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一度社会人として働いていたにもかかわらず、様々な理由で引きこもり状態になってしまった。外に出ることが怖い、人と関わることが不安、再び働けるのか自信がない。このような悩みを抱えている方は少なくありません。
社会人経験がある引きこもりの方は、「一度は働けていたのに」という自責の念や、「このままではいけない」という焦りを感じながらも、具体的にどうすれば良いのか分からず苦しんでいることが多いです。年齢を重ねるほど、社会復帰へのハードルが高く感じられ、動き出すことがさらに難しくなります。
しかし、引きこもり状態から仕事に復帰することは十分に可能です。焦らず段階的に準備を進め、自分に合った働き方を見つけることで、多くの方が社会復帰を果たしています。本記事では、引きこもり社会人が仕事復帰を目指すための具体的なステップと、利用できる支援、適した仕事の選び方について詳しく解説していきます。
引きこもり社会人の実態と背景
なぜ社会人が引きこもるのか
社会人として働いていた人が引きこもりになる背景には、様々な要因があります。
職場での過度なストレスは最も多い原因の一つです。長時間労働、パワハラ、過度なプレッシャー、人間関係のトラブルなどにより心身が疲弊し、ある日突然出勤できなくなるケースがあります。特に真面目で責任感の強い人ほど、限界まで我慢してしまい、結果的に深刻な状態に陥りやすい傾向があります。
メンタルヘルスの問題も大きな要因です。うつ病、不安障害、パニック障害、適応障害などの精神疾患により、働くことが困難になり、引きこもり状態になることがあります。これらは適切な治療を受ければ改善可能ですが、受診の遅れや治療の中断により、長期化するケースもあります。
対人恐怖や社交不安により、人と接することそのものが困難になる場合もあります。過去のトラウマや否定的な経験が、人間関係への恐怖を生み出し、外出や他者との接触を避けるようになります。
燃え尽き症候群も見逃せません。長年仕事に打ち込んできた結果、ある時点で完全に気力を失い、何もする気が起きなくなる状態です。特に目標達成型の人や、仕事に強く自己同一化していた人に起こりやすい現象です。
引きこもり期間の心理的変化
引きこもり期間が長くなるほど、様々な心理的変化が生じます。
最初は休息が必要な状態ですが、時間が経つにつれて罪悪感や焦燥感が強まります。「このままではいけない」と頭では分かっていても、動き出すエネルギーが湧かず、その矛盾に苦しみます。
また、社会から取り残されている感覚や、自己評価の低下も顕著になります。「自分はダメな人間だ」「もう社会復帰は無理だ」という思い込みが強化され、さらに行動を阻害する悪循環に陥ります。
昼夜逆転や不規則な生活リズムも、引きこもり期間の特徴です。これにより身体的なコンディションも悪化し、社会復帰がさらに困難に感じられるようになります。
社会復帰への段階的アプローチ
引きこもり状態から仕事復帰を目指すには、焦らず段階的に進めることが重要です。
第一段階:生活リズムの安定化
社会復帰の第一歩は、規則正しい生活リズムを取り戻すことです。
まずは朝決まった時間に起きることから始めましょう。最初は午前中に起きる程度で構いません。徐々に起床時間を早め、最終的には7時から8時頃に起きられるようになることを目指します。
朝起きたら、カーテンを開けて日光を浴びましょう。朝日は体内時計をリセットし、生活リズムを整える効果があります。また、簡単な朝食を取ることも、一日のリズムを作る上で重要です。
夜は決まった時間に就寝するよう心がけます。就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、リラックスできる環境を作りましょう。
第二段階:外出への慣れ
生活リズムが安定してきたら、少しずつ外出に慣れていきます。
最初は家の周りを散歩するだけで十分です。5分、10分と短い時間から始め、徐々に距離や時間を延ばしていきます。人が少ない早朝や夜間から始めて、徐々に人がいる時間帯にも外出できるようになることを目指します。
次に、コンビニやスーパーなど、短時間の買い物に挑戦します。最初は緊張するかもしれませんが、繰り返すことで慣れていきます。セルフレジを使えば、人との接触を最小限に抑えられます。
図書館やカフェなど、人がいる場所に一定時間滞在する練習も有効です。何かをする必要はなく、その場にいることに慣れることが目的です。
第三段階:社会との接点を作る
外出に慣れてきたら、社会との接点を少しずつ増やしていきます。
地域のコミュニティセンターや市民講座に参加することは、人との関わりを持つ良い機会になります。趣味の講座やスポーツ教室など、興味のある分野を選べば、楽しみながら社会性を取り戻せます。
ボランティア活動も選択肢の一つです。週1回、数時間程度の軽いボランティアから始めることで、社会貢献の実感を得ながら、人と協力する経験を積めます。
就労準備支援プログラムの利用も検討しましょう。後述する支援機関では、段階的に就労準備を進めるプログラムを提供しています。
第四段階:就労訓練
社会との接点が持てるようになったら、就労に向けた訓練を始めます。
就労移行支援事業所では、ビジネスマナー、パソコンスキル、コミュニケーションスキルなどを学びながら、実際の就労に向けた準備ができます。企業実習の機会もあり、段階的に就労環境に慣れていけます。
職業訓練校では、資格取得や専門スキルの習得ができます。新しいスキルを身につけることで、自信を取り戻すきっかけにもなります。
短期アルバイトから始めることも有効です。週1日、1日数時間といった短時間から始め、徐々に時間を増やしていく方法です。
利用できる支援制度とサービス
引きこもり状態からの社会復帰には、様々な支援制度やサービスが利用できます。
ひきこもり地域支援センター
各都道府県に設置されている専門的な相談窓口です。引きこもりに関する相談を受け付け、適切な支援機関への橋渡しを行います。本人だけでなく、家族からの相談も受け付けています。
電話相談、メール相談、訪問支援など、様々な形での支援を提供しており、まずはここに相談することから始めるのも良いでしょう。
地域若者サポートステーション(サポステ)
15歳から49歳までの働くことに悩みを抱える若者を対象とした支援機関です。キャリアコンサルタントによる個別相談、コミュニケーション訓練、就労体験、職場見学など、多様なプログラムを提供しています。
無料で利用でき、自分のペースで支援を受けられるため、引きこもり状態からの社会復帰に適した支援機関です。
就労移行支援事業所
障害や疾患がある方が一般企業への就職を目指すための訓練施設です。精神障害者保健福祉手帳を持っていれば利用できますが、手帳がなくても診断書があれば利用できる場合もあります。
ビジネススキルの訓練、実習、就職活動のサポート、就職後の定着支援まで、包括的な支援を受けられます。原則2年間利用でき、利用料は所得に応じて決まりますが、多くの場合無料または低額です。
ハローワークの専門窓口
ハローワークには、長期間働いていない方や職業経験が少ない方向けの専門窓口があります。わかものハローワーク、新卒応援ハローワーク、障害者専門窓口など、対象者別の窓口で専門的な支援を受けられます。
職業訓練の紹介、求人情報の提供、履歴書・面接対策など、就職活動全般のサポートを受けられます。
生活困窮者自立支援制度
経済的に困窮している場合は、生活困窮者自立支援制度を利用できます。生活相談、就労準備支援、家計相談、住居確保給付金など、生活全般の支援を受けられます。
市区町村の福祉窓口に相談することで、利用できます。
引きこもり社会人に適した仕事の選び方
社会復帰を目指す際、自分に合った仕事を選ぶことが成功の鍵となります。
段階的に負荷を上げられる仕事
最初から正社員のフルタイム勤務を目指すのではなく、短時間のパートやアルバイトから始めることをお勧めします。週1日から始めて徐々に日数を増やす、1日4時間から始めて徐々に時間を延ばすなど、段階的に負荷を上げられる働き方が理想的です。
派遣社員や契約社員として、期間を区切って働くことも選択肢です。一定期間働いてみて、続けられそうなら契約を更新する形であれば、プレッシャーも軽減されます。
人との接触が少ない仕事
人間関係のストレスが引きこもりの原因だった場合、最初は人との接触が少ない仕事を選ぶことが賢明です。
データ入力、書類整理、在庫管理、商品の検品作業、清掃業務、工場での軽作業など、一人で集中して作業できる仕事は、社会復帰の第一歩として適しています。
在宅ワークも選択肢です。Webライティング、データ入力、プログラミング、デザインなど、在宅でできる仕事であれば、通勤のストレスなく働けます。
ルーティン化された仕事
業務内容が明確で予測可能な仕事は、不安を軽減します。毎日同じ作業を繰り返す仕事であれば、慣れることで自信もついていきます。
図書館スタッフ、倉庫作業、事務補助、コピー・印刷業務、メールチェックや簡単な返信など、決まった手順で進められる仕事が適しています。
柔軟な勤務形態の仕事
体調の波がある場合、柔軟な勤務形態の仕事を選ぶことが重要です。シフト制で希望を出せる、休みが取りやすい、在宅勤務が可能、フレックスタイムが使えるなどの条件があると、無理なく働き続けられます。
理解のある職場環境
可能であれば、メンタルヘルスへの理解がある職場を選ぶことが理想的です。障害者雇用枠での就職は、配慮を受けながら働けるメリットがあります。
就労移行支援事業所経由で就職する場合、事業所が企業との間に入ってくれるため、必要な配慮を伝えやすく、定着支援も受けられます。
就職活動のポイント
空白期間の説明
履歴書の空白期間については、正直に説明することが基本です。ただし、詳細すぎる説明は不要です。
「体調不良により療養しておりました。現在は回復し、主治医からも就労可能との診断を受けています」といった説明で十分です。前向きに回復に取り組んできたこと、今は働く準備ができていることを伝えましょう。
自己PRの作り方
過去の社会人経験は貴重な財産です。引きこもり期間があっても、それ以前に培ったスキルや経験は消えません。
過去の仕事で得たスキル、成果、学んだことを具体的に伝えましょう。また、引きこもり期間に独学で学んだことや、資格取得の努力なども評価されます。
障害者雇用の活用
精神障害者保健福祉手帳を取得することで、障害者雇用枠での就職が可能になります。配慮された環境で働けること、企業側も受け入れ体制を整えていることがメリットです。
手帳取得には抵抗がある方もいるかもしれませんが、就労の選択肢を広げる一つの手段として、検討する価値はあります。
まとめ
引きこもり状態にある社会人が仕事復帰を目指すことは、決して不可能ではありません。焦らず段階的に準備を進め、利用できる支援を活用し、自分に合った働き方を見つけることで、多くの方が社会復帰を果たしています。
最も重要なのは、完璧を目指さないことです。最初から以前と同じように働ける必要はありません。短時間から始める、負荷の少ない仕事を選ぶ、支援を受けながら進めるなど、無理のない方法で一歩ずつ進んでいきましょう。
一人で抱え込まず、支援機関や専門家の力を借りることも大切です。あなたが社会復帰を果たし、自分らしく働けるようになることを心から願っています。

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