障害者は生活保護を受けられるか 受給要件と手続き

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障害者は生活保護を受けられるのか、障害年金をもらっていても受けられるのか、どんな条件があるのかなど、障害者の生活保護について知りたい方に向けて、受給要件、申請方法、支給額、注意点などを詳しく解説します。生活保護は最後のセーフティネットであり、障害者も利用できる重要な制度です。

障害者も生活保護を受けられる

障害者も生活保護を受けられることについて説明します。

障害者も生活保護の対象です。障害があるかないかは関係ありません。生活に困窮している人は誰でも、生活保護を受ける権利があります。これは憲法第25条で保障された権利です。

障害があることは申請理由になります。障害により働けない、収入が少ない、医療費がかかるなどは、生活保護を必要とする正当な理由です。

むしろ障害者は受けやすい場合があります。障害により就労が困難、医療費が多くかかる、介護が必要などの事情があるため、生活保護の必要性が認められやすいことがあります。

若くても受けられます。生活保護に年齢制限はありません。20代、30代の若い障害者でも、生活に困窮していれば受けられます。働ける年齢だからという理由で断られることはありません。

一人暮らしでも実家でも受けられます。一人暮らしの場合も、親と同居している場合も、世帯として困窮していれば受けられます。

障害者手帳は必須ではありません。障害者手帳を持っていなくても、医師の診断書などで障害の状態を証明できれば、生活保護を受けられます。

恥ずかしいことではありません。生活保護は憲法で保障された権利です。困った時に頼ることは、恥ずかしいことではありません。

障害年金と生活保護の関係

障害年金と生活保護の関係について説明します。

障害年金をもらっていても生活保護は受けられます。障害年金を受給していても、それだけでは生活できない場合、生活保護を受けることができます。両方の制度を利用できます。

障害年金は収入として計算されます。生活保護の支給額を計算する際、障害年金は収入として扱われます。最低生活費から障害年金の額を引いた差額が、生活保護費として支給されます。

具体的な計算例です。例えば、最低生活費が月13万円の地域で、障害基礎年金2級月約68,000円を受給している場合、130,000円-68,000円=62,000円が生活保護費として支給されます。合計で月13万円の生活費が確保されます。

障害年金だけでは足りない場合が多いです。障害基礎年金2級は月約68,000円、1級でも月約85,000円です。これだけでは、家賃、食費、光熱費、医療費などを賄えません。生活保護で不足分を補います。

障害厚生年金がある場合です。障害厚生年金を受給している場合、収入が多くなります。それでも最低生活費に満たなければ、差額が生活保護で支給されます。収入が最低生活費を超えれば、生活保護は不要です。

就労継続支援A型やB型の工賃・給与も収入です。A型の給与月約8万円、B型の工賃月約1万6千円も収入として計算されます。これらの収入と障害年金を合わせても、最低生活費に満たなければ、差額が支給されます。

特別障害者手当も収入です。特別障害者手当月約28,840円を受給している場合、これも収入として計算されます。

生活保護を受けても障害年金は継続します。生活保護を受けたからといって、障害年金が止まることはありません。両方を受け続けることができます。

生活保護の受給要件

生活保護の受給要件について説明します。

最低生活費を下回る収入であることです。世帯の収入が、その地域の最低生活費を下回っていることが条件です。収入には、給与、年金、手当、仕送りなどすべてが含まれます。

資産がないことです。預貯金、不動産、車、貴金属など、活用できる資産がないことが条件です。ただし、生活に必要な最低限の資産は認められます。

預貯金の基準です。預貯金は、最低生活費の半月分程度までは認められます。例えば、最低生活費が月13万円なら、約65,000円程度の預貯金は持てます。それ以上ある場合、使い切ってから申請するよう言われることがあります。

不動産の扱いです。持ち家に住んでいる場合、その家が生活に必要で、資産価値が著しく高くなければ、持ったまま生活保護を受けられることがあります。売却を求められることもあります。

車の扱いです。原則として、車は資産として処分を求められます。ただし、障害により通院に必要、公共交通機関がない地域、就労に必要などの場合、認められることもあります。

働ける能力を活用していることです。働ける能力がある場合、その能力を活用することが求められます。ただし、障害により働けない、限定的にしか働けない場合は、その事情が考慮されます。

親族からの援助が受けられないことです。親、子、兄弟姉妹などの親族から援助を受けられる場合、まずそれを活用することが求められます。ただし、親族に援助する能力がない、関係が悪いなどの場合は考慮されます。

他の制度を活用していることです。障害年金、各種手当、医療費助成など、利用できる他の制度を活用していることが求められます。まだ申請していない場合、申請するよう指導されます。

日本国籍または永住資格があることです。原則として、日本国籍を持っているか、永住者の資格がある外国人が対象です。

最低生活費とは

最低生活費について説明します。

最低生活費とは何かです。健康で文化的な最低限度の生活を送るために必要な費用です。厚生労働大臣が定める基準により計算されます。この金額は地域や世帯構成によって異なります。

生活扶助の基準です。食費、被服費、光熱費などの日常生活費です。年齢、世帯人数、地域によって異なります。1級地大都市が最も高く、2級地、3級地の順に低くなります。

住宅扶助の基準です。家賃や地代の上限額です。地域によって異なります。東京23区の単身者なら月53,700円、地方都市なら月30,000〜40,000円程度が上限です。

その他の扶助です。教育扶助子どもの教育費、医療扶助医療費、介護扶助介護費、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助などがあります。

具体的な最低生活費の例です。東京23区で単身者障害基礎年金2級受給の場合、生活扶助約77,000円、住宅扶助上限53,700円で、合計約130,700円が最低生活費になります。地方都市では、合計で月10〜12万円程度になることが多いです。

障害者加算があります。障害等級1級または2級の身体障害者、知的障害者重度は月26,810円程度、中度は月17,870円程度の加算があります地域により異なる。これが最低生活費に加算されます。

母子加算、児童養育加算もあります。18歳未満の子がいる場合、母子加算、児童養育加算があります。

冬季加算があります。寒冷地では、冬季11月〜3月に暖房費として冬季加算があります。

地域や状況で大きく異なります。都市部と地方、単身か家族か、障害の有無などで、最低生活費は大きく変わります。自分の場合いくらになるか、福祉事務所で確認できます。

申請の手続き

生活保護の申請手続きについて説明します。

福祉事務所に相談に行きます。住んでいる地域を管轄する福祉事務所生活保護課に相談に行きます。市役所、区役所、町村役場にあります。電話で予約してから行くとスムーズです。

相談時に状況を説明します。収入、資産、家族構成、健康状態、生活に困っている理由などを説明します。障害があること、障害年金を受給していることなどを伝えます。

申請書を提出します。相談後、申請の意思を伝えれば、申請書を渡してもらえます。その場で記入して提出します。申請は口頭でも可能ですが、書面が確実です。

必要書類を準備します。本人確認書類マイナンバーカード、運転免許証など、収入を証明する書類障害年金の通知書、給与明細など、預貯金通帳のコピー、賃貸契約書家賃を証明、診断書障害の状態を証明、その他求められた書類などです。

家庭訪問調査があります。申請後、ケースワーカーが自宅を訪問し、生活状況を調査します。居住実態、家財の状況、生活の様子などを確認します。

資産調査があります。福祉事務所が、銀行、生命保険会社、不動産登記などに照会し、資産を調査します。本人の同意が必要です。

扶養照会があります。親、子、兄弟姉妹などの親族に、援助できるか照会されることがあります。ただし、関係が悪い、DVがあったなどの場合、照会しないこともできます。事前に相談します。

審査に2週間〜1ヶ月程度かかります。申請から決定まで、原則として14日以内、最長でも30日以内に通知されます。

保護決定通知が届きます。申請が認められれば、保護決定通知書が届きます。支給額、支給日などが記載されています。

却下される場合もあります。申請が認められない場合、却下通知が届きます。理由が記載されています。不服がある場合、審査請求ができます。

生活保護を受けた後の生活

生活保護を受けた後の生活について説明します。

毎月一定額が支給されます。原則として毎月5日に、指定した銀行口座に振り込まれます。生活扶助と住宅扶助の合計額が振り込まれます。

医療費が無料になります。医療扶助により、医療機関での診療費、薬代、入院費などが無料になります。福祉事務所から発行される医療券を持って受診します。

介護サービスも無料です。介護扶助により、介護保険サービスの自己負担分が無料になります。

家賃は直接支払いも可能です。住宅扶助は、福祉事務所から家主に直接支払われることもあります代理納付。滞納を防げます。

ケースワーカーが定期的に訪問します。月1回程度、ケースワーカーが訪問し、生活状況を確認します。困りごとがあれば相談できます。

収入の報告義務があります。働いて収入を得た、年金額が変わったなど、収入に変化があった場合、すぐに報告する義務があります。報告しないと不正受給になります。

年1回、資産状況を報告します。預貯金、保険などの資産状況を年に1回報告します。通帳のコピーなどを提出します。

就労指導を受けることがあります。働ける能力がある場合、就労指導を受けることがあります。ただし、障害により働けない場合は、その事情が考慮されます。

生活保護から抜け出すことも目標です。就労して収入が増えれば、生活保護を受けなくても生活できるようになります。それが最終的な目標です。

生活保護のメリット

生活保護のメリットについて説明します。

最低限の生活が保障されます。収入がなくても、障害年金だけでは足りなくても、最低限の生活が保障されます。餓死、ホームレスになることを防げます。

医療費が無料になります。医療扶助により、医療費の自己負担がゼロになります。障害により医療費が多くかかる人にとって、大きなメリットです。

介護サービスも無料です。介護が必要な場合、介護サービスの自己負担分が無料になります。

国民健康保険料が免除されます。生活保護を受けている間は、国民健康保険料の支払いが免除されます。

国民年金保険料が法定免除されます。生活保護を受けている間は、国民年金保険料の支払いが法定免除されます。将来の年金には影響しません。

住民税が非課税になります。生活保護を受けている間は、住民税が非課税になります。

NHK受信料が免除されます。生活保護世帯はNHK受信料が全額免除されます。

公共料金の減免があります。水道料金の減免、下水道料金の減免などがある自治体もあります。

経済的な不安がなくなります。明日食べるものがない、家賃が払えないという不安から解放されます。精神的な安定につながります。

生活保護のデメリットや制約

生活保護のデメリットや制約について説明します。

資産を持てません。車、不動産貴重品、多額の預貯金などを持つことができません。生活に必要な最低限のもの以外は処分を求められます。

預貯金に制限があります。最低生活費の半月分程度までしか預貯金できません。それ以上貯まると、収入認定され、保護費が減額されます。

ケースワーカーの訪問があります。月1回程度、自宅に訪問されます。プライバシーが制限されると感じる人もいます。

収入の報告義務があります。働いた収入、臨時収入など、すべて報告する義務があります。報告を怠ると不正受給になります。

就労指導を受けることがあります。働ける能力がある場合、就労指導を受けます。ただし、障害により働けない場合は考慮されます。

生活保護を受けていることを知られたくない心理的負担です。周囲に知られることへの不安、偏見や差別への恐れなどがあります。実際には知られることはほとんどありませんが、心理的な負担になります。

親族に扶養照会が行われることがあります。親や兄弟に連絡が行くことを嫌がる人もいます。ただし、関係が悪い場合は照会しないこともできます。

引っ越しが制限されます。引っ越しする場合、福祉事務所の許可が必要です。住宅扶助の上限額内の物件でなければなりません。

生命保険に入れません。生活保護を受けている間は、新たに生命保険に加入できません。既存の保険も、解約返戻金がある場合、解約を求められることがあります。

よくある誤解

生活保護についてのよくある誤解について説明します。

誤解1:若いと受けられない。正解:年齢制限はありません。20代、30代でも、生活に困窮していれば受けられます。

誤解2:働いていると受けられない。正解:働いていても、収入が最低生活費を下回れば受けられます。就労継続支援A型やB型で働いていても大丈夫です。

誤解3:障害年金をもらっていると受けられない。正解:障害年金を受給していても、それだけでは生活できない場合、差額が支給されます。

誤解4:持ち家があると受けられない。正解:生活に必要な持ち家なら、持ったまま受けられることがあります。資産価値が著しく高い場合は売却を求められます。

誤解5:親族に迷惑がかかる。正解:扶養照会は行われることがありますが、親族に援助義務はありません。関係が悪い場合、照会しないこともできます。

誤解6:一度受けたら一生受け続ける。正解:収入が増えれば、生活保護から抜け出せます。就労支援も受けられます。

誤解7:車を持てない。正解:原則として持てませんが、障害により通院に必要、公共交通機関がないなどの場合、認められることもあります。

誤解8:恥ずかしいこと。正解:生活保護は憲法で保障された権利です。困った時に頼ることは、恥ずかしいことではありません。

誤解9:申請しても断られる。正解:要件を満たしていれば、必ず受けられます。窓口で追い返されても、申請書を出せば審査されます。申請権は誰にでもあります。

まとめ

障害者も生活保護を受けることができます。

障害者も生活保護の対象で、障害があることはむしろ申請理由になります。若くても、一人暮らしでも、実家でも受けられます。

障害年金と生活保護は併給可能です。障害年金は収入として計算され、最低生活費との差額が生活保護費として支給されます。

受給要件は、最低生活費を下回る収入、資産がない、働ける能力を活用している、親族からの援助が受けられない、他の制度を活用しているなどです。

最低生活費は、地域や世帯構成によって異なります。単身者で月10〜13万円程度が目安です。障害者加算もあります。

申請手続きは、福祉事務所に相談、申請書提出、家庭訪問調査、資産調査、扶養照会、審査2週間〜1ヶ月、決定通知という流れです。

生活保護を受けた後は、毎月一定額が支給され、医療費・介護費が無料、ケースワーカーの訪問、収入報告義務などがあります。

メリットは、最低限の生活保障、医療費無料、介護費無料、各種保険料免除、経済的不安の解消などです。

デメリットや制約は、資産を持てない、預貯金制限、ケースワーカーの訪問、収入報告義務、就労指導、心理的負担などです。

よくある誤解を解き、正しい理解を持つことが大切です。

障害者で生活に困窮している方は、生活保護を検討してください。恥ずかしいことではありません。憲法で保障された権利です。まずは福祉事務所に相談してください。障害年金だけでは生活できない場合、生活保護で不足分を補えます。最低限の生活が保障されます。困った時は、遠慮せずに助けを求めてください。

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