障がい者転職を検討中の方必読!
絶対に読むべき必読記事
福祉の現場では小規模事業者の淘汰と大手による業界再編が同時に進む状況が続いています。
一方で倒産件数は高い水準で推移しており業界全体が大きな転換期を迎えていることがうかがえます。
この記事では福祉事業者を取り巻くM&Aの動向と倒産件数の実情について整理してお伝えします。
福祉事業者の倒産件数が高止まりしている実態
介護分野では倒産件数の増加が顕著になっています。
信用調査会社の集計では2025年に介護事業者の倒産が過去最多の176件に達しており訪問介護の倒産が突出して増加しています。
訪問介護の倒産は91件で3年連続の最多更新となっており報酬のマイナス改定に加えヘルパー不足や運営コストの上昇が資金繰りを圧迫していることが背景にあります。
障害者福祉の分野でも同様の傾向が見られ帝国データバンクの調査では2023年度の障害者福祉事業の倒産件数が75件と前年度を上回り過去最多を更新しています。
物価高騰によるコスト増や深刻な人手不足事業者間の競争激化が重なり赤字事業者の割合が高まる経営の二極化が鮮明になっています。
倒産の主な原因
介護事業者の倒産原因では売上不振が全体の約8割を占めており利用者の獲得競争や人手不足による利用率の落ち込みが大きな要因となっています。
医療福祉事業全体で見ても2025年度の倒産件数は478件と過去38年間で最高水準を記録し診療報酬や介護報酬など公定価格の枠組みに縛られる業種ほど倒産が多い傾向が見られます。
コロナ禍に受けた実質無利子無担保の融資の返済が始まったことも経営を圧迫する要因のひとつとされています。
報酬改定による処遇改善が図られる場面もありますが物価上昇や人件費の増加のペースに追いつかず経営改善につながりきらないケースも指摘されています。
M&Aによる業界再編が進む背景
倒産の増加と並行して事業者間のM&Aによる再編も活発化しています。
経営者の高齢化や後継者不在小規模事業者の採算確保の難しさが背景にあり事業を継続するための選択肢としてM&Aが選ばれるケースが増えています。
特に報酬改定において大規模事業者を優遇する方向性が明確になっていることから小規模事業者がM&Aによる譲り渡しやグループへの参加を急ぐ傾向が強まっています。
一方で大手グループや異業種からの参入企業はM&Aを通じて事業エリアの拡大やサービスラインナップの拡充を進めています。
再編の具体的な形
業界再編には複数のパターンが見られます。
在宅介護から有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅介護医療院までを一体として運営する垂直統合型のグループが増えています。
同一サービスを多拠点で展開し地域での存在感を高める水平統合型の動きも見られます。
障害者福祉の分野でも法人譲渡と事業譲渡という二つの手法が用いられており株式会社であれば株式譲渡一般社団法人やNPO法人であれば理事の変更によって経営権を移す形が取られています。
M&Aが福祉事業者にもたらすメリット
小規模事業者にとってM&Aは経営基盤を強化し不安定な経営状況を改善する手段のひとつとなります。
譲渡先の資本力や人材採用力を活用することで人手不足の解消や新たな投資が可能になる場合があります。
譲受側の企業にとっては新規出店よりも早く事業エリアを拡大でき既存の利用者基盤や実績を引き継げる利点があります。
福祉の質を維持しながら事業を継続する選択肢としてM&Aが機能している側面もあります。
今後の見通しと課題
報酬改定の方向性や物価上昇の動向次第では今後も小規模事業者を中心に厳しい経営環境が続くと見込まれています。
政府による人件費支援などの施策はあるものの業界の人員確保やコスト上昇への対応は自助努力だけでは追いつかない状況が指摘されており倒産件数は当面高い水準で推移する可能性があります。
一方でM&Aによる再編は業界の効率化や大規模化を進める側面もあり今後も活発な動きが続くと見られています。
福祉サービスの担い手として利用者の生活を支え続けるためには経営基盤の強化と現場の処遇改善の両立が引き続き課題となっていくでしょう。
まとめ
福祉事業者を取り巻く環境は倒産件数の高止まりとM&Aによる業界再編が同時に進む厳しい局面にあります。
訪問介護や障害者福祉の分野では人手不足やコスト上昇を背景に小規模事業者の淘汰が進む一方大手や異業種による再編の動きも活発化しています。
この構造的な変化は今後も続くと見込まれ福祉サービスの持続可能性を保つための取り組みが引き続き求められています。

