生活保護の医療費は無料になるのか…医療扶助の仕組みと使い方を知る

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生活保護を受けているけれど医療費がどうなるのかわからない、病院に行きたいけれどお金がなくて行けない、生活保護を受ければ医療費が無料になると聞いたが本当かどうか知りたいという方は多くいます。この記事では、生活保護の医療扶助の仕組みと使い方について解説します。

生活保護受給者の医療費は原則として無料になる

生活保護を受給している場合、医療費の自己負担は原則として無料になります。

生活保護法に基づく医療扶助という給付によって医療費が賄われるため受給者が窓口で医療費を支払う必要はありません。

ただし医療扶助を利用するためにはいくつかの条件があります。指定医療機関を受診すること、受診前にケースワーカーへの相談を経ること等の手続きが必要です。

医療扶助とはどういうものか

医療扶助とは生活保護法に基づいて生活保護受給者が医療を受けるための費用を公費で賄う給付です。

医療扶助によって賄われる費用は診察費、薬代、入院費、看護費、移送費等の医療に必要な費用です。

医療扶助は生活保護の八つの扶助のひとつであり生活扶助や住宅扶助とは別に支給されます。医療費が生活扶助の中から差し引かれることはありません。

金銭での支給ではなくサービスとして直接医療が提供される現物給付として行われることが特徴です。受給者が医療費を立て替えて後で払い戻してもらうという形ではありません。

医療扶助を利用するための手続き

指定医療機関での受診が必要

医療扶助を利用するためには都道府県知事が指定した指定医療機関を受診することが必要です。

指定医療機関は全国に多数あり多くの病院やクリニックが指定されています。

受診したい医療機関が指定医療機関かどうかを担当ケースワーカーに確認するか医療機関に直接問い合わせて確認することが重要です。

指定されていない医療機関で受診した場合は医療扶助が適用されず自己負担が必要になることがあります。

医療券または医療要否意見書の取得

受診前にケースワーカーに相談して医療券を取得することが原則として必要です。

緊急性がある場合は事後に手続きをすることができますが基本的には受診前に手続きを行うことが原則です。

指定医療機関に医療券を提示することで医療扶助が適用されます。

担当ケースワーカーへの連絡

病院に行きたいと思ったらまず担当ケースワーカーに連絡して受診したい医療機関と症状を伝えることが基本的な流れです。

緊急の場合は先に救急病院を受診して後からケースワーカーに連絡することが認められています。

体調が悪くてケースワーカーに連絡できない場合は家族や支援者に代わりに連絡してもらうことも選択肢のひとつです。

医療扶助で受けられる医療の内容

診療

内科、外科、精神科、眼科、耳鼻咽喉科、歯科等の様々な診療科での受診が医療扶助の対象となります。

定期的な通院が必要な慢性疾患の治療も医療扶助の対象となります。

精神科への通院も医療扶助の対象となります。精神疾患があって受診したいけれど費用が心配という方も安心して受診することができます。

薬代

処方された薬の費用も医療扶助の対象となります。

指定薬局で処方箋を提出して薬を受け取ることができます。

ジェネリック医薬品の使用が原則として求められています。医師が必要と判断した場合は先発医薬品が処方されることがあります。

入院

入院が必要な場合の入院費も医療扶助の対象となります。

差額ベッド代については原則として医療扶助の対象外となります。医療上の必要性がある場合に限って対象となることがあります。

歯科治療

指定歯科医療機関での歯科治療も医療扶助の対象となります。

虫歯の治療、抜歯、入れ歯の作成等の歯科治療が含まれます。

保険外診療の自由診療については医療扶助の対象外となることがほとんどです。

移送費

医療機関への交通費が負担になる場合は一定の条件のもとで移送費が支給されることがあります。

歩いて通院できない、公共交通機関が利用できない等の状況がある場合にケースワーカーに相談することで移送費が認められることがあります。

医療扶助の対象外となるもの

医療扶助で賄われない費用があります。

差額ベッド代として個室や少人数病室を選択した場合の差額ベッド代は原則として医療扶助の対象外です。

保険外診療として健康保険が適用されない自由診療は医療扶助の対象外となります。

美容目的の治療として美容整形等の医療上の必要性がない治療は医療扶助の対象外です。

市販薬として処方箋なしに薬局で購入する市販薬は医療扶助の対象外です。

正常な妊娠と出産として病気ではない正常な妊娠と出産は原則として医療扶助ではなく出産扶助の対象となります。

医療扶助と健康保険の関係

生活保護受給者は原則として国民健康保険には加入しません。

医療費は医療扶助によって全額賄われるため健康保険に加入する必要がないためです。

ただし被用者保険(会社の健康保険や共済組合)に加入している場合はその保険が優先して適用されます。被用者保険の自己負担分について医療扶助が適用されます。

健康保険を持っている場合は健康保険証と医療券の両方を医療機関に提示することになります。

医療扶助に関するよくある疑問

かかりつけ医を変えることはできるか

やむを得ない事情がある場合は担当ケースワーカーに相談することで受診する医療機関を変更することができます。

自己都合でいつでも医療機関を変更することには制限がある場合があります。

精神科や心療内科への受診はできるか

精神科や心療内科への受診も医療扶助の対象となります。

うつ病、適応障害、統合失調症、発達障害等の精神疾患がある場合は精神科や心療内科への受診ができます。

精神科への受診も他の診療科と同様に担当ケースワーカーへの相談と医療券の取得が必要です。

検査や手術も対象となるか

医療上必要な検査や手術も医療扶助の対象となります。

CTやMRIといった高額の検査も医療扶助の対象となることがあります。

救急の場合はどうするか

緊急の場合は救急車を呼んで救急病院を受診することができます。

後からケースワーカーに連絡して必要な手続きを行うことになります。

緊急時に手続きのことを心配する必要はなく治療を優先することが重要です。

生活保護を受給していない方への医療費支援

生活保護を受給していないが医療費が払えない状況にある方向けの支援制度もあります。

自立支援医療制度として精神疾患がある方の通院医療費の自己負担が原則一割に軽減されます。

高額療養費制度として同じ月内の医療費が一定の限度額を超えた場合に超えた分が払い戻されます。低所得者の場合は限度額が低く設定されています。

限度額適用認定証として高額の医療費が見込まれる場合に事前に取得することで医療機関での窓口払いを限度額以内に抑えることができます。

無料低額診療事業として社会福祉法に基づいて一定の要件を満たす医療機関では生活が困難な方に対して無料または低額で診療を行う事業が行われています。

医療費の支払いが困難な場合は医療機関のソーシャルワーカー(医療社会福祉士)に相談することで利用できる支援制度を紹介してもらえることがあります。

生活保護の申請について

医療費が払えない状況にある方で生活保護を受給していない場合は生活保護の申請を検討することが重要です。

医療費が払えないという状況だけでなく生活費全般が困窮している場合は生活保護を申請する権利があります。

申請先は市区町村の福祉事務所です。

申請を窓口で断られた場合でも申請する権利があります。申請書の提出を求めることが重要です。

よりそいホットライン(0120-279-338)は二十四時間無料で電話相談ができます。生活の困窮や医療費についての相談にも対応しています。

消えてしまいたいという気持ちが浮かぶ場合は緊急のサインです。すぐによりそいホットライン(0120-279-338)に連絡してください。二十四時間無料で相談できます。

まとめ

生活保護受給者の医療費は医療扶助によって原則として無料になります。医療扶助を利用するためには指定医療機関での受診と医療券の取得が必要です。

診察費、薬代、入院費、歯科治療費等が医療扶助の対象となりますが差額ベッド代や保険外診療は原則として対象外となります。

医療扶助に関する疑問や困りごとは担当のケースワーカーに積極的に相談することが重要です。

生活保護を受給していないが医療費が払えない方は自立支援医療制度、高額療養費制度、無料低額診療事業といった支援制度を活用することが選択肢のひとつです。

医療費の問題を一人で抱え込まず福祉事務所や相談窓口に積極的に相談してください。

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