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買い物での計算に時間がかかる、仕事で数字を扱う場面になると強い苦手意識を感じるなど、大人になっても算数ができないことに悩む方は少なくありません。
この記事では、算数ができない大人に考えられる背景や、日常生活や仕事での工夫、相談先について詳しく解説します。
算数ができないという状態にはさまざまな背景がある
算数ができないと一口に言っても、その背景は人によって大きく異なります。
単に学生時代に算数や数学を学ぶ機会が少なかった、苦手意識から避け続けてきたという経験の積み重ねによるものである場合もあれば、発達特性が関係している場合もあります。
すべてが障害に結びつくわけではありませんが、知的な発達に遅れがないにもかかわらず、計算や数の概念の理解にだけ著しい困難がある場合には、学習障害の可能性が考えられます。
学習障害と算数の困難
計算や数の概念に特化した困難は、医学的には限局性学習症のうち、算数の障害を伴うタイプとして位置づけられます。
一般には算数障害やディスカリキュラという呼び方で知られています。
この特性がある方は、数字と量の対応関係を直感的につかむことが苦手で、簡単な計算に時間がかかる、九九を覚えられない、繰り上がりや繰り下がりのある計算でつまずく、図形やグラフの理解が難しいといった特徴が見られます。
会話でのやり取りや、文章を読むことには問題がなく、知的な発達にも遅れがないにもかかわらず、数字を扱うことにだけ強い困難があるという点が特徴です。
本人の努力不足や、練習量の少なさが原因ではなく、脳の情報処理の特性によるものと考えられています。
発達障害との関連
算数の困難は、注意欠如多動症の特性からも生じることがあります。
不注意の特性がある方は、計算の途中で桁を見間違えたり、問題文を最後まで読まずに答えてしまったりすることで、結果として計算ミスが増えやすくなる傾向があります。
これは数の概念そのものが理解できていないわけではなく、注意の向け方の特性によるものと考えられます。
自閉スペクトラム症の特性がある方の中には、抽象的な概念の理解に苦手さを感じ、数字という抽象的な記号を扱うことに困難を覚える方もいます。
大人になってから気づくケースもある
算数の困難は、子どもの頃の学校生活の中で気づかれることが一般的です。
しかし、周囲の配慮や、得意な分野で補いながら学校生活を乗り越えてきた場合、大人になるまで気づかれないまま過ごすケースもあります。
就職後に、経理業務や、見積もりの計算、時間の管理など、数字を扱う場面が増えたことで、これまで感じなかった困難が表面化し、初めて学習障害の可能性に気づく方もいます。
日常生活で直面しやすい困難
算数が苦手な大人の場合、日常生活のさまざまな場面で困難を感じやすくなります。
買い物の際に、合計金額やお釣りの計算にとっさに対応できない、割り勘の計算に時間がかかるといった場面が挙げられます。
仕事の場面では、見積書の作成や、売上の集計、時間の見積もりといった業務に強い苦手意識を感じる方も多くいます。
こうした困難が積み重なることで、数字を扱う場面そのものを避けたい、自信を持てないという気持ちにつながることもあります。
自分の傾向を整理する方法
算数ができないという悩みについては、どのような場面でその困難が強く出るのかを振り返ってみることが役立ちます。
暗算だけが苦手なのか、筆算でも同じように困難を感じるのか、図形やグラフの理解も難しいのかなど、具体的な状況を整理してみましょう。
昔からの傾向なのか、最近になって気になり始めたものなのかという時間的な経過も、重要な手がかりになります。
相談先について
算数ができないことについて悩んでいる場合、いくつかの相談先があります。
学習障害の可能性を考えている場合は、精神科や心療内科で相談することができます。
発達障害を専門に診ている医療機関であれば、より詳しい検査を受けることも可能です。
お住まいの地域にある発達障害者支援センターでも、診断の有無にかかわらず相談を受け付けています。
日常生活や仕事での工夫
診断の有無にかかわらず、日常生活の中で取り入れられる工夫もあります。
買い物では、電卓機能を使う、キャッシュレス決済を活用することで、とっさの暗算を避けることができます。
仕事の場面では、計算はできるだけ表計算ソフトなどのツールに任せる、重要な数字はダブルチェックをお願いするといった工夫が助けになります。
職場に自分の苦手な部分を伝え、数字を扱う業務については確認の時間をもらう、ツールの使用を認めてもらうといった配慮を相談してみるのも一つの方法です。
まとめ
算数ができない大人の背景には、学習障害や発達特性、経験の積み重ねなど、さまざまなものが考えられます。
すべてが障害に結びつくわけではありませんが、日常生活や仕事に支障が出るほどの困難が続く場合は、専門機関への相談を検討してみましょう。
自分の傾向を整理し、ツールの活用や周囲への相談といった工夫を取り入れていくことが、無理のない生活への第一歩になります。

