障がい者転職を検討中の方必読!
絶対に読むべき必読記事
障害者雇用で内定を受けた後、雇用契約書や労働条件通知書を見て、「面接で相談した配慮は書かれていないけれど大丈夫?」「どこまで書面に残してもらえばよいの?」と不安になる方は少なくありません。
配慮事項は、一律の書き方があるものではありません。必要な内容は、担当業務、障害特性、職場環境、本人の希望によって変わります。大切なのは、雇用契約の基本条件を確認したうえで、働きやすくするための具体的な方法、相談相手、見直す時期について、会社と認識を合わせることです。この記事では、雇用契約書と配慮事項を入社前に確認する方法を解説します。
雇用契約書と配慮事項を入社前に確認する理由
雇用契約書や労働条件通知書には、契約期間、業務内容、勤務時間、賃金、休日、退職など、入社後の基本的な働き方が示されます。障害者雇用では、これらの条件に加えて、業務指示の受け方、通院との両立、休憩、相談体制などが、継続して働けるかどうかに大きく関わります。
JEEDは、採用決定後には、本人の希望や障害特性、配慮事項を踏まえて労働条件を整理し、労働条件通知書等を交付する考え方を紹介しています。時差出勤、通院に配慮した休日、賃金、職務内容などは、本人の状況に応じて改めて整理が必要になる場合があります。[2]
ただし、個別の配慮が全て雇用契約書に細かく書かれるとは限りません。配慮事項を一度決めたら絶対に変えられないものとして扱うのではなく、入社後の業務や体調の変化に合わせて見直せるよう、確認方法を決めておくことが重要です。
雇用契約書・労働条件通知書・配慮事項メモの役割
書類ごとの役割を分けて考えると、何をどこで確認するべきかが分かりやすくなります。
| 書類・記録 | 主な役割 | 確認したい内容 |
|---|---|---|
| 雇用契約書 | 会社と本人が合意する雇用条件を確認する | 契約期間、雇用形態、業務、勤務時間、賃金、試用期間など |
| 労働条件通知書 | 会社が明示する労働条件を確認する | 就業場所、業務、労働時間、休憩、休日、賃金、退職など |
| 配慮事項の別紙・メール・面談記録 | 業務を進めやすくする具体的な方法を共有する | 指示方法、相談先、休憩、通院、環境調整、見直し時期など |
厚生労働省は、労働契約の締結時に、契約期間、就業場所・業務、労働時間、賃金、退職などの労働条件を明示する必要があると案内しています。[1]配慮事項については、契約書の本文に書く場合もあれば、別紙や面談記録で整理する場合もあります。どの形式がよいかは会社の運用や配慮の内容によって異なるため、形式だけにこだわらず、内容が双方で確認できる状態になっているかを重視しましょう。
配慮事項として確認したい5つの内容
配慮を相談する時は、障害名や診断名を詳しく伝えることよりも、仕事のどの場面で困りやすく、どのような方法なら力を発揮しやすいかを具体的に整理することが大切です。入社前には、次の5点を確認してみましょう。
- 業務指示・連絡の方法:口頭、チャット、メール、手順書など、確認しやすい方法を相談します。優先順位や締切をどのように示してもらうかも重要です。
- 担当業務と変更時の相談:入社時の業務内容、苦手な業務が含まれる場合の相談先、業務が追加・変更される時の確認方法を整理します。
- 勤務時間・通院・休憩:時差出勤、短時間勤務、通院日の連絡方法、体調が悪い時の休憩や早退の相談先を確認します。
- 職場環境・設備:座席、照明、音、支援機器、エレベーターや休憩場所など、業務に関係する環境面を確認します。
- 相談担当者と見直し時期:直属の上司、人事、障害者雇用担当者など、誰に相談するかを明確にし、入社後に振り返る時期を決めます。
JEEDの資料でも、採用後の社内支援として、作業を教える人、質問を受ける人、労働条件や健康面の相談を受ける人などを決め、その役割を本人に伝えることが紹介されています。[2] 一人で抱え込まずに相談できる体制があるかは、入社前に確認しておきたいポイントです。
書面に残す時の注意点と社内共有の範囲
配慮事項を記録する目的は、本人のプライバシーを広く共有することではありません。必要な支援を、必要な人に正確に伝えることです。たとえば、「精神疾患がある」とだけ書くよりも、「急な口頭指示が重なると優先順位の判断に時間がかかるため、依頼時に締切をチャットで確認する」とした方が、現場で必要な対応が分かりやすくなります。
社内で共有する場合は、誰に、どこまで、何の目的で共有するかを確認しましょう。JEEDは、障害特性や配慮事項を社内で共有する内容・範囲について、本人の同意のもとで確認しておく必要があるとしています。[2] 共有範囲は、配属部署だけにするのか、人事や支援担当者も含めるのか、本人が納得したうえで決めることが大切です。
なお、合理的配慮は、事業主に過重な負担にならない範囲で提供が求められるものです。[3] 希望した内容がそのまま実現できない場合もありますが、代替案を含めて話し合い、仕事を進めやすい方法を探すことが重要です。
入社前に使える相談・質問例
「雇用契約書と労働条件通知書を確認しました。面接でご相談した、業務の優先順位をチャットでも確認する方法について、入社後はどなたに相談すればよいでしょうか。」
「通院があるため、事前にお伝えした曜日に勤務時間の調整が必要になる場合があります。連絡方法と相談先を、入社前に確認させていただけますか。」
「配慮事項について、必要な内容を配属先に共有する範囲を確認したいです。どのような情報を、どなたに共有する予定でしょうか。」
質問する際は、「配慮してほしい」だけで終わらせず、業務を安定して行うために必要な理由と、自分でできる工夫も添えると話し合いやすくなります。回答を受けたら、メールやメモで要点を残し、認識に違いがないか確認しましょう。
入社後に見直すべきタイミング
配慮事項は、入社前の一度きりで固定する必要はありません。業務に慣れてきた時、担当業務が変わった時、上司が交代した時、体調や通院状況が変わった時には、改めて相談するタイミングになります。
入社後1か月、試用期間の終了前、定期面談などを目安に、「今の方法で仕事を進めやすいか」「困る場面は変わったか」「支援を減らせること・増やしたいことはあるか」を振り返りましょう。状況の変化を早めに共有することが、長く働き続けるための助けになります。
まとめ:配慮事項は「働きやすさを一緒に整えるための確認事項」
障害者雇用の雇用契約書では、まず契約期間、業務、勤務時間、賃金などの基本条件を確認します。そのうえで、配慮事項については、雇用契約書や労働条件通知書、別紙、メール、面談記録などを使い、具体的な方法と相談先を明確にしましょう。
大切なのは、配慮を一方的な要望として伝えることではなく、本人と会社が対話を通じて、仕事を安定して進める方法を共有することです。入社前に確認し、入社後も必要に応じて見直すことで、より安心して働き始められます。
参考文献
- 厚生労働省「採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました。具体的には何を明示すればよいのでしょうか。」
- 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「採用決定後の取組(労働条件、職務内容、社内支援担当者)」
- 厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」

