特別児童扶養手当の条件 対象者・金額・申請方法・所得制限

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「特別児童扶養手当はもらえるのか」「うちの子は対象になるのか」「軽度でも受給できるか」「所得制限はあるのか」「いくらもらえるのか」「申請方法がわからない」「診断書は必要か」「審査に落ちたらどうするか」「いつまでもらえるのか」「更新は必要か」。

障害のある子を持つ親の多くが、特別児童扶養手当の受給条件について疑問を抱えています。

特別児童扶養手当は、障害のある20歳未満の子どもを養育している父母等に支給される手当です。

対象は、身体障害、知的障害、精神障害、内部障害、難病など、一定程度以上の障害がある子どもです。1級は月約53,700円、2級は月約35,760円が支給されます。

所得制限があり、診断書または障害者手帳が必要です。

軽度の障害でも、日常生活に支障があれば受給できる可能性があります。

本記事では、受給条件、対象となる障害、金額、所得制限、申請方法、審査のポイント、そして不支給になった場合の対処法について詳しく解説します。

目次

特別児童扶養手当とは

まず、特別児童扶養手当の基本を説明します。

定義

障害児の養育者への手当

特別児童扶養手当は、障害のある20歳未満の子どもを養育している父母等に支給される手当です。

目的

経済的支援

障害児の養育にかかる経済的負担を軽減することが目的です。

実施主体

国の制度

国が実施する制度で、申請窓口は市区町村です。

支給対象

養育者

子ども本人ではなく、養育している父母等に支給されます。

支給期間

20歳未満

子どもが20歳になるまで支給されます。

20歳以降

20歳以降は、障害基礎年金に切り替わります。

受給条件

受給条件を詳しく説明します。

1. 年齢

20歳未満

20歳未満の子どもが対象です。

2. 障害の程度

一定程度以上の障害

一定程度以上の身体障害、知的障害、精神障害がある子どもが対象です。

等級

  • 1級:重度
  • 2級:中度

詳細は後述

3. 居住地

日本国内に住所

日本国内に住所がある子どもが対象です。

4. 施設入所

施設に入所していない

障害児入所施設に入所している場合、対象外です。

ただし

通所施設(放課後等デイサービスなど)は対象です。

5. 障害年金の受給

障害年金を受給していない

子ども本人が障害年金を受給している場合、対象外です。

6. 所得制限

所得制限あり

養育者の所得が一定額以下である必要があります。

詳細は後述

対象となる障害

対象となる障害を詳しく説明します。

1級(重度)

身体障害

1級程度

身体障害者手帳1級~2級程度の障害。

具体例

  • 両眼の視力の和が0.02以下
  • 両耳の聴力レベルが100デシベル以上
  • 両上肢の機能に著しい障害
  • 両下肢の機能に著しい障害
  • 体幹の機能障害により座っていることができない
  • 心臓、腎臓、呼吸器、膀胱、直腸、小腸、肝臓、免疫機能の障害で日常生活が著しく制限される

知的障害

重度

IQ35以下程度で、日常生活に常時介護が必要。

具体例

  • 食事、着替え、排泄に常時介護が必要
  • 危険を理解できない
  • 言葉でのコミュニケーションが困難

精神障害

重度

日常生活に常時介護が必要。

具体例

  • 統合失調症、躁うつ病で常時介護が必要
  • 自閉症で強度行動障害があり、常時介護が必要

その他

1級程度の障害が2つ以上

2級程度の障害が2つ以上ある場合、1級に該当することがあります。

2級(中度)

身体障害

3級程度

身体障害者手帳3級~4級程度の障害。

具体例

  • 両眼の視力の和が0.08以下
  • 両耳の聴力レベルが90デシベル以上
  • 平衡機能に著しい障害
  • 音声機能、言語機能に著しい障害
  • そしゃく機能を欠く
  • 一上肢の機能に著しい障害
  • 一下肢の機能に著しい障害
  • 体幹の機能障害により歩行が困難
  • 心臓、腎臓、呼吸器、膀胱、直腸、小腸、肝臓、免疫機能の障害で日常生活が制限される

知的障害

中度

IQ35~50程度で、日常生活に介護が必要。

具体例

  • 簡単な日常生活はできるが、複雑なことは介護が必要
  • 金銭管理ができない
  • 一人で外出が難しい

精神障害

中度

日常生活に介護が必要。

具体例

  • ADHD、ASDで日常生活に著しい支障
  • うつ病、不安障害で日常生活に著しい支障

発達障害

中度以上

ADHD、ASD、LDなどの発達障害で、日常生活に著しい支障がある場合、2級に該当することがあります。

ポイント

診断名だけでなく、日常生活の困難さが重要です。

難病

日常生活に著しい支障

難病により、日常生活に著しい支障がある場合、対象になることがあります。

障害の判定基準

認定基準

厚生労働省の「特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令別表第3」に基づいて判定されます。

日常生活能力が重視される

診断名だけでなく、実際の日常生活能力が重視されます。

金額

支給される金額を説明します。

月額(2024年度)

  • 1級:月53,700円
  • 2級:月35,760円

年額

  • 1級:年644,400円
  • 2級:年429,120円

支給月

年3回

4月、8月、12月に、それぞれ前4か月分がまとめて支給されます。

  • 4月:12月~3月分
  • 8月:4月~7月分
  • 12月:8月~11月分

物価スライド

毎年改定

物価に応じて、毎年金額が改定されます。

所得制限

所得制限について詳しく説明します。

所得制限額(2024年度)

請求者本人(父または母など)

扶養親族等の数所得制限限度額
0人4,596,000円
1人4,976,000円
2人5,356,000円
3人5,736,000円
4人6,116,000円

扶養親族等が1人増えるごとに、380,000円加算

配偶者・扶養義務者(同居している祖父母など)

扶養親族等の数所得制限限度額
0人6,287,000円
1人6,536,000円
2人6,749,000円
3人6,962,000円
4人7,175,000円

扶養親族等が1人増えるごとに、213,000円加算

所得の計算

所得 = 収入 – 必要経費 – 控除

給与所得者の場合、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から、さらに各種控除を引いた金額が所得です。

主な控除

  • 社会保険料相当額(一律80,000円)
  • 障害者控除、寡婦控除など

所得制限を超えた場合

支給停止

所得制限を超えた場合、手当は支給停止されます。

翌年に再確認

翌年、所得が制限額以下になれば、再び支給されます。

扶養親族等の数

扶養親族等とは

税法上の扶養親族、配偶者、配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計数です。

世帯分離

世帯分離しても無駄

同じ住所に住んでいる祖父母などは、世帯分離しても扶養義務者として所得制限の対象になります。

申請方法

申請方法を詳しく説明します。

ステップ1:市区町村に相談

窓口

市区町村の障害福祉課に相談します。

ステップ2:必要書類を準備

主な必要書類

  1. 特別児童扶養手当認定請求書(窓口でもらう)
  2. 診断書(指定様式、医師が作成)または障害者手帳のコピー
  3. 戸籍謄本または抄本
  4. 世帯全員の住民票
  5. 請求者名義の通帳のコピー
  6. マイナンバーカード
  7. 所得証明書(課税証明書)
  8. 印鑑

診断書について

指定様式

特別児童扶養手当用の指定様式があります。市区町村でもらいます。

作成医師

主治医に作成してもらいます。

費用

診断書作成料:3,000円~10,000円程度(医療機関により異なる)

有効期限

診断書は、作成日から3か月以内のものが必要です。

障害者手帳で代用できる場合

手帳のコピーでOK

身体障害者手帳1級~3級、療育手帳A(重度)などの場合、診断書の代わりに手帳のコピーで申請できることがあります。

ただし

診断書の方が詳しく日常生活の困難を伝えられるので、有利なこともあります。

ステップ3:申請書を提出

窓口に提出

必要書類を揃えて、市区町村の障害福祉課に提出します。

ステップ4:審査

都道府県知事が認定

市区町村が書類を都道府県に送り、都道府県知事が認定します。

審査期間

2~3か月程度

審査内容

  • 障害の程度
  • 日常生活能力
  • 所得

ステップ5:認定または却下

認定通知書または却下通知書

認定されれば認定通知書が、却下されれば却下通知書が送られてきます。

ステップ6:支給開始

認定請求月の翌月分から

認定請求をした月の翌月分から支給されます。

  • 4月に申請→5月分から支給(最初の支給は8月)

遡っての支給はない

申請日より前の分は支給されないので、早めの申請が重要です。

審査のポイント

審査で重視されるポイントを説明します。

1. 日常生活能力

最も重視される

診断名だけでなく、実際の日常生活能力が最も重視されます。

評価項目

  • 食事
  • 着替え
  • 排泄
  • 入浴
  • 移動
  • コミュニケーション
  • 危険回避
  • 金銭管理
  • 対人関係
  • 学習

2. 診断書の記載

具体的に

診断書に、日常生活の困難が具体的に記載されていることが重要です。

良い例

  • 「一人で着替えができず、毎日母親の全面的な介助が必要」
  • 「友達とのトラブルが週に3回以上あり、担任の介入が必要」
  • 「癇癪を起こすと1時間以上泣き続け、制止できない」

悪い例

  • 「着替えに困難あり」(具体性がない)

3. 医師の専門性

専門医が有利

専門医(小児科、児童精神科、整形外科など)の診断書の方が、信頼性が高いです。

4. 継続性

継続的な通院

継続的に通院している医師の診断書の方が、信頼性が高いです。

5. 客観的データ

検査結果

発達検査(WISC、田中ビネーなど)の結果、画像検査の結果など、客観的データがあると有利です。

更新

更新について説明します。

有期認定と無期認定

有期認定

多くの場合、有期認定(2~5年)です。

無期認定

障害が固定していて、改善の見込みがない場合、無期認定になることがあります。

更新手続き

診断書の再提出

有期認定の場合、有効期限の前に、診断書を再提出します。

時期

有効期限の2~3か月前に、市区町村から更新の案内が届きます。

等級の変更

重くなる、軽くなる

更新時に、障害の程度が変わっていれば、等級が変更されることがあります。

  • 2級→1級
  • 1級→2級
  • 認定→不支給

不支給になった場合

不支給になった場合の対処法を説明します。

1. 理由を確認

却下理由

却下通知書に、却下理由が記載されています。

よくある理由

  • 障害の程度が基準に該当しない
  • 日常生活能力の記載が不十分
  • 所得制限超過

2. 診断書を再作成

より具体的に

日常生活の困難を、より具体的に記載した診断書を作成してもらいます。

医師と相談

医師に、どのように記載すれば良いか相談します。

3. 再申請

いつでも可能

不支給になっても、いつでも再申請できます。

4. 審査請求

不服申請

却下決定に不服がある場合、都道府県知事に審査請求ができます。

期限

却下決定を知った日の翌日から3か月以内

方法

市区町村の障害福祉課に相談

5. 相談支援事業所に相談

アドバイス

相談支援事業所に相談し、アドバイスをもらいます。

よくある質問

Q1: うちの子は対象になりますか?

A: 診断名だけでなく、日常生活の困難が重要です。

ADHD、ASD、LDなどの発達障害でも、日常生活に著しい支障があれば対象になる可能性があります。市区町村に相談してください。

Q2: 軽度でももらえますか?

A: 日常生活に著しい支障があれば、可能性があります。

軽度でも、日常生活能力が著しく低ければ、2級に該当する可能性があります。

Q3: いくらもらえますか?

A: 1級は月約53,700円、2級は月約35,760円です。

年3回(4月、8月、12月)に、まとめて支給されます。

Q4: 所得制限はありますか?

A: はい、あります。

養育者の所得が一定額以下である必要があります。扶養親族0人の場合、約460万円以下です。

Q5: 申請に何が必要ですか?

A: 診断書または障害者手帳、戸籍謄本、住民票などが必要です。

詳細は、市区町村の障害福祉課に問い合わせてください。

Q6: 審査にどのくらいかかりますか?

A: 2~3か月程度です。

申請から認定通知まで、2~3か月かかります。

Q7: 不支給になったらどうすればいいですか?

A: 診断書を再作成し、再申請できます。

より具体的な診断書を作成し、再申請します。審査請求も可能です。

まとめ

特別児童扶養手当の受給条件は、20歳未満、一定程度以上の障害(1級は重度、2級は中度)、日本国内に住所、施設に入所していない、障害年金を受給していない、所得制限以下です。

対象となる障害は、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、内部障害、難病などで、診断名だけでなく日常生活能力が重視されます。軽度でも、日常生活に著しい支障があれば対象になる可能性があります。

金額は、1級が月約53,700円(年約64万円)、2級が月約35,760円(年約43万円)です。年3回(4月、8月、12月)に支給されます。

所得制限は、養育者本人は扶養親族0人で約460万円以下、配偶者・扶養義務者は扶養親族0人で約629万円以下です。

申請方法は、市区町村の障害福祉課に相談、必要書類(診断書、戸籍謄本、住民票など)を準備、申請書を提出、審査(2~3か月)、認定または却下、支給開始です。申請月の翌月分から支給されるので、早めの申請が重要です。

審査のポイントは、日常生活能力、診断書の具体的な記載、医師の専門性、継続的な通院、客観的データです。

更新は、有期認定の場合2~5年ごとに診断書を再提出します。不支給になった場合、診断書を再作成して再申請、または審査請求ができます。

一人で抱え込まず、市区町村の障害福祉課、相談支援事業所、発達障害者支援センターなどに相談しながら、申請を進めましょう。特別児童扶養手当は、障害児の養育を支える重要な経済的支援です。条件に該当する可能性があれば、ぜひ申請してください。


主な相談窓口

市区町村の障害福祉課

  • 申請窓口

相談支援事業所

  • 申請のサポート、アドバイス

発達障害者支援センター

  • 情報提供

主治医

  • 診断書の作成、相談

一人で悩まず、必ず相談してください。申請をサポートしてくれる専門家がいます。特別児童扶養手当を活用し、経済的負担を軽減しましょう。

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