お子さんの将来を考え、B型施設を探している保護者の方へ
障害のあるお子さんに合った選択をするために、まず知っておきたい基本ガイド
初めての方は、基礎知識と不安解消をセットで押さえると安心です。
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「障害のある家族が高額な契約をさせられた」「訪問販売で不要なものを買わされた」「断れない性格につけこまれた」「どうやって防げばいいのか」。障害のある人、特に知的障害や判断能力が不十分な人は、悪徳商法の標的になりやすく、被害に遭うケースが後を絶ちません。
障害のある人は、断りにくい、契約内容を理解しにくい、孤立しているなどの理由で、悪徳商法の被害に遭いやすい傾向があります。本記事では、障害者を狙う悪徳商法の手口、被害に遭いやすい理由、具体的な予防策、被害に遭ったときの対処法、そして支援制度について詳しく解説します。
障害者が悪徳商法の標的になりやすい理由
まず、なぜ障害のある人が悪徳商法の標的になりやすいのかを理解しましょう。
1. 断りにくい
優しい、真面目な性格
障害のある人、特に知的障害や発達障害のある人は、優しく真面目な性格の人が多く、強く断ることが苦手です。
具体例
- 「買いません」と言えない
- 「結構です」と言えない
- 相手が怒ると怖くて従ってしまう
- 「みんな買っている」と言われると断れない
2. 契約内容を理解しにくい
複雑な契約
契約内容が複雑で、理解しにくいことがあります。
具体例
- クレジット契約の仕組みがわからない
- リース契約と購入の違いがわからない
- 解約条件を理解できない
- 総額がいくらになるのかわからない
3. 孤立している
相談相手がいない
一人暮らしや、日中一人で過ごすことが多い場合、相談相手がおらず、被害に遭いやすくなります。
具体例
- 親や家族が仕事で日中不在
- 一人暮らし
- 友人が少ない
- 相談する相手がいない
4. 親切にされると信用してしまう
親切な対応に騙される
悪徳業者は、最初は非常に親切に接してきます。親切にされると、信用してしまいます。
具体例
- 「心配だから来たんですよ」
- 「特別にあなただけに」
- 「困っているから助けてあげたい」
5. 繰り返し勧誘されると断れない
しつこい勧誘
何度も繰り返し勧誘されると、断り切れずに契約してしまいます。
具体例
- 毎日訪問される
- 長時間居座られる
- 帰ってくれない
6. お金の管理が苦手
金銭感覚
金銭感覚が十分でなく、高額な契約の意味を理解できないことがあります。
具体例
- 100万円の価値がわからない
- 月々1万円の支払いが、年間12万円になることがわからない
- クレジット払いの総額がわからない
7. 障害があることがわかる
外見や言動
外見や言動から、障害があることがわかりやすく、業者に狙われやすくなります。
8. 同じ被害に繰り返し遭う
名簿の流出
一度被害に遭うと、「騙しやすい人」として名簿に載り、他の業者からも狙われます。
障害者を狙う悪徳商法の手口
障害者を狙う悪徳商法の具体的な手口を紹介します。
1. 訪問販売
自宅に訪問
自宅に訪問し、高額な商品を売りつけます。
具体例
布団・寝具
- 「無料で点検します」と言って訪問
- 「ダニだらけで危険」と不安を煽る
- 高額な布団を売りつける(数十万円~100万円以上)
浄水器・活水器
- 「水道水は危険」と不安を煽る
- 高額な浄水器を売りつける(数十万円)
健康食品・サプリメント
- 「病気が治る」と勧誘
- 高額な健康食品を売りつける(数万円~数十万円)
リフォーム
- 「無料で点検します」と訪問
- 「このままだと危険」と不安を煽る
- 高額なリフォーム契約(数百万円)
呉服・着物
- 「展示会に招待します」
- 会場で断れない雰囲気を作り、高額な着物を売りつける(数十万円~数百万円)
2. 電話勧誘販売
電話で勧誘
電話で勧誘し、契約させます。
具体例
投資・金融商品
- 「絶対に儲かる」
- 「特別な情報」
- 高額な投資商品を売りつける
未公開株・社債
- 「上場前の株を買えば儲かる」
- 実際には価値のない株を売りつける
3. SF商法(催眠商法)
無料プレゼントで集める
「無料でプレゼントをあげます」と言って人を集め、会場で高額な商品を売りつけます。
手口
- チラシで「無料で卵や洗剤をあげます」と宣伝
- 会場に人を集める
- 最初は本当に無料でプレゼントを配る
- 雰囲気を盛り上げる
- 「今日だけ特別」と高額な商品を売りつける(健康食品、布団、浄水器など)
特徴
- 会場の雰囲気で断れなくなる
- 「みんな買っている」と思わせる
4. 点検商法
無料点検を装う
「無料で点検します」と言って訪問し、「危険」と不安を煽り、高額な商品やサービスを売りつけます。
具体例
- 消火器の点検
- 床下の点検
- 屋根の点検
- 水道管の点検
5. 送りつけ商法(ネガティブオプション)
勝手に送りつける
注文していない商品を勝手に送りつけ、代金を請求します。
手口
- 健康食品、雑誌、カニなどを送りつける
- 「注文を受けました」と嘘を言う
- 代金を請求する
6. マルチ商法(連鎖販売取引)
友人を勧誘させる
「会員になって、友人を勧誘すれば儲かる」と勧誘します。
手口
- 「絶対に儲かる」
- 高額な商品を買わせる
- 友人を勧誘させる
- 実際には儲からない
7. デート商法(恋人商法)
恋愛感情を利用
恋愛感情を抱かせ、高額な商品を売りつけます。
手口
- SNSやマッチングアプリで知り合う
- 優しく接する
- デートに誘う
- 高額な宝石やアクセサリーを買わせる
8. 利殖商法
お金が増えると嘘
「お金を預けると増える」と嘘を言い、お金を騙し取ります。
具体例
- 「月利10%で運用します」
- 実際には運用せず、お金を持ち逃げ
9. 次々販売
何度も契約させる
一度契約させた後、繰り返し別の商品を売りつけます。
手口
- 最初に布団を売る
- 次に浄水器を売る
- 次に健康食品を売る
- 何度も繰り返す
10. 福祉サービスを装う詐欺
福祉を装う
福祉サービスや行政を装い、個人情報を聞き出したり、お金を騙し取ります。
手口
- 「市役所の者です」と嘘を言う
- 「障害年金の手続きを代行します」と言って手数料を騙し取る
- 「医療費が戻ります」と言ってATMに誘導(還付金詐欺)
悪徳商法を防ぐ具体的な対策
悪徳商法から身を守る具体的な対策を説明します。
本人ができる対策
1. きっぱり断る練習
断る言葉を覚える
「いりません」「結構です」「お断りします」という言葉を練習しておきましょう。
練習方法
- 家族や支援者と一緒にロールプレイ
- 鏡の前で練習
2. すぐに契約しない
その場で契約しない
「今日だけ」「今すぐ決めて」と言われても、その場で契約しないことが鉄則です。
ルール
- 「家族に相談します」と言う
- 「支援者に相談します」と言う
- 「考えます」と言う
3. 一人で判断しない
必ず相談
契約する前に、必ず家族や支援者に相談しましょう。
相談相手
- 家族
- 相談支援専門員
- 成年後見人
- 日常生活自立支援事業の支援員
4. ドアを開けない
訪問販売対策
知らない人が訪問してきても、ドアを開けないようにしましょう。
対策
- インターホンで対応
- 「必要ありません」と言って断る
- ドアを開けない
5. 電話に出ない
電話勧誘対策
知らない番号からの電話には出ないようにしましょう。
対策
- 留守番電話にする
- ナンバーディスプレイを使う
- 非通知拒否設定
6. お金を持ち歩かない
現金・キャッシュカード
大金を持ち歩かない、キャッシュカードを持ち歩かないことも対策の一つです。
7. 個人情報を教えない
名前、住所、電話番号
知らない人に、名前、住所、電話番号などの個人情報を教えないようにしましょう。
8. クーリングオフを知る
8日間は無条件解約
訪問販売や電話勧誘販売は、契約から8日間以内であれば、無条件で解約できます(クーリングオフ)。
方法
- すぐに家族や支援者に相談
- 消費生活センターに相談
家族ができる対策
1. 日頃からコミュニケーション
話しやすい関係
日頃から話しやすい関係を作っておくことで、被害に遭ったときに相談してもらえます。
2. 契約の基本を教える
契約とは何か
契約とは何か、契約したら何が起こるかを、わかりやすく教えましょう。
教えること
- 契約したらお金を払う義務がある
- 簡単には解約できない
- クーリングオフの制度
3. 断り方を練習
ロールプレイ
訪問販売や電話勧誘を想定して、断り方をロールプレイで練習しましょう。
4. 訪問販売お断りステッカー
玄関に貼る
「訪問販売お断り」「セールスお断り」のステッカーを玄関に貼りましょう。
入手方法
- 市区町村の消費生活センター
- 警察署
- インターネットで購入
5. 電話対策
迷惑電話対策機能
迷惑電話対策機能のある電話機に買い替えることも有効です。
機能
- 非通知拒否
- ナンバーディスプレイ
- 自動録音メッセージ
- 着信拒否
6. 郵便物のチェック
定期的に確認
定期的に郵便物をチェックし、不審な契約書や請求書がないか確認しましょう。
7. お金の管理
通帳、印鑑の管理
通帳、印鑑、キャッシュカードを本人に渡さず、家族が管理することも対策の一つです。
ただし
本人の自立を妨げないよう、バランスを考えましょう。
8. 成年後見制度の利用
法的な保護
判断能力が不十分な場合、成年後見制度を利用することで、法的に保護できます。
効果
- 後見人の同意なく契約した場合、取り消せる
- 悪徳商法を未然に防げる
9. 日常生活自立支援事業の利用
軽度の支援
判断能力が比較的ある場合、日常生活自立支援事業を利用し、契約時に支援を受けることもできます。
10. 地域とのつながり
見守り
民生委員、近所の人、相談支援専門員などと連携し、見守りネットワークを作りましょう。
支援者ができる対策
1. 定期的な訪問
変化に気づく
定期的に訪問し、不審な契約や商品がないか確認しましょう。
2. 契約前の相談を促す
相談の習慣
契約する前に必ず相談するよう、日頃から伝えておきましょう。
3. 被害に遭ったら迅速に対応
すぐに相談
被害に遭ったら、すぐに消費生活センターや警察に相談しましょう。
被害に遭ったときの対処法
悪徳商法の被害に遭ってしまったときの対処法を説明します。
1. すぐに相談する
迅速な対応が重要
被害に気づいたら、すぐに以下に相談しましょう。
消費生活センター(188)
- 全国共通の電話番号
- 「いやや(188)」と覚える
- 消費生活相談員が対応
- 無料
警察(#9110または110)
- 詐欺の可能性がある場合
- #9110は警察相談専用電話
弁護士、司法書士
- 法的な対応
市区町村の消費生活相談窓口
家族、相談支援専門員
2. クーリングオフ
8日間以内
訪問販売や電話勧誘販売は、契約から8日間以内であれば、無条件で解約できます(クーリングオフ)。
対象
- 訪問販売
- 電話勧誘販売
- 連鎖販売取引(マルチ商法)
- 特定継続的役務提供(エステ、語学教室など)
- 訪問購入
方法
- 書面で通知(ハガキまたは内容証明郵便)
- 「契約を解除します」と明記
- 契約日、商品名、会社名、担当者名を記載
- コピーを取っておく
- 簡易書留または内容証明郵便で送る
期間
- 契約書面を受け取った日から8日間
- 訪問購入は8日間
クーリングオフできない場合も
- 自分から店舗に出向いて契約した場合
- 3,000円未満の現金取引
- 通信販売(ただし、返品特約がある場合は返品可能)
3. 取り消し(成年後見制度利用者)
後見人の同意なし
成年後見制度を利用している場合、後見人の同意なく契約した契約は、取り消すことができます。
方法
- 後見人が業者に連絡
- 契約を取り消す旨を伝える
4. 契約の無効・取り消し
クーリングオフ期間を過ぎた場合
クーリングオフ期間を過ぎても、以下の場合は契約を無効または取り消せる可能性があります。
無効
- 契約内容が公序良俗に反する
- 詐欺、脅迫による契約
取り消し
- 重要事項の不実告知(嘘を言われた)
- 不利益事実の不告知(重要なことを隠された)
- 不退去(帰ってくれと言ったのに帰らなかった)
- 退去妨害(帰りたいのに帰してくれなかった)
方法
- 消費生活センター、弁護士に相談
5. 証拠を集める
記録を残す
被害の証拠を集めておきましょう。
証拠
- 契約書
- 領収書
- 商品
- 名刺
- チラシ
- メモ(いつ、誰が、何を言ったか)
- 録音(可能であれば)
6. お金を取り戻す
返金交渉
消費生活センターや弁護士を通じて、返金交渉をします。
ただし
- 業者が倒産している場合、返金は難しい
- 詐欺の場合、お金を取り戻すのは難しいことが多い
7. 二次被害に注意
次々と狙われる
一度被害に遭うと、「お金を取り戻します」と言って近づいてくる二次被害に遭う可能性があります。注意しましょう。
支援制度
悪徳商法から障害者を守る支援制度を紹介します。
1. 成年後見制度
法的な保護
判断能力が不十分な場合、成年後見制度を利用することで、法的に保護できます。
効果
- 後見人の同意なく契約した場合、取り消せる
- 悪徳商法を未然に防げる
申請方法
- 家庭裁判所
2. 日常生活自立支援事業
軽度の支援
判断能力が比較的ある場合、日常生活自立支援事業を利用できます。
支援内容
- 福祉サービスの利用援助
- 日常的な金銭管理
- 契約時の同行支援
申請方法
- 市区町村社会福祉協議会
3. 消費者安全確保地域協議会(見守りネットワーク)
地域の見守り
地域の関係機関が連携し、高齢者や障害者を見守るネットワークです。
構成員
- 行政
- 社会福祉協議会
- 民生委員
- 警察
- 消費生活センター
- その他
4. 消費生活センター
相談窓口
全国の消費生活センターで、悪徳商法の相談ができます。
電話
- 188(いやや)
相談料
- 無料
よくある質問
Q1: 障害のある家族が高額な契約をしてしまいました。どうすればいいですか?
A: すぐに消費生活センター(188)に相談しましょう。
契約から8日間以内であれば、クーリングオフができます。期間を過ぎても、取り消せる可能性があります。
Q2: 成年後見制度を利用していれば、悪徳商法を完全に防げますか?
A: 完全ではありませんが、大幅に減らせます。
後見人の同意なく契約した場合、取り消せます。ただし、日用品の購入など、日常生活に関する行為は取り消せません。
Q3: クーリングオフの期間を過ぎてしまいました。もう無理ですか?
A: 諦めず、消費生活センターや弁護士に相談しましょう。
クーリングオフ期間を過ぎても、契約を無効または取り消せる可能性があります。
Q4: 訪問販売お断りステッカーを貼っても、訪問されることはありますか?
A: あります。
ステッカーは法的拘束力がないため、訪問されることもあります。ただし、抑止効果はあります。
Q5: 障害のある本人が「欲しかったから買った」と言っています。悪徳商法ではないのでしょうか?
A: 契約内容を確認しましょう。
本当に必要なものを適正価格で買ったのであれば問題ありませんが、高額すぎる、不要なものである場合は、悪徳商法の可能性があります。消費生活センターに相談しましょう。
Q6: お金を取り戻すことはできますか?
A: ケースバイケースです。
クーリングオフや契約の取り消しができれば、返金されます。ただし、業者が倒産している場合や詐欺の場合、返金は難しいことが多いです。
Q7: 警察に相談すべきですか?
A: 詐欺の可能性がある場合は、警察にも相談しましょう。
消費生活センターと併せて、警察(#9110または110)にも相談することをおすすめします。
まとめ
障害のある人は、断りにくい、契約内容を理解しにくい、孤立している、親切にされると信用してしまうなどの理由で、悪徳商法の標的になりやすい傾向があります。
悪徳商法の手口は、訪問販売、電話勧誘販売、SF商法、点検商法、送りつけ商法、マルチ商法、デート商法、利殖商法、次々販売、福祉サービスを装う詐欺などです。
予防策は、本人はきっぱり断る練習、すぐに契約しない、一人で判断しない、ドアを開けない、電話に出ない、お金を持ち歩かない、個人情報を教えない、クーリングオフを知ることです。家族は日頃からコミュニケーション、契約の基本を教える、断り方を練習、訪問販売お断りステッカー、電話対策、郵便物のチェック、お金の管理、成年後見制度の利用、日常生活自立支援事業の利用、地域とのつながりです。
被害に遭ったときは、すぐに消費生活センター(188)、警察、弁護士に相談しましょう。契約から8日間以内であれば、クーリングオフができます。期間を過ぎても、取り消せる可能性があります。
支援制度として、成年後見制度、日常生活自立支援事業、消費者安全確保地域協議会、消費生活センターがあります。
一人で抱え込まず、必ず家族、支援者、消費生活センターに相談しましょう。早期発見、早期対応が被害を最小限にします。
主な相談窓口
消費者ホットライン
- 188(いやや)
- 全国共通、無料
- 最寄りの消費生活センターにつながる
警察相談専用電話
- #9110
法テラス(日本司法支援センター)
- 0570-078374
- 法的トラブルの相談
一人で悩まず、必ず相談してください。被害を防ぐことができます。

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