お子さんの将来を考え、B型施設を探している保護者の方へ
障害のあるお子さんに合った選択をするために、まず知っておきたい基本ガイド
初めての方は、基礎知識と不安解消をセットで押さえると安心です。
まず読むべき基礎知識5記事
施設選びでつまずきやすいポイント5記事
障害者の扶養控除はいつまで続くのか、年齢制限はあるのか、どんな条件があるのかなど、扶養控除について知りたい方に向けて、年齢制限の有無、継続条件、控除額、注意点などを詳しく解説します。
障害者の扶養控除に年齢制限はない
障害者の扶養控除に年齢制限はないことについて説明します。
年齢に関係なく扶養控除を受けられます。最も重要なポイントです。一般の扶養控除は16歳以上が対象で、70歳以上は老人扶養親族になりますが、障害者の場合、年齢に制限がありません。0歳でも、50歳でも、80歳でも扶養控除を受けられます。
16歳未満でも控除対象です。一般の扶養控除は16歳以上が対象ですが、障害者の場合、16歳未満でも扶養控除の対象になります。子どもが障害者の場合、生まれた時から扶養控除を受けられます。
70歳以上でも障害者控除が優先されます。一般の扶養親族は70歳以上になると老人扶養親族として控除額が増えますが、障害者の場合、年齢に関係なく障害者控除または特別障害者控除が適用されます。
生涯にわたって控除を受けられる可能性があります。障害のある子どもが生まれてから、親が亡くなるまで、数十年にわたって扶養控除を受け続けることができます。
親が亡くなるまで続きます。親が所得税や住民税を払っている限り、扶養控除を受け続けることができます。親が退職して所得がなくなれば、控除の意味はなくなります。
本人が高所得になると控除できません。障害のある人本人が働いて高所得になり、扶養の要件を満たさなくなると、扶養控除は受けられなくなります。
扶養控除を受けるための条件
扶養控除を受けるための条件について説明します。
扶養親族の要件を満たすことです。配偶者以外の親族6親等内の血族及び3親等内の姻族または都道府県知事から養育を委託された児童里子や市町村長から養護を委託された老人であること、納税者と生計を一にしていること、年間の合計所得金額が48万円以下給与のみの場合は給与収入103万円以下であること、青色申告者の事業専従者として給与の支払を受けていないこと、白色申告者の事業専従者でないことの5つの要件を満たす必要があります。
同居または別居でも生計を一にしていることです。同居している場合は問題ありません。別居していても、生活費や療養費などを常に送金している、余暇には親元に帰っているなどの場合、生計を一にしていると認められます。
本人の所得が48万円以下であることです。年間の合計所得金額が48万円以下である必要があります。給与所得のみの場合、給与収入が103万円以下なら、所得は48万円以下になります。障害基礎年金は非課税所得のため、所得に含まれません。
障害者であることです。障害者控除または特別障害者控除を受けるには、本人が障害者であることが条件です。身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持っている、障害者控除対象者認定を受けているなどです。
納税者が所得税や住民税を払っていることです。扶養控除は、納税者の所得から控除されるものです。納税者に所得がなければ、控除の意味がありません。
扶養控除の金額
扶養控除の金額について説明します。
一般の扶養控除は所得税38万円、住民税33万円です。16歳以上の扶養親族の場合、所得税から38万円、住民税から33万円が控除されます。
特定扶養親族は所得税63万円、住民税45万円です。19歳以上23歳未満の扶養親族の場合、控除額が増えます。大学生の年齢に該当するためです。
老人扶養親族は所得税48万円、住民税38万円です。70歳以上の扶養親族の場合、控除額が増えます。同居老親等の場合はさらに増えて所得税58万円、住民税45万円です。
障害者控除は所得税27万円、住民税26万円です。扶養親族が障害者の場合、一般の扶養控除に加えて、障害者控除が上乗せされます。所得税27万円+38万円=65万円、住民税26万円+33万円=59万円が控除されます。
特別障害者控除は所得税40万円、住民税30万円です。扶養親族が特別障害者の場合、一般の扶養控除に加えて、特別障害者控除が上乗せされます。所得税40万円+38万円=78万円、住民税30万円+33万円=63万円が控除されます。
同居特別障害者控除は所得税75万円、住民税53万円です。扶養親族が特別障害者で、納税者またはその配偶者、生計を一にする親族のいずれかと同居している場合、さらに控除額が増えます。所得税75万円+38万円=113万円、住民税53万円+33万円=86万円が控除されます。
16歳未満の障害者の場合です。16歳未満の場合、一般の扶養控除38万円は受けられませんが、障害者控除27万円または特別障害者控除40万円、同居特別障害者控除75万円は受けられます。
具体例です。30歳の特別障害者の子どもと同居している場合、所得税113万円所得税40万円特別障害者+38万円一般の扶養控除+35万円同居加算の間違い、正しくは75万円同居特別障害者控除+38万円一般の扶養控除=113万円、住民税86万円が控除されます。
税率10パーセントの場合の節税額です。所得税と住民税を合わせた税率が約10パーセントとすると、同居特別障害者の扶養控除113万円+86万円=199万円により、年間約20万円の節税になります。
障害者控除と特別障害者控除の違い
障害者控除と特別障害者控除の違いについて説明します。
障害者控除の対象です。身体障害者手帳3級から6級、療育手帳B軽度から中度、精神障害者保健福祉手帳2級または3級、戦傷病者手帳、障害者控除対象者認定中度などが対象です。
特別障害者控除の対象です。身体障害者手帳1級または2級、療育手帳A重度、精神障害者保健福祉手帳1級、障害者控除対象者認定重度、常に就床を要し複雑な介護を要する人、原子爆弾被爆者で厚生労働大臣の認定を受けている人などが対象です。
控除額の違いです。障害者控除は所得税27万円、住民税26万円、特別障害者控除は所得税40万円、住民税30万円です。特別障害者の方が13〜14万円控除額が多いです。
同居加算があるかの違いです。特別障害者で同居している場合、同居特別障害者控除として、所得税75万円、住民税53万円の控除を受けられます。障害者控除には同居加算はありません。
手帳の等級で判断します。どちらに該当するかは、手帳の等級で判断します。身体障害者手帳1級または2級なら特別障害者、3級から6級なら障害者です。
障害者控除対象者認定という制度もあります。手帳を持っていなくても、市区町村から障害者控除対象者認定を受けることで、障害者控除または特別障害者控除を受けられます。主に高齢者の認知症などで利用されます。
扶養控除が受けられなくなる場合
扶養控除が受けられなくなる場合について説明します。
本人の所得が48万円を超えた場合です。障害のある人が働いて給与を得る、事業所得を得るなどして、年間の合計所得金額が48万円を超えると、扶養親族の要件を満たさなくなり、扶養控除を受けられなくなります。
給与収入103万円以下なら大丈夫です。給与所得のみの場合、給与収入が103万円以下なら、給与所得控除55万円を引いて所得は48万円以下になるため、扶養控除を受けられます。
障害基礎年金は所得に含まれません。障害基礎年金、障害厚生年金は非課税所得のため、所得金額の計算に含まれません。障害年金をもらっていても、他に所得がなければ、扶養控除を受けられます。
就労継続支援A型の給与は所得に含まれます。A型事業所で働いて得た給与は、給与所得として計算されます。年収103万円を超えると、扶養から外れます。
就労継続支援B型の工賃は所得に含まれません。B型事業所の工賃は、雑所得として扱われますが、必要経費を引くとほとんど所得にならないため、実質的に扶養控除には影響しません。
世帯分離をした場合です。世帯分離をすると、生計を一にしているとは言えなくなる可能性があります。ただし、実際には同居していて生活費を出している実態があれば、扶養控除を受けられます。
親が所得税や住民税を払わなくなった場合です。親が退職して所得がなくなった、年金のみで所得税非課税になったなどの場合、扶養控除を受けても意味がありません。控除する所得がないためです。
本人が結婚した場合です。障害のある人が結婚すると、配偶者の扶養に入ります。親の扶養からは外れます。
本人が施設に入所した場合です。施設に入所すると、別居することになります。ただし、親が生活費や小遣いを送金している、面会に行っているなどの実態があれば、生計を一にしていると認められ、扶養控除を受けられます。
本人がグループホームに入居した場合です。グループホームに入居しても、親が家賃や食費の一部を負担している、定期的に仕送りをしているなどの実態があれば、生計を一にしていると認められ、扶養控除を受けられます。
親が亡くなった場合です。当然ですが、親が亡くなれば、親は扶養控除を受けられなくなります。きょうだいが扶養に入れることもできます。
扶養控除を受けるための手続き
扶養控除を受けるための手続きについて説明します。
会社員の場合は年末調整で手続きします。毎年11月〜12月頃、会社から配布される扶養控除等申告書に、扶養親族の情報を記入して提出します。
扶養親族の氏名、続柄、生年月日などを記入します。扶養控除等申告書の扶養親族欄に、障害のある子どもの氏名、続柄子など、生年月日、マイナンバーなどを記入します。
障害者控除の欄にチェックします。一般の障害者、特別障害者、同居特別障害者のいずれかにチェックを入れます。手帳の等級に応じて選びます。
手帳のコピーを提出することがあります。会社によっては、障害者手帳のコピーの提出を求められることがあります。初回のみ、または毎年求められます。
自営業の場合は確定申告で手続きします。毎年2月16日〜3月15日の確定申告の際、確定申告書の扶養控除の欄に記入します。
確定申告書の扶養控除欄に記入します。確定申告書の扶養控除の欄に、扶養親族の人数、控除額を記入します。
障害者控除の欄にもチェックします。障害者控除、特別障害者控除、同居特別障害者控除のいずれかを選んでチェックします。
障害者手帳番号を記入することがあります。確定申告書に障害者手帳の番号を記入する欄がある場合、記入します。
証明書類は提出不要ですが保管します。確定申告の際、障害者手帳のコピーなどの証明書類を提出する必要はありません。ただし、税務署から求められた場合に備えて、手帳のコピーを保管しておきます。
毎年手続きが必要です。扶養控除は、毎年、年末調整または確定申告で手続きが必要です。一度手続きすれば終わりではありません。
扶養控除と障害者控除の併用
扶養控除と障害者控除の併用について説明します。
両方を同時に受けられます。扶養親族が障害者の場合、一般の扶養控除と障害者控除の両方を受けられます。控除が上乗せされます。
具体的な控除額の計算です。30歳の特別障害者の子どもと同居している場合、一般の扶養控除所得税38万円、住民税33万円+同居特別障害者控除所得税75万円、住民税53万円=合計所得税113万円、住民税86万円の控除を受けられます。
16歳未満の場合は障害者控除のみです。16歳未満の子どもの場合、一般の扶養控除は受けられませんが、障害者控除または特別障害者控除は受けられます。
19歳以上23歳未満の場合は特定扶養親族控除と併用です。大学生の年齢の障害者の場合、特定扶養親族控除所得税63万円、住民税45万円+障害者控除または特別障害者控除を受けられます。
70歳以上の場合は老人扶養親族控除より障害者控除が有利です。70歳以上の障害者の場合、老人扶養親族控除より、障害者控除または特別障害者控除の方が控除額が大きいです。障害者控除が適用されます。
扶養控除の上限額はありません。扶養親族が複数いる場合、それぞれについて扶養控除を受けられます。上限額はありません。
世帯分離と扶養控除の関係
世帯分離と扶養控除の関係について説明します。
世帯分離をすると扶養控除を受けられなくなる可能性があります。世帯分離をすると、生計を一にしているとは言えなくなる可能性があります。扶養控除の要件を満たさなくなります。
ただし実態があれば受けられます。世帯分離をしても、実際には同居していて、親が生活費を出している実態があれば、生計を一にしていると認められ、扶養控除を受けられます。
税務署の判断によります。世帯分離をしている場合、扶養控除を受けられるかは、税務署の判断によります。同居している、生活費を出しているなどの実態を説明できれば、認められることが多いです。
確定申告で説明することです。世帯分離をしている場合、確定申告の際、税務署から質問されることがあります。同居している実態、生活費を出している実態などを説明します。
世帯分離のデメリットの一つです。世帯分離により、障害福祉サービスの利用料が安くなるメリットがある一方、扶養控除を受けられなくなるリスクがあります。デメリットの一つです。
世帯分離と扶養控除の両方を受けられることもあります。実際には、世帯分離をしていても、同居していて生活費を出している実態があれば、扶養控除を受けられることが多いです。両方のメリットを受けられます。
よくある質問
扶養控除についてよくある質問に答えます。
Q:障害者の扶養控除はいつまで受けられますか。A:年齢制限はありません。親が所得税や住民税を払っている限り、生涯にわたって受けられます。
Q:16歳未満でも受けられますか。A:はい、受けられます。一般の扶養控除は受けられませんが、障害者控除または特別障害者控除は受けられます。
Q:障害基礎年金をもらっていても受けられますか。A:はい、受けられます。障害基礎年金は非課税所得のため、所得に含まれません。
Q:就労継続支援A型で働いていても受けられますか。A:給与収入が年間103万円以下なら受けられます。103万円を超えると、扶養から外れます。
Q:グループホームに入居していても受けられますか。A:はい、受けられます。親が家賃や食費の一部を負担している、仕送りをしているなどの実態があれば、生計を一にしていると認められます。
Q:世帯分離をしていても受けられますか。A:実態があれば受けられます。同居していて、親が生活費を出している実態があれば、扶養控除を受けられます。
Q:特別障害者控除と障害者控除の違いは何ですか。A:手帳の等級によります。身体障害者手帳1級または2級、療育手帳A、精神障害者保健福祉手帳1級なら特別障害者控除、それ以外なら障害者控除です。
Q:控除額はいくらですか。A:同居特別障害者の場合、所得税113万円、住民税86万円の控除を受けられます。一般の障害者の場合、所得税65万円、住民税59万円です。
Q:手続きはどうすればいいですか。A:会社員なら年末調整で扶養控除等申告書に記入、自営業なら確定申告で記入します。毎年手続きが必要です。
まとめ
障害者の扶養控除は、年齢制限なく、生涯にわたって受けられます。
年齢制限はありません。0歳でも、50歳でも、80歳でも、親が所得税や住民税を払っている限り、扶養控除を受け続けることができます。
継続条件は、扶養親族の要件を満たすこと生計を一にしている、本人の所得が48万円以下、障害者であること、納税者が所得税や住民税を払っていることなどです。
控除額は、一般の扶養控除所得税38万円、住民税33万円+障害者控除所得税27万円、住民税26万円または特別障害者控除所得税40万円、住民税30万円、同居特別障害者控除所得税75万円、住民税53万円です。
同居特別障害者の場合、所得税113万円、住民税86万円の控除を受けられ、税率10パーセントとすると年間約20万円の節税になります。
扶養控除が受けられなくなる場合は、本人の所得が48万円給与収入103万円を超えた場合、親が所得税や住民税を払わなくなった場合、本人が結婚した場合などです。
手続きは、会社員なら年末調整で扶養控除等申告書に記入、自営業なら確定申告で記入します。毎年手続きが必要です。
障害基礎年金は非課税所得のため、所得に含まれません。障害年金をもらっていても扶養控除を受けられます。
グループホームや施設に入所していても、親が生活費を負担している実態があれば、扶養控除を受けられます。
世帯分離をしていても、同居していて生活費を出している実態があれば、扶養控除を受けられます。
障害者の扶養控除について知りたい方は、税務署、税理士、市区町村の税務課などに相談してください。年齢制限なく生涯にわたって受けられる貴重な控除です。毎年忘れずに手続きをしてください。親が亡くなった後は、きょうだいが扶養に入れることもできます。扶養控除を活用して、税負担を軽減してください。

コメント