お子さんの将来を考え、B型施設を探している保護者の方へ
障害のあるお子さんに合った選択をするために、まず知っておきたい基本ガイド
初めての方は、基礎知識と不安解消をセットで押さえると安心です。
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「発達障害の子が学校に行きたがらない」「朝になると体調不良を訴える」「登校班に合流できない」「門の前で泣いて動かない」「不登校になるのではと不安」「無理やり行かせるべきか、休ませるべきか」。
発達障害のある子の学校行き渋りは、多くの家庭で深刻な悩みです。
発達障害の子が学校に行き渋る理由は、感覚過敏、対人関係の困難、学習の困難、集団生活のストレス、いじめなど、様々です。行き渋りは、子どもからのSOSサインです。
適切に理解し対応することで、再び登校できるようになることも多くあります。本記事では、行き渋りの理由、見極めるサイン、対応方法、学校との連携、不登校になった場合の選択肢、そして親のメンタルケアについて詳しく解説します。
発達障害の子が学校に行き渋る理由
発達障害の子が学校に行き渋る理由を理解しましょう。
1. 感覚過敏
刺激が多すぎる
学校は感覚過敏のある子にとって、刺激が多すぎる環境です。
具体例
- 教室がうるさい(子どもの声、椅子を引く音)
- 給食の匂いが耐えられない
- 体育館の音が響く
- 蛍光灯がまぶしい、ちらつく
- 人が多すぎる
結果
毎日刺激に耐えることで疲弊し、学校に行きたくなくなります。
2. 対人関係の困難
友達関係がうまくいかない
コミュニケーションの困難により、友達関係がうまくいきません。
具体例
- 友達ができない
- 仲間外れにされる
- からかわれる
- いじめられる
- 空気が読めず、トラブルを起こす
- 一人でいることが多い
孤独
学校で孤立し、孤独を感じます。
3. 学習の困難
授業についていけない
学習障害(LD)の併存や、注意力の問題により、授業についていけません。
具体例
- 読み書きが苦手
- 計算が苦手
- 板書が写せない
- 指示が理解できない
- テストの点数が悪い
劣等感
「自分はできない」という劣等感を感じます。
4. 集団生活のストレス
ルールが多すぎる
学校には暗黙のルールが多く、発達障害の子にとってストレスです。
具体例
- じっと座っていなければならない
- 静かにしなければならない
- 順番を守らなければならない
- 時間通りに行動しなければならない
窮屈
窮屈に感じ、ストレスが溜まります。
5. 先生との関係
先生に理解されない
先生が発達障害を理解せず、叱られることが多いと、学校が嫌になります。
具体例
- 忘れ物で叱られる
- 授業中に立ち歩いて叱られる
- 宿題をやらずに叱られる
- 「やればできるのに、やらない」と言われる
否定される
先生に否定され続けると、自己肯定感が低下します。
6. いじめ
標的になりやすい
発達障害の子は、空気が読めない、変わっているなどの理由で、いじめの標的になりやすいです。
いじめの例
- からかわれる
- 仲間外れにされる
- 暴力をふるわれる
- 悪口を言われる
- 物を隠される
深刻
いじめは、不登校の大きな原因です。
7. 過去のトラブル・失敗体験
嫌な記憶
過去に学校で嫌な経験をしたことがトラウマになっています。
具体例
- 先生に怒鳴られた
- クラスメイトの前で恥をかいた
- パニックを起こして笑われた
恐怖
「また同じことが起こるのでは」と恐怖を感じます。
8. 家が安心できる
学校より家が良い
学校が苦痛で、家が唯一の安心できる場所です。
理由
- 家では刺激が少ない
- 好きなことができる
- 叱られない
- 一人でいられる
9. 不安障害・うつ病
二次障害
慢性的なストレスにより、不安障害やうつ病を発症していることがあります。
症状
- 朝起きられない
- 頭痛、腹痛
- 食欲不振
- 意欲低下
- 不安、恐怖
10. 燃え尽き症候群
頑張りすぎた
学校で頑張りすぎて、燃え尽きてしまいます。
具体例
低学年では何とか頑張れていたが、高学年になって限界が来る。
行き渋りのサイン
行き渋りの初期サインを見逃さないようにしましょう。
身体症状
朝の体調不良
- 頭痛
- 腹痛
- 吐き気
- めまい
- 発熱(心因性)
- 倦怠感
特徴
学校に行く時間になると出て、休日や夏休みは元気。
行動の変化
登校渋り
- 朝の準備が遅い
- 「学校に行きたくない」と言う
- 登校班に合流できない
- 門の前で泣く
- 教室に入れない
- 保健室に行く頻度が増える
帰宅後
- 疲れ切っている
- イライラしている
- 癇癪を起こす
心理的な変化
表情・態度
- 表情が暗い
- 元気がない
- 学校の話をしたがらない
- 夜になると憂鬱そう
睡眠
- 寝付きが悪い
- 夜中に何度も起きる
- 悪夢を見る
発言
ネガティブな発言
- 「学校がつまらない」
- 「友達がいない」
- 「先生が怖い」
- 「死にたい」
やってはいけない対応
行き渋りへの対応で、やってはいけないことを説明します。
1. 無理やり行かせる
逆効果
無理やり行かせると、状況が悪化します。
理由
- 子どもの不安が増す
- 親子関係が悪化
- 完全な不登校になる可能性
2. 叱る、責める
追い詰める
「なんで行けないの」「甘えている」と叱ると、子どもを追い詰めます。
結果
- 自己肯定感が低下
- うつ病のリスク
3. 原因を問い詰める
プレッシャー
「なんで行きたくないの?」と問い詰めると、プレッシャーになります。
理由
- 子ども自身も理由がわからないことがある
- 言語化できない
4. 比較する
傷つける
「○○ちゃんは行けているのに」と比較しないでください。
5. 放置する
見守りと放置は違う
「本人の意思に任せる」と放置すると、状況が悪化します。
必要なこと
見守りながら、適切なサポートをすることが重要です。
6. 学校との連携不足
情報共有が重要
学校と連携せず、家庭だけで抱え込むと、状況が見えません。
効果的な対応方法
行き渋りへの効果的な対応方法を説明します。
1. まずは受け止める
否定しない
「行きたくない」という気持ちを、まずは受け止めましょう。
声かけ
- 「そうなんだね」
- 「つらかったね」
- 「学校、嫌なんだね」
効果
受け止めてもらえることで、子どもは安心します。
2. 話を聞く
原因を探る
無理に聞き出すのではなく、優しく話を聞きます。
聞き方
- 「何か嫌なことあった?」
- 「困っていることある?」
- 「先生や友達と、何かあった?」
話せない場合
話せない場合は、無理に聞き出さず、見守ります。
3. 安心できる環境を作る
家は安全基地
家は、子どもが安心できる場所にします。
ポイント
- 叱らない
- 責めない
- ゆっくり休ませる
4. 段階的な登校を検討
いきなり完全登校は難しい
完全な登校が難しい場合、段階的な登校を検討します。
段階例
- 保健室登校
- 別室登校
- 好きな授業だけ出席
- 午前中だけ登校
- 遅刻して登校
- 給食だけ食べに行く
- 放課後に登校
学校と相談
学校と相談し、本人に合った方法を見つけます。
5. 原因を取り除く
具体的な対応
行き渋りの原因がわかれば、取り除く努力をします。
原因別の対応
感覚過敏
- イヤーマフ、ノイズキャンセリングヘッドホンの使用許可
- 刺激の少ない席(窓際、後ろ、端)
- 休憩時間を増やす
対人関係
- いじめの調査と対応
- ソーシャルスキルトレーニング
- 通級指導教室の利用
学習の困難
- 合理的配慮(板書を写さない、テストの時間延長など)
- 通級指導教室
- 学習サポート
先生との関係
- 担任と面談
- スクールカウンセラーの介入
- 担任の変更(可能であれば)
6. 医療機関の受診
専門家の診察
行き渋りが続く場合、医療機関を受診します。
診療科
- 小児科
- 児童精神科
- 心療内科
診察内容
- 身体的な問題の確認
- 精神的な問題の確認(不安障害、うつ病など)
- 診断書の作成(学校への提出用)
治療
- カウンセリング
- 薬物療法(必要に応じて)
7. スクールカウンセラーの活用
学校の専門家
スクールカウンセラーに相談します。
サポート内容
- 子どものカウンセリング
- 親の相談
- 先生へのアドバイス
8. 生活リズムを整える
規則正しい生活
不登校になると、昼夜逆転しがちです。生活リズムを整えましょう。
ポイント
- 早寝早起き
- 決まった時間に起きる(学校に行かなくても)
- 日光を浴びる
- 運動
9. 好きなことをさせる
エネルギーの充填
好きなことをすることで、エネルギーが充填されます。
例
- ゲーム
- 読書
- お絵描き
- 工作
注意点
「学校に行かないなら、ゲームも禁止」は逆効果です。
10. 焦らない
時間がかかる
行き渋りの解決には、時間がかかります。焦らず、ゆっくり進めましょう。
学校との連携
学校と連携することが非常に重要です。
1. 担任に連絡
早めに
行き渋りが始まったら、すぐに担任に連絡します。
伝えること
- 行き渋りの状況
- 家での様子
- 考えられる原因
- 配慮してほしいこと
2. 面談
定期的に
定期的に面談を設定し、情報交換します。
参加者
- 親
- 担任
- 学年主任
- 特別支援教育コーディネーター
- スクールカウンセラー
- 養護教諭(必要に応じて)
3. 合理的配慮を依頼
具体的に
発達障害の特性に応じた合理的配慮を、具体的に依頼します。
配慮の例
- 座席の配置
- 感覚過敏への対応(イヤーマフの使用など)
- 段階的な登校
- 別室登校
- クールダウンスペースの設置
- 学習面でのサポート
4. いじめの調査
徹底的に
いじめが疑われる場合、徹底的に調査してもらいます。
対応
- アンケート
- 聞き取り
- いじめた子への指導
- 被害者の保護
5. 通級指導教室の利用
個別指導
通級指導教室で、個別指導を受けます。
内容
- ソーシャルスキルトレーニング
- 学習支援
- カウンセリング
6. 特別支援学級への転籍
環境を変える
通常学級が難しい場合、特別支援学級への転籍を検討します。
メリット
- 少人数
- 個別の支援
- ストレスが減る
7. 教育委員会への相談
学校が動かない場合
学校が適切に対応してくれない場合、教育委員会に相談します。
不登校になった場合の選択肢
完全な不登校になった場合の選択肢を説明します。
1. 休養
まずは休む
心身を休めることが最優先です。
期間
焦らず、十分に休ませましょう。
2. フリースクール
居場所
フリースクールに通うことで、居場所ができます。
特徴
- 自由な雰囲気
- 発達障害への理解がある施設も
- 学校の出席扱いになる場合がある
探し方
- インターネットで検索
- 教育委員会に問い合わせ
3. 適応指導教室(教育支援センター)
公的な支援
市区町村が設置する、不登校の子どもの支援施設です。
特徴
- 無料
- 学校の出席扱い
- 学習支援、カウンセリング
問い合わせ
教育委員会
4. ホームスクーリング
自宅学習
自宅で学習します。
方法
- オンライン学習
- 通信教育
- 親が教える
5. オンライン学校
インターネット
オンラインで授業を受ける学校もあります。
6. 転校
環境を変える
- 他の小学校
- 特別支援学級
- 特別支援学校
- フリースクール併設の学校
7. 進学
中学校で再スタート
小学校では不登校でも、中学校で再スタートすることもあります。
親のメンタルケア
行き渋り・不登校は、親にとっても大きなストレスです。
1. 自分を責めない
あなたのせいではない
行き渋りは、親の育て方のせいではありません。
2. 焦らない
時間がかかる
行き渋りの解決には、時間がかかります。焦らないようにしましょう。
3. 誰かに話す
吐き出す
つらい気持ちを、誰かに話しましょう。
話す相手
- 夫、パートナー
- 親、きょうだい
- 友人
- 相談支援専門員
- スクールカウンセラー
- カウンセラー
- 不登校の親の会
4. 親の会に参加
ピアサポート
不登校の親の会に参加し、同じ悩みを持つ親と交流しましょう。
5. 完璧を求めない
学校が全てではない
学校に行けなくても、人生が終わるわけではありません。
6. カウンセリング
専門家の支援
親自身がカウンセリングを受けることも有効です。
よくある質問
Q1: 無理やり行かせた方がいいですか?
A: いいえ、逆効果です。
無理やり行かせると、状況が悪化します。まずは原因を探り、適切に対応しましょう。
Q2: どこまで休ませていいですか?
A: 心身が回復するまでです。
焦らず、十分に休ませましょう。ただし、完全に放置するのではなく、見守りと適切なサポートが必要です。
Q3: 不登校になったら、将来どうなりますか?
A: 様々な道があります。
不登校でも、フリースクール、通信制高校、高卒認定試験など、様々な道があります。学校が全てではありません。
Q4: いじめが原因の場合、どうすればいいですか?
A: 学校に徹底的に調査と対応を求めましょう。
いじめは深刻な問題です。学校に調査と対応を求め、改善されない場合は転校も検討しましょう。
Q5: 医療機関を受診すべきですか?
A: 身体症状や精神症状がある場合、受診しましょう。
頭痛、腹痛、不安、抑うつなどの症状がある場合、医療機関を受診しましょう。
Q6: 学校が理解してくれません。
A: 医師の診断書を提出し、教育委員会にも相談しましょう。
医師に診断書を書いてもらい、学校に提出します。それでも改善されない場合、教育委員会に相談しましょう。
Q7: ゲームばかりしています。やめさせるべきですか?
A: 無理にやめさせる必要はありません。
不登校中、ゲームは心の支えになっています。無理にやめさせると、悪化します。ただし、昼夜逆転しないよう、生活リズムは整えましょう。
まとめ
発達障害の子が学校に行き渋る理由は、感覚過敏、対人関係の困難、学習の困難、集団生活のストレス、先生との関係、いじめ、過去のトラブル、家が安心できる、不安障害・うつ病、燃え尽き症候群などです。
行き渋りのサインは、身体症状(頭痛、腹痛など)、行動の変化(登校渋り)、心理的な変化(表情が暗い)、ネガティブな発言です。
やってはいけない対応は、無理やり行かせる、叱る・責める、原因を問い詰める、比較する、放置する、学校との連携不足です。
効果的な対応方法は、まずは受け止める、話を聞く、安心できる環境を作る、段階的な登校を検討、原因を取り除く、医療機関の受診、スクールカウンセラーの活用、生活リズムを整える、好きなことをさせる、焦らないことです。
学校との連携として、担任に連絡、面談、合理的配慮を依頼、いじめの調査、通級指導教室の利用、特別支援学級への転籍、教育委員会への相談が重要です。
不登校になった場合の選択肢は、休養、フリースクール、適応指導教室、ホームスクーリング、オンライン学校、転校、進学です。
親のメンタルケアとして、自分を責めない、焦らない、誰かに話す、親の会に参加、完璧を求めない、カウンセリングを受けることが大切です。
一人で抱え込まず、学校、医療機関、相談支援事業所、スクールカウンセラー、不登校の親の会などに相談しながら、子どもに合った道を見つけましょう。学校が全てではありません。
主な相談窓口
スクールカウンセラー
- 学校に配置
教育委員会
- 学校との調整、適応指導教室の情報
医療機関
- 小児科、児童精神科、心療内科
発達障害者支援センター
- 各都道府県・指定都市に設置
24時間子供SOSダイヤル
- 0120-0-78310(なやみ言おう)
一人で悩まず、必ず相談してください。行き渋り・不登校への対応は、一人で抱え込むには重すぎます。

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