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自分が自分でないような感覚、周囲の出来事が現実味を持たない感覚、景色がフィルター越しに見えるような感覚。これらは離人症・現実感消失症と呼ばれる症状の特徴です。
この症状があると仕事への集中が難しく、業務に支障をきたす場面が増えます。
「自分の症状と仕事をどう両立させればよいか」「転職するなら何を基準に選べばよいか」と悩む方は少なくありません。ここでは離人症の基本、仕事への影響、職場選びの視点、対処法について解説していきます。
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離人症とはどのような症状か
離人症は、自分自身や周囲の現実に対する感覚が変容する症状です。正式には離人感・現実感消失症と呼ばれ、解離性障害の一つに分類されています。
自分自身への離人感としては、自分の体が自分のものではない感じ、鏡に映る自分が他人のように見える感じ、自分の感情が遠くから観察されているような感じなどが現れます。手足を動かしていても、それが自分の意思で動いているという実感が薄い状態になることもあります。
周囲への現実感消失としては、見えている風景が絵のように平板に感じられる、人の声が遠くから聞こえるように感じられる、時間の流れが歪んで感じられるといった症状があります。親しいはずの人の顔が見知らぬ人のように見える体験をする方もいます。
原因としては、強いストレス、トラウマ、不安、うつ病、その他の精神疾患との関連が指摘されています。また、発達障がいや愛着形成の問題、幼少期の体験が影響する場合もあります。誰にでも一時的に起こり得る現象ですが、頻繁に続く場合や生活に支障が出る場合には医学的な対応が必要です。
仕事への具体的な影響
離人症があると、仕事のさまざまな場面で困難が生じます。集中力の維持が最も大きな課題です。画面の文字が頭に入ってこない、話を聞いていても内容が実感を持って理解できない、考えをまとめる作業が極端に疲れるなど、通常の業務遂行に大きな影響があります。
時間感覚の歪みも、業務に支障をきたします。30分の作業が数時間に感じられたり、逆に半日があっという間に過ぎたように感じられたりするため、時間管理が難しくなります。締切のある業務では、時間配分の感覚がずれて焦ることがあります。
記憶への影響もあります。会議での発言内容、指示された業務の詳細、同僚との会話などが、自分が本当にそこにいたのか分からない感覚のまま記憶に残り、後で思い出そうとしても曖昧になってしまう場合があります。
対人コミュニケーションも負担が大きくなります。相手の表情や声が現実味を持って感じられないと、適切な反応が難しくなります。自分の発言も他人が話しているように感じられ、会話への参加自体が消耗する活動となります。
働きやすい職場環境
離人症を抱える方が働きやすい職場には、いくつかの特徴があります。業務内容が明確で、日々のルーティンが決まっている職場は、症状があっても比較的取り組みやすい環境です。判断を多く求められる業務よりも、手順が定まった業務のほうが、集中力の波に影響されにくくなります。
静かで落ち着いた環境も重要です。雑音が多い職場、常に人が動き回る環境、電話が頻繁に鳴る職場などは、症状を悪化させる要因となります。個室や仕切りのある席、静かなフロアなど、集中しやすい物理的環境が整った職場を選びましょう。
在宅勤務が可能な職場は、離人症のある方に大きなメリットがあります。自宅の慣れた環境で働くことで、症状が出ても対処しやすく、通勤の負担もありません。体調の波に合わせて休憩を取りやすく、自分のペースで業務を進められます。
業務量が調整できる職場も、長期就労の基盤となります。忙しすぎる職場では症状悪化のリスクが高まります。短時間勤務、週休3日、フレックスタイム制などを活用できる企業が、無理のない働き方を可能にします。
自分でできる対処法
症状が出たときの対処法を持っておくことで、仕事を続けやすくなります。グラウンディングと呼ばれる、現実感を取り戻す手法が役立ちます。
五感を意識的に使い、今ここにいる感覚を取り戻す方法です。冷たい水で手を洗う、氷を握る、香りの強いものを嗅ぐ、足の裏が床に触れている感覚に意識を向けるなど、身体感覚を通じて現実に戻る工夫ができます。
短い休憩を取ることも効果的です。症状が出たら無理に業務を続けず、5分から10分でも席を離れて深呼吸する、窓の外を見る、温かい飲み物を飲むなどで、気持ちをリセットしましょう。トイレに行く、水を飲みに行くといった自然な理由で席を立てば、周囲の目を気にせずに休憩できます。
業務を細かく分割する方法も役立ちます。大きな業務をそのまま抱えるのではなく、15分単位や30分単位の小さなタスクに分けて取り組むことで、集中力の波に合わせて業務を進められます。タスクが完了するたびに達成感があり、前進している実感を得やすくなります。
記録を残す習慣も、記憶への不安を減らします。その日やったこと、聞いた指示、会議の内容などを簡単にメモに残すことで、後から確認できる安心感が得られます。デジタルのメモアプリ、手書きのノート、ボイスレコーダーなど、自分が使いやすいツールを活用しましょう。
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治療と職場への開示
離人症の治療は、精神科や心療内科で受けられます。認知行動療法、トラウマ療法、薬物療法などが用いられます。背景にあるうつ病や不安障害、PTSDなどの治療を進めることで、離人症状も改善する場合が多くあります。自分の症状について主治医と率直に話し、適切な治療を受けることが基本です。
職場への開示については、障害者雇用で働く場合は症状の特性と必要な配慮を伝えることで、働きやすい環境が整います。「集中力の波があるため短い休憩が必要」「静かな環境で作業したい」「口頭指示よりも書面での指示が助かる」など、具体的な配慮事項を伝えましょう。
一般雇用で働く場合、開示の判断は慎重に行う必要があります。信頼できる上司だけに伝える、必要最小限の情報だけ共有するなど、自分のプライバシーを守りながら必要な配慮を受ける方法を考えましょう。
まとめ
離人症は仕事への集中や対人コミュニケーションに影響する症状ですが、職場環境の工夫と自分なりの対処法を持つことで働き続けることは可能です。
静かで業務内容が明確な職場、在宅勤務が可能な職場、業務量が調整できる職場などが、症状のある方に適した環境です。グラウンディングや短い休憩、業務の細分化、記録の習慣など、実践的な工夫を取り入れながら、主治医との治療を継続していきましょう。

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