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就労継続支援B型に通っているけれど毎日同じ作業の繰り返しで飽きてしまう、やる気が出なくなってきた、作業が単調すぎてつらいという経験をしている方は多くいます。
この記事では、B型での作業に飽きてしまう理由とその対処法について解説します。
B型で作業に飽きてしまうのはなぜか
就労継続支援B型では封入作業、シール貼り、データ入力、清掃といった繰り返しの作業が中心となることが多くあります。こうした単調な作業が続くことで飽きを感じてしまうことは自然な反応です。
飽きを感じる背景には様々な理由があります。
作業内容そのものの問題として同じ作業の繰り返しで刺激が少ない、自分の得意なことや興味のある分野と作業内容が合っていない、作業の意味や目的が感じられない、達成感が得にくい作業内容であるといったものが挙げられます。
自分の特性との関係として新しい刺激を求めやすいADHDの特性から単調な作業への集中が難しい、興味の範囲が限られているASDの特性から特定の作業には強い関心があるが他の作業には全く関心が持てないといったものが挙げられます。
状態の変化として回復が進んできて現在の作業では物足りなくなってきた、より挑戦的なことに取り組みたいという意欲が生まれてきたといったものが挙げられます。
作業に飽きることへの基本的な向き合い方
飽きを感じることは自然なことと受け止める
毎日同じ作業を繰り返すことに飽きを感じることは誰にとっても自然な反応です。
飽きを感じる自分をダメだ、やる気がないと責めることは問題の解決につながりません。
飽きを感じているという事実をそのまま認めたうえでどのように対処するかを考えることが建設的なアプローチです。
飽きのサインを前向きに捉える
作業への飽きは回復が進んできているサインである場合があります。
最初は作業に参加すること自体が精一杯だった状態から単調な作業に物足りなさを感じるようになったということは体調と意欲が回復してきている証拠である可能性があります。
この飽きを次のステップへの準備段階として前向きに捉えることが重要です。
作業への飽きを和らげるための工夫
自分なりの目標や課題を設定する
同じ作業であっても自分なりの小さな目標を設定することで作業への関わり方が変わることがあります。
昨日より少し早くできるか試してみる、ミスをゼロにすることを目標にする、一定時間集中し続けることを目標にするといった自分なりの課題設定が作業への新鮮な関わりをつくり出すことがあります。
目標を達成したときに自分で小さな達成感を意識することが継続の動機になります。
作業中の意識の置き方を変える
単調な作業であっても意識の置き方を変えることで体験の質が変わることがあります。
作業の動きに意識を向けるマインドフルネス的なアプローチとして一つひとつの動作を丁寧に感じながら行うという意識が単調な作業への新たな関わり方をつくり出すことがあります。
作業の速さやリズムを意識する、作業の精度に集中するといった意識の置き方が飽きを軽減する助けになることがあります。
好きな音楽を聴きながら作業する
事業所によって異なりますがイヤホンで音楽を聴きながら作業することが許可されている場合があります。
好きな音楽を聴きながら作業することが単調な作業への飽きを和らげる効果があることがあります。
音楽以外にもラジオやポッドキャスト等を聴きながら作業できる場合があります。事業所のルールを確認したうえで活用することをおすすめします。
作業の合間に小さな楽しみをつくる
一定量の作業を終えたら休憩する、お気に入りの飲み物を準備する、作業の区切りに小さなご褒美を設定するといった小さな楽しみを作業のリズムに組み込むことが飽きを和らげる助けになります。
作業と休憩のメリハリをつくることで単調な作業への継続がしやすくなります。
他の利用者や支援員とのコミュニケーションを楽しむ
作業そのもの以外の楽しみとして他の利用者や支援員とのコミュニケーションを大切にすることが飽きへの対処になることがあります。
休憩時間に他の利用者と話す、支援員に今日あったことを話す、事業所の行事や活動に積極的に参加するといった関わりが事業所に通うことへの楽しみをつくり出します。
事業所への働きかけで対処する方法
支援員に正直に伝える
作業に飽きを感じていることを支援員に正直に伝えることが重要です。
飽きを感じていることを伝えることで作業内容の変更、新しい作業への挑戦、担当する工程の変化といった対応をしてもらえる可能性があります。
同じ作業の繰り返しで少し飽きてきています、別の作業を試してみることはできますか、もう少し難しい作業に挑戦してみたいのですがといった具体的な言葉で伝えることが効果的です。
作業内容の変更や新しい作業への挑戦を求める
現在担当している作業以外の新しい作業を試したいという希望を支援員に伝えることができます。
事業所で行われている他の作業を体験させてもらう、担当する工程を変えてもらうといった変化が飽きへの対処になることがあります。
新しい作業に取り組むことは新鮮な刺激と達成感をもたらし飽きへの対処だけでなくスキルの幅を広げることにもつながります。
難易度の高い作業への挑戦を求める
回復が進んできて現在の作業では物足りなくなってきた場合より難しい作業への挑戦を求めることが有効です。
より高い精度が求められる作業、複数の工程を担当する作業、判断力が必要な作業といった難易度の高い作業への挑戦が意欲の回復につながることがあります。
役割の拡大を求める
長く通所している方や作業に習熟してきた方は事業所内での役割の拡大を求めることも選択肢のひとつです。
新しく来た利用者へのサポート役を担う、作業の管理や確認を任せてもらう、事業所の活動の企画に参加するといった役割の拡大が事業所への関わりに新たな意味をもたらすことがあります。
活動の多様化を求める
作業だけでなく事業所内でのレクリエーション活動、外出活動、学習の機会といった多様な活動への参加機会を求めることが飽きへの対処になることがあります。
事業所によっては料理、農業体験、地域のイベントへの参加、パソコン学習、ヨガや体操といった多様なプログラムを提供しているところもあります。
作業以外の活動への参加が事業所に通うことへの楽しみをつくり出すことがあります。
飽きが次のステップへのサインである場合
作業への飽きが回復の進みを示しているサインである場合はB型での活動を振り返りながら次のステップを検討することが重要です。
就労移行支援への移行
一般就労を目指す意欲が生まれてきている場合は就労移行支援事業所への移行を検討することが選択肢のひとつです。
就労移行支援では一般就労に向けたスキルトレーニングと就職活動のサポートを受けることができます。
就労継続支援A型への移行
雇用契約のもとで最低賃金以上の賃金を受け取りながら働く就労継続支援A型への移行も選択肢のひとつです。
B型よりも就労に近い環境での作業経験を積むことができます。
一般就労への挑戦
障害者雇用枠を活用した一般就労への挑戦も選択肢として検討できる段階になっていることがあります。
B型での活動を通じて積み上げてきた経験とスキルを活かした就職活動を始めることができます。
次のステップへの移行については主治医や相談支援専門員と相談しながら慎重に判断することが重要です。
体調の安定と本人の意向を最優先にしながら無理のないペースで進めることが大切です。
作業への飽きとうつ症状の区別
作業への飽きと抑うつ症状による意欲の低下は似ているようで異なる状態です。
作業への飽きの場合は特定の作業に対して刺激が少ないと感じる、新しいことに挑戦したいという意欲がある、事業所への通所自体は続けられているといった状態が見られます。
抑うつ症状による意欲の低下の場合は全てのことへの興味と喜びが失われている、以前は楽しめていたことも楽しめなくなった、事業所への通所自体も困難になってきたといった状態が見られます。
抑うつ症状が疑われる場合は作業への飽きの対処よりも主治医への相談を優先することが重要です。
まとめ
就労継続支援B型での作業への飽きは単調な作業の繰り返し、自分の特性との不一致、回復が進んできたことのサインといった様々な要因から生じます。
自分なりの目標設定、意識の置き方の変化、好きな音楽を聴きながらの作業といった自分でできる工夫と、支援員への相談、作業内容の変更、難易度の高い作業への挑戦といった事業所への働きかけを組み合わせることが飽きへの対処として有効です。
飽きを感じることが次のステップへのサインである場合は就労移行支援やA型、一般就労への移行を検討することも大切です。
作業への飽きを放置せずに支援員に正直に伝えて自分に合った活動の形を一緒に探していくことがB型を長く充実して活用するうえで重要です。


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