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「発達障害の検査にいくらかかるのか」「保険は使えるのか」「無料で検査を受ける方法はないのか」「どんな検査があるのか」「どこで受けられるのか」「検査結果はいつ出るのか」「子どもの検査と大人の検査で違うのか」「知能検査だけでいいのか」「診断書の費用は」「定期的に検査が必要なのか」。
発達障害の検査について、多くの人が費用や内容について疑問を抱えています。
発達障害の検査費用は、検査の種類、医療機関、保険適用の有無により大きく異なります。
保険適用の場合、初診料・検査料合わせて3,000円~10,000円程度、保険適用外の場合、10,000円~50,000円程度かかります。
主な検査は、問診、知能検査(WISC、WAIS、田中ビネーなど)、発達検査、行動観察、心理検査などです。
無料または低額で検査を受ける方法として、保健センター、発達障害者支援センター、児童相談所、教育委員会などがあります。本記事では、検査の種類と費用、保険適用、無料で受ける方法、診断書の費用、検査を受けられる場所、そして検査の流れについて詳しく解説します。
発達障害の検査とは
まず、発達障害の検査の基本を説明します。
目的
診断のため
発達障害の診断のために、検査を行います。
支援計画のため
検査結果をもとに、適切な支援計画を立てます。
検査の種類
複数の検査
発達障害の診断には、複数の検査を組み合わせます。
主な検査
- 問診
- 知能検査
- 発達検査
- 行動観察
- 心理検査
- 脳波検査、MRIなど(必要に応じて)
診断基準
DSM-5、ICD-11
アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5)または世界保健機関の診断基準(ICD-11)に基づいて診断されます。
検査の種類と費用
検査の種類と費用を詳しく説明します。
1. 問診
内容
医師が質問
医師が、生育歴、現在の困りごと、家族歴などを詳しく聞きます。
時間
30分~1時間程度
費用
保険適用
初診料として、1,000円~3,000円程度(3割負担)
2. 知能検査
知能検査は、発達障害の診断に最も重要な検査です。
WISC(ウィスク)
対象年齢
5歳0か月~16歳11か月
内容
言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の4つの指標と、全検査IQ(FSIQ)を測定します。
時間
60分~90分程度
費用
- 保険適用:1,500円~3,000円程度(3割負担)
- 保険適用外:10,000円~20,000円程度
WAIS(ウェイス)
対象年齢
16歳0か月~90歳11か月
内容
WISCと同様、4つの指標と全検査IQを測定します。
時間
60分~90分程度
費用
- 保険適用:1,500円~3,000円程度(3割負担)
- 保険適用外:10,000円~20,000円程度
田中ビネー知能検査
対象年齢
2歳0か月~成人
内容
精神年齢(MA)と知能指数(IQ)を測定します。
時間
40分~60分程度
費用
- 保険適用:1,500円~3,000円程度(3割負担)
- 保険適用外:10,000円~15,000円程度
K-ABC
対象年齢
2歳6か月~12歳11か月
内容
認知処理過程(継次処理、同時処理)と習得度を測定します。
時間
60分~90分程度
費用
- 保険適用:1,500円~3,000円程度(3割負担)
- 保険適用外:10,000円~20,000円程度
3. 発達検査
新版K式発達検査
対象年齢
0歳~成人
内容
姿勢・運動、認知・適応、言語・社会の3領域の発達を評価します。
時間
30分~60分程度
費用
- 保険適用:1,000円~2,000円程度(3割負担)
- 保険適用外:5,000円~10,000円程度
遠城寺式乳幼児分析的発達検査
対象年齢
0歳~4歳8か月
内容
運動、社会性、言語の発達を評価します。
時間
20分~30分程度
費用
- 保険適用:1,000円程度(3割負担)
- 保険適用外:3,000円~5,000円程度
4. 心理検査・評価尺度
PARS-TR(ペアーズ)
内容
自閉スペクトラム症の評価尺度。親が記入します。
時間
20分~30分程度
費用
- 保険適用:500円~1,000円程度(3割負担)
- 保険適用外:3,000円~5,000円程度
ADHD-RS
内容
ADHDの評価尺度。親または教師が記入します。
時間
10分~20分程度
費用
- 保険適用:500円~1,000円程度(3割負担)
- 保険適用外:3,000円~5,000円程度
Conners 3(コナーズ)
内容
ADHDの評価尺度。親、教師、本人が記入します。
時間
20分~30分程度
費用
- 保険適用:500円~1,000円程度(3割負担)
- 保険適用外:3,000円~5,000円程度
ADOS-2
内容
自閉スペクトラム症の診断観察検査。専門家が観察します。
時間
40分~60分程度
費用
- 保険適用:実施している医療機関が少ない
- 保険適用外:10,000円~30,000円程度
5. 行動観察
内容
専門家が観察
医師、心理士が、子どもの行動を観察します。
時間
30分~1時間程度
費用
問診に含まれる
通常、問診に含まれます。
6. 脳波検査、MRIなど
内容
必要に応じて
てんかんなどの鑑別のため、必要に応じて脳波検査、MRIを行います。
費用
保険適用
- 脳波検査:2,000円~5,000円程度(3割負担)
- MRI:5,000円~15,000円程度(3割負担)
トータルの費用
トータルでいくらかかるか、ケース別に説明します。
ケース1:保険適用、標準的な検査
検査内容
- 初診料
- 問診
- WISC(知能検査)
- PARS-TR(評価尺度)
費用(3割負担)
- 初診料:2,000円
- 問診:含まれる
- WISC:2,000円
- PARS-TR:500円
合計:約4,500円
ケース2:保険適用、詳しい検査
検査内容
- 初診料
- 問診
- WISC(知能検査)
- 新版K式発達検査
- PARS-TR(評価尺度)
- ADHD-RS(評価尺度)
費用(3割負担)
- 初診料:2,000円
- WISC:2,000円
- 新版K式:1,500円
- PARS-TR:500円
- ADHD-RS:500円
合計:約6,500円
ケース3:保険適用外、民間クリニック
検査内容
- 初診料
- 問診
- WISC(知能検査)
- PARS-TR(評価尺度)
費用(全額自己負担)
- 初診料:5,000円
- 問診:含まれる
- WISC:15,000円
- PARS-TR:5,000円
合計:約25,000円
ケース4:保険適用外、ADOS-2実施
検査内容
- 初診料
- 問診
- WISC
- ADOS-2
費用(全額自己負担)
- 初診料:5,000円
- WISC:15,000円
- ADOS-2:20,000円
合計:約40,000円
まとめ
保険適用の場合
3,000円~10,000円程度
保険適用外の場合
10,000円~50,000円程度
保険適用
保険適用について説明します。
保険適用される場合
医療機関で診断目的
医療機関(病院、クリニック)で、診断目的で検査を受ける場合、保険適用されます。
健康保険
国民健康保険、社会保険などの健康保険が使えます。
3割負担
通常、3割負担です。
保険適用されない場合
診断目的ではない
診断目的ではなく、単に「子どもの能力を知りたい」という理由の場合、保険適用されません。
民間の相談機関
民間の相談機関、カウンセリングルームなどで検査を受ける場合、保険適用されません。
全額自己負担
全額自己負担になります。
自立支援医療
精神通院医療
発達障害で継続的に通院する場合、自立支援医療(精神通院医療)を利用できます。
負担軽減
自己負担が1割になり、月額上限があります。
ただし
初回の検査は、自立支援医療の申請前なので、通常の3割負担です。2回目以降の検査(再検査など)は、自立支援医療が使えます。
無料または低額で検査を受ける方法
無料または低額で検査を受ける方法を説明します。
1. 保健センター(乳幼児健診)
対象
乳幼児
乳幼児(特に1歳6か月健診、3歳児健診)
内容
簡易的な発達検査
保健師が、簡易的な発達検査を行います。
費用
無料
問い合わせ
市区町村の保健センター
2. 発達障害者支援センター
対象
全年齢
子ども、大人
内容
相談、検査
相談、検査を行います。
ただし
医療機関ではないため、診断はできません。検査結果をもとに、医療機関を紹介します。
費用
無料
問い合わせ
各都道府県・指定都市の発達障害者支援センター
3. 児童相談所
対象
18歳未満
内容
心理検査、発達検査
心理士が、心理検査、発達検査を行います。
診断
児童精神科医が診断することもあります。
費用
無料
問い合わせ
児童相談所(189)
4. 教育委員会(教育相談)
対象
就学前~在学中
内容
知能検査、発達検査
学校選び、支援内容の検討のため、知能検査、発達検査を行います。
費用
無料
問い合わせ
市区町村の教育委員会
5. 学校(スクールカウンセラー)
対象
在学中
内容
簡易的な検査
スクールカウンセラーが、簡易的な検査を行うことがあります。
費用
無料
問い合わせ
学校
6. 大学の相談室
対象
子ども、大人
内容
検査、相談
大学の心理学科などが運営する相談室で、検査を受けられます。
訓練生が実施
心理士の訓練生が実施することが多いです。
費用
無料~低額(1,000円~3,000円程度)
探し方
「○○大学 心理相談室」で検索
診断書の費用
診断書の費用を説明します。
診断書とは
医師が作成
医師が、診断名、症状などを記載した文書です。
必要な場面
福祉サービス
- 特別児童扶養手当の申請
- 自立支援医療の申請
- 療育手帳の申請
- 精神障害者保健福祉手帳の申請
学校
- 特別支援学級への転籍
- 配慮のお願い
会社
- 障害者雇用
費用
保険適用外
診断書は、保険適用外で、全額自己負担です。
料金
3,000円~10,000円程度(医療機関により異なる)
一般的
5,000円程度が一般的です。
種類により異なる
簡単な診断書
3,000円~5,000円程度
詳しい診断書
5,000円~10,000円程度
特別児童扶養手当用の診断書
5,000円~10,000円程度(指定様式)
検査を受けられる場所
検査を受けられる場所を説明します。
1. 小児科
かかりつけ医
まずは、かかりつけの小児科に相談します。
紹介
専門医を紹介してもらえます。
2. 児童精神科
専門医
発達障害の専門医がいます。
探し方
インターネットで「児童精神科 ○○市」で検索
3. 精神科、心療内科
大人の場合
大人の場合、精神科、心療内科を受診します。
発達障害外来
発達障害外来がある病院を探します。
4. 発達外来
小児科の中の専門外来
小児科の中に、発達外来がある病院があります。
5. 大学病院
専門的
大学病院には、専門的な検査、診断ができる医師がいます。
予約待ち
ただし、予約待ちが長いことがあります(数か月~1年)。
6. 発達障害者支援センター
相談、検査
相談、検査ができますが、診断はできません。
7. 児童相談所
無料
無料で検査、診断ができます。
検査の流れ
検査の流れを説明します。
1. 予約
電話で予約
医療機関に電話で予約します。
予約待ち
人気の病院は、予約待ちが数か月~1年かかることがあります。
2. 初診
問診
医師が、生育歴、現在の困りごとなどを詳しく聞きます。
時間
30分~1時間程度
持ち物
- 健康保険証
- 母子手帳
- 過去の検査結果(あれば)
- 学校の通知表、連絡帳(あれば)
3. 検査日の予約
別日に検査
初診とは別の日に、検査を行います。
予約
検査日を予約します。
4. 検査
心理士が実施
臨床心理士、公認心理師が検査を実施します。
時間
1~3時間程度(検査の種類により異なる)
疲れる
子どもは疲れるので、休憩を入れながら行います。
5. 結果説明
2~4週間後
検査から2~4週間後に、結果説明があります。
医師が説明
医師が、検査結果、診断、今後の方針を説明します。
時間
30分~1時間程度
6. 診断書発行
必要な場合
必要な場合、診断書を発行してもらいます。
費用
3,000円~10,000円程度
よくある質問
Q1: 発達障害の検査にいくらかかりますか?
A: 保険適用で3,000円~10,000円程度、保険適用外で10,000円~50,000円程度です。
検査の種類、医療機関により異なります。
Q2: 保険は使えますか?
A: 医療機関で診断目的の場合、使えます。
健康保険が使え、3割負担になります。
Q3: 無料で検査を受ける方法はありますか?
A: はい、保健センター、発達障害者支援センター、児童相談所、教育委員会で無料で受けられます。
ただし、医療機関ではないため、診断はできない場合があります。
Q4: 診断書はいくらですか?
A: 3,000円~10,000円程度です。
医療機関により異なりますが、5,000円程度が一般的です。保険適用外です。
Q5: どこで検査を受けられますか?
A: 小児科、児童精神科、精神科、発達外来、大学病院などです。
まずは、かかりつけの小児科に相談し、紹介してもらいます。
Q6: 検査結果はいつ出ますか?
A: 検査から2~4週間後に結果説明があります。
検査の種類、医療機関により異なります。
Q7: 知能検査だけでいいですか?
A: いいえ、問診、行動観察、評価尺度なども必要です。
知能検査だけでは診断できません。複数の検査を組み合わせます。
まとめ
発達障害の検査費用は、検査の種類、医療機関、保険適用の有無により大きく異なります。保険適用の場合、初診料・検査料合わせて3,000円~10,000円程度、保険適用外の場合、10,000円~50,000円程度かかります。
主な検査は、問診、知能検査(WISC、WAIS、田中ビネーなど)、発達検査(新版K式など)、心理検査(PARS-TR、ADHD-RSなど)、行動観察、脳波検査・MRI(必要に応じて)です。
保険適用されるのは、医療機関で診断目的で検査を受ける場合です。健康保険が使え、3割負担になります。
無料または低額で検査を受ける方法として、保健センター、発達障害者支援センター、児童相談所、教育委員会、学校、大学の相談室があります。ただし、医療機関ではないため、診断はできない場合があります。
診断書の費用は、3,000円~10,000円程度(一般的には5,000円程度)で、保険適用外です。
検査を受けられる場所は、小児科、児童精神科、精神科・心療内科、発達外来、大学病院、発達障害者支援センター、児童相談所です。
検査の流れは、予約、初診、検査日の予約、検査、結果説明(2~4週間後)、診断書発行です。
一人で抱え込まず、まずはかかりつけの小児科、保健センター、発達障害者支援センターなどに相談しましょう。経済的に厳しい場合、無料で検査を受けられる場所を利用してください。
主な相談窓口
保健センター
- 乳幼児の発達相談、簡易的な検査(無料)
発達障害者支援センター
- 相談、検査(無料)
児童相談所
- 189(いちはやく)
- 検査、診断(無料)
教育委員会
- 就学相談、検査(無料)
小児科
- かかりつけ医に相談
一人で悩まず、必ず相談してください。早期発見、早期療育が重要です。経済的に厳しい場合、無料で検査を受けられる場所がありますので、諦めずに相談しましょう。

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