お子さんの将来を考え、B型施設を探している保護者の方へ
障害のあるお子さんに合った選択をするために、まず知っておきたい基本ガイド
初めての方は、基礎知識と不安解消をセットで押さえると安心です。
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施設選びでつまずきやすいポイント5記事
「親亡き後、グループホームで暮らしてほしい」「一人暮らしは不安だけど、施設は嫌だ」「地域で自立した生活を送りたい」。グループホームは、障害のある人が地域で暮らすための重要な選択肢です。
しかし、「誰でも入れるのか」「どんな条件があるのか」「うちの子は入れるのか」など、わからないことも多いでしょう。本記事では、グループホームの入居条件、障害種別や程度による違い、年齢制限、手続きの流れ、費用、よくある質問について詳しく解説します。
グループホームとは
基本情報
地域での共同生活
グループホーム(共同生活援助)は、障害のある人が地域で共同生活を送る住まいです。
制度の概要
- 法的根拠:障害者総合支援法
- 正式名称:共同生活援助
- 実施主体:市区町村
- 運営:社会福祉法人、NPO法人など
特徴
- 数人~十数人で共同生活
- 世話人や生活支援員が支援
- 食事、入浴、排泄などの支援
- 日中は仕事や作業所に通う
- 地域で暮らせる
- アパート型、一軒家型など様々
入居定員
- 1つのグループホーム:2人~10人程度
- サテライト型(1人用)もある
基本的な入居条件
グループホームに入居するための基本的な条件を説明します。
1. 障害支援区分
区分1以上が原則
障害支援区分が1以上であることが原則です。
障害支援区分とは
障害の程度を表す指標で、非該当、区分1~6の7段階があります。
- 区分6:最も重度
- 区分1:最も軽度
- 非該当:障害支援区分に該当しない
グループホームの場合
- 原則:区分1以上
- 例外:区分なしでも入居できる場合がある(市区町村の判断)
障害支援区分の認定
市区町村に申請し、認定調査を受けます。
2. 年齢
原則18歳以上
グループホームは、原則18歳以上が対象です。
上限はなし
年齢の上限はありません。高齢になっても利用できます。
65歳以上の場合
65歳以上になると、介護保険サービスが優先されます。しかし、障害福祉サービスのグループホームを継続利用できる場合もあります。
3. 障害の種類
すべての障害が対象
以下のすべての障害が対象です。
- 身体障害
- 知的障害
- 精神障害(うつ病、統合失調症、双極性障害など)
- 発達障害(ASD、ADHDなど)
- 難病
- 高次脳機能障害
障害者手帳
障害者手帳がなくても、医師の診断書や自立支援医療の受給者証があれば利用できる場合があります。
4. 居住地
住所地特例
グループホームは住所地特例の対象です。
住所地特例とは
グループホームのある市区町村ではなく、元の住所地の市区町村が費用を負担する制度です。
メリット
- 他の市区町村のグループホームにも入居できる
- 元の市区町村のサービスを継続できる
5. 医療的ケアの必要性
基本的には医療的ケアは限定的
グループホームは、基本的には医療的ケアを必要としない人が対象です。
医療的ケアが必要な場合
- 医療的ケアに対応できるグループホームは限られる
- 訪問看護などの医療サービスとの併用
- 入所施設の方が適している場合もある
医療的ケアの例
- 経管栄養
- たんの吸引
- インスリン注射
- 人工呼吸器
6. 日中活動の場
日中は別の場所へ
グループホームは住まいの場なので、日中は仕事や作業所などに通うことが前提です。
日中活動の例
- 一般就労
- 障害者雇用
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
- 生活介護
- 地域活動支援センター
例外
重度の障害がある場合、日中もグループホームで過ごせる「日中サービス支援型グループホーム」もあります。
7. 共同生活ができること
他者との共同生活
グループホームは共同生活の場なので、他の入居者と一緒に暮らせることが条件です。
必要な能力
- 最低限のコミュニケーション
- 他者への攻撃性がない
- 集団生活のルールを守れる
難しい場合
- サテライト型(1人用)を検討
- 一人暮らし(支援付き)を検討
障害種別・程度による条件の違い
障害の種類や程度によって、入居できるグループホームが異なります。
身体障害
バリアフリー対応
身体障害の場合、バリアフリー対応のグループホームが必要です。
対応できるグループホーム
- スロープ、エレベーター
- 車椅子対応のトイレ、浴室
- 広い居室
重度の身体障害
- 常時介護が必要な場合、入所施設の方が適している場合もある
知的障害
最も一般的
知的障害のある人は、グループホームの主な利用者です。
軽度~中度
- ほとんどのグループホームが対応
重度
- 手厚い支援が必要
- 重度対応のグループホームを選ぶ
- 日中サービス支援型グループホームも選択肢
精神障害
対応しているグループホームは多い
精神障害のある人も、グループホームを利用できます。
条件
- 症状が安定していること
- 服薬管理ができること(または支援を受けられること)
- 他者への攻撃性がないこと
訪問看護との併用
訪問看護を利用することで、医療的なサポートを受けられます。
発達障害
対応しているグループホームは増えている
発達障害専門のグループホームも増えています。
特性への配慮
- 構造化された環境
- 視覚的な支援
- 個別のスペース
- 感覚過敏への対応
難病
医療的ケアの程度による
難病の場合、医療的ケアの必要性によります。
軽度の医療的ケア
- グループホームで対応可能
重度の医療的ケア
- グループホームでは困難
- 入所施設や在宅を検討
グループホームのタイプと対象者
グループホームには、いくつかのタイプがあります。
1. 介護サービス包括型
最も一般的なタイプ
グループホームの職員が、介護サービスも提供します。
対象者
- 区分1以上
- 日中は仕事や作業所に通う人
職員配置
- 世話人:利用者6人に対して1人
- 生活支援員:利用者の障害支援区分に応じて配置
2. 外部サービス利用型
外部の介護サービスを利用
グループホームの職員は世話人のみで、介護サービスは外部の事業所を利用します。
対象者
- 区分1以上
- 比較的軽度の障害
メリット
- 必要に応じて介護サービスを選べる
3. 日中サービス支援型
日中も支援が受けられる
重度の障害がある人向けで、日中もグループホームで支援が受けられます。
対象者
- 区分4以上(50歳以上は区分3以上)
- 日中活動の場に通うことが困難
- 常時介護が必要
職員配置
- 手厚い配置
特徴
- 日中も支援員がいる
- 入所施設に近い支援
4. サテライト型
1人暮らしに近い
本体のグループホームから離れた場所で、1人または少人数で暮らします。
対象者
- 一人暮らしを目指している人
- 比較的自立度が高い人
支援
- 定期的な訪問
- 緊急時の対応
入居までの流れ
グループホームに入居するまでの流れを説明します。
1. 相談する
まずは相談
グループホームへの入居を検討したら、まず相談しましょう。
相談先
- 市区町村の障害福祉課
- 相談支援事業所
- 障害者就業・生活支援センター
- 現在通っている福祉サービス事業所
相談内容
- グループホームに入居したい
- どんなグループホームがあるか
- 自分は入居できるか
2. グループホームを探す
複数見学する
自分に合ったグループホームを見つけるため、複数見学しましょう。
探し方
- 市区町村の障害福祉課で紹介してもらう
- 相談支援事業所で紹介してもらう
- インターネットで検索
- WAM NET(ワムネット)で検索
見学のポイント
- 雰囲気は良いか
- 他の入居者の様子
- 職員の対応
- 立地(通勤・通所しやすいか)
- 居室の広さ
- 共有スペース
- 食事
- ルール
- 費用
3. 体験利用する
実際に泊まってみる
多くのグループホームで、体験利用ができます。
期間
- 数日~数週間
目的
- 自分に合っているか確認
- 他の入居者との相性
- 生活のイメージ
4. 入居を申し込む
グループホームに申し込む
入居したいグループホームが決まったら、申し込みます。
必要書類
- 申込書
- その他、グループホームが指定する書類
注意点
- 空きがない場合、待機となる
- 複数のグループホームに申し込み可能
5. 障害支援区分の認定を受ける
市区町村に申請
障害支援区分の認定を受けていない場合、申請します。
流れ
- 市区町村の障害福祉課に申請
- 認定調査(訪問調査)
- 医師の意見書
- 審査会
- 認定
期間
- 1~2か月程度
6. サービス等利用計画を作成する
相談支援専門員が作成
相談支援専門員が、サービス等利用計画を作成します。
内容
- 本人の希望や目標
- 利用するサービス(グループホーム、日中活動など)
- 支援内容
7. 障害福祉サービス受給者証の申請
市区町村に申請
障害福祉サービス受給者証を申請します。
必要書類
- 申請書
- 障害者手帳のコピー(持っている場合)
- 医師の診断書(手帳がない場合)
- サービス等利用計画案
- その他、市区町村が指定する書類
審査
- 市区町村が審査
- 通常1~2週間程度
8. 受給者証の交付
受給者証を受け取る
障害福祉サービス受給者証が交付されます。
記載内容
- 利用できるサービス
- 支給量(月に何日利用できるか)
- 有効期間(通常1年間)
9. グループホームと利用契約
正式に契約
グループホームと利用契約を結びます。
契約内容
- 利用料
- サービス内容
- ルール
- 退去の条件
10. 入居
生活開始
入居して、生活を開始します。
サポート
- 相談支援専門員が定期的に訪問(モニタリング)
- 困ったことがあれば相談
費用
グループホームの費用について説明します。
月額費用
合計:月額10万円~20万円程度
内訳
家賃
- 3万円~7万円程度
- 地域や設備による
食費
- 3万円~4万円程度
光熱費
- 1万円~2万円程度
サービス利用料
- 0円~1万円程度
- 所得に応じて月額上限あり
- 多くの人は無料
その他
- 日用品費、衣服費、通信費、交際費など
家賃補助
特定障害者特別給付費
家賃の一部が補助されます。
金額
- 月額最大1万円
要件
- 市町村民税非課税世帯
- 生活保護受給世帯
利用者負担の軽減
所得に応じた月額上限
- 生活保護受給世帯:0円
- 市町村民税非課税世帯:0円
- 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満):9,300円
- 上記以外:37,200円
実質的に多くの人は無料
障害のある人の多くは非課税世帯のため、実質的に無料です。
よくある質問
Q1: 精神障害でも入居できますか?
A: できます。
精神障害のある人も、グループホームを利用できます。ただし、症状が安定していること、服薬管理ができること、他者への攻撃性がないことが条件です。
Q2: 障害者手帳がなくても入居できますか?
A: できる場合があります。
医師の診断書や自立支援医療の受給者証があれば、入居できる場合があります。市区町村の障害福祉課に相談してください。
Q3: 入居待ちはどのくらいですか?
A: グループホームによって異なります。
人気のグループホームは、数か月~数年待つ場合もあります。複数のグループホームに申し込むことをおすすめします。
Q4: 途中で退去できますか?
A: できます。
自分に合わない場合、退去できます。ただし、契約で定められた予告期間が必要です。
Q5: 高齢になっても住み続けられますか?
A: 基本的には住み続けられます。
ただし、介護の必要性が高くなった場合、介護保険サービス(特別養護老人ホームなど)への移行を勧められることもあります。
Q6: ペットは飼えますか?
A: グループホームによります。
ペット可のグループホームもありますが、少数です。
Q7: 門限はありますか?
A: グループホームによります。
門限があるグループホームもあれば、ないグループホームもあります。見学時に確認しましょう。
Q8: 親が見学に同行してもいいですか?
A: 問題ありません。
むしろ、親も一緒に見学することをおすすめします。
Q9: 入居条件を満たしていても断られることはありますか?
A: あります。
グループホームの方針に合わない、他の入居者との相性が悪い、医療的ケアに対応できないなどの理由で断られることもあります。
Q10: 日中活動の場がないと入居できませんか?
A: 原則は必要ですが、例外もあります。
日中サービス支援型グループホームなら、日中活動の場がなくても入居できます。また、入居後に日中活動の場を探すこともできます。
まとめ
グループホームの基本的な入居条件は、障害支援区分1以上、18歳以上、すべての障害が対象、共同生活ができること、日中活動の場があることです。障害の種類や程度によって、対応できるグループホームが異なります。
グループホームには、介護サービス包括型、外部サービス利用型、日中サービス支援型、サテライト型などのタイプがあり、それぞれ対象者が異なります。
入居までの流れは、相談、グループホームを探す、体験利用、申し込み、障害支援区分の認定、サービス等利用計画の作成、受給者証の申請、交付、利用契約、入居です。
費用は月額10万円~20万円程度で、家賃補助や利用者負担の軽減制度があります。障害基礎年金と工賃で概ね賄えます。
グループホームは、親亡き後の重要な選択肢です。親が元気なうちから、見学や体験利用をして、準備を進めましょう。市区町村の障害福祉課や相談支援事業所に相談しながら、進めることをおすすめします。
主な相談窓口
市区町村の障害福祉課
- 制度の説明、グループホームの紹介
相談支援事業所
- グループホーム選び、手続きのサポート
一人で悩まず、必ず相談してください。

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