にまとめて話す
相談支援専門員との連絡
モニタリング
相談支援専門員が定期的に訪問し、親にも報告します。
頻度
- 月1回~半年に1回
内容
- 子どもの様子
- サービス利用状況
- 困りごと
負担
- ほとんどない(相談支援専門員が主導)
医療的な対応
通院の付き添い
通院に親が付き添うことがあります。
頻度
- 月1回~数か月に1回
負担
- 時間
- 交通費
- 医療費の支払い
負担軽減方法
- グループホームの職員に付き添ってもらう
- 訪問診療を利用
行事への参加
グループホームの行事
グループホームの行事に、親が招待されることがあります。
行事の例
- 誕生日会
- クリスマス会
- 運動会
- 旅行
負担
- 時間
- 場合によっては費用
負担軽減方法
- 無理に参加しなくてもよい
- 楽しむ気持ちで
親の負担軽減のポイント
親の負担を軽減するためのポイントをまとめます。
1. 相談支援専門員を活用する
相談支援専門員は、親の強い味方です。
サポート内容
- 手続きのサポート
- グループホームとの調整
- 定期的な訪問と報告
- 困りごとの相談
2. グループホームの職員と良好な関係を築く
職員と良好な関係を築くことで、安心できます。
方法
- 感謝を伝える
- 過度な要求をしない
- 協力的な姿勢
3. きょうだいや親族に協力を求める
一人で抱え込まず、きょうだいや親族に協力を求めましょう。
協力の例
- 面会の分担
- 緊急時の対応
- 経済的な支援
注意点
- きょうだいの人生も尊重
- 無理強いしない
4. 経済計画を立てる
親が元気なうちに、経済計画を立てましょう。
方法
- 障害者扶養共済制度への加入
- 貯金
- 遺言書の作成
- 信託の活用
5. 完璧を求めない
完璧を求めず、できる範囲で対応しましょう。
心構え
- 全部自分でやろうとしない
- 福祉サービスに頼る
- 自分を責めない
6. 自分の時間を大切にする
罪悪感を感じる必要はありません。自分の時間を楽しみましょう。
方法
- 趣味
- 友人との交流
- 旅行
- 仕事
7. 家族会に参加する
同じ立場の親と交流することで、孤独感が和らぎます。
8. カウンセリングを受ける
精神的負担が大きい場合、カウンセリングを受けることも選択肢です。
9. 情報を集める
制度や支援について、情報を集めましょう。
情報源
- 市区町村の障害福祉課
- 相談支援事業所
- インターネット
- 家族会
10. 将来への備えを今から始める
親が元気なうちに、親亡き後への備えを始めましょう。
準備すること
- 経済的な準備
- 成年後見制度の検討
- 遺言書の作成
- 情報のまとめ(ライフプランノート)
よくある質問
Q1: グループホーム入居後、親は毎月いくら負担しますか?
A: 本人の収入と支出により異なります。
月額0円~7万円程度です。障害年金とA型給与があれば、ほぼ自立できます。B型工賃の場合、月額5~7万円程度の補填が必要になることが多いです。
Q2: 親が高齢で面会に行けません。
A: 無理に行く必要はありません。
電話やビデオ通話で様子を聞く、相談支援専門員に報告してもらうなど、できる範囲で対応しましょう。きょうだいに協力を求めることもできます。
Q3: 衣類は親が準備しないといけませんか?
A: グループホームで購入してもらうこともできます。
費用は親が負担しますが、購入や持参の手間は省けます。グループホームに相談してみましょう。
Q4: 医療費は親が負担しますか?
A: 基本的には本人の収入から支払います。
ただし、高額な医療費の場合、親が補填することが多いです。
Q5: 親が亡くなった後、経済的に大丈夫でしょうか?
A: 準備次第です。
障害基礎年金、就労収入、障害者扶養共済制度の年金、遺産などを組み合わせることで、生活できる可能性は高いです。生活保護も利用できます。
Q6: グループホームに任せきりで大丈夫ですか?
A: 基本的には大丈夫ですが、親も関わることが望ましいです。
定期的な面会、職員との連絡などで、子どもとのつながりを保ちましょう。
Q7: 罪悪感がぬぐえません。
A: 多くの親が同じ気持ちです。
罪悪感を感じる必要はありません。グループホームで暮らすことは、子どもの自立であり、親亡き後への準備です。カウンセリングや家族会で気持ちを吐き出すことも助けになります。
まとめ
グループホーム入居後の親の負担は、経済的負担、精神的負担、手続きの負担、定期的な対応があります。
経済的負担は、毎月の不足分補填(月額0円~7万円程度)、臨時の出費(年間10万円~30万円程度)、初期費用(10万円~30万円程度)、将来への備えです。生活保護、家賃補助、工賃の高い事業所への変更などで軽減できます。
精神的負担は、心配、不安、罪悪感、寂しさ、孤独感です。定期的な面会、職員とのコミュニケーション、家族会への参加、カウンセリング、自分の時間を楽しむことで軽減できます。
手続きの負担は、入居時の手続き、更新手続き、緊急時の対応です。相談支援専門員のサポートで軽減できます。
定期的な対応は、面会、外出・外泊、衣類や日用品の準備、職員との連絡調整、医療的な対応、行事への参加です。無理のない範囲で対応しましょう。
親の負担を軽減するポイントは、相談支援専門員を活用する、グループホームの職員と良好な関係を築く、きょうだいや親族に協力を求める、経済計画を立てる、完璧を求めない、自分の時間を大切にする、家族会に参加する、カウンセリングを受ける、情報を集める、将来への備えを今から始めることです。
一人で抱え込まず、相談支援専門員や家族、専門家に相談しながら、無理のない範囲で子どもを支えていきましょう。
主な相談窓口
相談支援事業所
- 手続きのサポート、継続的な相談
市区町村の障害福祉課
- 制度の説明
家族会
- ピアサポート、情報交換
一人で悩まず、必ず相談してください。

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