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医療的ケアを必要とする子どもが成人を迎えたとたん支援が途切れてしまう18歳の壁と呼ばれる課題に大きな動きがありました。
医療的ケア児支援法の改正により支援の対象が生涯にわたって広がる新しい制度が動き出そうとしています。
この記事では法改正の内容と18歳の壁が生まれる背景そして今後の支援の広がりについてお伝えします。
医療的ケア児とはどのような子どもを指すのか
医療的ケア児とは人工呼吸器の管理たんの吸引経管栄養など日常的に医療的なケアを必要とする子どもを指します。
医療技術の進歩により以前であれば命を守ることが難しかったケースでも救われる子どもが増え在宅で生活する医療的ケア児の数は年々増加しています。
在宅で暮らす医療的ケア児は全国でおよそ二万人とされ地域で医療と福祉の両方を必要としながら生活しています。
成長とともに医療的ケアが必要な状態のまま大人になる方も増えておりこれまでの制度は主に子どもを中心に組み立てられてきました。
18歳の壁とはどのような課題か
現行の医療的ケア児支援法は基本的に十八歳未満の児童を対象とした制度です。
高校に在籍している場合などは十八歳を超えても対象に含まれる整理になっていますが卒業などを機に支援の対象から外れてしまう場合があります。
医療の進歩とともに医療的ケアを受けながら大人になる方が増えているにもかかわらず十八歳を境に法律の後ろ盾が弱くなってしまうことがこの課題の核心です。
支援が途切れることで本人だけでなく長年介護を担ってきた家族の負担が急激に重くなるという現実が各地で起きています。
改正法で何が変わるのか
十八歳の壁を解消するための改正医療的ケア児支援法が国会で可決され成立しました。
改正の柱は支援対象の拡大であり新たに十八歳以上の医療的ケア者や重症心身障害者も支援の対象に加えられることになります。
これに伴い法律の名称も医療的ケア児等および重症心身障害者支援法に改められ子どもから大人まで生涯を通じた支援を見据えた制度へと転換します。
基本理念には医療的ケア児者らが基本的人権を有する個人として尊厳が重んじられその尊厳にふさわしい生活を送れるようにすることが明記されました。
相談体制や地域支援の拡充
各地の相談窓口である医療的ケア児支援センターは名称を医療的ケア児等支援センターへと改め業務内容を拡充します。
設置できる自治体の範囲も広がり都道府県だけでなく指定都市や中核市などでも設置が可能になります。
医療保健福祉などの関係機関が連携するための協議会も新たに設置できるようになり地域全体で切れ目のない支援体制を築くことが目指されています。
支援の内容や水準に地域差があることも課題とされてきたため各地の支援状況を検証し是正に取り組む方針も盛り込まれました。
家族への支援やその他の拡充ポイント
改正法では家族同士が支え合うピアサポート活動を支援する規定も新たに設けられました。
長年介護を担ってきた家族への相談支援や休息のための支援であるレスパイトの充実も重要な柱として位置づけられています。
保育所には喀痰吸引などができる介護の担い手を配置することが新たに規定され小さな子どもの頃から医療的ケアがあっても保育を受けやすい環境づくりが進められます。
社会的養護が必要な医療的ケア児らへの支援体制の整備や医療的ケア児らの生涯学習の推進も盛り込まれています。
施行までのスケジュール
改正法は成立後に公布され施行は制度の準備期間を経て今後行われる予定です。
現在は法律が成立し公布された段階であり実際に新しい仕組みに切り替わるまでにはまだ準備期間が設けられています。
施行後は一定の期間を目途に実施状況を踏まえた見直しの検討も行われる予定であり制度は段階的に育てられていく設計になっています。
実際に支援を届けるのは都道府県や市町村であるため法律が変わった後も地域ごとの体制づくりが引き続き重要な課題となります。
今後求められる取り組み
法律が改正されてもそれだけで現場の支援がすぐに充実するわけではありません。
重度訪問介護など大人向けの制度と子ども向けの制度の間にある使いにくさをどう埋めていくかは今後の実務上の課題として残されています。
地域によって支援の担い手や体制に差があるため制度の理念を実際の支援につなげていくための具体的な運用の積み重ねが求められます。
家族会や支援団体行政が連携しながら制度の運用状況を見直していく姿勢が今後さらに重要になっていくでしょう。
まとめ
18歳の壁と呼ばれてきた課題は医療的ケア児支援法の改正により生涯を見据えた支援へと転換する大きな一歩を迎えています。
支援対象の拡大や相談体制の拡充家族支援の強化など改正法には複数の重要なポイントが盛り込まれています。
制度の理念を実際の支援につなげていくためには今後も地域ごとの体制づくりや運用の工夫が欠かせません。
医療的ケアを必要とする方が年齢にかかわらず尊厳ある生活を送れる社会に向けた歩みは今後も続いていきます。

