精神障がい者が労災認定を受けるための基準と手続きを解説

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職場でのストレスや出来事によって精神疾患が悪化しているのに「精神障がいで労災が認定されるための基準を知りたい」「2024年以降の労災認定基準の変更内容と申請方法を理解したい」という方はいらっしゃいませんか。精神疾患への労災認定は適切な基準の理解と証拠の収集によって申請することができます。本記事では精神障がいの労災認定基準と手続きをわかりやすく解説します。

精神障がいの労災認定とはどのような制度か

精神障がいの労災認定の仕組みを正しく理解しておくことが重要です。

労働災害補償保険法に基づき業務上の事由によって精神疾患を発症または悪化した場合に労災として認定されることがあります。労災として認定されることで治療費の全額補償、休業補償、障がい補償などを受けることができます。

精神障がいの労災認定は身体的な外傷と比べて因果関係の証明が難しいことが特徴のひとつです。業務上の出来事が精神疾患の発症または悪化に寄与したことを客観的に示すことが認定において重要となります。

精神障がいの労災認定においては厚生労働省が定める認定基準に基づいて判断が行われます。

精神障がいの労災認定の3つの要件

精神障がいの労災認定を受けるために満たすべき3つの要件があります。

第1の要件として認定基準の対象となる精神疾患を発症していることが必要です。うつ病、適応障がい、急性ストレス反応、外傷後ストレス障がいなど業務上のストレスによって発症または悪化しうる精神疾患が対象となります。主治医による診断書が必要となります。

第2の要件として業務による強いストレスが存在したことが必要です。業務による心理的負荷が強度として評価されることが認定において重要な条件のひとつです。具体的にどのような業務上の出来事があったかとその出来事による心理的負荷の強さが評価されます。

第3の要件として業務以外の要因によって発症したとは認められないことが必要です。職場以外の要因として私生活での重大な出来事がある場合は業務との因果関係の判断が複雑になることがあります。

業務による心理的負荷の評価基準

業務による心理的負荷がどのように評価されるかを理解しておくことが重要です。

厚生労働省の認定基準では業務上の出来事を強、中、弱の3段階で評価します。強と評価される出来事が認定において重要な根拠となります。

強と評価される代表的な業務上の出来事として以下のようなものが挙げられます。極度の長時間労働として1か月に160時間を超える時間外労働がある場合、2か月から6か月にわたって1か月あたり120時間を超える時間外労働がある場合などが含まれます。職場でのひどいいじめ、嫌がらせ、暴行を受けた場合も強と評価されます。悲惨な事故や災害の体験または目撃も強の評価対象となります。

2023年の認定基準の改正ではハラスメントに関する評価が強化されました。上司などからの身体的攻撃や精神的攻撃が繰り返された場合に強と評価されやすくなりました。

2023年の認定基準改正の主な変更点

2023年の精神障がいの労災認定基準の改正の主な変更点を理解しておくことが重要です。

ハラスメントに関する評価の強化が最も重要な変更点のひとつです。上司などから身体的または精神的な攻撃を繰り返し受けた場合に強と評価されるようになりました。

カスタマーハラスメントへの対応が新たな評価対象として追加されました。顧客や取引先からの著しい迷惑行為を繰り返し経験した場合に心理的負荷の評価対象として認められるようになりました。

育児休業等の取得に関するハラスメントも新たに評価対象として追加されました。育児休業の取得を妨害する言動や嫌がらせを受けた場合が評価対象となりました。

感染症への罹患に関する出来事も評価対象として追加されました。

労災申請に必要な証拠の収集方法

精神障がいの労災申請において重要な証拠の収集方法があります。

業務上のストレスとなった出来事の記録を詳細に作成しておくことが重要です。いつ、どこで、誰が、どのような言動をしたかを具体的に記録しておくことが申請において重要な根拠となります。

長時間労働の証拠として出退勤記録、タイムカード、パソコンのログ記録、業務上のメールの送受信記録などを保存しておくことが重要です。

ハラスメントの証拠としてメールやチャットでの発言記録、目撃者の証言、医療機関への相談記録などを保存しておくことが重要です。

主治医の診断書と治療経過の記録も重要な証拠のひとつです。業務上のストレスと精神疾患の発症または悪化の因果関係について主治医に意見書を作成してもらうことが申請において重要な根拠となります。

労災申請の手続きの流れ

精神障がいの労災申請の具体的な手続きの流れがあります。

最寄りの労働基準監督署に相談することが最初のステップです。労働基準監督署の窓口で精神障がいの労災申請について相談することで申請に必要な書類と手続きについての具体的な案内を受けることができます。

申請書類の作成と提出が次のステップです。療養補償給付たる療養の給付請求書など必要な申請書類を作成して労働基準監督署に提出します。

労働基準監督署による調査が行われます。申請後に労働基準監督署が業務上の出来事と精神疾患の因果関係について調査を行います。この調査には数か月から1年以上かかることがあります。

弁護士や社会保険労務士への相談の重要性

精神障がいの労災申請において専門家への相談が不可欠です。

弁護士への相談によって申請に必要な証拠の収集方法、申請書類の作成、調査への対応など労災申請全体についての専門的なサポートを受けることができます。法テラスを活用することで費用の心配なく弁護士に相談することができます。

社会保険労務士への相談によって労災申請の手続きについての専門的なアドバイスと書類作成のサポートを受けることができます。

労働組合への相談も選択肢のひとつです。職場に労働組合がある場合は組合を通じた支援を受けることができることがあります。

労災認定後の転職活動への影響

労災認定後の転職活動への影響について理解しておくことが重要です。

労災として認定されて治療を受けている期間は療養補償を受けることができます。療養期間中の転職活動については主治医と相談して現在の体調での転職活動が適切かどうかの判断を仰ぐことが重要です。

労災認定を受けたことが次の転職先に伝わる義務はありません。ただし転職先での就労開始後に健康上の配慮が必要な場合は障がいの状態として伝えることが適切な場合があります。


精神障がいの労災認定を受けるためには認定基準の3つの要件を満たすことと業務上のストレスとなった出来事の詳細な記録の保存が重要です。2023年の認定基準改正によってハラスメントやカスタマーハラスメントへの評価が強化されています。労働基準監督署への相談と弁護士や社会保険労務士への専門的なサポートを活用しながら証拠を整理して申請手続きを進めていきましょう。

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