慢性疲労症候群とは?症状・原因・治療法をわかりやすく解説

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「慢性疲労症候群」という病名を聞いたことはあるでしょうか。単なる疲れとは異なり、休んでも回復しない強い倦怠感が長期間続く病気です。日常生活に深刻な支障をきたすにもかかわらず、外見からは症状がわかりにくいため周囲に理解されにくいという特徴があります。本記事では慢性疲労症候群の基本知識から治療・支援まで解説します。

慢性疲労症候群とはどのような病気か

慢性疲労症候群は英語でMyalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndromeといい、MEまたはCFSと略されることが多い疾患です。その名のとおり慢性的な疲労を主な症状とする病気ですが、ただの疲れやだるさとは本質的に異なります。

最大の特徴は、休息をとっても回復しない強い倦怠感が6か月以上継続することです。健康なときの半分以下の活動量しかこなせなくなるほど機能が低下し、仕事や学業、家事といった日常生活のあらゆる場面に支障が生じます。

また労作後倦怠感と呼ばれる症状が慢性疲労症候群の大きな特徴のひとつです。これは身体的または精神的な活動のあとに症状が著しく悪化し、その悪化が24時間以上続く状態を指します。少し動いただけで翌日以降に激しい症状の悪化が起きるため、活動量の管理が非常に難しい病気です。

慢性疲労症候群は世界中に患者がおり、日本国内でも数万人から数十万人の患者がいると推定されています。

慢性疲労症候群の主な症状

慢性疲労症候群の症状は疲労感だけにとどまらず、全身のさまざまな機能に影響をおよぼします。

認知機能の低下はブレインフォグとも呼ばれ、思考力や集中力の著しい低下、記憶の障害、言葉が出てこないなどの症状としてあらわれます。頭の中に霧がかかったようにぼんやりした状態が続くため、仕事や学習に大きな支障をきたします。

睡眠障害も多くの患者にみられます。長時間眠っても疲れが取れない、睡眠の質が著しく低い、昼夜のリズムが崩れるといった問題が生じます。

起立性調節障害に似た症状として、立ち上がったときに頭痛やめまい、動悸があらわれることがあります。これは自律神経の調節がうまく働かないことによるものと考えられています。

そのほかに頭痛、筋肉痛や関節痛、喉の痛み、リンパ節の腫れ、光や音に対する過敏性なども多くの患者に共通してみられる症状です。

慢性疲労症候群の原因と発症のメカニズム

慢性疲労症候群の原因は現時点でまだ完全には解明されていません。しかし研究が進むなかで、免疫系の異常や神経系の機能障害、エネルギー代謝の異常などが関与していることが明らかになってきています。

発症のきっかけとしてウイルス感染が挙げられることが多く、インフルエンザや伝染性単核球症などの感染症にかかったあとに発症するケースが報告されています。新型コロナウイルス感染症の後遺症としても慢性疲労症候群に似た症状が多く報告されており、感染後症状との関連が世界的に注目されています。

免疫系の異常については、炎症を引き起こすサイトカインと呼ばれる物質の過剰な産生や、免疫細胞の機能異常が関与しているとされています。また腸内細菌叢の乱れや自律神経の機能不全も発症に関わっている可能性が示されています。

心理的なストレスが原因であるという誤解が以前はありましたが、現在では身体的な疾患であるという認識が医学的に確立されてきています。

慢性疲労症候群の診断と治療

慢性疲労症候群の診断は非常に難しく、確定診断のための特定の検査がないため他の疾患を除外しながら総合的に判断されます。血液検査や画像検査では異常が見つからないことが多いため、「異常なし」と言われてしまい診断がつくまでに長い時間がかかるケースが少なくありません。

診断には内科や神経内科、精神科などの専門医を受診することが必要です。慢性疲労症候群を専門とする医師や専門外来を持つ医療機関を探すことが確実な診断への近道となります。

治療については現時点で根本的な治療法は確立されていませんが、症状の管理と生活の質の向上を目指した対症療法が中心となります。

ペーシングと呼ばれる活動量の管理が重要な治療の柱となっています。自分のエネルギーの限界を把握し、労作後倦怠感を引き起こさない範囲で活動量を一定に保つことが症状の悪化防止につながります。無理をして活動を増やすと症状が悪化するため、調子がよい日でも活動量を抑えることが大切です。

薬物療法では睡眠障害や痛み、抑うつ症状などの個別の症状に対応する薬が使われることがあります。

日常生活での工夫と利用できる支援制度

慢性疲労症候群とともに生活するためには、日常生活におけるさまざまな工夫が必要です。

エネルギーを節約する工夫として、家事の省力化や休憩を組み込んだスケジュール管理、必要な活動に優先順位をつけることなどが有効です。体調の変化を日記や記録アプリで把握しておくことで、自分のエネルギーの限界を知ることにもつながります。

制度面では症状の程度によって障害者手帳の取得や障害年金の申請が可能な場合があります。就労が困難な場合は就労移行支援や就労継続支援といった福祉サービスを利用することも選択肢のひとつです。

患者会や当事者コミュニティへの参加も心強い支えになります。同じ病気を抱える人同士でつながることで、孤立感の軽減や生活の工夫についての情報交換ができます。


慢性疲労症候群は休息をとっても回復しない強い倦怠感が続く身体疾患であり、日常生活に深刻な影響をおよぼします。原因や治療法の解明はまだ途上にありますが、適切なペーシングと症状への対処によって生活の質を保つことは可能です。つらい症状が続く場合はひとりで抱え込まず、専門医や支援機関への相談を検討してみましょう。

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