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障害のある子どものきょうだい児へのフォローが足りていない、どう関わればいいのか分からないなど、きょうだい児への対応に悩む親御さんに向けて、きょうだい児の気持ち、適切なフォロー方法、やってはいけないこと、利用できる支援などを詳しく解説します。
きょうだい児とは
きょうだい児とは何かについて説明します。
障害のある兄弟姉妹を持つ子どもです。きょうだい児とは、障害のある兄弟姉妹を持つ子どものことです。兄、姉、弟、妹のいずれの立場でも、きょうだい児と呼びます。
特別な配慮が必要です。きょうだい児は、定型発達の子どもとは異なる特別な経験、ストレスを抱えています。適切なフォローが必要です。
多くのきょうだい児がいます。日本には、推定で数百万人のきょうだい児がいると言われています。決して少なくありません。
年齢により経験が異なります。幼児期、学童期、思春期、成人期など、年齢により経験する困難、感じる気持ちは異なります。
障害の種類により異なります。知的障害、身体障害、精神障害、発達障害など、きょうだいの障害の種類により、経験も異なります。
程度により異なります。軽度、中度、重度など、障害の程度により、きょうだい児の経験、負担も大きく異なります。
家庭環境により異なります。両親の対応、経済状況、支援の有無など、家庭環境によっても、きょうだい児の経験は異なります。
ポジティブな面もあります。きょうだい児は、困難だけでなく、優しさ、思いやり、忍耐力などのポジティブな面も育つことが研究で示されています。
きょうだい児の気持ち
きょうだい児の気持ちについて説明します。
寂しさです。親の注目が障害のある兄弟姉妹に向きがちで、自分は後回しにされていると感じます。寂しさ、孤独感を抱えます。
我慢です。自分の気持ち、やりたいことを我慢します。親が大変そうだから、これ以上負担をかけたくないと思い、我慢します。良い子でいようとします。
嫉妬です。障害のある兄弟姉妹ばかり注目される、特別扱いされることに嫉妬します。ずるい、不公平だと感じます。
罪悪感です。嫉妬、怒りなどのネガティブな感情を持つ自分を責めます。こんなことを思ってはいけないと罪悪感を抱きます。
恥ずかしさです。友達に障害のある兄弟姉妹のことを知られたくない、恥ずかしいと感じることがあります。思春期に特に強いです。
怒りです。なぜ自分の家族だけこんな目に遭うのか、なぜ自分ばかり我慢しなければならないのかと怒りを感じます。
不安です。将来、自分が障害のある兄弟姉妹の面倒を見なければならないのか、結婚できるのかなど、将来への不安を抱えます。
責任感です。親が高齢になったら自分が面倒を見なければならない、親を助けなければならないという過度な責任感を持ちます。
孤立感です。友達には理解してもらえない、誰にも話せないという孤立感を抱えます。一人で悩みます。
愛情です。一方で、障害のある兄弟姉妹への深い愛情も持っています。守りたい、助けたいと思う気持ちもあります。
複雑な感情です。愛情、嫉妬、怒り、罪悪感など、複雑な感情が入り混じっています。自分でも整理できません。
きょうだい児へのフォローの重要性
きょうだい児へのフォローの重要性について説明します。
心の健康を守るためです。適切なフォローがないと、うつ病、不安障害などの精神的な問題を抱えるリスクが高まります。心の健康を守るためにフォローが必要です。
自己肯定感を育むためです。自分も大切にされている、愛されていると感じることで、自己肯定感が育ちます。フォローが不足すると、自己肯定感が低下します。
孤立を防ぐためです。話を聞いてもらえる、共感してもらえることで、孤立を防げます。一人で抱え込まずに済みます。
健全な発達のためです。年齢に応じた経験、楽しみを持つことで、健全に発達します。過度な我慢、責任は発達を阻害します。
親子関係を良好に保つためです。適切なフォローにより、親への信頼、愛情が育ちます。フォロー不足は、親への不信、恨みにつながります。
きょうだい関係を良好に保つためです。障害のある兄弟姉妹への複雑な感情を整理できると、良好な関係を築けます。
将来の負担を軽減するためです。子ども時代に適切なフォローを受けることで、成人後の過度な負担、燃え尽きを防げます。
家族全体の幸福のためです。きょうだい児が幸せであることは、家族全体の幸福につながります。一人でも不幸な家族がいると、家族全体が不安定になります。
親ができるフォロー
親ができるきょうだい児へのフォローについて説明します。
個別の時間を作ることです。最も重要です。障害のある子どもを誰かに預け、きょうだい児と二人だけの時間を作ります。月に1回、週に1回など、定期的に作ります。特別な時間だと感じてもらいます。
話を聞くことです。きょうだい児の話を、否定せず、評価せず、ただ聞きます。学校のこと、友達のこと、嫌だったことなど、何でも話せる雰囲気を作ります。
気持ちを受け止めることです。嫌い、ずるい、恥ずかしいなどのネガティブな感情も、否定せず受け止めます。そう感じるんだね、つらかったねと共感します。
愛情を言葉で伝えることです。大好きだよ、大切だよ、生まれてきてくれてありがとうなど、愛情を言葉で伝えます。言葉にしないと伝わりません。
できたことを褒めることです。小さなことでも、できたことを具体的に褒めます。頑張ったね、ありがとうと声をかけます。
役割を押し付けないことです。お兄ちゃんなんだから、お姉ちゃんなんだからと役割を押し付けません。きょうだい児も子どもです。我慢を強いません。
平等に接することです。できる限り、平等に接します。障害のある子どもばかり特別扱いしません。誕生日、クリスマスなども平等にお祝いします。
謝ることです。きょうだい児を後回しにしてしまった時、約束を守れなかった時など、素直に謝ります。ごめんねと言います。
感謝を伝えることです。手伝ってくれた時、我慢してくれた時、ありがとうと感謝を伝えます。当たり前と思いません。
きょうだいの障害について説明することです。年齢に応じて、障害について説明します。なぜ兄弟姉妹が特別扱いされるのか、理由を知ると納得しやすいです。
将来の責任を押し付けないことです。将来、あなたが面倒を見てねとは言いません。きょうだい児の人生はきょうだい児のものです。過度な責任を負わせません。
きょうだい児の夢を応援することです。きょうだい児が何をしたいのか、夢は何かを聞きます。応援します。障害のある兄弟姉妹のために夢を諦めさせません。
外出・旅行に連れて行くことです。きょうだい児だけを、外出、旅行に連れて行きます。楽しい思い出を作ります。
友達を家に呼べるようにすることです。きょうだい児が友達を家に呼べる環境を作ります。障害のある兄弟姉妹がいることで、友達を呼べないのはつらいです。
やってはいけないこと
親がやってはいけないことについて説明します。
きょうだい児を後回しにし続けることです。常に障害のある子どもが優先では、きょうだい児は傷つきます。意識的に、きょうだい児を優先する時間を作ります。
良い子であることを求めることです。良い子でいなさい、我慢しなさいと求め続けると、きょうだい児は自分の気持ちを押し殺します。良い子でなくても良いと伝えます。
お兄ちゃんお姉ちゃんだからと役割を押し付けることです。お兄ちゃんなんだから面倒を見なさい、我慢しなさいと押し付けると、負担が大きくなります。
将来の責任を押し付けることです。将来、あなたが面倒を見てね、頼んだよと言うと、きょうだい児は人生の選択肢を狭めます。
ネガティブな感情を否定することです。嫌いなんて言わないで、そんなこと思っちゃダメと否定すると、きょうだい児は気持ちを話せなくなります。
比較することです。○○ちゃんはできるのに、お兄ちゃんはできないなど、比較しません。きょうだい児も障害のある子どもも傷つきます。
放置することです。きょうだい児は大丈夫だろうと放置しません。表面的には大丈夫そうでも、内心は悩んでいることがあります。
愚痴を聞かせることです。きょうだい児に、障害のある子どもの愚痴、大変さを聞かせません。きょうだい児は、自分がいけないのかと思います。
きょうだい児の世話をさせすぎることです。お兄ちゃんお姉ちゃんに世話を任せすぎません。たまに手伝ってもらうのは良いですが、常に世話係にしません。
きょうだい児の人生を制限することです。習い事をさせない、進学をあきらめさせる、遠くの学校に行かせないなど、きょうだい児の人生を制限しません。
年齢別のフォロー
年齢別のフォローについて説明します。
幼児期3〜6歳です。なぜ兄弟姉妹が特別扱いされるのか理解できません。寂しさ、嫉妬を感じます。個別の時間を作る、抱きしめる、絵本を読むなど、たっぷり愛情を注ぎます。
学童期7〜12歳です。友達に障害のある兄弟姉妹のことを知られたくない、恥ずかしいと感じ始めます。学校での様子を聞く、友達を家に呼べる環境を作る、障害について年齢に応じて説明するなどのフォローをします。
思春期13〜18歳です。最も難しい時期です。恥ずかしさ、怒り、将来への不安が強くなります。一人の時間を尊重する、話を聞く、将来の責任を押し付けない、進路の自由を保証するなどのフォローをします。
成人期18歳以上です。親亡き後の責任、結婚への影響などを心配します。話し合う、きょうだい児の人生を最優先にして良いと伝える、成年後見制度など親亡き後の準備をするなどのフォローをします。
きょうだい児が利用できる支援
きょうだい児が利用できる支援について説明します。
きょうだいの会です。同じ立場のきょうだい児が集まる会です。全国各地にあります。年齢別、障害種別などで分かれています。共感し合える、一人じゃないと感じられます。
全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会です。全国組織です。きょうだい児の交流会、勉強会、相談などを行っています。ホームページで情報を得られます。
地域のきょうだいの会です。都道府県、市区町村単位で、きょうだいの会があります。障害者支援団体、NPO法人などが運営しています。市区町村の障害福祉課に問い合わせます。
きょうだい児向けイベントです。きょうだい児だけが参加できるキャンプ、レクリエーション、ワークショップなどがあります。楽しい思い出を作れます。
オンラインのきょうだいの会です。地理的な制約なく参加できます。Zoomなどでつながれます。顔出しなしでも参加できる会もあります。
カウンセリングです。きょうだい児専門のカウンセラーもいます。心理的な負担が大きい場合、カウンセリングを受けます。
学校のスクールカウンセラーです。学校のスクールカウンセラーに相談できます。守秘義務があるため、安心して話せます。
家族会です。障害のある子どもの家族会の中に、きょうだい児のプログラムがあることがあります。親の会と同時開催されることが多いです。
レスパイトケアです。障害のある子どもを一時的に預かるレスパイトケアを利用し、その間、きょうだい児と過ごす時間を作れます。
ピアサポートです。年上のきょうだい児が、年下のきょうだい児をサポートするピアサポートもあります。ロールモデルになります。
成人したきょうだいへのフォロー
成人したきょうだいへのフォローについて説明します。
自分の人生を優先して良いと伝えることです。最も重要です。きょうだいの人生はきょうだいのものです。障害のある兄弟姉妹のために人生を犠牲にする必要はないと伝えます。
親亡き後の準備を親がすることです。グループホーム、成年後見制度、信託など、親亡き後の準備を親自身がします。きょうだいに丸投げしません。
きょうだいの意思を確認することです。親亡き後、どこまで関わりたいか、きょうだいの意思を確認します。押し付けません。
他のきょうだいと役割分担することです。きょうだいが複数いる場合、一人に負担を集中させません。役割分担を話し合います。
専門職を活用することです。成年後見人、相談支援専門員など、専門職を活用します。きょうだいが全て担う必要はありません。
定期的に話し合うことです。年に1回など、定期的に家族で話し合います。親の状況、障害のある兄弟姉妹の状況などを共有します。
感謝を伝え続けることです。きょうだいが関わってくれることに、感謝を伝え続けます。当たり前と思いません。
きょうだいの配偶者にも説明することです。きょうだいが結婚する場合、配偶者にも状況を説明します。理解してもらいます。
遺産分割を公平にすることです。遺産は、できるだけ公平に分けます。障害のある子どもに多く残す場合、遺言書で理由を説明します。きょうだいに事前に伝えます。
定期的な交流を続けることです。親が元気なうちから、定期的な交流を続けます。親が亡くなった後も、関係が続くようにします。
まとめ
きょうだい児へのフォローは、家族全体の幸福のために重要です。
きょうだい児とは、障害のある兄弟姉妹を持つ子どもで、特別な配慮が必要、多くのきょうだい児がいる、年齢・障害の種類・程度・家庭環境により異なる、ポジティブな面もあるなどです。
きょうだい児の気持ちは、寂しさ、我慢、嫉妬、罪悪感、恥ずかしさ、怒り、不安、責任感、孤立感、愛情、複雑な感情などです。
フォローの重要性は、心の健康を守る、自己肯定感を育む、孤立を防ぐ、健全な発達、親子関係を良好に保つ、きょうだい関係を良好に保つ、将来の負担軽減、家族全体の幸福などです。
親ができるフォローは、個別の時間を作る最重要、話を聞く、気持ちを受け止める、愛情を言葉で伝える、できたことを褒める、役割を押し付けない、平等に接する、謝る、感謝を伝える、障害について説明、将来の責任を押し付けない、夢を応援、外出・旅行、友達を家に呼べるようにするなどです。
やってはいけないことは、後回しにし続ける、良い子であることを求める、お兄ちゃんお姉ちゃんだからと役割を押し付ける、将来の責任を押し付ける、ネガティブな感情を否定、比較、放置、愚痴を聞かせる、世話をさせすぎる、人生を制限するなどです。
年齢別のフォロー幼児期・学童期・思春期・成人期、きょうだい児が利用できる支援きょうだいの会、全国組織、地域の会、イベント、オンライン、カウンセリング、スクールカウンセラー、家族会、レスパイトケア、ピアサポート、成人したきょうだいへのフォロー自分の人生を優先して良い、親亡き後の準備を親がする、意思確認、役割分担、専門職活用、定期的な話し合い、感謝、配偶者への説明、遺産分割の公平性、定期的交流も重要です。
きょうだい児へのフォローに悩んでいる親御さんは、一人で抱え込まないでください。きょうだい児と個別の時間を作り、話を聞き、気持ちを受け止めてください。将来の責任を押し付けず、きょうだい児の人生を応援してください。きょうだいの会、カウンセリングなどの支援も活用してください。親が元気なうちに、親亡き後の準備を始めてください。きょうだい児も、障害のある子どもも、親も、家族全員が幸せになる方法を一緒に考えてください。完璧な親である必要はありません。できることから始めてください。きょうだい児の笑顔が、家族全体の幸せにつながります。

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