営業代行の導入を検討する中で、「成果報酬型がおすすめ」という情報を目にされる方も多いのではないでしょうか。
成果報酬型営業代行は成功すれば大きなメリットがありますが、導入にあたっていくつか注意する点があります。
本記事では成果報酬型営業代行を徹底解説、よくある失敗事例とその対策も紹介します。
本記事を読めば成果報酬型営業代行のメリット・デメリットを理解した上で、自社にとって最適な選択ができるようになるでしょう。
成果報酬型の営業代行とは?
最適な依頼先を見つけるために、成果報酬型の営業代行について確認しておきましょう。
成果報酬型営業代行の仕組み
営業代行とは、個人や企業の営業活動を外部に委託することです。
その中でも成果報酬型の営業代行では、営業代行会社との間であらかじめ達成したい目標(成果)を取り決めます。
そして成果に到達した分の報酬を支払う料金体系です。
そのほかの料金体系については、「成果報酬型以外の営業代行料金体系」で詳しく解説します。
依頼できる業務内容
営業代行依頼できる業務は次のとおりです。
- 新規顧客の開拓
- 既存顧客フォロー
- インサイドセールス など
さらにオプションとして、以下のような業務に対応している会社も多数あります。
- ターゲット顧客のリサーチ
- 営業戦略の策定
- 商談代行
- クロージング など
自社に必要なサービスに対応している会社を選ぶことで、自社に不足している業務を補えるでしょう。
完全成果報酬型との違い
成果報酬型と近いもので、「完全成果報酬型」の営業代行があります。
成果報酬型と記載されていても、成果報酬だけでなく一定の固定費などが発生するケースもあります。
しかし完全成果報酬型の営業代行では、固定費は設定されておらず成果が出なければ報酬は一切発生しません。
成果につながった分のみ報酬を支払えばいいため、初期費用を抑えたい方、成果がでないリスクを抑えたい方は完全成果報酬型の営業代行を選択するのがおすすめです。
成果報酬型の営業代行へ依頼するメリット
成果報酬型営業代行へ依頼するメリットを3つ紹介します。
営業コストの削減
成果報酬型の営業代行では、設定した成果を出さない限り、報酬を支払う必要がありません。
成果がなくても費用が発生してしまう固定報酬型と比較し、費用が無駄になるケースが少ないといえます。
また営業活動に必要な人材・ツール・業務を外部委託することで、自社で営業にかかるリソースを保有・維持するコストを削減できます。
新規顧客開拓のスピードアップ
専門知識やノウハウを持つ営業のプロによる、効率的な新規顧客開拓で迅速に商談まですすめるのが魅力のひとつです。
ターゲット顧客の選定、アプローチ方法の最適化、効果的な営業戦略の立案など、専門的な知識と経験に基づいて営業活動を行うため、素早く成果があらわれます。
独自の顧客リストやネットワークを持っているケースもあり、自社だけではリーチできない層へのアプローチにも期待できます。
社内の営業担当者は営業にかかる時間や手間を減らし、商談や提案など他の業務に集中できるでしょう。
成果へのコミットメント
報酬が成果に連動するため、成果へのコミットメントが強い傾向があります。
成果が発生しないと営業代行会社へ報酬は支払われないため、営業代行会社は顧客の目標達成に向けてより積極的に活動します。
成果や結果が出ないなどのリスクも抑えられるでしょう。
成果報酬型営業代行のデメリット
メリットが大きいように見える成果報酬型ですが、デメリットについても理解し利用を検討することが重要です。
成果の質が低い可能性がある
成果がなければ報酬が支払われない性質上、成果を求めるあまり質の低い顧客を獲得してしまう営業代行も存在します。
たとえばアポイント獲得数を成果指標とする場合、顧客のニーズや興味を十分に確認せずにアポイントを取るケースもあるでしょう。
質の低い成果は成約につながらないばかりか、顧客満足度を低下させ企業のブランドイメージを損なう危険性があります。
報酬が高額になりやすい
成果報酬型の営業代行は一見、費用対効果が高いように思えます。
しかし、結果的に報酬が高額になることも少なくありません。
高い成果目標を設定している場合、報酬額が高額になるためです。
成果目標や支払い条件をしっかりと確認し、固定報酬型やほかの営業方法も視野に入れ比較検討することが重要です。
商材との相性がある
成約までに時間がかかるような商材は、成果報酬型の営業代行とは相性が悪いといえます。
たとえば高額な商材や専門性の高い商材は、顧客との信頼関係を構築し丁寧な説明をすることでその魅力を伝えられることが多く、成約までに時間がかかります。
そのような商材は成果報酬型の場合、値段設定が高いことがほとんどです。
また成果報酬型営業代行の中には、時間や手間がかかる商材ではなく売りやすい商材をすすめるような会社も存在します。
商材によっては、成果報酬型ではなく固定報酬型が適している場合もあるため、自社の商材に最適な方法を検討しましょう。
成果報酬以外の費用発生の可能性
成果報酬とうたっていても、成果報酬以外に次のような費用が発生するケースもあります。
- 初期費用
- リスト作成費用
- 営業ツール利用料 など
費用に関しては、契約内容や営業代行会社によって大きく異なります。
複数社から見積もりをとり、費用項目や金額について明確に確認することが重要です。
自社の営業が育たない
成果報酬型営業代行に頼りすぎると、自社の営業担当者や営業体制が育たない恐れがあります。
こまめに情報共有してくれる営業代行会社を選ばないと、営業のノウハウや顧客情報が社内に蓄積されにくいでしょう。
営業代行に頼りきりになると、長期的な視点で見て自社の営業力低下につながるでしょう。
営業代行を利用する場合も、自社の営業担当者は連携をとり密な情報共有がポイントです。
成果報酬型営業代行と相性がいい企業
次のような企業は、営業代行を依頼する場合、成果報酬型を選択すると効果が高い傾向があります。
- 魅力を伝えやすい商材を扱っている
- 新規事業立ち上げなど初期費用を抑えたい
- 営業のリソースが限られている
- 新規顧客開拓に苦戦している企業 など
魅力が伝わりやすく、顧客の興味をひきやすい商材は、どのような営業代行会社を選んでも比較的高い成約率が期待できます。
新規事業立ち上げのタイミングや、営業のリソースが限られている場合は、初期費用や固定費を抑えつつ、営業代行を利用できるためおすすめです。
売上げのめどが立っていない、新規顧客獲得に苦戦している場合も、成果報酬型であれば無駄なコストが発生しません。
成果報酬型以外の営業代行料金体系
種類 | 概要 | メリット | デメリット |
固定報酬型 | 月単位などで固定の金額を支払う | 費用管理がしやすい 付随する業務も依頼しやすい | 成果にかかわらず費用が発生 |
複合型 | 固定報酬型と成果報酬型を組み合わせた形式 | 1件の成果に対する報酬が低く設定されている |
|
成果報酬型 | 成果達成時に支払いが生じる | 費用対効果が高い |
|
固定報酬型は月額などで契約する形式で、どれだけ成果がでても費用は固定のため長期的な利用に向いています。
複合型は、固定報酬と成果報酬を組み合わせており、本来の固定報酬・成果報酬で設定されている金額よりも低く設定されています。
安定的な営業活動もおこないつつ、成果も取りたい場合におすすめです。
一般的な費用相場は次の通りです。
- 固定報酬型:50万円~70万円/月
- 複合型:(固定部分)10万円~50万円/月+成果報酬
- 成果報酬型:1.5万円~5万円/1アポイント、売上げの30%~50%/1成約
費用は商材によって変動しますので、複数社から一度見積もりをとりましょう。
営業代行会社のチェックポイント
営業代行会社のチェックポイントを紹介します。
- 対応可能な業務範囲
- 得意な営業方法(電話・訪問・メールなど)
- 得意な業種や商材
- 料金体系と費用
- 実績や成功事例
- 口コミ
- 研修制度
- サポート体制
- 担当者の対応
自社に必要な業務や求めている営業方法に対応しているかをチェックしましょう。
また営業代行会社ごとに得意な業種や商材が異なるため、実績や成功事例を合わせて確認します。
契約する場合は長期的な付き合いになるため、実際に営業代行会社の担当者とやりとりする中で、相性や提案がわかりやすいかといった点は必ず確認しましょう。
成果報酬型営業代行でよくある失敗事例と対策
成果報酬型営業代行を有効活用するためには、成果報酬型営業代行の失敗事例とその対策も知っておく必要があります。
ここからはよくある失敗事例を5つ紹介します。
事例1.成果の質に関わらず報酬が発生
事例:成果報酬の対象となる定義があいまいであったため、トラブルに発展
対策:成果の定義は具体的かつ客観的な数値指標で定める
「アポイント獲得」という成果で、営業代行会社が成果獲得に急いでしまい成約につながらないアポイントばかり増えてしまったケースです。
成果にはアポイント数、成約数、商談数などがあります。
成果の難易度が低い(アポ獲得など)と効果にばらつきがありますが、料金は比較的安価で設定されています。
成果の難易度が高い(商談数、成約数など)と効果が高くなりやすい分、料金は高額です。
成果の要件をどう定義するかで、効果にも大きく影響しますので慎重に決めましょう。
事例2.営業代行に依存して費用が高額に
事例:成果報酬型の営業代行に依頼し続け、結果的に費用が高額になってしまった
対策:成果報酬型営業代行は一時的な補填と考えて利用する
成果報酬型の営業代行は、長期的に見ると高額になりやすい傾向があります。
営業代行はあくまで営業活動の一部を外部に委託する手段であり、すべての営業活動で依存するのはおすすめしません。
長期的に利用する場合は、固定報酬型の営業代行を選ぶ方が費用を抑えられる可能性があります。
成果報酬型の営業代行は、一時的な課題解決や特定の領域を強化したい場合に活用し、長期的な視点では自社の営業力を高めることを目指しましょう。
事例3.分野が違う営業代行に依頼していた
事例:営業代行会社がターゲット顧客を誤って認識、見込み客ではない顧客にアプローチしてしまった
対策:自社の商材やターゲット顧客に合った営業代行会社を選ぶ
特定の業界に強みを持つ会社や、特定の営業手法に特化した会社なども存在します。
契約前に、過去の成功事例や得意分野について詳しくヒアリングしましょう。
可能であれば、同業他社の事例を紹介してもらったり、担当者の経験やスキルも確認したりしておきましょう。
事例4.コミュニケーション不足で評価が下がった
事例:営業代行会社の対応に課題が判明したが、対応が遅れ顧客からの評価が下がった
対策:現場で判明した課題のフィードバック、改善に取り組む
営業代行は即効性がある一方で、営業のPDCAサイクルが回せない懸念があります。
アポ獲得のみ営業代行に任せている場合も、商談でのフィードバックを営業代行に共有し、課題について改善していくことでさらに効果が期待できます。
外注として丸投げするよりも、パートナーとして営業代行会社の担当者と良好な関係を築き、協力体制を構築することが重要です。
まとめ
成果報酬型の営業代行は、次のケースに向いています。
- 早く成果につなげたい
- 迅速に新規顧客を獲限られた予算内で手得したい
- 一時的に利用したい など
次のようなケースでは、固定報酬型や複合型の営業代行を選ぶのがおすすめです。
- 営業の戦略立案・実行を依頼したい
- 自社の営業体制を底上げしたい
- 安定的に新規顧客獲得の仕組みを作りたい など
本記事で紹介した、営業代行の選び方や失敗事例を参考に、効果的な営業代行活用に役立ててください。
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