就労継続支援B型 パソコン不要 PC作業以外の選択肢と多様な働き方

はじめに:「パソコンができないと利用できないのか」という不安

就労継続支援B型事業所の利用を検討している方の中には、「パソコンができないと利用できないのではないか」「PC作業が苦手だけど大丈夫か」「パソコンスキルがないから断られるのではないか」という不安を抱えている方が少なくありません。

現代社会では、多くの仕事でパソコンが使われており、「働く=パソコンを使う」というイメージが強くなっています。そのため、「パソコンができない自分は、B型でも受け入れてもらえないのではないか」「時代遅れで役に立たないのではないか」と心配する方もいます。特に、高齢の方、長期間社会から離れていた方、パソコンに触れたことがない方、視覚障害や手指の障害でパソコン操作が困難な方は、この不安が強いです。

また、B型事業所のホームページや紹介記事で「データ入力」「文書作成」などのPC作業が紹介されていると、「やはりパソコンができないとダメなのか」と諦めてしまう方もいます。実際に見学に行って「PC作業ばかりだった」という経験をして、「自分には無理だ」と感じた方もいるでしょう。

しかし、実際には、B型事業所でパソコンは必須ではありません。むしろ、多くのB型事業所では、パソコンを全く使わない作業が中心であり、「パソコンができない」「やりたくない」という方でも、全く問題なく利用できます。B型事業所の作業内容は非常に多様で、手作業、軽作業、農作業、清掃、製造、接客など、パソコンを使わない仕事がたくさんあります。

本記事では、B型事業所でパソコンが不要な理由、パソコンを使わない作業の種類、パソコン不要の事業所の見つけ方、パソコンが苦手な方へのアドバイス、そして「パソコンを学びたい」場合の選択肢について、詳しく解説していきます。パソコンができない不安を抱えている方、PC作業以外の仕事を探している方、ご家族や支援者の方々にとって、実践的な情報となれば幸いです。

B型事業所でパソコンが不要な理由

まず、なぜB型事業所でパソコンが必須ではないのか、理解しましょう。

1. B型の目的は「多様な人を受け入れること」

能力を問わない B型事業所の目的は、「一般企業での就労が困難な方」を受け入れることです。パソコンスキルの有無は、利用の条件ではありません。

  • 高齢者
  • 知的障害のある方
  • 長期間引きこもっていた方
  • 視覚障害、手指の障害のある方
  • パソコンに触れたことがない方

これらの方々も多く利用しており、パソコンなしで働いています。

2. 作業内容は事業所によって異なる

PC作業は一部 すべてのB型事業所がPC作業をしているわけではありません。むしろ、PC作業を主とする事業所は一部であり、多くの事業所では手作業や軽作業が中心です。

3. 同じ事業所でも複数の作業がある

選択肢がある 一つの事業所で複数の作業を行っている場合、PC作業が苦手な方は、別の作業を選ぶことができます。

例:

  • A作業:データ入力(PC使用)
  • B作業:袋詰め(PC不要)
  • C作業:清掃(PC不要)

「PC作業は苦手なので、B作業かC作業をしたいです」と伝えればOKです。

4. 「パソコンができない」ことは恥ずかしいことではない

個性の一つ パソコンができないことは、恥ずかしいことでも、能力不足でもありません。単に「得意・不得意」の一つです。

パソコンが苦手でも、手作業が得意、体を動かすことが得意、人と話すことが得意など、他の強みがあります。

5. 高齢者や視覚障害者など、物理的に困難な方もいる

配慮が当然 高齢でパソコンに慣れていない方、視覚障害で画面が見えない方、手指の障害でキーボードが打てない方など、物理的にパソコン操作が困難な方もいます。

B型事業所は、こうした方々を受け入れることを前提としており、パソコンを使わない作業が用意されています。

パソコンを使わない作業の種類

B型事業所で、パソコンを使わずにできる作業を紹介します。

1. 軽作業(内職系)

最も一般的 企業から委託された軽作業を行います。

具体例

  • 袋詰め・封入作業
    • 商品を袋に詰める
    • チラシや書類を封筒に入れる
    • DMの封入
  • シール貼り・ラベル貼り
    • 商品にシールを貼る
    • 値札シールを貼る
  • 部品の組み立て
    • ボールペンの組み立て
    • 簡単な電子部品の組み立て
    • おもちゃの組み立て
  • 検品・仕分け
    • 商品の不良品チェック
    • 商品の種類別仕分け
  • 箱折り・梱包
    • 段ボール箱を組み立てる
    • 商品を箱に詰める

特徴:

  • 単純作業が中心
  • 座り作業が多い
  • 細かい手作業
  • パソコン完全不要

2. 清掃作業

体を動かす仕事 施設内や外部の清掃を行います。

具体例

  • 事業所内の清掃
  • 公共施設の清掃(図書館、公園など)
  • オフィスビルの清掃
  • 駐車場の清掃
  • トイレ清掃

特徴:

  • 体を動かす
  • 立ち仕事
  • 達成感がある
  • パソコン完全不要

3. 農作業

自然の中で働く 農園や畑で野菜や花を育てます。

具体例

  • 野菜の栽培(種まき、水やり、収穫)
  • 花の栽培
  • 草取り
  • 土づくり
  • 収穫物の袋詰め

特徴:

  • 屋外作業
  • 季節を感じられる
  • 体を動かす
  • 育てる楽しみ
  • パソコン完全不要

4. 製造・加工

ものづくり 食品や製品を製造します。

具体例

  • 食品製造
    • パン作り
    • クッキー作り
    • 弁当の調理・盛り付け
    • 野菜のカット
  • 製品製造
    • 手工芸品(アクセサリー、雑貨)
    • 木工製品
    • 陶芸
    • 縫製(バッグ、エプロンなど)

特徴:

  • 創造的
  • 完成品が形になる
  • やりがいがある
  • パソコン完全不要

5. リサイクル・分解作業

環境に貢献 不要品を分解・分別します。

具体例

  • 古紙の仕分け
  • 空き缶の分別
  • ペットボトルの分別
  • 家電製品の分解
  • 金属の分別

特徴:

  • 単純作業
  • 環境保護に貢献
  • パソコン完全不要

6. 喫茶・レストラン運営

接客業 事業所が運営する喫茶店やレストランで働きます。

具体例

  • ホール(接客、配膳)
  • キッチン(調理補助、皿洗い)
  • レジ
  • 清掃

特徴:

  • 人と接する
  • 飲食業のスキルが身につく
  • やりがいがある
  • パソコン不要(レジは使うが、PCではない)

7. クリーニング・洗濯

清潔にする仕事 クリーニングや洗濯を行います。

具体例

  • リネンの洗濯
  • アイロンがけ
  • たたみ作業
  • 仕分け

特徴:

  • 丁寧な作業
  • きれいになる達成感
  • パソコン完全不要

8. ポスティング・配達

外回り チラシや新聞を配ります。

具体例

  • チラシのポスティング
  • 新聞配達
  • 郵便物の配達

特徴:

  • 外を歩く
  • 運動になる
  • 一人で作業できる
  • パソコン完全不要

9. 軽運動・レクリエーション

体を動かす 一部の事業所では、軽い運動やレクリエーションも活動に含まれます。

具体例

  • ラジオ体操
  • ウォーキング
  • 軽いスポーツ
  • 手芸

特徴:

  • 楽しい
  • 健康に良い
  • パソコン完全不要

パソコン不要の事業所の見つけ方

パソコンを使わない事業所を見つける方法です。

1. 見学前に電話で確認する

直接聞く 見学の予約をする際、「パソコンを使わない作業はありますか」と直接聞きましょう。

聞き方: 「パソコンが苦手なのですが、パソコンを使わない作業もありますか」 「どんな作業内容がありますか」

2. ホームページで作業内容を確認

事前調査 事業所のホームページに、作業内容が記載されていることがあります。

  • 「軽作業」「清掃」「農作業」などと書かれていれば、パソコン不要
  • 「データ入力」「事務作業」ばかりなら、PC中心の可能性

3. 相談支援専門員に相談

希望を伝える 相談支援専門員に、「パソコンを使わない作業ができる事業所を紹介してほしい」と伝えましょう。

地域の事業所の情報を持っているので、適切な事業所を紹介してくれます。

4. 見学時に実際の作業を見る

自分の目で確認 見学時に、実際にどんな作業をしているか見せてもらいましょう。

  • PC作業をしている人が多いか
  • 手作業をしている人が多いか
  • 自分にできそうな作業があるか

5. 複数の事業所を見学

比較する 一つの事業所だけでなく、複数の事業所を見学して、比較しましょう。

  • A事業所:PC作業中心
  • B事業所:軽作業中心
  • C事業所:農作業中心

自分に合った事業所を選べます。

6. 「高齢者が多い」事業所を探す

PC作業が少ない傾向 高齢の利用者が多い事業所は、パソコンを使わない作業が中心の傾向があります。

7. 作業内容で検索

特化した事業所 「就労継続支援B型 農作業 ○○市」 「就労継続支援B型 清掃 ○○市」

など、作業内容で検索すると、該当する事業所が見つかります。

パソコンが苦手な方へのアドバイス

パソコンが苦手な方が、B型を利用する際のアドバイスです。

1. 正直に伝える

隠さない 「パソコンが苦手です」「使ったことがありません」と正直に伝えましょう。

隠すと、後で困ります。正直に伝えることで、事業所も適切な作業を提案してくれます。

2. 「できない」ではなく「苦手」

柔軟に 「絶対にパソコンは使いたくない」と硬直するのではなく、「苦手だけど、簡単な作業なら挑戦してもいい」という柔軟性を持つのも一つの方法です。

事業所によっては、簡単なPC作業(マウスのクリックだけ、など)から教えてくれることもあります。

3. 他の強みをアピール

できることを伝える パソコンはできなくても、他にできることがあるはずです。

  • 手作業が得意
  • 体を動かすことが得意
  • 丁寧な作業ができる
  • コツコツと続けられる

他の強みをアピールしましょう。

4. 「やってみたい」作業を伝える

希望を言う 「清掃作業がやりたい」「農作業がやりたい」など、具体的な希望を伝えましょう。

5. 体験利用で確認

実際にやってみる 見学だけでなく、体験利用で実際に作業をしてみることで、「自分にできるか」「パソコンなしで大丈夫か」確認できます。

6. スマホが使えればOK

スマホ≠パソコン 「スマホは使えるけど、パソコンは使えない」という方も多いです。それで全く問題ありません。

スマホが使えることは、パソコンスキルとは別物です。

7. 年齢は関係ない

高齢でもOK 「高齢だからパソコンができなくて当然」と思う必要はありませんが、逆に「高齢だからパソコンを学ばなければ」と無理する必要もありません。

高齢の方でも、パソコンなしでB型を利用している方はたくさんいます。

「パソコンを学びたい」場合の選択肢

逆に、「パソコンが苦手だけど、学びたい」という方への選択肢です。

1. PC作業がある事業所を選ぶ

実践で学ぶ PC作業を行っている事業所を選び、仕事を通じて学ぶ方法です。

多くの事業所では、初心者向けに丁寧に教えてくれます。

学べるスキル:

  • データ入力(数字や文字の入力)
  • 文書作成(Word)
  • 表計算(Excel)
  • メールの送受信
  • インターネット検索

2. 就労移行支援を利用

訓練に特化 就労移行支援事業所では、2年間の訓練期間中に、パソコンスキルを基礎から学べます。

B型よりも体系的に学べます。

3. 職業訓練校

公的な訓練 ハローワークで申し込める職業訓練校では、パソコンの基礎から学べるコースがあります。

4. 地域のパソコン教室

習い事として 地域のパソコン教室(有料)に通う方法もあります。シニア向けのコースもあります。

5. 図書館や公民館の講座

無料または低額 図書館や公民館で、無料または低額のパソコン講座が開かれていることがあります。

6. オンライン学習

自宅で学ぶ YouTube、オンライン講座などで、無料または低額でパソコンを学べます。

7. B型+独学

並行して B型に通いながら、自宅で独学することもできます。

パソコンに関するよくある質問

Q1: パソコンができないと、B型を利用できませんか?

A: 利用できます パソコンスキルは、B型利用の条件ではありません。パソコンを使わない作業がたくさんあります。

Q2: B型事業所の何割くらいが、PC作業をしていますか?

A: 一部です 正確な統計はありませんが、PC作業を主とする事業所は一部であり、多くの事業所では手作業や軽作業が中心です。

Q3: 「データ入力」と書かれていたら、パソコンが必須ですか?

A: その事業所では必須かもしれません ただし、同じ事業所でも複数の作業があり、データ入力以外の作業を選べることもあります。見学時に確認しましょう。

Q4: パソコンができないと、工賃が低くなりますか?

A: 必ずしもそうではありません PC作業の方が単価が高い傾向はありますが、事業所によって異なります。手作業でも高工賃の事業所もあります。

Q5: スマホが使えれば、パソコンも使えますか?

A: 別物です スマホとパソコンは操作方法が異なるので、スマホが使えてもパソコンが使えるとは限りません。

Q6: 高齢ですが、今からパソコンを学ぶべきですか?

A: 必須ではありません 高齢でも、パソコンなしでB型を利用している方はたくさんいます。学びたいなら学ぶのも良いですが、必須ではありません。

Q7: 視覚障害がありますが、パソコン作業を求められますか?

A: 求められません 視覚障害がある方には、パソコンを使わない作業が用意されます。音声読み上げソフトを使ったPC作業ができる事業所もありますが、強制ではありません。

Q8: 手指の障害でキーボードが打てませんが、大丈夫ですか?

A: 大丈夫です パソコンを使わない作業を選べます。または、音声入力など、代替手段を使える事業所もあります。

Q9: 「パソコンができない」と伝えたら、断られませんか?

A: 断られません パソコンができないことは、利用を断る理由にはなりません。

Q10: パソコン作業と手作業、どちらが自分に合っているか分かりません

A: 両方体験してみましょう 体験利用で、両方の作業を試してみることをおすすめします。

まとめ:パソコン不要、多様な働き方がある

就労継続支援B型事業所でパソコンは必須ではありません。B型の目的は多様な人を受け入れることであり、作業内容は事業所によって異なり、同じ事業所でも複数の作業があり、パソコンができないことは恥ずかしいことではなく、高齢者や視覚障害者など物理的に困難な方への配慮も当然です。

パソコンを使わない作業には、軽作業(袋詰め、シール貼り、部品組み立て、検品、梱包)、清掃作業、農作業、製造・加工(食品、手工芸品、木工、陶芸、縫製)、リサイクル・分解、喫茶・レストラン運営、クリーニング・洗濯、ポスティング・配達、軽運動・レクリエーションなど、多様な選択肢があります。

パソコン不要の事業所を見つけるには、見学前に電話で確認し、ホームページで作業内容を確認し、相談支援専門員に相談し、見学時に実際の作業を見て、複数の事業所を見学し、高齢者が多い事業所を探し、作業内容で検索することが有効です。

パソコンが苦手な方は、正直に伝え、「できない」ではなく「苦手」と柔軟に、他の強みをアピールし、やってみたい作業を伝え、体験利用で確認し、スマホが使えればOKと理解し、年齢は関係ないと知ることが大切です。

逆に「パソコンを学びたい」場合は、PC作業がある事業所を選ぶ、就労移行支援を利用する、職業訓練校、地域のパソコン教室、図書館や公民館の講座、オンライン学習、B型+独学などの選択肢があります。

パソコンができなくても、B型事業所には多様な働き方があります。あなたに合った作業、あなたができる作業が必ずあります。「パソコンができない」という理由で諦める必要は全くありません。自信を持って、自分に合った事業所を探してください。応援しています。

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