はじめに
「障害者手帳の更新はいつすればいいのか」「どんな手続きが必要なのか」「更新を忘れたらどうなるのか」障害者手帳の更新について、疑問や不安を抱えている方は多いと思います。手帳の種類によって、更新が必要なものと不要なものがあり、手続きの方法も異なります。
障害者手帳の更新手続きを適切に行うことは、継続して福祉サービスや各種支援を受けるために非常に重要です。更新を忘れると、手帳が失効し、医療費助成や交通機関の割引などが受けられなくなる可能性があります。
本記事では、3種類の障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳)それぞれの更新手続き、必要書類、タイミング、注意点、そしてよくある質問まで、詳しく解説します。
障害者手帳の種類と更新の有無
1. 身体障害者手帳
更新 原則として更新不要
理由 身体障害は「永続する障害」が対象のため、基本的には有効期限なし
例外(再認定が必要な場合)
- 手帳交付時に「再認定の時期」が記載されている場合
- 障害の程度が変化する可能性がある場合
- 18歳未満で交付された場合(成長に伴い障害の程度が変わる可能性)
- 医学的に障害の程度が変化する可能性がある場合
再認定の時期 手帳に記載されている(例 「令和○年○月 再認定」)
2. 療育手帳(愛の手帳)
更新 自治体により異なる
一般的なパターン
- 18歳未満 定期的な再判定あり(3〜5年ごとなど)
- 18歳以上 更新不要または長期間ごと
東京都(愛の手帳)
- 3歳、6歳、12歳、18歳時に再判定
神奈川県
- 18歳未満 定期的な再判定
- 18歳以上 原則更新不要(ただし、手帳に「次回判定年月」が記載されている場合は再判定)
大阪府
- 手帳に「次回判定年月」が記載されている場合は再判定
重要 お住まいの自治体の制度を確認してください
3. 精神障害者保健福祉手帳
更新 2年ごとに更新が必要
有効期限 手帳に記載されている(交付日から2年後の日付)
更新手続き 有効期限の3か月前から申請可能
更新しない場合 有効期限が切れると手帳が失効し、各種支援が受けられなくなる
精神障害者保健福祉手帳の更新手続き(最も重要)
精神障害者保健福祉手帳は2年ごとに更新が必要なため、詳しく解説します。
更新のタイミング
有効期限 手帳に記載(例 「令和7年3月31日まで有効」)
申請可能期間 有効期限の3か月前から申請可能
例
- 有効期限が2025年3月31日の場合
- 2025年1月1日から更新申請可能
推奨 有効期限の2〜3か月前には申請する(余裕を持つ)
更新に必要な書類
1. 申請書
- 各市区町村の窓口にあり
- またはホームページからダウンロード
2. 診断書または障害年金証書のコピー
診断書の場合
- 精神障害者保健福祉手帳用の診断書(所定の様式)
- 更新の場合でも、新たな診断書が必要
- 診断書の作成日は、申請日から3か月以内のもの
- 初診日から6か月以上経過している必要
障害年金証書を使う場合
- 障害年金を受給している場合のみ
- 障害年金証書のコピー
- 直近の年金振込通知書または年金支払通知書のコピー
- 同意書(年金情報を照会することへの同意)
- 診断書不要(費用節約になる)
3. 写真
- 縦4cm × 横3cm
- 上半身、脱帽
- 1年以内に撮影したもの
- 白黒・カラーどちらでも可
- 裏面に氏名、生年月日を記入
4. 現在の手帳
- 窓口に持参(コピー提出の場合もあり)
5. マイナンバー確認書類
- マイナンバーカード
- または通知カード+本人確認書類
6. 印鑑(自治体により)
- 不要な自治体も増えている
更新手続きの流れ
ステップ1 有効期限の確認 手帳の有効期限を確認(3か月前になったら準備開始)
ステップ2 診断書の取得
- かかりつけの精神科・心療内科を受診
- 診断書作成を依頼(費用 数千円〜1万円程度)
- 診断書は数週間かかる場合もあるため、早めに依頼
または障害年金証書のコピー準備
ステップ3 写真撮影 証明写真を撮影(写真機、写真店など)
ステップ4 申請書類の準備 市区町村の窓口で申請書を入手、または市区町村ホームページからダウンロード
ステップ5 窓口で申請
- 市区町村の障害福祉担当窓口へ
- 必要書類を提出
- 受付票または控えをもらう
郵送申請 自治体によっては郵送申請可能
ステップ6 審査 都道府県・政令市で審査(約2か月)
ステップ7 新しい手帳の交付
- 市区町村から連絡
- 窓口で受け取る
- 古い手帳は返却
更新申請中の手帳の扱い
重要 更新申請中は、有効期限が切れた古い手帳でも、新しい手帳が交付されるまで引き続き使用できます
ただし
- 医療費助成など一部のサービスは、期限内でないと使えない場合もある
- 自治体やサービスにより異なるため、確認が必要
対策 余裕を持って、有効期限の2〜3か月前に申請する
等級変更の可能性
更新時に等級が変わることがある
- 症状が改善 等級が下がる(1級→2級など)
- 症状が悪化 等級が上がる(3級→2級など)
等級が下がった場合
- 一部のサービスが受けられなくなる可能性
- 不服申し立てができる場合もある
等級が上がった場合
- より多くのサービスが受けられる可能性
更新を忘れた場合
有効期限が切れた 手帳が失効し、各種支援が受けられなくなる
対処法
- すぐに新規申請と同じ手続きを行う
- 診断書が必要
- 申請から交付まで約2か月かかる
- その間は手帳がない状態になる
注意 医療費助成、交通機関の割引などが受けられなくなる
予防
- スマホのカレンダーにリマインダーを設定
- 有効期限の3か月前にアラーム
身体障害者手帳の再認定手続き
原則として更新不要ですが、再認定が必要な場合があります。
再認定が必要な場合
手帳に「再認定の時期」が記載されている場合
記載例 「令和7年6月 再認定」
該当する可能性がある障害
- 肢体不自由(人工関節など)
- 内部障害(ペースメーカー、人工透析など)
- 聴覚障害(補聴器装用など)
- 18歳未満で交付された場合
再認定の時期
記載された時期の前後 再認定の時期が来たら、市区町村から通知が来る場合もあるが、自分で確認して申請する必要がある
申請時期 再認定時期の2〜3か月前
再認定に必要な書類
1. 申請書(再認定用)
2. 診断書・意見書
- 指定医師が作成
- 身体障害者手帳用の様式
- 費用 数千円〜1万円程度
3. 現在の手帳
4. 写真
- 縦4cm × 横3cm
- 上半身、脱帽
5. マイナンバー確認書類
再認定の結果
等級が変わる可能性
- 症状が改善 等級が下がる、または手帳返還
- 症状が変わらない 同じ等級
- 症状が悪化 等級が上がる
再認定を忘れた場合
手帳が失効する可能性 再認定時期を大幅に過ぎると、手帳が無効になる場合がある
対処法 すぐに市区町村の窓口に相談
療育手帳の再判定手続き
自治体により異なるため、代表的なパターンを解説します。
再判定が必要な場合
手帳に「次回判定年月」が記載されている場合
一般的な再判定時期
- 3歳、6歳、12歳、18歳(東京都など)
- 数年ごと(自治体による)
再判定の時期
記載された時期 手帳に「次回判定 令和○年○月」などと記載
申請時期 再判定時期の2〜3か月前
通知 自治体から通知が来る場合もあるが、自分で確認することが重要
再判定に必要な書類
1. 申請書(再判定用)
2. 現在の手帳
3. 写真
4. マイナンバー確認書類
5. その他
- 自治体により異なる
再判定の流れ
ステップ1 申請 市区町村の窓口で申請
ステップ2 判定機関での面接・検査
- 18歳未満 児童相談所
- 18歳以上 知的障害者更生相談所
ステップ3 判定 知能検査、面接などにより判定
ステップ4 手帳交付 判定結果に基づき、新しい手帳が交付される
判定結果
程度が変わる可能性
- 軽度化 A→B、B1→B2など
- 重度化 B→A、B2→B1など
- 変わらない場合もある
手帳返還の可能性 知的障害に該当しないと判定された場合、手帳を返還
更新・再認定手続きの注意点
1. 余裕を持って申請する
推奨 有効期限または再認定時期の2〜3か月前
理由
- 診断書の作成に時間がかかる(数週間)
- 審査に時間がかかる(約2か月)
- トラブルがあった場合の対応時間を確保
2. 診断書の費用を準備する
費用 数千円〜1万円程度(医療機関により異なる)
節約方法(精神障害者保健福祉手帳) 障害年金を受給している場合、年金証書のコピーで申請可能(診断書不要)
3. 有効期限を確認する習慣
方法
- スマホのカレンダーにリマインダー設定
- 手帳の有効期限を定期的に確認
- 家族にも共有
4. 自治体により手続きが異なる
重要 お住まいの市区町村の手続きを確認
確認方法
- 市区町村のホームページ
- 窓口で問い合わせ
- 電話で確認
5. 郵送申請の可否を確認
自治体により
- 郵送申請可能な場合
- 窓口申請のみの場合
メリット(郵送可の場合) 窓口に行く必要がない
6. 写真の規格を守る
サイズ 縦4cm × 横3cm
注意
- 上半身
- 脱帽
- 1年以内に撮影
- 背景は無地が望ましい
不適切な写真の例
- サングラスをかけている
- 帽子をかぶっている
- 背景に物が写っている
- サイズが違う
7. 申請中の手帳の扱いを確認
精神障害者保健福祉手帳 申請中は古い手帳を引き続き使用可能(ただし期限切れ後は注意)
身体障害者手帳・療育手帳 再認定・再判定中も使用可能
ただし サービスにより異なるため、各サービス提供者に確認
8. 等級が変わる可能性を理解する
更新・再認定時 障害の程度が変化していれば、等級が変わる可能性がある
等級が下がった場合
- 受けられるサービスが減る可能性
- 不服がある場合は、不服申し立てができる場合もある
医師に相談 症状が変わっていないのに等級が下がる可能性がある場合、診断書作成時に医師に相談
9. 更新・再認定を忘れた場合の対処
すぐに窓口に相談 放置せず、すぐに市区町村の窓口に相談
新規申請 期限が大幅に過ぎている場合、新規申請と同じ手続きになる
サービスの中断 手帳が失効すると、各種サービスが受けられなくなる
10. 引っ越しした場合
他の市区町村に引っ越した場合
- 手帳の住所変更手続きが必要
- 引っ越し先の市区町村で手続き
- 更新・再認定も引っ越し先で行う
都道府県をまたぐ引っ越し
- 手帳の再交付が必要な場合もある(自治体による)
更新・再認定手続きの場所
申請窓口
市区町村の障害福祉担当窓口
- 市役所、区役所
- 福祉事務所
- 保健福祉センター
窓口名の例
- 障害福祉課
- 高齢・障害支援課
- 福祉保健課
確認方法 市区町村のホームページまたは電話で確認
判定機関(療育手帳の再判定)
18歳未満 児童相談所
18歳以上 知的障害者更生相談所
場所 都道府県・政令市により異なる
更新・再認定にかかる期間
精神障害者保健福祉手帳
申請から交付まで 約2か月
内訳
- 市区町村での受付 即日
- 都道府県・政令市での審査 約2か月
- 市区町村での交付手続き 数日
身体障害者手帳(再認定)
申請から交付まで 約1〜2か月
療育手帳(再判定)
申請から交付まで 約2〜3か月
内訳
- 判定機関での面接・検査の予約待ち 数週間〜1か月
- 判定 当日
- 審査・交付 約1か月
更新・再認定に関する費用
手帳の交付・更新手数料
無料 3種類の手帳すべて、交付・更新手数料は無料
診断書作成費用
精神障害者保健福祉手帳 数千円〜1万円程度(医療機関により異なる)
身体障害者手帳(再認定) 数千円〜1万円程度
節約方法(精神のみ) 障害年金証書のコピーで申請すれば、診断書不要
写真撮影費用
証明写真機 800円〜1,000円程度
写真店 1,500円〜3,000円程度
交通費
窓口への往復 実費
判定機関への往復(療育手帳) 実費
よくある質問(FAQ)
Q1 精神障害者保健福祉手帳の有効期限が切れてしまいました。どうすればいいですか?
A すぐに市区町村の窓口で新規申請と同じ手続きを行ってください。診断書が必要で、交付まで約2か月かかります。その間は手帳がない状態になります。
Q2 更新申請中に有効期限が切れても、古い手帳は使えますか?
A 基本的には、新しい手帳が交付されるまで使用できますが、サービスによっては使えない場合もあります。余裕を持って申請することをお勧めします。
Q3 身体障害者手帳に「再認定」と書いてありますが、いつ手続きすればいいですか?
A 記載されている再認定時期の2〜3か月前に、市区町村の窓口で手続きしてください。
Q4 療育手帳の再判定で、知的障害に該当しないと判定されることはありますか?
A はい、あります。成長に伴い知的機能が向上した場合などに、手帳を返還することになります。
Q5 精神障害者保健福祉手帳の更新時に、等級が変わることはありますか?
A はい、症状の改善または悪化により、等級が変わる可能性があります。
Q6 更新手続きを郵送でできますか?
A 自治体によります。お住まいの市区町村に確認してください。
Q7 診断書の代わりに、障害年金証書で更新できるのはどの手帳ですか?
A 精神障害者保健福祉手帳のみです。障害年金を受給している場合に限ります。
Q8 更新・再認定時に写真は必要ですか?
A はい、新しい手帳には新しい写真が必要です。
Q9 他の都道府県に引っ越した場合、更新はどこでしますか?
A 引っ越し先の市区町村で更新手続きを行います。
Q10 更新を忘れないようにする良い方法はありますか?
A スマホのカレンダーに有効期限の3か月前にリマインダーを設定することをお勧めします。
まとめ 障害者手帳の更新を忘れずに
障害者手帳をお持ちの皆様へ
手帳別の更新まとめ
身体障害者手帳
- 原則更新不要
- 手帳に「再認定」と記載がある場合のみ手続き必要
療育手帳
- 自治体により異なる
- 手帳に「次回判定」と記載がある場合は手続き必要
精神障害者保健福祉手帳
- 2年ごとに更新が必要
- 有効期限の3か月前から申請可能
- 更新を忘れると失効
大切なポイント
- 有効期限・再認定時期を確認
- 手帳に記載されています
- 余裕を持って申請
- 2〜3か月前がベスト
- 必要書類を準備
- 診断書、写真、現在の手帳など
- 費用を準備
- 診断書 数千円〜1万円程度
- 写真 800円〜3,000円程度
- リマインダーを設定
- スマホのカレンダーに登録
- わからないことは窓口に相談
- 市区町村の障害福祉担当窓口へ
- 更新を忘れた場合はすぐに対処
- 放置せず、すぐに窓口へ
更新手続きチェックリスト
□ 有効期限・再認定時期を確認した □ 申請時期になった(3か月前〜) □ 診断書を取得した(または年金証書を準備) □ 写真を撮影した □ 申請書を入手した □ 現在の手帳を準備した □ マイナンバー確認書類を準備した □ 窓口に申請した
最後に
障害者手帳の更新・再認定手続きは、継続して福祉サービスや各種支援を受けるために非常に重要です。
特に、精神障害者保健福祉手帳は2年ごとに必ず更新が必要です。更新を忘れると、医療費助成や交通機関の割引などが受けられなくなります。
身体障害者手帳や療育手帳も、手帳に再認定・再判定の時期が記載されている場合は、忘れずに手続きしてください。
余裕を持って申請し、スムーズに新しい手帳を取得しましょう。
わからないことがあれば、遠慮せず市区町村の窓口に相談してください。職員が丁寧にサポートしてくれます。
あなたが必要な支援を継続して受けられることを、心から願っています。
更新手続きを忘れずに、安心して生活しましょう。

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