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長野県安曇野市にある穂高神社は、日本アルプスの総鎮守として古くから崇敬を集めてきた古社です。安曇族という古代海人族の祖神を祀り、山と海の両方に縁を持つ独特の信仰を持つ神社として知られています。穂高神社の歴史、御祭神、見どころ、参拝方法について解説します。
穂高神社とは
穂高神社は、長野県安曇野市穂高に鎮座する神社です。
日本アルプスの総鎮守として、また信濃国の有力な神社として、古くから崇敬を集めてきました。
穂高神社は本宮、奥宮、嶺宮の三宮から成ります。本宮が安曇野市穂高に、奥宮が北アルプスの穂高岳山頂に、嶺宮が上高地の明神池畔に鎮座しています。
安曇野という地名は、古代にこの地を開拓した安曇族に由来します。安曇族は海人族であり、穂高神社はその祖神を祀る神社です。
海人族の神社でありながら、山岳信仰とも結びついた独特の信仰形態を持っています。
旧社格は県社で、現在は神社本庁の別表神社として多くの崇敬を集めています。
御祭神と御利益
穂高神社の御祭神と御利益について説明します。
主祭神は穂高見命ほたかみのみことです。海神である綿津見神わたつみのかみの御子神で、安曇族の祖神とされています。
相殿神として、綿津見神、瓊瓊杵尊ににぎのみことが祀られています。
穂高見命は海神でありながら、北アルプスの穂高岳に鎮座することから、山の神としても信仰されています。
安曇族は九州の北部から瀬戸内海、さらには日本海側にまで進出した海洋民族で、穂高神社はその一族が信濃国に移り住んだ際に創建されたと考えられています。
御利益は、交通安全、海上安全、産業発展、開運招福、家内安全、縁結びなどです。
特に交通安全の御利益が有名で、多くの人が車や旅の安全を祈願します。また登山の安全を祈る登山者も多く訪れます。
海の神でありながら山の神でもあることから、幅広い御利益があるとされています。
穂高神社の歴史
穂高神社の歴史は古く、その起源は定かではありませんが、古代に遡ると考えられています。
安曇族は古事記や日本書紀にも登場する古代豪族で、海人族として海運や漁業で栄えました。
安曇族の一部が日本海側から信濃国に移り住み、この地を開拓したとされています。穂高の地名も穂高見命に由来すると考えられています。
延喜式神名帳927年編纂には信濃国安曇郡 穂高神社として記載されており、古代から重要な神社であったことが分かります。
中世には信濃国の有力神社として崇敬を受けました。
江戸時代には松本藩の保護を受け、地域の氏神として庶民の間にも広く信仰されました。
明治以降は県社に列せられ、安曇野地域の中心的な神社として発展してきました。
現在も地域の守り神として、また観光地としても多くの人々が訪れています。
本宮の境内の見どころ
穂高神社本宮の境内には、参拝者が訪れるべき見どころがあります。
拝殿と本殿は荘厳な造りで、安曇野を代表する神社建築です。
神門は立派な造りで、参拝者を迎えます。
境内には複数の摂社末社があり、それぞれに神様が祀られています。
船の形をした御船会館があります。これは穂高神社の例大祭お船祭りで使われる船が展示されている建物です。
お船祭りは毎年9月に開催される例大祭で、大きな船を曳き回す勇壮な祭りです。海人族の伝統を今に伝える貴重な神事です。
神楽殿では神楽が奉納されることがあります。
境内には大きな杉の木があり、御神木として崇敬されています。
社務所では御朱印やお守り、おみくじなどが授与されています。
孝養杉という夫婦杉があり、縁結びのパワースポットとして知られています。
奥宮と嶺宮
穂高神社には本宮以外に奥宮と嶺宮があります。
奥宮は北アルプスの穂高岳山頂標高3190メートルに鎮座しています。日本で最も高い場所にある神社の一つです。登山者が山頂で安全登山を感謝し、下山の無事を祈ります。
嶺宮は上高地の明神池畔に鎮座しています。標高約1500メートルの場所にあり、穂高岳の麓に位置します。
明神池は一之池と二之池からなる神秘的な池で、嶺宮の神域です。池の中には島があり、神聖な雰囲気に包まれています。
嶺宮へは上高地から徒歩で約1時間です。明神池の周囲は静かな森に囲まれ、心が洗われるような場所です。
毎年10月8日には嶺宮例大祭が執り行われ、御船神事が行われます。明神池に船を浮かべる神事は、海人族の伝統を今に伝えています。
奥宮と嶺宮を参拝することで、山岳信仰と海人族の信仰が結びついた穂高神社の独特の信仰形態を体感できます。
お船祭り
穂高神社の例大祭であるお船祭りについて説明します。
お船祭りは毎年9月26日と27日に開催される例大祭です。
高さ約6メートル、長さ約12メートルの御船が2艘作られ、それぞれ数十人で曳き回されます。
26日の宵祭りでは、提灯で飾られた御船が夜の安曇野を練り歩きます。幻想的な光景が広がります。
27日の本祭りでは、昼間に御船が曳き回されます。御船の上では舞が披露され、囃子が奏でられます。
見どころは御船が出会うぶつかり合いです。2艘の御船が正面からぶつかり合う様子は迫力満点です。
お船祭りは、海人族である安曇族の伝統を今に伝える貴重な祭りで、長野県の無形民俗文化財に指定されています。
内陸の信州で船の祭りが行われることは珍しく、安曇族の海人としてのルーツを示しています。
年中行事
穂高神社では年間を通じて様々な祭事が執り行われます。
正月三が日には初詣の参拝者で賑わいます。安曇野地域で最も多くの参拝者が訪れる神社です。
1月7日には御筒粥神事が行われます。粥を炊いて一年の天候や農作物の出来を占う伝統的な神事です。
2月3日には節分祭が執り行われ、豆まきが行われます。
4月には春季例大祭が斎行されます。
9月26日と27日には例大祭お船祭りが開催されます。穂高神社最大の祭りです。
10月8日には嶺宮例大祭が上高地の明神池で執り行われます。
11月には七五三の参拝で賑わいます。
毎月1日と15日には月次祭が執り行われています。
参拝方法
穂高神社での参拝の基本的な作法を説明します。
鳥居をくぐる前に一礼します。神域に入る際の礼儀です。
手水舎で心身を清めます。右手で柄杓を取り左手を清め、左手に持ち替えて右手を清め、再び右手に持ち替えて左手に水を受け口をすすぎ、最後に柄杓を立てて柄を清めます。
拝殿前で賽銭を入れ、二拝二拍手一拝の作法でお参りします。深く二度お辞儀をし、二度柏手を打ち、願い事を心の中で唱え、もう一度深くお辞儀をします。
交通安全や旅の安全を祈る場合は、心を込めてお祈りしましょう。
境内の摂社末社にもお参りすると良いでしょう。
孝養杉の前では縁結びを祈ることもできます。
参拝後、授与所で御朱印やお守りをいただくことができます。
御朱印とお守り
穂高神社では御朱印とお守りを授与しています。
御朱印は本宮でいただけます。御朱印帳を持参するか、書き置きの御朱印をいただくこともできます。
嶺宮の御朱印は、上高地の嶺宮または本宮でいただけます。奥宮の御朱印は登山シーズンに山頂でいただくことができます。
三宮すべての御朱印をいただく人も多く、穂高神社巡りの記念となります。
お守りは各種あり、交通安全、海上安全、登山安全、家内安全、縁結び、学業成就など、様々な御利益のものが揃っています。
お船祭りにちなんだお守りや、登山安全のお守りが人気です。
絵馬も用意されており、願い事を書いて奉納することができます。
授与所の受付時間は午前9時から午後5時頃までが一般的です。
アクセス方法
穂高神社本宮へのアクセスを説明します。
公共交通機関を利用する場合、JR大糸線穂高駅から徒歩約3分です。駅から非常に近く、アクセスしやすい立地です。
自家用車の場合、長野自動車道安曇野ICから約10分です。
境内に無料駐車場があり、約50台分のスペースがあります。初詣やお船祭りなど行事の際は混雑することがあります。
住所は長野県安曇野市穂高6079です。
嶺宮へは上高地へのアクセスが必要です。上高地は自家用車の乗り入れが規制されているため、沢渡さわんどまたは平湯のバス乗り換え駐車場から路線バスまたはタクシーを利用します。
周辺の見どころ
穂高神社周辺には安曇野の魅力的な観光スポットがあります。
安曇野ちひろ美術館は絵本画家いわさきちひろの作品を展示する美術館です。穂高神社から車で約15分です。
大王わさび農場は日本最大規模のわさび農場で、美しいわさび田の景色が楽しめます。穂高神社から車で約10分です。
碌山美術館は彫刻家荻原碌山の作品を展示する美術館です。穂高神社から徒歩圏内です。
安曇野アートラインには多くの美術館やギャラリーが点在し、芸術の町として知られています。
上高地は日本を代表する山岳リゾートで、嶺宮を訪れる際に合わせて観光できます。
穂高神社の魅力
穂高神社は、海人族のルーツと山岳信仰が融合した独特の魅力を持つ神社です。
安曇族という古代海人族の祖神を祀りながら、北アルプスの穂高岳を御神体とする山岳信仰を持つ、他に類を見ない信仰形態が特徴です。
お船祭りという海人族の伝統を伝える祭りが、山に囲まれた安曇野で今も続いていることは、歴史のロマンを感じさせます。
穂高駅から徒歩3分という抜群のアクセスの良さも魅力で、安曇野観光の際に気軽に立ち寄れます。
本宮、嶺宮、奥宮という三つの宮を巡ることで、平地から上高地、そして穂高岳山頂まで、標高差3000メートル以上の信仰の世界を体験できます。
安曇野を訪れた際には、ぜひ穂高神社に参拝してみてください。古代海人族の歴史に思いを馳せ、北アルプスの雄大さを感じながら、心静かに祈りを捧げることができるでしょう。安曇野の美しい風景と、穂高神社の神聖な雰囲気が、訪れる人々に癒しと力を与えてくれます。

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