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就労継続支援B型に通っているけれど事業所にいると何となく落ち着かない、じっとしていられない、気持ちが安定しない、落ち着ける場所という感じがしないという経験をしている方は多くいます。この記事では、B型で落ち着かないと感じる理由とその対処法について解説します。
落ち着かないとはどういう状態か
B型での活動中に落ち着かないと感じる状態にはいくつかの異なるパターンがあります。
身体的な落ち着かなさとして体がじっとしていられない、足が動く、手が動く、席を立ちたくなるといった体の動きへの衝動がある状態があります。
精神的な落ち着かなさとして気持ちがそわそわする、不安が続く、緊張が解けない、集中できないという状態があります。
環境への馴染めなさとして事業所の雰囲気が自分には合わない感じがする、ここにいていいのかという感覚がある、居場所がないように感じるという状態があります。
これらのパターンが単独または複数重なって落ち着かないという感覚として経験されます。
落ち着かないと感じる主な理由
新しい環境への適応中である
利用を始めたばかりの段階では全ての環境が新しく不慣れな状態への緊張から落ち着かないと感じることは自然な反応です。
人間の脳は新しい環境では警戒状態になりやすく緊張や不安が高まることで落ち着かない感覚が生じます。
利用を始めてから数週間から数か月程度は環境への適応期間として落ち着かない感覚が続くことがあり時間とともに和らいでいくことが多くあります。
感覚の過敏さからくる影響
感覚の過敏さがある方にとって事業所内の騒音、光、においといった感覚的な刺激が過剰に感じられることで落ち着かない状態が生じることがあります。
聴覚の過敏さから他の利用者の声や物音が気になって落ち着けない、視覚の過敏さから照明の明るさや人の動きが気になる、嗅覚の過敏さから事業所内のにおいが辛いといった状況が落ち着かない感覚につながることがあります。
ADHDの特性による多動性や衝動性
ADHDの特性として多動性や衝動性がある方は長時間同じ場所に座り続けることや同じ作業を繰り返すことへの強い苦手意識から落ち着かない状態が生じやすくなります。
じっとしていなければならないというプレッシャーが逆に落ち着かない感覚を強めることがあります。
不安や緊張の持続
視線への不安、失敗への恐怖、他の利用者との関わりへの緊張といった不安や緊張が解けないことで精神的に落ち着かない状態が続くことがあります。
不安や緊張に伴う身体的な反応として体がそわそわする、足が揺れる、手が動くといった身体的な落ち着かなさが生じることがあります。
作業への飽きや刺激不足
単調な作業の繰り返しや刺激が少ない環境から脳が適切な刺激を求めてそわそわする状態になることがあります。
特にADHDの特性がある方は刺激への欲求が強いため単調な環境では落ち着かない状態が生じやすくなります。
体調や薬の影響
服用している薬の副作用として落ち着かない感覚が生じることがあります。特定の薬によってアカシジアと呼ばれる静座不能という副作用が生じることがあります。
体調が悪い時期や睡眠不足が続いている時期は通常よりも落ち着かない状態になりやすくなります。
躁状態または軽躁状態の影響
双極性障害のある方が躁状態または軽躁状態にある時期は気分が高揚してエネルギーが過剰になることで落ち着かない状態が生じることがあります。
いつもより気分が高い、活動的すぎる、じっとしていられないという状態が続く場合は躁状態の可能性を考えて主治医に相談することが重要です。
落ち着かない状態への即時対処法
体を少し動かす
落ち着かない感覚が強いとき無理にじっとしていようとするよりも許可された範囲で少し体を動かすことが有効です。
席を立って軽く歩く、トイレに行く、伸びをするといった少しの体の動きが落ち着かない感覚を和らげる助けになります。
支援員にしばらく席を外してもいいですかと伝えて短時間立ち上がることを習慣化することが落ち着かない状態への対処として有効です。
作業リズムに乗る
単調に感じていた作業でも一定のリズムを意識することで集中が生まれ落ち着きやすくなることがあります。
作業の動作に一定のリズムを見つける、自分のペースで作業のリズムを整えるといった意識が落ち着かない状態を和らげることがあります。
感覚の刺激を調整する
感覚の過敏さから落ち着かない場合は感覚への刺激を調整することが有効です。
イヤーマフやノイズキャンセリングイヤホンを使用して聴覚的な刺激を減らす、視野を狭めるための仕切りを活用する、好きなにおいのハンドクリームを使って嗅覚的な安心感を得るといった方法が落ち着かない状態を和らげる助けになります。
深呼吸と接地感の確認
落ち着かない感覚が高まったとき深呼吸と合わせて足が床に着いているという感覚に意識を向けるグラウンディングの実践が有効です。
足の裏が床に触れている感覚、椅子に座っている感覚、手の感触といった体の接地感に意識を向けることで精神的な落ち着きが生まれやすくなります。
休憩スペースで気持ちをリセットする
落ち着かない状態が強くなったとき休憩スペースに移動して気持ちをリセットする時間をとることが重要です。
休憩スペースで深呼吸をする、目を閉じて静かにする、好きな飲み物を飲むといった方法で落ち着かない状態をリセットすることが作業への復帰を助けます。
支援員に状態を伝える
落ち着かない状態を一人で我慢するのではなく支援員に今少し落ち着かない状態ですという一言を伝えることが重要です。
支援員が状態を把握することで作業量の調整、休憩の促し、座席の変更といった適切な対応につながることがあります。
事業所への配慮の求め方
落ち着かない状態への配慮として事業所に以下のような対応を求めることができます。
体を動かせる作業の優先配置として座り仕事だけでなく立ったまま作業できる環境や体を動かす作業を優先的に担当させてもらうことを求めることが有効です。
定期的な休憩の確保として一定時間ごとに短い休憩を取ることができる環境を整えてもらうことを求めることが重要です。一時間に一回程度の休憩を認めてもらうだけで落ち着かない状態が大きく改善することがあります。
感覚への配慮として騒音への対策、照明の調整、においへの配慮といった感覚的な刺激を軽減するための環境調整を求めることが感覚の過敏さから生じる落ち着かない状態への対処として有効です。
作業内容の変化として単調な作業の繰り返しが落ち着かない状態を生んでいる場合は複数の種類の作業を組み合わせてもらうことや難易度の違う作業を交互に担当することを求めることが有効です。
立ち作業や体を動かす作業の機会として体を動かすことへの欲求が強い方には配送、清掃、農業、食品加工といった体を動かす作業を多く担当させてもらうことを求めることが落ち着かない状態の軽減につながります。
薬の副作用が疑われる場合の対処
服用している薬の副作用としてアカシジアと呼ばれる静座不能症状が生じている可能性がある場合は速やかに主治医に相談することが重要です。
アカシジアは抗精神病薬等の副作用として生じることがあり体を動かさずにはいられない強い不快感として現れます。薬の調整によって改善することが多いため自己判断で薬をやめるのではなく主治医への相談が最優先です。
B型に通いながら落ち着かない状態が続いている場合は次回の通院時に主治医にその旨を伝えることが重要です。
落ち着かない状態と向き合う長期的なアプローチ
落ち着かない状態は一度で完全に解消されるものではなく長期的に向き合い続けるプロセスが必要なことがあります。
落ち着かない状態が生じやすいパターンを把握することが長期的な対処に役立ちます。どんな時間帯に、どんな状況で、どんな作業のときに落ち着かなくなりやすいかを記録することでパターンへの気づきが生まれます。
落ち着いていられた場面や時間を見つけて何が助けになったかを振り返ることが有効な対処法の特定につながります。
落ち着かない状態を完全になくそうとするのではなく落ち着かない状態でも活動を続けられる範囲を少しずつ広げていくという視点が長期的な回復において重要です。
事業所が合っていない可能性の検討
落ち着かない状態が長期間続いており対処を試みても改善しない場合は現在の事業所の環境そのものが自分の特性に合っていない可能性を検討することが重要です。
騒がしくて落ち着けない場合はより静かな環境の事業所を探すことが根本的な解決策になることがあります。
作業内容が自分に合っていなくて落ち着かない場合は体を動かす作業が多い事業所や自分の興味に合った作業ができる事業所への変更が有効なことがあります。
相談支援専門員に落ち着かない状態が続いている状況を伝えて現在の事業所が自分に合っているかどうかについてのアドバイスをもらうことが重要です。
まとめ
就労継続支援B型で落ち着かない状態が生じる理由は新しい環境への適応中、感覚の過敏さ、ADHDの特性、不安や緊張の持続、作業への飽きや刺激不足、体調や薬の影響、躁状態の影響といった様々なものがあります。
体を少し動かす、感覚の刺激を調整する、深呼吸とグラウンディング、休憩スペースでのリセット、支援員への状態の共有といった即時対処と合わせて体を動かせる作業の確保、定期的な休憩の設定、感覚への配慮といった事業所への配慮の要請を組み合わせることが重要です。
薬の副作用が疑われる場合は速やかに主治医に相談することが最優先です。落ち着かない状態を一人で抱え込まず支援員や専門家に伝えながら自分に合った対処を見つけていくことがB型での活動を続けるうえで大切です。


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