「就労継続支援B型の見学に行くことになったけど、何を準備すればいい?」「当日はどんな流れ?」「何を聞けばいい?」初めての見学は不安でいっぱいです。本記事では、就労継続支援B型の見学当日の具体的な流れ、事前準備、持ち物、見るべきポイント、質問すべきこと、そして見学後の判断基準まで、詳しく解説します。
就労継続支援B型とは(簡単なおさらい)
見学の流れに入る前に、簡単におさらいします。
就労継続支援B型の基本
- 雇用契約なしで働く福祉サービス
- 自分のペースで通える(週1日、1日数時間からOK)
- 工賃をもらえる(平均月16,000円程度)
- 障害者手帳がなくても利用可能(医師の意見書などで可)
- 利用期間の制限なし
どんな人が利用するか
- 精神障害(うつ病、統合失調症、双極性障害、発達障害など)
- 知的障害
- 身体障害
- 難病
- 一般就労が難しい、または準備段階の人
見学前の準備
見学をより有意義にするための事前準備です。
1. 見学の予約
電話またはメールで予約
ほとんどの事業所は、事前予約制です。
電話の場合 「就労継続支援B型の見学をしたいのですが、可能でしょうか?」 「初めてなのですが、見学させていただけますか?」
メールの場合 件名 「見学希望」または「見学の申し込み」 本文 「就労継続支援B型の利用を検討しており、見学させていただきたいです。可能な日時を教えていただけますでしょうか。」
日時の調整
事業所の開所日・時間を確認し、都合の良い日時を調整します。
複数の事業所を見学する場合は、スケジュールを組みます。
同伴者の確認
家族や支援者と一緒に見学したい場合は、予約時に伝えます。
「家族も同伴したいのですが、可能でしょうか?」
2. 事前に調べておく
事業所の基本情報
ホームページやパンフレットで、以下を確認します。
- 事業所名、所在地
- 作業内容(どんな仕事をしているか)
- 定員、利用者数
- 開所日・時間
- 工賃の目安
- 送迎の有無
- 雰囲気(写真があれば見る)
自分の希望を整理する
- どんな作業がしたいか(または避けたいか)
- 週何日、1日何時間くらい通いたいか
- 重視するポイント(雰囲気、作業内容、工賃、送迎など)
- 不安なこと、気になること
メモに書き出しておくと、見学時に聞き漏らしません。
3. 持ち物の準備
必須の持ち物
- メモ帳と筆記用具 説明を記録するため
- 質問リスト 聞きたいことをメモしておく
- スマートフォン 地図アプリ、連絡用
- 財布 交通費など
あると良い持ち物
- 障害者手帳(持っている場合) 提示を求められることがある
- 受給者証(既に持っている場合)
- 診断書や意見書のコピー(相談支援事業所から渡されている場合)
- 履歴書や職務経歴書(事業所によっては後日提出を求められることがあるため、念のため)
- 水筒・飲み物 緊張すると喉が渇くため
- ハンカチ・ティッシュ
- 常備薬(服用している場合)
4. 服装
基本的な考え方
見学は面接ではないので、スーツなどフォーマルな服装は不要です。
ただし、あまりにもラフすぎる服装は避けます。
推奨される服装
- 清潔感のある服装 シャツ、ブラウス、チノパン、ジーンズ(きれいめ)など
- 動きやすい服装 作業体験がある場合もあるため
- 季節に合った服装 暑さ・寒さ対策
- 歩きやすい靴 スニーカーやフラットシューズ
避けたい服装
- 汚れた服、破れた服
- あまりにもカジュアル(パジャマのような服、サンダル)
- 派手すぎる服装
5. 体調管理
前日
- 十分な睡眠を取る
- アルコールは控える
- 緊張するかもしれませんが、「見学は気軽に行って良い」と自分に言い聞かせる
当日
- 朝食を食べる
- 必要な薬を飲む
- 時間に余裕を持って出発する
6. 緊張への対処
緊張は自然なこと
初めての場所、初めての人に会うのは誰でも緊張します。
「緊張してもOK」と自分に許可を与えます。
リラックス法
- 深呼吸(4秒吸って、7秒止めて、8秒吐く)
- 「大丈夫」「見学は気軽に行って良い」と自分に言い聞かせる
- 家族や友人に「行ってきます」とメッセージを送る
同伴者がいると安心
家族や相談支援専門員などに同伴してもらうことで、緊張が和らぎます。
見学当日の流れ(一般的なパターン)
事業所によって多少異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。
1. 到着・受付(5〜10分)
到着時間
予約時刻の5〜10分前に到着するのが理想です。
早すぎても遅すぎてもNG。
受付
「〇時に見学の予約をしている△△です」と伝えます。
スタッフが出迎えてくれます。
待機
待合スペースや面談室に案内され、少し待つことがあります。
この間に、周囲の雰囲気を観察します。
2. 挨拶・自己紹介(5〜10分)
スタッフからの挨拶
担当スタッフが自己紹介します。
名前、役職などを覚える必要はありませんが、メモしておくと良いです。
自分の自己紹介
簡単な自己紹介を求められることがあります。
例 「△△と申します。〇〇障害があり、就労継続支援B型の利用を考えています。今日はよろしくお願いします。」
詳しい病歴や職歴を話す必要はありません。
リラックスした雰囲気
ほとんどの事業所は、緊張をほぐすために、和やかな雰囲気で迎えてくれます。
3. 事業所の説明(15〜30分)
事業所の概要
- 設立年、運営母体
- 理念、方針
- 定員、現在の利用者数
- 男女比、年齢層
- 障害種別の割合
作業内容の説明
どんな作業をしているか、詳しく説明されます。
- 作業の種類(軽作業、清掃、農作業、PC作業、カフェ運営など)
- 作業の難易度
- 自分に合った作業を選べるか
- 新しい作業の導入予定
利用の流れ
- 利用開始までの手続き
- 通所頻度、時間(週何日、1日何時間から可能か)
- 送迎の有無、範囲
- 昼食の提供(有料/無料)
- プログラム(作業以外の活動、イベント、訓練など)
工賃について
- 平均工賃(月額、時給換算)
- 工賃の支払い方法(現金、振込)
- 工賃の決め方(出席日数、作業量、能力など)
スタッフ体制
- スタッフの人数、資格(社会福祉士、精神保健福祉士、作業療法士など)
- サポート体制(個別支援計画、面談の頻度)
質問を受け付ける
この段階で、質問を促されることが多いです。
分からないことがあれば、遠慮せず質問します。
4. 施設見学(20〜40分)
作業スペースの見学
実際に作業が行われている場所を見学します。
- 作業の様子
- 利用者の雰囲気
- 作業環境(明るさ、広さ、清潔さ、騒音など)
- 設備(道具、機械、エアコンなど)
休憩スペース・食事スペース
休憩室、食堂などがあれば見学します。
- 広さ、清潔さ
- 雰囲気(利用者同士の交流があるか)
トイレ
トイレの清潔さは重要なポイントです。
その他の設備
- 相談室
- 更衣室
- ロッカー
- 駐車場
利用者との軽い交流
場合によっては、利用者と軽く挨拶したり、話したりする機会があります。
強制ではないので、無理に話す必要はありません。
5. 質疑応答(10〜20分)
質問タイム
再度、質問の時間が設けられます。
見学を通じて気になったこと、確認したいことを質問します。
(具体的な質問内容は後述)
疑問はすべて解消する
「こんなこと聞いていいのかな?」と遠慮せず、気になることはすべて聞きます。
後で後悔しないよう、この機会を活用します。
6. 体験利用の案内(5〜10分)
体験利用(体験通所)の提案
多くの事業所では、見学後に「体験利用」を勧められます。
体験利用とは、実際に数日間(1日〜1週間程度)通所し、作業を体験することです。
体験利用のメリット
- 実際の雰囲気が分かる
- 自分に合うか確かめられる
- 利用者やスタッフと接する機会
即決する必要はない
「体験してみますか?」と聞かれても、即決する必要はありません。
「他の事業所も見学してから決めたい」 「一度持ち帰って考えたい」
と言っても問題ありません。
7. 今後の流れの説明(5分)
利用開始までの流れ
もし利用を希望する場合の、手続きの流れを説明されます。
- 相談支援事業所への相談
- 受給者証の申請
- 利用契約
- 利用開始
次のステップ
「体験利用を希望する場合は、後日連絡ください」 「他に質問があれば、いつでも連絡ください」
と案内されます。
8. 終了・帰宅(5分)
お礼
「今日はありがとうございました」とお礼を伝えます。
資料の受け取り
パンフレット、事業所案内、連絡先などの資料をもらいます。
次の見学がある場合
複数の事業所を見学する場合は、次の場所へ移動します。
見学時の所要時間
一般的な所要時間
合計 1〜2時間
- 受付・挨拶 5〜10分
- 事業所説明 15〜30分
- 施設見学 20〜40分
- 質疑応答 10〜20分
- 体験案内・今後の流れ 10〜15分
事業所によって異なりますが、1時間〜1時間半が目安です。
質問が多い場合、2時間程度かかることもあります。
時間に余裕を持つ
見学後に予定を入れず、時間に余裕を持つことをお勧めします。
見学後、疲れることもあるため、ゆっくり帰宅できるようにします。
見学で見るべきポイント
見学では、以下のポイントをチェックします。
1. 雰囲気
全体の雰囲気
- 明るいか、暗いか
- 活気があるか、静かか
- 緊張感があるか、リラックスしているか
利用者の表情
- 笑顔があるか
- 楽しそうか、苦しそうか
- 孤立している人がいないか
スタッフの対応
- 優しいか、厳しいか
- 利用者への接し方(尊重しているか、命令口調か)
- 見学者への対応(丁寧か、事務的か)
2. 作業内容
自分にできそうか
- 難易度は適切か
- 興味が持てるか
- 身体的・精神的に負担はないか
多様性
- 複数の作業から選べるか
- 作業の変更は可能か
3. 清潔さ
- 作業スペースは清潔か
- トイレは清潔か
- 整理整頓されているか
4. 設備・環境
- エアコンはあるか
- 照明は適切か
- 騒音レベルは耐えられるか
- バリアフリーか(必要な場合)
5. 人間関係
- 利用者同士の関係は良好か
- いじめやトラブルはなさそうか
- スタッフと利用者の関係は良好か
6. 柔軟性
- 通所頻度・時間の柔軟性
- 体調不良時の対応
- 個別対応の可否
7. 直感
理屈ではなく、「ここは何となく良い」「何となく合わない」という直感も大切です。
見学で質問すべきこと
遠慮せず、以下のことを質問します。
基本的な質問
- 「利用者は何名ですか? 年齢層は?」
- 「どんな障害の方が多いですか?」
- 「週何日、1日何時間から通えますか?」
- 「送迎はありますか? 範囲は?」
- 「工賃はどのくらいですか?」
- 「昼食は提供されますか? 費用は?」
作業について
- 「どんな作業がありますか?」
- 「自分に合った作業を選べますか?」
- 「作業は変更できますか?」
- 「ノルマはありますか?」
- 「研修や訓練はありますか?」
サポート体制について
- 「スタッフは何名ですか? 資格は?」
- 「個別面談はありますか? 頻度は?」
- 「体調不良時の対応は?」
- 「トラブル時の対応は?」
- 「医療機関との連携はありますか?」
雰囲気・人間関係
- 「利用者同士の交流はありますか?」
- 「イベントや行事はありますか?」
- 「一人で黙々と作業することもできますか?」
将来について
- 「一般就労への移行支援はありますか?」
- 「就労移行支援への移行は可能ですか?」
- 「これまでに一般就労に移行した人はいますか?」
不安なこと
- 「人付き合いが苦手なのですが、大丈夫ですか?」
- 「体力に自信がないのですが、無理なく通えますか?」
- 「症状が不安定なのですが、対応してもらえますか?」
自分の不安を正直に伝えることで、事業所側も適切な情報を提供してくれます。
見学後にすること
1. 印象をメモする
帰宅したら、すぐに印象をメモします。
- 良かった点
- 気になった点
- 雰囲気
- スタッフの印象
- 利用者の様子
時間が経つと忘れるため、その日のうちに記録します。
2. 資料を整理する
もらった資料を整理し、他の事業所の資料と比較できるようにします。
3. 家族や支援者と相談する
見学の感想を、家族や相談支援専門員と共有し、意見を聞きます。
4. 他の事業所も見学する
1つだけでなく、複数(2〜3か所)見学することをお勧めします。
比較することで、自分に合った事業所が見えてきます。
5. 体験利用を検討する
気に入った事業所があれば、体験利用を申し込みます。
6. 決められない場合
焦って決める必要はありません。
時間をかけて、じっくり考えます。
判断基準 どの事業所を選ぶか
総合的に判断する
以下の要素を総合的に判断します。
- 雰囲気(最も重要)
- 作業内容(自分に合うか)
- 通いやすさ(距離、送迎)
- 工賃(重視する場合)
- スタッフの対応
- 柔軟性(通所頻度、時間)
- サポート体制
- 将来の展望(一般就労を目指すか)
完璧な事業所はない
すべての条件を満たす完璧な事業所はありません。
「ここだけは譲れない」という優先順位を決めます。
直感を信じる
「ここなら通えそう」という直感も大切です。
合わなければ変更できる
利用を開始しても、合わなければ他の事業所に変更できます。
「一生ここに通わなければならない」わけではないので、気軽に選んで大丈夫です。
まとめ
就労継続支援B型の見学当日の流れは、受付→挨拶・自己紹介→事業所説明→施設見学→質疑応答→体験利用の案内→今後の流れ説明→終了、という流れで、所要時間は1〜2時間です。
事前準備として、予約、事業所の下調べ、持ち物の準備(メモ帳、筆記用具、質問リスト)、清潔感のある服装、体調管理が重要です。
見学では、雰囲気、作業内容、清潔さ、設備、人間関係、柔軟性、直感を確認し、遠慮せず質問します。
見学後は、印象をメモし、資料を整理し、家族や支援者と相談し、複数の事業所を比較して、総合的に判断します。
見学は「気軽に見に行く」という姿勢で大丈夫です。緊張しても、スタッフは優しく対応してくれます。
あなたに合った事業所が見つかることを願っています。一歩を踏み出す勇気を応援しています!

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