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「障害があっても自宅で暮らしたい」「一人暮らしをしたいけれど、支援が必要」「どんな在宅サービスがあるのか」「親が高齢になり、介護が難しい」「どうやって利用すればいいのか」「費用はいくらかかるのか」。障害のある人が自宅で安心して暮らすためには、様々な在宅支援サービスがあります。
在宅支援サービスは、居宅介護、重度訪問介護、訪問看護、短期入所、日中一時支援など、多岐にわたります。適切なサービスを組み合わせることで、重度の障害があっても在宅生活を継続できます。本記事では、在宅支援サービスの種類、対象者、内容、費用、利用方法、そして具体的な活用例について詳しく解説します。
在宅支援サービスとは
基本的な理解
自宅で暮らすための支援
在宅支援サービスとは、障害のある人が自宅で暮らすために必要な支援を提供するサービスです。
目的
- 在宅生活の継続
- 介護者(家族)の負担軽減
- 社会参加の促進
- 自立した生活
サービスの種類
大きく分けて、障害福祉サービス、医療サービス、地域生活支援事業があります。
障害福祉サービス(介護給付)
障害者総合支援法に基づく在宅支援サービスを説明します。
1. 居宅介護(ホームヘルプ)
最も基本的なサービス
ヘルパーが自宅を訪問し、日常生活の支援をします。
対象者
障害支援区分1以上(通院等介助は区分不要の場合あり)
支援内容
身体介護
- 食事介助
- 入浴介助
- 排泄介助
- 更衣介助
- 体位変換
- 移動介助
- 服薬介助
家事援助
- 調理
- 洗濯
- 掃除
- 買い物
- 薬の受け取り
通院等介助
- 病院への付き添い
- 公的手続きへの付き添い
通院等乗降介助
- 病院への送迎(車の乗り降り介助)
利用時間
必要に応じて(通常は1回30分~数時間)
費用
原則1割負担、所得に応じて月額上限あり(多くの人は無料)
申請方法
市区町村の障害福祉課
2. 重度訪問介護
長時間の介助
重度の障害がある人に、長時間の介助を提供します。
対象者
重度の肢体不自由者、重度の知的障害者・精神障害者で、以下の条件を満たす人
- 障害支援区分4以上
- 二肢以上に麻痺等がある
- 障害支援区分の認定調査項目のうち「歩行」「移乗」「排尿」「排便」のいずれも「支援が不要」以外
支援内容
- 身体介護
- 家事援助
- 見守り
- 外出時の移動介助
特徴
長時間(数時間~24時間)の支援が可能
費用
原則1割負担、所得に応じて月額上限あり
申請方法
市区町村の障害福祉課
3. 同行援護
視覚障害者の外出支援
視覚障害者が外出する際の移動支援と必要な情報提供を行います。
対象者
視覚障害により移動に著しい困難を有する人
支援内容
- 移動時の援護
- 排泄、食事等の介護
- 代筆、代読
- 外出先での情報提供
費用
原則1割負担、所得に応じて月額上限あり
申請方法
市区町村の障害福祉課
4. 行動援護
知的・精神障害者の外出支援
知的障害または精神障害により行動上著しい困難がある人の外出時の危険回避等の支援を行います。
対象者
障害支援区分3以上で、行動関連項目の合計点が10点以上
支援内容
- 外出時の危険回避
- 移動中の介護
- 排泄、食事等の介護
費用
原則1割負担、所得に応じて月額上限あり
申請方法
市区町村の障害福祉課
5. 短期入所(ショートステイ)
一時的な宿泊
介護者の病気や休息のため、障害者支援施設等で短期間の宿泊を提供します。
対象者
障害支援区分1以上(障害児は不要)
内容
- 入浴、排泄、食事の介護
- 日中活動
利用期間
数日~1か月程度(必要に応じて)
費用
1泊3,000円~7,000円程度(食費・光熱費込み) 所得に応じて月額上限あり
申請方法
市区町村の障害福祉課
6. 生活介護
日中活動の場
常時介護を必要とする人に、日中、施設で入浴、排泄、食事の介護等を提供します。
対象者
障害支援区分3以上(50歳以上は区分2以上)
内容
- 入浴、排泄、食事の介護
- 創作的活動、生産活動の機会の提供
利用時間
平日の日中(施設による)
費用
所得に応じて月額上限あり(食費別途)
申請方法
市区町村の障害福祉課
地域生活支援事業
市区町村が実施する在宅支援サービスを説明します。
1. 移動支援
外出時の支援
外出時の移動を支援します。
対象者
一人で外出することが困難な障害者
内容
- 社会生活上必要不可欠な外出
- 余暇活動等の社会参加のための外出
費用
市区町村によって異なる(多くは1割負担)
申請方法
市区町村の障害福祉課
2. 日中一時支援
日中の預かり
日中、施設で障害者を預かり、見守りや社会適応訓練を行います。
対象者
障害者(市区町村によって要件が異なる)
内容
- 日中の預かり
- 見守り
- 社会適応訓練
利用時間
数時間(放課後、休日など)
費用
市区町村によって異なる
申請方法
市区町村の障害福祉課
3. 訪問入浴サービス
自宅での入浴介助
自宅に浴槽を持ち込み、入浴介助を行います。
対象者
自宅で入浴が困難な重度身体障害者
内容
- 浴槽の持ち込み
- 入浴介助
利用頻度
週1~2回程度
費用
市区町村によって異なる
申請方法
市区町村の障害福祉課
4. 配食サービス
食事の宅配
調理が困難な障害者に、食事を宅配します。
対象者
調理が困難な障害者(市区町村によって要件が異なる)
内容
- 昼食、夕食の宅配
- 安否確認
費用
1食300円~700円程度(市区町村によって異なる)
申請方法
市区町村の障害福祉課または社会福祉協議会
医療サービス
医療に関わる在宅支援サービスを説明します。
1. 訪問看護
看護師が訪問
看護師が自宅を訪問し、医療的ケアや健康管理を行います。
対象者
主治医が訪問看護を必要と認めた人
内容
- 健康状態の観察
- 服薬管理
- 医療的ケア(たんの吸引、経管栄養など)
- 療養上の相談
- リハビリテーション
利用頻度
週1~数回(病状により異なる)
費用
- 医療保険:1~3割負担
- 自立支援医療:1割負担(精神障害の場合)
申請方法
主治医に相談し、訪問看護ステーションに連絡
2. 訪問診療・往診
医師が訪問
医師が定期的に自宅を訪問し、診療します。
対象者
通院が困難な人
内容
- 定期的な診療
- 処方
- 健康管理
利用頻度
月1~4回程度
費用
医療保険:1~3割負担
申請方法
訪問診療を行っている医療機関に相談
3. 訪問リハビリテーション
リハビリ専門職が訪問
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が自宅を訪問し、リハビリを行います。
対象者
主治医がリハビリを必要と認めた人
内容
- 機能訓練
- 日常生活動作訓練
- 住環境の評価・助言
費用
医療保険または介護保険:1~3割負担
申請方法
主治医に相談
4. 訪問歯科診療
歯科医師が訪問
歯科医師が自宅を訪問し、歯科診療を行います。
対象者
通院が困難な人
内容
- 歯科検診
- 治療
- 口腔ケア
費用
医療保険:1~3割負担
申請方法
訪問歯科診療を行っている歯科医院に相談
その他の在宅支援サービス
1. 緊急通報システム
緊急時の通報
ボタンを押すと、消防や警備会社に自動的に通報されるシステムです。
対象者
一人暮らしの障害者など(市区町村によって異なる)
費用
市区町村によって異なる(無料または低額)
申請方法
市区町村の障害福祉課または高齢福祉課
2. 見守りサービス
安否確認
定期的な訪問や電話、センサーなどで安否を確認します。
種類
- 人による訪問・電話
- センサー(人感センサー、ドア開閉センサーなど)
- 見守りカメラ
費用
サービスによって異なる(月額数百円~数千円)
問い合わせ
市区町村社会福祉協議会、民間事業者
3. 福祉用具の貸与・購入
車いす、杖など
福祉用具の貸与や購入費の助成を受けられます。
対象
身体障害者手帳を持つ人など
内容
- 車いす
- 電動車いす
- 特殊寝台
- 歩行器
- 杖
- 入浴補助用具
- など
費用
原則1割負担(所得に応じて)
申請方法
市区町村の障害福祉課
4. 住宅改修
バリアフリー化
自宅のバリアフリー化の費用を助成します。
対象
身体障害者手帳を持つ人など
内容
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 扉の改修
- トイレの改修
- など
費用
上限額あり(市区町村によって異なる)
申請方法
市区町村の障害福祉課
5. 日常生活自立支援事業
金銭管理などの支援
判断能力が不十分な人の日常生活を支援します。
対象者
判断能力が不十分だが、契約内容をある程度理解できる人
支援内容
- 福祉サービスの利用援助
- 日常的な金銭管理
- 書類の預かり
費用
1回1,000円~2,000円程度(市区町村によって異なる)
申請方法
市区町村社会福祉協議会
費用
在宅支援サービスの費用について説明します。
障害福祉サービスの費用
利用者負担
原則1割負担ですが、所得に応じて月額上限があります。
月額上限(2024年度)
- 生活保護受給世帯:0円
- 市町村民税非課税世帯:0円
- 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満):9,300円
- 上記以外:37,200円
多くの人は無料
生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯の場合、無料です。
医療サービスの費用
医療保険
医療保険の自己負担割合(1~3割)に応じて支払います。
自立支援医療
精神障害の場合、自立支援医療(精神通院医療)を利用すると、自己負担が1割になります。
その他のサービス
市区町村や事業者によって異なります。
利用方法
在宅支援サービスの利用方法を説明します。
1. 相談
まずは相談
市区町村の障害福祉課、または相談支援事業所に相談します。
相談内容
- どんなサービスがあるか
- どのサービスを利用できるか
- 利用方法
2. 申請
必要書類を提出
市区町村の障害福祉課に申請します。
必要書類
- 障害福祉サービス支給申請書
- 障害者手帳のコピー(または医師の診断書)
- その他、市区町村が指定する書類
3. 障害支援区分認定(障害福祉サービスの場合)
認定調査
市区町村の職員が訪問し、認定調査を行います。
審査
審査会で、障害支援区分(1~6)が決定されます。
期間
1~2か月程度
4. サービス等利用計画の作成
計画作成
相談支援専門員が、サービス等利用計画を作成します。
内容
- どのサービスを、週何回、何時間利用するか
5. 受給者証の交付
受給者証
市区町村から、障害福祉サービス受給者証が交付されます。
記載内容
- 利用できるサービスの種類
- 支給量(週何時間など)
- 有効期間
6. 事業所と契約
サービス提供事業所を選ぶ
居宅介護事業所、訪問看護ステーションなど、サービスを提供する事業所と契約します。
7. サービス利用開始
利用開始
サービスの利用を開始します。
8. モニタリング
定期的な見直し
相談支援専門員が、定期的にサービスの利用状況を確認し、必要に応じて計画を見直します。
具体的な活用例
在宅支援サービスの具体的な活用例を紹介します。
ケース1:一人暮らしの知的障害者(30代男性)
状況
- 軽度知的障害
- B型事業所に通所
- 一人暮らし
利用サービス
- 居宅介護(週2回、各2時間):掃除、洗濯、買い物
- 配食サービス(週5日):夕食
- 相談支援事業所(月1回訪問)
- 日常生活自立支援事業:金銭管理
費用
- 市町村民税非課税世帯のため、居宅介護は無料
- 配食サービス:1食500円×週5日=月1万円程度
ケース2:重度身体障害者(40代女性、親と同居)
状況
- 重度身体障害(車いす使用)
- 親が高齢で介護が困難
- 在宅勤務で就労
利用サービス
- 重度訪問介護(週5日、各8時間):身体介護、家事援助、見守り
- 訪問看護(週1回):健康管理
- 短期入所(月1回、2泊3日):親の休息
費用
- 市町村民税課税世帯のため、月額9,300円
ケース3:精神障害者(50代男性、一人暮らし)
状況
- 統合失調症
- 症状は安定
- 一人暮らし
利用サービス
- 居宅介護(週1回、2時間):掃除、買い物
- 訪問看護(週1回):服薬管理、健康観察
- 地域活動支援センター(週3回):日中活動
費用
- 市町村民税非課税世帯のため、居宅介護は無料
- 訪問看護:自立支援医療利用で1割負担
ケース4:高齢の親と同居する発達障害者(20代男性)
状況
- 自閉スペクトラム症
- B型事業所に通所
- 高齢の親と同居、親の介護が必要
利用サービス
- 親:介護保険サービス(デイサービス、訪問介護)
- 本人:短期入所(月1回)親の通院時など
費用
- 親:介護保険の自己負担
- 本人:短期入所1泊5,000円程度
よくある質問
Q1: 在宅支援サービスは、誰でも利用できますか?
A: 障害者手帳がなくても利用できる場合があります。
障害福祉サービスは、原則として障害者手帳または医師の診断書が必要ですが、サービスによっては手帳がなくても利用できます。市区町村の障害福祉課に相談しましょう。
Q2: 費用はどのくらいかかりますか?
A: 多くの人は無料または低額です。
生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯の場合、障害福祉サービスは無料です。課税世帯でも、月額上限があります。
Q3: 複数のサービスを組み合わせて利用できますか?
A: できます。
居宅介護と訪問看護、短期入所など、複数のサービスを組み合わせて利用できます。相談支援専門員が、最適な組み合わせを提案します。
Q4: 一人暮らしでも、在宅支援サービスを利用できますか?
A: できます。
むしろ一人暮らしの人こそ、在宅支援サービスが必要です。居宅介護、訪問看護、配食サービス、見守りサービスなどを組み合わせて利用しましょう。
Q5: 親が高齢で、障害のある子の介護が難しくなりました。どうすればいいですか?
A: 在宅支援サービスを利用しましょう。
居宅介護、重度訪問介護、短期入所などを利用することで、親の負担を軽減できます。また、グループホームへの入居も検討しましょう。
Q6: サービスの利用を始めるまで、どのくらい時間がかかりますか?
A: 1~3か月程度です。
障害支援区分認定に1~2か月かかるため、申請から利用開始まで1~3か月程度かかります。
Q7: どのサービスを利用すればいいかわかりません。
A: 相談支援専門員に相談しましょう。
相談支援事業所の相談支援専門員が、あなたに合ったサービスを提案し、サービス等利用計画を作成します。
まとめ
障害のある人が自宅で安心して暮らすための在宅支援サービスは、多岐にわたります。障害福祉サービスとして、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、短期入所、生活介護があります。地域生活支援事業として、移動支援、日中一時支援、訪問入浴サービス、配食サービスがあります。医療サービスとして、訪問看護、訪問診療・往診、訪問リハビリテーション、訪問歯科診療があります。その他、緊急通報システム、見守りサービス、福祉用具の貸与・購入、住宅改修、日常生活自立支援事業があります。
費用は、障害福祉サービスは原則1割負担で、所得に応じて月額上限があります。多くの人は無料または低額で利用できます。
利用方法は、相談、申請、障害支援区分認定、サービス等利用計画の作成、受給者証の交付、事業所と契約、サービス利用開始、モニタリングです。
複数のサービスを組み合わせることで、重度の障害があっても在宅生活を継続できます。一人で抱え込まず、市区町村の障害福祉課や相談支援事業所に相談しながら、自分に合ったサービスを見つけましょう。
主な相談窓口
市区町村の障害福祉課
- サービスの申請、相談
相談支援事業所
- サービス等利用計画の作成、継続的な相談
市区町村社会福祉協議会
- 日常生活自立支援事業、配食サービス、見守りサービス
一人で悩まず、必ず相談してください。在宅で暮らし続けることは可能です。

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